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アニメバブル崩壊 DVD不振、新番組も減

2009-05-06 15:56:49 | エンターティメント情報
アニメバブル崩壊 DVD不振、新番組も減

 日本の「ソフトパワー」として期待を集めるアニメが、06年ごろをピークに作品数もDVD売り上げも減り続けている。今春の新番組も激減。関係者は「アニメバブルが崩壊し、右肩下がりの時代に入った」と話す。(小原篤)
 制作会社などで作る日本動画協会によると、1年間に放送されるアニメ番組は00年には124本だったが、06年には過去最高の306本と急増。それが08年には288本に減った。4月開始の新番組も、06年の60本台をピークに減少に転じ、今年は30本台の見込みだ。
 同協会の山口康男専務理事は「数年前からのバブルがはじけた。少子化と不況で市場は右肩下がり。業界は人余りからリストラへ進むのではないか」と話す。

■深夜放送で人気
 バブルをもたらしたのは、90年代後半から増え始めた深夜アニメ。キー局、UHF局、衛星放送などで深夜帯に放送し、ビデオソフトを収益源とする青年向け作品だ。90年代半ばの「新世紀エヴァンゲリオン」のヒットを受け、制作会社とビデオ会社、出版社などが組んで競うように作品を送り出した。テレビ放映は、ソフトを売るための30分間のコマーシャル、という側面もあった。
 「放送局は、余っていた深夜の放送枠が売れ喜んだ。マスコミは『海外でも人気』『萌(も)えブーム』などと持ち上げた。景気回復で投資先を探していた金融会社や新興のIT企業なども参入し、本来ニッチな市場に過剰な期待が集まった」と、あるプロデューサーはバブルの構造を解説する。
 「剣風伝奇ベルセルク」「マリア様がみてる」「ローゼンメイデン」「ひぐらしのなく頃に」「マクロスF」など、様々なヒット作や話題作が生み出され、深夜は「アニメの楽園」と化したが、ソフトの売り上げにはかげりが見えてきた。
 日本映像ソフト協会の統計では、日本のアニメソフトは05年に国内で約971億円、06年に約950億円を売り上げたが、07年には約894億円、08年は約779億円と下降線をたどる。
 「ソフトが売れないのは、増えた作品がどれも、美少女やメカといった売れそうな要素を並べただけで似たり寄ったりだとファンが気づいたから」と、別のプロデューサーは話す。「ハイビジョン録画機が普及してきたし、不況で若者の可処分所得も減り、ソフトは厳しい選別にさらされる。それに耐える力のある作品を作るしかない」

■海外も伸び悩み

 人口減で縮小する国内に代わって期待される海外市場も、伸び悩んでいる。代表が米国だ。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)の推計によると、米国での日本アニメの市場規模(キャラクター市場を含む)は、03年の48億ドルをピークに07年には28億ドルまで減少した。ソフト(DVD・VHS)の売り上げも02年をピークに下降基調だ。
 DVD不振はネットでの違法配信が一因。日本で放映された数時間後には、ファンが字幕をつけ動画投稿サイトやファイル交換ソフトを使い配信してしまう。
 そこでテレビ東京は今年1月、米国の動画サイトで人気アニメの即日配信を始めた。キー局では初の試みだ。現在9番組を、日本での放映から約30分後に有料会員向けに字幕付きで配信、7日後には広告付きで無料配信している。同サイトでは今春、フジテレビ作品も配信を始めた。
 テレビ東京の川崎由紀夫アニメ事業部長は「違法配信を抑制し、待たずに見たいというファンのニーズに応えた。いずれはサイトを通じて関連商品も買えるようにし、世界中のファンから直接お金が入るビジネスモデルを確立したい」と話す。開始から3カ月で、約1万8千人の有料会員を獲得したという。

■量より質重視へ

 石油ショックによる不況時には、「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「機動戦士ガンダム」などがアニメブームを巻き起こした。この頃の年間作品数は100本以下。90年代のバブル不況には「エヴァ」や深夜アニメの隆盛があった。この頃は150本前後だった。
 年齢層を広げ市場を開拓して成長を続けてきたアニメだが、「もうそんな余白はない」と山口専務理事。「年間の総制作分数で、日本はすでに中国に抜かれたはず。これからは量より質を重視し、国公立大学でアニメをじっくり教えるなど、官民が力を合わせて質の高い人材を育て、それを日本の強みとする道を考えるべきです」


2. 大ヒット『何も言えなくて…夏』 JAYWALK 『R35』で再評価 音楽で『もう一度』人生豊かに

 一九九一年の大ヒット曲「何も言えなくて…夏」が、三、四十代をターゲットにした企画アルバム「R35 Sweet J-Ballads」で再評価されたロックバンド「JAYWALK」。昨年から今年三月にかけて、この曲のアンサーソング三部作を発表、さらに先月、三部作の集大成となるアルバム「STORIES」をリリースした。ボーカルの中村耕一に新作に込めたメッセージ、「大人の音楽」への思いを聞いた。(宮崎美紀子)
 「STORIES」にはタイトル通り、短編小説集のようにラブストーリーはもちろん、さまざまな物語のある曲が収められている。核になったのは「何も言えなくて…夏」のその後を歌った「もう一度…」と、「Deja-vu~君がいた夏~」「ここから、すべてが」の大人のラブソング三部作。「アルバムを作っていくうちに、愛とか恋とかを超えてテーマが広がっていった」と中村。
 「一度音楽から離れてしまった人たちに、もう一度音楽を楽しんでほしい」。それが、彼らがアルバムに託した願い。「音楽が好きでバンドまでやっていた友人が、社会に出て重荷やしがらみを背負い、音楽を聴こうと思う心のゆとりすらなくしてしまっている。いざ聴こうにも聴ける音楽がないっていうんです」
 「もう一度…」は別れた二人が再び恋をするラブソングであると同時に、聴く人それぞれが「もう一度」の下に自由に言葉を当てはめられるように、「ここから、すべてが」も「たいていのことは何歳でも始められる」というメッセージが込められている。
 「中年」と呼ばれる人たちも音楽に夢中だった時代がある。眠っていた音楽への渇望に火をつけたのが、企画アルバムとしては異例の百二十万枚を売り上げた「R35」だった。大人のロックを発表し続けてきた彼らにとって、「R35」と、その後の「R35ライブ」やテレビ出演など一連のブームは、自ら仕掛けたものではないが、率直に「うれしいこと」と言う。「音楽ってなくても困らないけど、あったら人生が豊かになるって思い出した人が多いんじゃないかな」
 JAYWALKは来年、結成三十年を迎える。サザンオールスターズが活動を休止した今、ロックバンドとしては長老組だが、「十年も三十年もたいして違わないし感慨もない。いつも通り、前しか見ていない。自分たちに刺激になること、新鮮に思えることをやっているだけです」。