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かぼちゃの少女・・・二十五

2005-08-06 08:29:00 | ある被爆者の 記憶
 私は何だか拍子抜けしたが、”いいえ、何でもありません”などと、戦時下の訓練に阿(おもね)らずに、正直に言ってやれば、一時にせよ、この場に笑いが出たかもしれないのに、残念なことをしたと、また紙片に見入った。
 私が、”何がおかしい”と咎め立てされたのは、この紙片が、官製の鉄道荷札であったことが原因であった。
 おそらく、広島駅が破壊されて、落ち散ったものを利用したにちがいない。それにしても、皮肉な利用である。
 鉄道荷札を人体につけたのは、少なくとも日本鉄道開設以来の出来事であったろう。私の場合、宛名のところに、郷里の地名が書かれ、送り主のところに、学校名と私の名が書き込まれてあった。
 私が多分にやりとしたと見られたのは、郷里にこの荷物は届くかどうかと思った時だったろう。この荷物の行き先は一括して、冥土なんだと、繰り返し思った。
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