生徒さんが作曲した4小節のメロディーを連弾にアレンジした曲集、「おとのくにへ」
以前録画したものですが、作った本人が演奏した動画で再生リストを作りました。
出版した楽譜とアレンジが多少、異なる曲があります。
また、実は改訂した版を皆様にお届けしておりまして、最初に作った版と現在のもので異なる曲があります。
私は最初の版を使っておりますが、使いながら、終止していない曲が2曲あるので、他の先生方には違和感があるかもしれないと思い、悩みながら1曲差し替えました。
こういう時に、アドヴァイザーが必要なのだと、あとから思いました。
一人で作っていると、何が本当に良いのか分からなくなります。
アレンジの音についてもそうです。何度も聞いていると耳が慣れてきて、どちらが自然か分からなくなります。
その日はこれで良いと思っても、数日経つと違和感を感じてまた直したりして···
作曲家ってこういうことの連続なのだなと、どこかでこれで行こうと決心する必要があるのだなと知りました。
演奏家は解釈が変わっていく事が成長の一つでもありますが、曲を作ったり編曲をする人たちは発表したものが完成なので、演奏家とは異なる世界の音楽家だと今になって思いました。
ブラームスが最初の交響曲に21年かけた。
ドビュッシーが和声法を逸脱して、見事な音世界を作り出した。
ショパンが生前出版されなかった曲は破棄してほしいと言った。
作曲家の自己との闘いと勇気、信念。
ハァ~、凄い人たち。
尊敬の方向が別の方にも向いてきました。
話が逸れましたが、この曲集を作って一番良かったと思うのは、生徒さんと同じ子供が作った曲なので親近感があるようで、どんな曲だろう、どう弾こう、と生徒さんが自分で考えて弾こうとすることです。
最初の1、2曲は、私が曲名や挿絵から何が表現されているか話していましたが、3曲目ともなると生徒さんが自分で考え始めます。
この経験が、他の教本や曲集でも活かされることを願います。
実際に使って下さった先生方が、生徒さんが「もう1回、もう1回」と弾きたがった、子供さんたちにとって大切な1冊になりそう、と仰って下さったこと、もう感無量 です。
ハーモニーを気に入って下さった先生が多く、難しい曲を弾かせがちだったけれど、ハーモニーを感じることの楽しさを生徒さんが感じたようだと。
ハーモニーに関しては、私が編曲で出来ることはこれしかないので、考えた甲斐がありました