ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

ブラインドサッカー観戦 ~前へ前へと向かうすごさ~

2015-09-07 19:29:20 | 日常

昨日6日、ブラインドサッカー(視覚障害者5人制サッカー)のアジア選手権を観戦した。
アジア選手権は、リオデジャネイロ・パラリンピックの予選を兼ねており
この日、日本対マレーシアの前に行われるイラン対韓国の試合で
韓国が勝つか、引き分けで、日本がマレーシアに勝てば
リオデジャネイロ・パラリンピックへの出場が決まるという試合だった。
ここ何日間か、アジア選手権の試合をテレビで観るにつけ
ダーリンはその試合の様子に釘付けになり、ネットで観戦するようになった。
熱しやすいダーリンは、ブラインドサッカーの虜となり
とうとう国立代々木フットサルコートで、実際に試合を見たいと言い出したのだった。


雨のそぼ降るなか、登山用のレインウェアに身を包み
バックパックにザックカバーまでした場違いな風体の我々
代々木フットサルコートの観客席にいた。
チケットを購入すると、不思議なことに、イラン対韓国の試合も観戦できるようだった。
我々は、日本対マレーシアの試合より早く行き、イラン対韓国の試合も観戦した。
日本チームのリオデジャネイロ・パラリンピック出場を願って
韓国を応援するが、イランが圧倒的に強く、4対0でイランの勝利。
これによって、日本のリオデジャネイロ・パラリンピックの出場はなくなった。
それでも、日本対マレーシアの試合はとても迫力のある、良い試合になった。


ブラインドサッカーのルールは、音の出るフットサルと同じ大きさのボールを使い
ボールを持った相手に向かって行く時には、選手の存在を知らせ
危険な衝突を避けるため、「ボイ!」と言いながら走る。
言わないと、ファールを取られる。
 敵陣ゴールの裏には、「ガイド(コーラー)」と呼ばれる役割の人が立ち
攻めている時にはゴールの位置と距離、角度、シュートのタイミングなどを声で伝える。
ゴールキーパーは目の見える人で、自陣での守りについて、選手に声で指示を出す。
また、ボールがサイドラインを割らないように施されたサイドフェンスがあり
その向こうに立つ監督は、選手たちに、ピッチ中盤のプレーについて声で指示を出す。
試合時間は前半25分・後半25分。
この日、ぴすけは初めてブラインドサッカーの試合を生で、観客席から観たのだが
サッカー日本代表の試合が霞んでしまうくらい迫力がある。
ボールを持ったらこねくり回すことなく、パスする相手をキョロキョロ探すこともなく
無責任なパスを出すこともなく、とにかく全速力のドリブルでゴール前に持っていく。
前へ前へと向かうすごさは、サッカー日本代表に見習ってほしいくらいだ。
イランの選手も、韓国の選手も、日本の選手も、マレーシアの選手も
みんな前へ前へと猛烈なスピードで向かって行く。
ドリブルで持って行って、相手チームに阻まれた時に、やっとそこで逆サイドにボールを出すが
それも、どうしてわかるのだろうと思うほど、パスが味方に通るのだ。
逆サイドでボールを持った選手は、そこからドリブルで、前へ前へ。
これはすごい。


ダーリンは、試合観戦の前に、ブラインドサッカーの疑似体験をさせてもらった。
ボールから音がするはずだが、ダーリンによると、音は聞こえないも同然らしい。
アイマスクをして、声の聞こえる方に少しドリブルをしてからシュートをするのだが
最初のシュートに失敗した後、方向がわからなくなってしまったようだった。
シュートの後、自分が思っていた正面と、声で指示された正面が違うので、混乱したらしい。
それでも、声の聞こえる方になんとか向き直り、2度目のシュートでゴールイン!
この疑似体験があっことで、余計に選手たちへの畏敬の念が強まったようだ。
私も、サッカー日本代表の試合の時に覚える不可解さを感じることなく楽しめた。
スピードと力強さのあるブラインドサッカーの観戦は
日頃日本代表の試合で消化不良気味の方に、ぜひお奨めしたい。 



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