ウィトゲンシュタイン的日々

日常生活での出来事、登山・本などについての雑感。

オリンピック招致運動のいやらしさ

2013-03-08 20:39:05 | 日常

今日になって、オリンピック招致運動の話題がメディアから激減し
やれやれと胸をなでおろしたぴすけであるが、2020年のオリンピック東京招致については
皆さんもいろいろとお考えになられていることと思う。
もともと私は、オリンピックになると盛り上がるナショナリズム的風潮に対して
不快な思いしかないので、今回の招致運動に対してもかなり冷ややかである。


それにしても、IOC評価委員の来日に際しての、あのアピールのいやらしさといったら
それのどこが「美しい国、日本」なのだろうと首を傾げざるを得ない。
「美しい国、日本」の提唱者自身が、恥じらいも見せずいきなり歌い出し
それが衆目の面前で披露するほどの歌声ではないことに絶句。
そういや彼は、「美しい」ではなく「ウチュクチイ」と言っていたことを思い出し
彼の「ウチュクチイ」いう概念と、私が抱く「美しい」という概念は
まったく違うものなのだと、改めて強く確信した。
しかも、今回の招致運動の目玉は「おもてなし」なのだとか。
「おもてなし」などとさも流麗なコトバを用いているが、要は税金を使った「接待」ではないか。
それをメディアが、まるで国民の総意のように恣意的に盛り上げている。
IOC評価委員が、そんな「接待」に左右されず、開催地としてふさわしいかという点のみにおいて
公正に判断されることを願っている。
私がIOCの評価委員だったら、自分の家族にバースデーカードを送ってきたり
過剰な「接待」をされたら、そのいやらしさに不快感を抱くのだが…。


こうしてオリンピックの招致運動の話題で、盛り上げるだけ盛り上げて
その舌の根も乾かぬうちに、3月11日には東日本大震災の話題にビューっと振れるのだろうか。
いまだにさまよい続けている被災後の状況や、この国の原子力政策
子供が外で遊ぶことさえできない福島の高線量地に住まざるを得ない人々のことを考えると
あのオリンピック招致運動のバカ騒ぎに、違和感を覚えるのは、私だけではあるまい。
それを平然とメディアで垂れ流し、東京周辺だけで浮かれまくっているように見えるこの様子の
どこが「美しい国、日本」なのだろうか。
きっとこれが、安倍首相の目指す「ウチュクチイ国、日本」なのだろう。



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