紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

新刊が出ました!

2008-06-27 05:45:45 | 2・仕事の周辺
パリ・ドイツ旅行の前にもお知らせしましたが。昨日あかね書房の編集の方とお会いして、「バアちゃんと、とびっきりの三日間」を頂いてきた。
久しぶりの新刊本。前の記事に紹介文をのせたので、読んでくださいね。

自分の書いた原稿が、絵描きさんに絵を描いて頂き、本という形になった瞬間にいつも思うのは、自分だけしか知らなかった世界が、他の人にも開かれたなあということだ。
それは嬉しい反面、こわいことでもある。
とくに今回の本は、私の母をモデルにして書いているからだ。
紹介文にも書いたし、このブログにも書いてきたけれど、母はインスリン注射が必要な重度の糖尿病で、認知症をわずらっている。
もうこの本を読むことはできない。もし本が読めたら、喜んでくれるだろうか。喜ぶより、こんなことを書いてと、困った顔をするかもしれない。

書きながら、いいかなあ、こんなことを書いちゃってもいいかなあ、といつも自分自身や母に疑問符を投げかけていたような気がする。
でも、最終的に思ったのは、誰でもいつかは年をとり、体や頭がおとろえてゆく。それは恥ずかしいことでもなんでもない。生きているものの宿命なのだ。そして、そういう姿を見せることで、母は(以前は父も)、子や孫に何かを伝えてくれているのだと思えるようになった。

バアちゃんと、とびっきりの三日間

2008-06-27 05:44:18 | 1・作品紹介
 あかね書房

 2008年6月

 絵・山本祐司

 小学校中学年以上



「主人公の祥太は小学五年生。突然、バアちゃんと二人で、暑い夏の三日間を過ごすことになる。
認知症があって、糖尿病のインスリン注射が欠かせないばあちゃんとの生活は、まったく予想もしなかったできごとの連続。ジイちゃんが死んだ話しをしていたかと思うと、少し後にはジイちゃんのお見舞いにいってくるなどという。その度に祥太は驚いたり、困ったり、時には腹を立てたり……。
けれども、そんなバアちゃんによりそいながら過ごしているうちに、祥太にもバアちゃんの望んでいることが、ほんの少しわかるようになる。そして、バアちゃんの力になってあげられることはないかと考えて、二人にとって秘密の一日が始まるのだ。」


産経新聞・書評(2008年7月28日朝刊)

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