道草あつめ

日常思いついた由無し事を、気ままに拾い集めています。

「東京人」観察学会

2006-11-30 12:07:09 | 街中
……と言っても、このブログを観察する学会ではナイ。

京王線のホームで見た広告につられ、
日大文理学部100周年記念館で催されている、
"「東京」を観る、「東京」を読む"展に行ってきた。

感想を一言で言うならば、「おもしろい」の一言に尽きる。
展示されているものは非常に興味深いものばかりであった。

建築ジャーナルによる、東京駅と丸の内の変遷を写真によってたどる展示も良かったが、
やはり、メインである「東京人」観察学会というゼミによる展示が非常におもしろい。
コンセプトは都内のあるスポットで撮った写真に、社会学的解説を加えるというものであるが、
非常に平易な文章で誰にも分かるように、しかし独自の観点と機知を利かせた表現で書かれている。

例えば、銀座の歩行者天国の写真。
歩行者天国の時間帯に多くの一般人が訪れるのにも関わらず、
銀座の高級店の経営を支えるのはやはり裕福な上流層という現実を述べる。
しかし、庶民は買い物をせず、直接は銀座の経営に寄与するところはないのであるが、
人が行き交う賑わいによって休日の銀座を演出しているのであり、
その貢献について「エキストラ」と表現しているのがふるっている。

あるいは、東京駅を丸の内側から見た写真。
かつて旧丸ビル以来守られて来た高さ30mの美観が破られる経緯が述べられ、
現在では巨大な新丸の内ビルによって、東京駅、そして皇居の威厳が損なわれているかに見えるが、
これら両脇に並び立つ巨大なビルが、「衛兵」として、
むしろ威厳を拡大しているのではないかと、柔軟に解釈する。

また、こうした定番スポットだけでなく、マクドナルドもあれば墓地の写真もあり、
様々な素材を用いて多様な問題をそれぞれの視点で取り扱っており、
見る人を飽きさせない。

今回はもう終わりだが、毎年開催するらしいので、
来年も是非行こう。


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