ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

白馬鑓温泉に行っただけ(前編)

2018-08-26 07:10:23 | 登山(信越)

8月14日(火)

猿倉→小日向のコル→三白沢→杓子沢→鑓温泉下→白馬鑓温泉

かねてから念願の白馬三山縦走に向けて
夏休みを利用して実行に移したぴすけとダーリン
第二次世界大戦中、母は白馬村に学童疎開し、白馬村の皆さんに大変お世話になった。
3年前、母のたっての希望で、母を連れて疎開先のお宅にほぼ間違いない旅館に宿泊し
疎開先のお嬢さんともお目にかかることができた。
その時の仲立ちをしてくださったのが、その年の年度末まで村に勤務されていたT氏で
T氏には村内を案内までしていただき、「夏は登山に来ます!」とお約束したものの…
その年は予定していた日にちに白馬は悪天で山行中止。
別の山に行った
翌年は、ぴすけの体調が恐ろしく悪化し、在宅療養。
どこの山にも行けなかった
そして昨年は、身辺に急変あり。
どこの山にも行けなかった
まるで「行く行く詐欺」のようで、どうやら白馬にはご縁がないのかも
とまで思うようになっていた。


しかし、やっと今年、白馬三山縦走計画を実行に移すことが可能になった。
自宅から自家用車で白馬に向かい、八方第2駐車場に駐車。
刻々と迫るバスの時間。
しかし、ダーリンは支度に大わらわ。
すると、どこからともなく近づいてきたタクシー乗務員が
「バス代と同じ値段で猿倉まで行きますよ」
と言うではないか。
渡りに船(タクシー)と乗った我々は、乗務員の楽しい案内のもと、あっという間に猿倉に着いた。

8時50分、猿倉荘で身支度を整え、夏山相談所の相談員の方に登山道の状況を確認。
この時点で、既に恐ろしく暑く、テラスで休む人のなかには上半身裸だったり
下山してきた人々は、おしなべて髪の毛はびしょぬれで、真っ赤な顔をしていたりした。
ちょっと、嫌な感じ

9時10分に猿倉荘を出発する。
すれ違う下山者が、汗だくで真っ赤な顔をして、とても疲れている様子の方ばかり。
とても、嫌な感じ

9時23分、大雪渓と鑓温泉に向かう道が分かれる、鑓温泉登山口に到着。
鑓温泉まで、4~5時間と書いてあるが、我々は、休憩を含めて6時間を予想。
ゆっくり歩き始めた。
東北の山を多く歩いている我々からすれば、登山道の状態は快適で
沢筋の落石や崩落に気をつければ、危険な個所や不安定な場所も取り立ててなかった。

11時45分、やっと小日向のコルに到着。
この時点で、ぴすけは熱さと荷物の重さのために、既にバテていた。
ところが、下山してきた2人連れのうちのお一人が、ひざを痛めたという。

3か月前には脳梗塞で1か月間入院していて(どうして白馬に来たんだ~)
すっかり筋力が弱くなっていて(どうして筋力が回復してから来なかったんだ~)
小蓮華山で転んで以来膝が痛くて(どうして引き返さなかったんだ~)
やっとの思いでここまで来たけれど(来なくていい引き返せ~)
私、79歳なの、フフフ(それはいくらなんでも、いくらなんでもご勘弁を~)

と言うではないか
ダーリンがテーピングテープを持っているので差し上げると
その場でテーピングをし、少し楽になったという。
余分のテープも差し上げて分かれたが、無事にゆっくり下りて、事なきを得たことと思う。

小日向のコルで若干の小休止をして一息ついたものの
手はしびれるし吐き気はしてくるし、ぴすけに熱中症と思われる症状が出始めた。
ダーリンに荷物を少し分けて、ぴすけの荷物は少し軽くなったが、相変わらず苦しかった。
12時、見晴らしの良い場所に出て、手頃な石の上に腰かけて昼にしたが
ぴすけは買ってきたおにぎりを食べることすらできず、うずくまって休んだ。
かなりの時間休んだような気がしているが、どのくらいの時間が経ったのだろう。
ダーリンはおにぎりを食べ終わり、ぴすけの気分も少し良くなったので
再び歩き始めたものの、相変わらずの暑さと、汗が全く乾かない湿度にげっそり
しかし、少し歩き始めた先に、鑓温泉小屋が断崖に貼り付くように建っているのを見つけると
俄然勇気が出るどころか、まだあんなに高い所まで行かなければならないのかと
身も心もくじけそうになった(これホント。かなりつらかった)。

13時、三白(サンジロ)沢に到着。

10分ほど歩くと、1時間前には小さかった鑓温泉小屋が、かなりはっきりと見えるようになる。

13時30分、涼風が吹き抜ける杓子沢に到着。
まだベンガラの跡が残る雪渓があったが、上部には橋が架けられており、そこを渡る。

杓子沢の涼風に吹かれて、少し持ち直したぴすけ。
しかし、天候がだんだんと怪しくなってきた。
八方を出る時は、午後は雨だと言われていた。
杓子沢を渡ったところで、案の定雨が降ってきた。
安全な場所まで移動し、レインウェアの上着だけ着る。
杓子沢の涼風で下がった体温が、上着を着用したと同時に上がっていくのがわかる。

あ゛つ゛い゛
あ゛つ゛い゛~~~~~っ

そうは言っても脱ぐこともできず、落石沢を慎重に、かつ、とっとと横断。
やっとの思いで鑓温泉下の道標がある場所に出たが
この時はもう、私もダーリンも、写真を撮る元気さえなかった。

ヘロヘロになりながら、やっとの思いで斜面を登ると
先に到着していた男性たちが、露天風呂で裸体も露わにしつつ湯船の縁に座り
とぼとぼと歩いていた我々を、優越感漲る眼差しで見下ろしていた
崖にへばりつくように張られていると感じたテントも、それなりのスペースに張ってあった。


鑓温泉小屋到着時刻は14時45分。
予想通り、休憩を含めて約6時間の道のりだった。
あ゛ー、つ゛か゛れ゛た~~~~~



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