キーシンの先生や上原彩子さんの先生、最近ではドヴガンの先生、ジョージアのツォトネ・ゼジニジ君の先生。
皆さん女性の先生です。
女性の先生は名教師が多いように思います。
飴と鞭を上手く使い分けていらっしゃることもあるかもしれませんが、体格の面で子供に教えることのできることが多いのでは、と思います。
ピアノは腕を根元から使い体を大きく使えた方が、音が鳴り表現力が豊かになると思います。
体が小さいと腕をしっかり動かさないと音が鳴りません。
鳴らないと指が弱いと考えてしまい、そちらを鍛えようと無理な練習に走ってしまう。これは昔の日本人です。
先日、河村尚子さんのラフマニノフ2番のコンチェルトの動画をご紹介しました。
腕はこう使うというのがよく分かります。
同じ曲で、清水和音さんの演奏が自動で出てきましたので、どう演奏されているか拝見しましたら、ほぼ腕は動いていません。
動かなくとも、肩幅があり、手の平に厚みがあり、指が太く、腕もおそらく太く、胴体も太いと思われるので、そのような方は腕をただ下ろすだけで音は鳴るわけです。
男性のピアニストや先生はそのような条件を持っていらっしゃる方が女性よりずっと多いと思います。
動かさなくとも勝手に音が鳴る人と、動かさないと鳴らない人では教える時に差が出ます。
趣味で習っている人たちは、男女にかかわらず専門家のようにピアノを長い時間弾いているわけではないので、椅子に座ったまま体を上手く使うことが上手にできません。
なので、音が鳴らない人が少なくないのです。
だから余計に、腕を大きく使うことをまずは身に付けてほしいと思います。
腕は上に上げれば肩甲骨は必ず動きます。
それを下ろせばいいだけです。スラーの始まりの音でまずは必ず実行すること。離れた音も横にずらすのではなく、上に上げて移動する。
下ろし方は先生にちゃんと教わる必要があります。叩いて良いという意味ではありませんので。
曲が複雑になると、スラーの開始が左右で異なるものの連続になります。
それが両手同時のタイミングになったら、同じ方向を向いて音楽が進みだしたということです。
長いスラーになったら重さをなくさないように弾いていきます。
途中で下手に手首を動かすと、水中から何度もプカプカ口を出して息を吸う金魚のようになってしまいます。
(金魚が上の方に上がって口をパクパクさせるのは水中に酸素が足りない酸欠状態で、水中でゆっくり口パクパクは酸素が足りているのだそう。ピアノ演奏は重さ=酸素と考えると分かりやすいかもしれません。)
冒頭の所を比べてみて下さい。