昨日からブラジルのニュースではしきりに「Dia Internacional das Mulheres 国際女性の日」で盛り上がっています。
女性を巡る様々な問題ー今ブラジルで一番話題になっている問題は「女性に対する侮蔑・虐待」の問題、「女性の家庭内の過重な負担」の問題だそうです。
特に、「女性に対する侮蔑・虐待」に関する問題は深刻で、家庭内での暴力で死に至るようなこともあると言います。
また、男女間のトラブルで銃や刃物での殺傷も、新聞などでよく見かけます。
もともと、ブラジルは「男性優位 machismo」の国で、男性に対して女性の立場が低く見られています。
女性の暴力問題を扱っている弁護士団体の調査によると、2023年には前年比で20%ほど多く、暴力被害の届けが出されたそうです。
被害の中には、家庭内での年少者への性的虐待も含まれていて、大きな問題になっています。
都市部では教育機関等で、このような暴力や女性に対する侮蔑を無くす教育が行われていますが、地方の農村部などでは届け出もされない女性虐待が続いている実情があります。
都市部でもファベーラなど、人口が密集している地域では、女性への暴力が多く行われています。
また、街の中の普通の知識階級が通うような場所でも、女性への侮蔑が行われ、大きな問題になることがあります。
一昨年、サンパウロのスポーツジムで、43歳の実業家男性が自分の使いたかった運動器具を使用していた女性に対して、身体を押しのけ、髪を引っ張り、その顔につばを吐きかけるという出来事がありました。
この様子はカメラに収められていて、その後この男性は裁判で有罪となりました。
この男性は他にも多くの女性に対して暴力的な行為を行っていて、何人かの女性が暴力を受けていたと名乗り出たそうです。
ペケママは30年ブラジルで暮らしていますが、幸いにしてこのような場面に遭遇したことも、目にしたこともありません。
これは、幸運なことだったのだなと、しみじみ思います。
こうした暴力問題の他にも、日本で少し前に問題になっていたような、女性の給料が低い問題、社会的な進出の機会が少ない等々、様々な問題がニュースで取り上げられていました。
今日は朝から街角で、小さなブーケがたくさん売られていました。
「国際女性の日」は、「クリスマス」や「恋人の日」と並んで、プレゼントの売れ行きが伸びる日なんですって。
先ほどの弁護士団体の調査レポートはこのように締めくくられていました。
「私たち女性は、花やプレゼントが欲しいのではありません。女性としての、
人間としての 尊厳が欲しいのです。」
「Dia Internacional das Mulheres 国際女性の日」が、ただのイベントの日になってしまわないことを、願うばかりです。