ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

志賀山 硯川温泉~志賀山~四十八池~大沼池

2011-07-06 07:38:38 | 登山(信越)

【7月3日(日)】
硯川バス停→前山湿原→渋池→志賀山山頂→裏志賀山山頂→大沼池→大沼池入口バス停



レースに出場するダーリンを「応援」する名目で志賀高原に来たぴすけは
見送るどころか、ダーリンがレース中に登山をするつもりで、当初は岩菅山登山を計画。
ところが、起床したら天気は怪しく、予報でも長野県の山岳地域は軒並み悪天の予報が出ていて
悩みに悩んだものの、ゲレンデを歩いていたらなんてことになってもつまらないので
昼までには下山できる、志賀山から四十八池を巡り大沼池に出るコースに変更した。

蓮池バス停6時40分発の硯川温泉行きバスに乗り、ダーリンに見送られてぴすけは意気揚々と出発。


7時5分に終点の硯川バス停を出発し、前山リフトを回りこむように造られた道を歩く。

前山リフトの頂上駅周辺に広がるのが前山湿原で、たくさんのワタスゲが白い穂をつけていた。

前山湿原からすぐ、最初の池である渋池に出る。
正面の横手山の右裾野には、レースのスタート地点であるのぞきのレストハウスが見える。

昨日の池巡りコースにも多数あったが、鉄パイプで出来たクマよけの鳴り物が至る所にある。
早朝だということもあって、ここまでで既にクマがいつ出てもおかしくない雰囲気である
吾妻連峰でクマに遭遇して以来、クマへの嗅覚が敏感になったぴすけは
かなりビクビクしながらカウベルをガラガラ鳴らし、ラジオの音量を最大にして歩く。
途中、志賀山への登山道と四十八池に向かう道との分岐があり、ぴすけは志賀山へ向かう。

少し歩くと、道の脇に穴のようなものが開いており
その中を覗くと、ヒカリゴケが美しく怪しげな蛍光色の緑の光を放っていた。
こんなにたくさんのヒカリゴケが至る所にあるのを見たのは、ここが初めてだ。

志賀山への道は、分岐にあった道標に書かれていたとおり「急な登り」であった。

8時40分、志賀山山頂に到着。
しかし、山頂は展望も利かず、唯一開けている場所からもガスに覆われて展望はなし。
そそくさと山頂を後にする。

登山道には、イワカガミが咲いていたが、白い花を2株見付けた。

志賀山から裏志賀山にかけて、鬼の相撲場の池とかお釜池・小池・元池・黒姫池などを
見下ろしながら歩くのだが、まだ池の周辺には残雪があり、そこからは涼しい風が吹き上がる。

志賀山から下りること10分で、ベンチのある展望台に着く。
そこからは、これから目指す裏志賀山や東には横手山、眼下には真っ青な水面の大沼池が眺められる。
まさに絶景
ここまで休まず歩いてきたので、昼用に持ってきたパン1個とバナナを食べて休憩。
ちょうどレースのスタート時刻である9時前後で、横手山の方角からはなにやらゴニョゴニョと音が聞こえる。
ぴすけは何を考えたのか、横手山に向かって叫び始めた。
「ダーリーーーン、ガンバレ~、みーんなーーー、ガンバレ~
後で確認したところ、聞こえなかったようである

20分ばかり休んで、裏志賀山へ。
山頂には、志賀山神社が祀られている。

志賀山神社の先は崩落でもしているのだろうか、立入禁止のロープが張られており
そこからかろうじて大沼池が見下ろせた。
来た道を戻り、分岐を四十八池へと向かう。

四十八池といっても、池というより大小の地塘が点在する湿原で
数を数えたならば、四十八どころではないのではなかろうか。

もしかしたら、今年はコバイケイソウの当たり年かも。

薄桃色の小さい花が可愛いヒメシャクナゲは、かなりの群落を形成している。

ミズバショウが、わずかながら残っている。
四十八池を散策し、樹林帯の中を大沼池に向かう。

途中、階段が延々と続くが、それほど嫌な間隔と高低差ではない。
この階段を登りに使い、志賀山の急斜面を下るよりは
志賀山の急斜面を登り、下りでこの階段を使うコースの方が歩きやすいのではないだろうか。

高度を下げ、大沼池の水面が近付いてくる。
目が覚めんばかりの青だ。

10時20分、大沼池畔に到着。
大沼池はph4.4という強酸性のため魚も棲まず、美しい水質を保っているのだそうだ。

昨日のホテルの夕食に、信州らしさが感じられなかったぴすけは
その不満を大沼池畔のレストハウスでネマガリタケの竹の子汁を飲んで晴らそうとした。
だがこの竹の子汁、多分ネマガリタケは缶詰で、出汁はなんとシーチキン
がっかり

レストハウスを後にして大沼池畔を半周ばかりするように歩き、大沼池入口バス停を目指す。
池尻からは砂利道に石が埋まっている感じの平坦な林道で
順調に歩けば12時5分発のバスに間に合いそうだ。
道は徐々に横湯川に近づき、川音を聞きながら歩くようになる。
1時間は歩いていないと思うのだが、そこに赤茶色の美しい鳥が右手の林の下草に降り立った。
大きさはヒヨドリくらいで、頭が赤茶色で体が鱗のように美しい羽で覆われている。
もう目はその鳥に釘付けで、チョンチョンと低い枝から枝へ猛スピードで飛び移るのを追って
何歩か歩いたその時だった。
ガッという音と共に、足が勝手に猛スピードで走り出し、ついには足が付いていかなくなり
助走をつけてヘッドスライディ~~~ング
何がなんだかわからぬまま、なんとか上半身を起こすと、口から血が滴り落ちてきた。
これはまずい…
顔面で受けたからか手には擦り傷一つなく、鏡を取り出して恐る恐る顔を見た。

右の頬骨・顎・鼻の下のくぼみとその周辺・左膝に擦り傷があり
鼻の下の傷がいちばん大きいと見え、そこから血が滴り落ちている。
口の中も切れたようで、口の中も砂利と血でいっぱいになった。
さて、どうしたものか
真水を持ち合わせていなかったため、傷口はお茶で洗うことにして、鏡で傷口を確かめると…

擦り傷の溝に、砂粒がびっしり入り込んでいるではないか
お茶を口に含みうがいをすると、砂利と共に吐いたお茶は赤茶色に変色している。
ペットボトルのお茶を手で受けて傷口を洗うが、痛いし沁みるしであっという間に500mlがなくなった。
鏡を見ながら口をあけたり眼球を動かしたりし、立ち上がって手足の状態を確認。
かなり強く顔を打ったため、顎が外れかかっているのか、顎が閉じなかった。
20分ばかりそこで様子を見て、鼻の下と口からは出血しているものの、バスで帰ろうと歩き始めた。
途中、散歩程度の装いをした2組とすれ違ったが、こちらが「こんにちは」と言っても
今ひとつ反応がないし、血みどろの私に声を掛けてくれた人もいなかった
みんな、冷たいな~というか、流血を見て恐れをなしたか
ダーリンが無事にゴールするまでは、怪我をしたことを知らせるつもりは毛頭なく
大沼池入口バス停に着いてから、バス停の所にある公衆トイレで再度顔の砂を洗い
11時32分に無事にゴールしたというダーリンのメールを確認してからメールを返した。
無事にダーリンが完走出来たことを喜び、ぴすけは12時5分のバスで蓮池に帰ること
途中、下山後の林道ですっ転び顔面を打ち、傷口から出血していること
とりあえずお茶で傷口を洗い、今公衆トイレの水道でもう一度洗ったことなどを書き
蓮池で手当てをしてもらえる場所があるか、聞いて欲しいと返信した。
10分後、ダーリンから電話があり、今志賀高原総合会館にある消防分団にいて
救急隊が迎えに行く必要性があるか、ということだった。
蓮池まで自力で帰れるが、傷の手当てが不十分なことと、顎が閉じられないことを告げ
定刻にやって来たバスで蓮池に戻った。
蓮池バス停に着くと、そこにはダーリンが迎えに来てくれており
消防分団まで行くと、3名の救急隊員が傷の処置をし、近隣の受診可能な病院を紹介してくれた。
ダーリンによれば、救急隊の3名は、すぐにでも出動できる態勢を整えて下さっていたとのこと。
救急隊の皆様、いろいろと手を尽くしてくださり、感謝しています。
ありがとうございました

眼球運動も問題なく、記憶障害も出ていないようなので(むしろ忘れてしまいたい
早く埼玉に戻ってから病院に行くことにして、蓮池バス停13時50分発の長野駅行き急行バスで長野駅に出て
自由席で座れる新幹線に乗り、衆人の好奇の目に曝されながら17時過ぎに自宅に着いた。
隣接市の総合病院で診察してくれるということだったので、その後受診。
顔の傷は砂が入ってしまっているため、いれずみ状態で残るから
気になるようだったら落ち着いてから形成外科で治せと言われ、ただでさえ怖い顔が
頬にいれずみ、顎と鼻の下に黒いひげが出来て、さらに迫力が増す可能性が出て来た

病院での処置後、テープだらけの顔と噛み合わせの不調であまり開け閉め出来ない口元を見て
ダーリンが「何かに似ていると思ったら、腹話術の人形みたいだ」と言った。
そんな殺生なトホホ…


ちなみに、ぴすけが転ぶ前に見とれていた美しい鳥は、恐らく赤色型のツツドリと思われる。
それにしても、美しい鳥であった



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8 コメント

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びっくり (芝刈り爺さん)
2011-07-06 20:18:17
いやはや、生きていてよかった!
いやはや絶好調の時は危ないとき。このところの歩きぶりをみると、すごい、燃えてる、頑張ってる、という感じでしたが、まあ一休みを、ということでしょうか。私もつまらないところで、靴ひもの輪が片方の金具に引っ掛かり、思いっきり転倒、しばらくアバラが痛かったことがあります。お大事になさってください。
ちなみに志賀は、その昔勤めていた、某高校の林間学校の定番で、のっきり、岩菅山、48池めぐりというハードなコースをあるいたこともあります。ただしあの時は確か、車山で軟弱に終わりにしましたが。
7月頭は予想では悪天がそこそこいい天気になった気がしています。私もみちのく方面を狙っていましたが大気の感じがあまり良くないので、気分が乗らず家にいました。

とにかくお大事にしてください。ダーリン様がいて良かったよかった。
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私の油断です (ぴすけ)
2011-07-07 10:49:41
芝刈り爺さん、御心配いただいて嬉しいと共に、油断した自分が恥ずかしいです。
未舗装とはいえ、林道は山道ではない、もう大丈夫、という気の緩みがあったのです。
もし山中で鳥を見つけたら、必ず立ち止まって足場を確保してから見るのに、もう鳥に夢中で足元も行く手も眼中にありませんでしたから。
以前は、夜空を見ながら歩いていて電柱激突でおでこに青たんということも…
救急隊員にも大変お世話になり、もう情けなかったです
本当に、ダーリンがいてくれて良かったです。
母にもそう言われました。


某高校の林間学校で、のっきり→岩菅山→四十八池ですか~。山岳部並ですね
あの時の車山でさえ、クラスメイトはブーブー言いながら歩いていましたよ
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水、真水を持ちます (芝刈り爺さん)
2011-07-07 20:02:59
教訓で、水、真水を持つことにしました。ポカリを2倍に薄め、クエン酸添加の特製水を持っていきますが、それとは別に水も持ちました。今日は近くの、猛烈に暑い低山を3時間ほど歩きましたが、確かに事故はあれこんなところで、という場所と時間におきるんですね。
私も教訓を生かして、気をつけますが、ついふとした魔が差すんですよね、景色なんか見て。
お互い気をつけましょう。
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私も (ぴすけ)
2011-07-07 21:57:05
芝刈り爺さん、私も飲用には若干薄めのアミノバイタルか、アクエリアスを2倍に薄めたのに塩一つまみを携帯しています。
ダーリンが一緒の時は、お茶や味噌汁を入れるのに水を持ってもらっていたり、自分でも持って歩いている時もあるのですが、この日はペットボトルのお茶があれば事足りると思って、真水は持っていませんでした。
反省しています。


今は、湿潤療法で傷を治療しているため、傷の痛みはありませんし、顎も首も肩の痛みも治りましたが、左膝を打ったことによる痛みが今になって出てきています。
う~ん、膝が悪くなってしまったら、かなり深刻
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ありゃ! (雨あがり)
2011-07-08 12:58:44
私は手首粉砕後、まだ山登り自粛中で、ええなぁ、ええなぁと思って読んでいたら、なに、そんなに派手に転倒を?
もうすぐ梅雨明けでいい季節になるというのに、ご愁傷さまです。
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打撲は案外予後がいい? (芝刈り爺さん)
2011-07-08 19:52:13
お見受けしたところ、正面からの激しい打撲と見ました。じん帯をひねったとかではないと思われます。この段階で無理すれば関節炎、などになり慢性化しかねませんが、じっと我慢、無理せず我慢、そして優しく歩き始める(大事とって2,3週間後)。まだ若いんだから大丈夫ですよ、と思います。左右のじん帯やらが痛いならまた更に安静して、リハビリ。じん帯(そして人体も)は強いのです。
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あちゃ! (ぴすけ)
2011-07-08 20:33:54
雨あがりさん、「いいでしょ~」なんて言って、浮かれていたのだと思います。
昨年の体力と比べると、今年はなんだか充実している感触があったので、ガンガン歩いていましたから。
傷の出来方を見た病院の医師に、「どうして手をつかなかったの」だの、「この傷の出来方、顔のいちばん低い所にいちばん大きな傷が出来て、鼻にはかすり傷一つない。どうすればこういう傷が出来るんだ」とか、「顔と肩は右側が中心なのに、どうして左膝をすりむくの」とか、もう散々言われました。
手をつくどころか、何が起きたのかさえわからない状態だったので、立派に顔面着地
手をついた、あなたはえらい
お互い、ゆっくり養生しましょう。
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まだ若い…!? (ぴすけ)
2011-07-08 20:40:01
芝刈り爺さん、じん帯は痛くないです。
膝頭の傷の周辺に、痣もできていますから、正面から打ったのだと思います。
顔の傷も鼻の下だけになりました。

まだ若い…
おっと、浮かれるところだった
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