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吾妻小舎滞在中、ぴすけの役目はいくつかあったが
なぜかそのうちの一つに、梨の袋かけがあった。
管理人・高橋さんが新潟市に所有する梨の木の手入れのため、ぴすけは否応なく連行された。
早朝に吾妻小舎を出発し、会津坂下町まで来た時、車に異常音が生じた。
ブレーキを踏むと
「グガガガガガガーッ」「ンゴゴゴゴオーーーーッ
」
と、音が鳴る
慌てて高橋さんが知り合いの自動車営業マンに電話をすると
喜多方市内の自動車修理工場を紹介してくれて、そこまでなんとか車を走らせる。
ブレーキの異常音だなんて、こ、こ、怖いよ~
ブレーキが利かなくなっちゃったら、どうするのだ
高橋さん、とにかくスピードを出さないで
ブレーキを激しく踏まないで~~~
もう祈るような気持ち
不幸中の幸いで、走行している道の交通量は少ない。
いざとなったら田んぼに突っ込むか
なんとか修理工場まで辿りつき、ホッとする
異常音はブレーキパッドの摩耗が原因で、交換には時間が必要とのこと。
高橋さんの車は工場に置いて、代車を借りて新潟へ向かう。
標高1580mから下りてきたということもあるが
新潟市内は30℃近くになっているようで、猛烈に暑く感じる
梨畑に着くと、そこの畑はそれぞれの木に所有者がいるらしく
「○○様」という札が下がっていて、ほとんどの木は袋かけが済んでいるようだった。
梨の実の大きさはピンポン玉くらいで、これくらいの大きさの時が袋をかける適期らしい。
高橋さんから、傷のある実や明らかに成長不良の実は落とすことと
写真の赤丸の実のように、1箇所から2個実が成っている場合は
小さい方の実を落として、大きい方のみに袋をかけることを説明される。
さあ、いよいよ作業開始である。
かける袋は200枚用意されているということだったが
二人で頑張っても、なんだかちっとも減らないので、高橋さんが「毎年2本で200袋ずつかけていたけれど、今年は1本に減らしたから
梨農家の人が200袋より多く用意してくれたんじゃないか」
ということだった。
じりじり照りつける太陽と、ずっと首を斜め上方に向けていることによる疲れ
かけてもかけても袋が減っていかない感じとで、けっこうヘトヘトに
なによりびっくりしたのが、梨の実があれほどまでたくさん成っているのかということ。
よくよく考えれば、受粉した花の数だけ実が成るはずだが
それがびっくりするほどの多さなのだ。
高橋さんの話によれば、間引く実を少なくすれば小振りだがたくさん収穫できるし
大きな実にしたければ、たくさん間引いて大きめの実だけに袋をかければ良いということだった。
そしてさらに驚いたのが、梨の枝が広く四方に伸びているということだった。
気をつけないと、隣の木の枝だか高橋さんの木の枝だかわからなくなってしまいそうだ。
二人ともだんだんぐったりしてきたが、1時間半で全ての袋かけが終わった。
後から梨の袋かけについて調べてみると、袋を膨らましてから底を平らにしてマチを作ると良い
などと書いてあるが、高橋さんからそんな説明はなく、ただひたすら袋をかけただけ。
大丈夫かな~?
まあ、いままでそんなご丁寧なことをしていた気配がないから、大丈夫なのだろう。
災害に遭わずにすくすく育つことを、祈っているよ~
運動疲労系の疲れではなく、ずっと同じ姿勢をしている硬直系の疲れとでも言うのでしょうか。
本当に、農家の方々の作物を育て上げるまでのご苦労が身にしみました。
梨の名産地である私の居住地でも、梨農家の高齢化により、栽培面積が減少しているそうです。
農業人口の減少も深刻ですが、ここのところの高温や、通年を通しての温暖化傾向がより顕著になっていることを考えると、気候変動で作物ができなくなるのではないかと心配しています。
梨は、くだものの中でも大好きランキングかなり上位の果物で、残暑厳しき秋の運動会(の応援)に、冷やした梨があるかないかで私の生存率が左右されます。
梨もぎブドウ狩りさくらんぼ狩りにいちご狩り…収穫時にはいそいそと参加の私ですが、袋かけは未体験です。
ところで、袋かけとは何のために行うのでしょうか?
ほかの果物は、甘味と酸味が両方ある方が好きなのですが、梨だけは甘味優先。酸味のある品種は苦手です。
さて、梨の袋かけ、全ての品種でするわけではないようです。
袋かけは
1、病害虫や害鳥による被害の防止
2、梨の表皮のきめが細かくなる
3、果実を日焼けから守る
ためにしているようです。
それと、無袋栽培だと病害虫対策として、農薬をたくさん使わなければならないそうです。
作業は大変ですが、袋かけをすることで農薬が減るなら、それはなかなか良いことではないでしょうか。
だから、出てくる時期がほんとうに楽しみです。
ま~私は時期が終わってしまえば他の梨も食べますけど…でもねえ、あのシャクシャク感と爽やかさ、透明度の高い感じ、幸水ピカイチ!
美味しい梨のためならば、私も袋の1つや2つ、かけにいかねばなりませんってほど梨を愛しています…1つや2つじゃなんの手伝いにもなりませんね、500や1000、もっとかな…そのぐらいは美味の恩恵を受けてるに違いない私です。
私の居住地は埼玉県における梨の生産中心地で、梨の出荷時期には、スーパーにも梨生産組合の特設ブースが登場。
大きさや形がバラバラな物が袋詰めになって、特価で出回ります。
とりたてて自慢するような物や場所も少ない所ですが、おいしい梨は自慢の一つです。