上の白いボロ雑巾のような犬は、ノルジン・ラムというティンプーの目抜き通りでお昼寝でした。下の黒犬達はいつもここにたむろしていて、近づいてカメラを向けたとたんに吠え繋ってきた。夜、こんな奴等に合うと危ない。
ブータンに着いて最初の週末で、やっと気持ち的にのんびり出来るので、ブータンの印象を書き留めておきたい。今までに行ったアジアの国々、インド、ネパール、タイ、フィリピン、インドネシア等とブータンが違う点がある。そろそろ、こちらに来て1週間が経とうとしているが、まだ一人の物乞いも見かけていない点だ。着いたばかりの狭い範囲での話で、まだ本当のところが見えていないのかもしれないが、上に挙げたその他のアジアの国々では、到着直後から社会の末端の貧困は隠しようも無く眼に飛び込んでくる。それに比べてブータンでは道端に座り込んでいる物乞いも、裸足でボロをまとったストリート・チルドレンもまだお目にかかっていない。皆こざっぱりした服装で、のん気に町を歩いているように見える。教育や医療が無料という明らかに高度な社会保障がある現実とあわせ、なぜブータンだけがこのような社会を形成出来ているのか?この疑問は私のブータンでの二年間のテーマとしたい。二年後にブータンを去るときまでに、この第一印象が認識違いなのか、或いはそれが正しいとして、何がそうさせているのか、に関する幾ばくかの結論を得たいものだ。
フーテンの虎さんの言葉に”ボロを着てれば心もボロよ”、というのがあるが、ゴやキラをキチンと着て歩いている人々は心もボロでは無さそうだ、というのが私の第一印象です。