皮膚呼吸しか知らない蛙

アスペルガー症候群当事者が、2次障害に溺れることもありながら社会に適応していく道のりを綴っていきます。

発達検査結果アセスメント事例 - WISC-Ⅲ検査結果 -

2008-12-02 21:53:12 | ウェクスラー知能検査

前回の続きです。

WISC-Ⅲの検査結果と解釈



1)アセスメントレベルⅠ
FIQ=90(90%信頼区間 85~96)
VIQ=95(90%信頼区間 90~102)
PIQ=83(90%信頼区間 86~90)
VIQとPIQの差は15%水準で統計的に有意な差があった(5%水準では有意差なし)。


2)アセスメントレベルⅡ
言語理解 VC=84(90%信頼区間 77~93)
知覚統合 PO=81(90%信頼区間 75~92)
注意記憶 FD=114(90%信頼区間 106~120)
処理速度PS=92(90%信頼区間 84~103)

FD(114) > PS(92) ≒ VC(84) ≒ PO(81)
FDとPS,VC,POとの差は5%水準で有意な差があった。



上記のみの解釈でいくと、言語性有意注意記憶有意。
・聴覚的な記憶が得意。
・言葉の操作や理解は苦手。
・視覚的な処理、絵や図の操作や理解は全般的に苦手。


といったところになるのかも知れません。


3)アセスメントレベルⅢ
下位検査項目
・<算数>、<記号探し>で「S」
・<絵画完成>で「+」
・<理解>で「W」
・<単語>、<符号>、<組合せ>で「 - 」

1.言語性下位検査に関して
<算数>
有意に高い(FDが高いのは<算数>の素点が影響)。
<理解>、<単語>有意に低い

2.動作性下位検査に関して
<記号探し>、<絵画完成>有意に高い
<符号>、<組合せ>有意に低い

3.プロフィール分析による強みと弱み
・強み
入力: 非本質的細部からの本質の区別。
統合・貯蔵: 言語記憶(Guilford)、空間視覚化、計画能力。
出力: 簡単な言語反応。

・弱み
統合・貯蔵: 言語概念化(Bannatyne)、言語的推理、文化的負荷の高い知識、常識(原因-影響)、社会的理解。
出力: 長い言語反応。

・影響因
文化的機会にあまり恵まれず。


以上が記録紙上で表面的に読みとれる対象児の能力のピースとして、次回推論に入ります。 

 



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