秋以降の観劇予定

2008-08-28 15:08:01 | 演劇
秋以降は恐ろしいくらい注目作がずらり。
取った分は・・・
・9月
花組芝居「怪談牡丹燈篭」
赤坂歌舞伎
・10月
平成中村座「仮名手本忠臣蔵」
 Bプロ行く人多いんでひねってCにしてみました(笑)
 案外Dがよかったりして?
 4パターン行ける人は少ないでしょうから,ブログの感想記事の交流がすごくなりそうですねぇ。
サド侯爵夫人
 アトリエダンカンプロデュース,鈴木勝秀演出は篠井さんとはもう長いですね。
 花組芝居退団後初,18年振りに篠井英介・加納幸和の共演となります!
 三島由紀夫もやれなかった女形での上演,全員男性という配役も見もの。
  
検討中の分(発売前など)
10月国立劇場歌舞伎「大老」
 国立はなんといっても国立なのでお安く見られるところがお得です。
 一番安い席だと1500円と映画以下の値段なんですよ~。
 大河ドラマでも井伊直弼が死んだばかりなのでタイミングがいいですね。
 見たい理由は内容や役者じゃなくて~別のところにあるのですが~

11月国立劇場歌舞伎「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)」
 江戸川乱歩を歌舞伎に!
 このポスターが乱歩っぽい。
 乱歩は好きで何冊か持っていますけど,結構歌舞伎向きなのかもしれません。

12月新橋演舞場 年忘れ「喜劇まつり」
 年忘れに藤山直美。しかも4本主演。笑ってほろりと終わる年末いいねー。
 これは見なあかんやろ(笑)
 こういうちょっと古いお芝居を,しかも父の後を継いでできるのは彼女しかいないもんね~。
 藤山直美は舞台で見てなんぼですから。

そしてこれはお芝居ではないですがジュリー還暦ドームコンサート。
すごい長丁場でびっくり。15時に始まって休憩ありで21時30分までって・・・
あれもこれも歌ってくれそうです。 
コメント (5)
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八月納涼歌舞伎第3部

2008-08-28 14:12:06 | 演劇
第3部,千秋楽に行ってまいりました。

「紅葉狩」
勘太郎主演。
紅葉狩をする一行(実は鬼女達)と出会った平維茂(橋之助)。
酒の席でまどろんでしまった維茂だが,山神のお告げによって目を覚まし,
鬼女を追っていき戦う。
維茂の持つ名刀小烏丸によって鬼は退散する。


あふれかえるほどの紅葉の中に紅葉柄の着物の更科姫(実は鬼女)。
くどいなぁ~と思ったけど,この紅葉づくしなのが鬼のぎらぎらした感じを表しているのかな?
橋之助はこういう二枚目役が合いますね~。
山神の巳之助(三津五郎さんの息子)はまだまだ若い(平成生まれ!)なので,山神の力強さがまだない。
動きも必死でやっているという感じですが,初役でこれからこれから。

「野田版 愛陀姫」
オペラの「アイーダ」を野田秀樹が解釈し,歌舞伎に。
これは歌舞伎か?といろいろな意見があるようですが,今までの野田歌舞伎より歌舞伎らしいんじゃないかな?
まぁこれは歌舞伎でこれは歌舞伎でないという線引きもないんだし,なんでもありな部分も歌舞伎なのだからいろいんなやり方でいいんじゃないかな。
小劇団ブームの時代を引っ張った劇団の中で遊民社・野田秀樹はやっぱり天才だなぁと思いますし。

戦国時代、美濃国の濃姫(勘三郎)は家臣の木村駄目助左衛門(橋之助)に想いを寄せています。
駄目助左衛門は敵国尾張の国で捕らえられた下女の愛陀(七之助)に恋をしています。
勘三郎は恋わずらいをしているから顔色が悪い,という設定ですが,本当に悪い。
曇った白色の志村けんのバカ殿の顔に・・・・^^;
橋之助も最初は若く作っている声だったりして,2人とも若すぎる作りになんか無理があるよ,と(笑)
きむらだめすけざえもんって変な名前ですが,原作のラダメスの文字が入っているんですよね(笑)
愛陀は尾張の国主織田信秀の娘。
濃姫はインチキ祈祷師(扇雀・福助)に嘘を言わせ,駄目助左衛門を戦の総大将とさせ手柄を立てさせることで出世させようとします。
この祈祷師の名前が細毛(ほそげ)と荏原(えばら)というのが風刺が効いていて笑えますね~。
祈祷師も最初は神のお告げなんて見えないと気弱でしたが,次第に出世していきます。
神の声よりも人間の声が聞こえるようになったと。
人間の顔色をうかがい,うまく立ち回れば中身がなくてもちやほやされ,お金も儲かるという人間の心理をうまくついています。
最初は嘘でも演じているうちに自分は本物だ,正義だと思い込んで酔ってしまうのでしょう。
どんどんたたみかけるような野田秀樹独特の台詞まわしも,場の高揚と心理の変化をクローズアップさせます。
戦は勝ち,国主斎藤道三は褒美として濃姫を駄目助左衛門の妻にすることを宣言します。
ここの場面のセットも面白い。
象に乗った駄目助左衛門が登場しますが,ビニールのバルーンで作った巨大象。
音楽はファンファーレと共に。
まむしの道三ということでマントのようなものには巨大な蛇の絵が迫力があります。
濃姫の嫉妬からくる策略により,婚礼前夜、駄目助左衛門と愛陀は密会するようにだまされます。
その時,敵に死んだと言っていた父の織田信秀がやってきます。
信秀は愛陀に戦の機密を聞き出すように説得。
故郷の人々の戦による苦しみとの愛陀で苦悩する愛陀。
七之助は最近いい役柄ばかりもらっていますねぇ。
信秀は非情なのですが,三津五郎だと情も感じたりするのが役者の個性?
しかし駄目助左衛門から機密を聞き出します。
駄目助左衛門は反逆の罪で捕らえられ,地下牢に閉じ込められて生きながら死んでゆく罪にさせられます。
その地下牢にはすでに愛陀が潜んでいて、二人そのまま死んでいきます。
一方の濃姫は政略結婚のため織田家へ嫁がされます。
果てゆく二人の上を嫁いでいく濃姫の列が過ぎていきます。
濃姫は祈祷師のお告げによって信秀の息子,信長のもとへ嫁がされてゆくのです。
下は地下牢,上は濃姫が婚礼衣装で歩いていくという2人の対極的な演出。
濃姫は敵国の,しかも恋敵の兄弟に嫁がされるわけです。
その情念でしょうか,戦がなくならないよう,争いが2つの国で耐えないようにと言いながら。
どちらも悲劇なのですが,一緒に死んでいく2人は綺麗に見えます。
でも死んだら終わりなのでどっちかと言われれば嫌だなぁと思ってしまいました。
あと,アイーダをベースにしているので,濃姫の悲劇性が薄いとか,喜劇でないとかいろいろ賛否両論あるようですが,どうなんでしょう?
アイーダだけでなく,戦国時代の物語としてとらえて見るのが大事なのではないでしょうか?
2人の違った悲劇をあらわしているというよりも生と死。
生きていく濃姫と死んでいく愛陀の違いを同じ場面で見せているという気がしました。
戦国時代,悲観して死んでいく人もいますが,濃姫のように政略結婚として嫁がされる女性の方が圧倒的に多かったと思います。
何があっても生きていく女性のしたたかさは大事なことですし,これはこれで応援していくべきなのでしょう。
濃姫は実際嫁いでから,信長の縁の下の力持ちとなって支えていったようです。

カーテンコールには野田さんが客席から呼ばれて登場。
って毎回呼ばれてない?
前はロンドンから直行だったし,勘三郎さんに無理に来いって言われてそう(笑)
コメント (2)
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