ロシアンメソッド、重力奏法。
ピアノを弾く人や教える人がよく耳にするこの二つの言葉。
人によって捉え方にばらつきがあるかもしれません。
ここにロシアピアニズムが入ってくると更に区別がつかなくなってくるような具合で··
私個人の見解ですが、自分では次のように整理しています。
ロシアピアニズムに関してはピアノ初心者が行える世界ではありません。
また、ロシアで学んだり、ロシア人に師事し勉強した人たちでなければその表現法は教えることはできないと思います。
なので、それを求める人はそのような先生を探す必要があります。但し、ロシア人だから全て同じように弾くわけではないと理解しておく必要もあると思います。
その表現の基礎に当たるものが重力奏法です。
これはピアノの一般的な奏法です。
この奏法を身に付けるのに効率よく考え出されたのが、ロシアンメソッドと理解して良いのではないでしょうか。
以下は私のホームページに載せてあるものです。宜しければ参考にお読み下さい。
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ピアノはとても大きな楽器です。
その楽器を鳴らすにはとても指だけでは鳴らすことは出来ません。腕の重さを使うことが必要です。
この腕の重さを使って弾くことを重力奏法と言います。これはピアノを演奏するための一般的な奏法です。
腕は腕の根元である肩甲骨から使います。
肩甲骨から大きく腕を使えるようにすることから習い始めるものをロシアンメソッドと言っています。
このメソッドは、「3の指」で「ノンレガート(一音ずつ繋げずに弾く)」から始めます。
この時に講師が生徒さんの腕が力みなく、柔軟な手首で、そして指の関節がぐらつかないように手を支えます。
ノンレガートのあとは、レガート、スタッカート、アクセント、テヌートという音の発音法を短い曲の中で覚えていきます。
これはピアノ演奏の公式の様なもので、基本的な手の使い方があるのです。
これらが気持ちの伝わる演奏へとつながります。
これはプロになるために行う特別な導入法ではありません。
効率よく身体を使い、表情のある音を生み出すこと。
曲から受け取った想いを、聴いている人に届けることができるように。