おとのくに♪♪

生徒さんのピアノレッスンで感じたこと、考えたこと、コンサートの感想などポツポツ綴っています。

日本人の音楽教育#5 根本的な根深い問題かと・・

2019年04月18日 | 書籍紹介
ロナルド・カヴァイエ先生の<日本人の音楽教育>という本から「音楽は芸術」「絶対音感」「家庭の音楽環境」「初心者のテキスト」とご紹介してきました。

30年以上も前に書かれたにもかかわらず、今の日本にも変わらず存在する問題と感じました。

他にもいくつか書き足したいと思います。

「ピアノほど非音楽的に機械的に弾くのに容易な楽器は他にない。」

「ソルフェージュやヒンデミットの高度な問題がこなせても、それがモーツァルトやベートーヴェンの比較的単純なソナタを音楽的に演奏することにつながらないのは極めておかしなこと。これらの訓練が音楽の演奏に何ら役立たないのであれば一体何のために訓練しているのか。言ってみれば一種のトリックのようなもの。トリックをそれ自身の目的のために行うことほど意味のないことはない。」

「テクニックというのは音楽的なテクニックを指す言葉。大きな音で速く弾く技術ではない。音の微妙な色彩、声部のバランスをいかに考えるか、音をどのようにコントロールするか。ラドゥ・ルプーが”生徒の作り出す音そのものの性質や色彩を一番の関心にしない教師を私は知らない”とはっきり言っている。」

「日本の学生は長い間音楽に携わっていても、微妙な音の色彩の差異、特異性に気付くようしむけられてこなかった。半ば教育的、半ば環境の問題が潜んでいるように思う。”すごい!ミケランジェリのこの音に注目せよ!”といったふうに感激と驚きで反応しない環境に育ったということも一つの原因かもしれない。」

「音楽に対する総合的、全体的な知識の不足は自分が耳にしたものを分析する能力をも欠く。このような能力の欠如は、音楽教室や音楽大学のカリキュラムを少し手直しした程度ではどうしようもないほど深い問題だ。」

厳しいご意見です。
しかも私が学生だった頃の話ですので、この話は他人の話ではないのです。

しかしこれらのことにずっと気付かなかったわけではありません。
何かおかしいと思ったから私の場合はフォルマシオン・ミュジカルやロシアンメソッドにたどり着いたのです。

ただ、周りも変わっていかなければ単なる変わり者です。
他の先生はそんな事やっていない、お友達はそんな事やっていない。

若い先生がソルフェージュというのは演奏と関係のないもの、そういうものと思い疑問にも感じていなかった話を聞いてショックを受けました。
昨年の話です・・
ワークも同じような気持ちで使っているのかなと思いました。

ピアノは触るだけで音が出てしまう楽器です。
息を吐いていようが吸っていようが止めていようが、音は出せます。

だから難しいのです。
それはピアノの本当の音ではないから。

ピアノの本当の音を初めから子供たちに聴いてもらう、知ってもらう。
保護者の方にも知っていただく。

最近コマーシャルで聞こえてくるピアノらしき音が電子楽器の音が多くなり、いや~な予感がしています・・

電子オルガン化する電子ピアノ・・(電子オルガンの方がずっといいです。)
今や、クラシックピアニスト風な音、ジャズピアニスト風な音、木漏れ日の森のような音、サイレントナイト風、ノスタルジア風、など音色の種類も増えています。

人の持つ気持ちまで電子音化し始めているようで気分が悪い・・
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