寝坊な豆腐屋はマクロビオティックだった!

2007-11-02 21:32:49 | 演劇
新橋演舞場の「寝坊な豆腐屋」の千秋楽に行ってきました。

昭和37年、高度経済成長の真っ只中の東京。
奇跡的に焼け残った東京の下町の一角で豆腐屋と営む精一(勘三郎)。
半年前に父を亡くし、跡を継いでいる42歳の独身。
腕はいいのだが、寝坊だという豆腐屋には問題~な性質。
たびたび起きられず、お客が帰ってしまう。
そこへ姉のひろこがやってくる。ひろこ(波乃久里子)は腹違いの姉で、建設会社の夫は古い町並みを取り壊してマンションを建設することを計画している。
その計画に女金融会社の社長で精一の母である、澄子(森光子)が離婚後36年ぶりに現れ、資金を提供する。
精一は母にも慣れ、会話をし、通うようになっていたが、マンション建設の話を聞き、それに澄子が資金調達したことを知る。
母に怒りの言葉を投げつけ飛び出す精一。
澄子は融資の話をなかったことにしてくれと頼み、既に動いている下請けへのお金も引き受けると約束する。
そのため澄子の会社は倒産し、住んでいた金沢に戻ることになる。
離婚した理由も語らず、だまって去る澄子。
理由を聞き、それを追いかける誠一・・・

観劇するまではレトロブームみたいなのはいまいち好きじゃないし、30年代は生まれていないので言われても知らないわという感じだったのですが(笑)
森光子さんの舞台は始めてです。
最初は何だか元気がない、2,3回噛むところもあったし。
この役の設定は60代くらいでしょう。
森さんは86,7くらいですから、年を考えれば若いのだーと最初いい聞かせるように見てました。
淡々とした役柄の設定なのかもしれません。
亡くなる前の歌右衛門と島田正吾が共演した舞台を見たことがありますが、あの時と同じ印象を受けました。
当時20代の小娘にその良さなどわかるはずもなく・・・(笑)
しかし、最後に精一が追って行き、会話するところからは分かり合えたの親子として随分印象が変わり、本領発揮?なのでしょうか。
盛り上がっていきました。

途中の勘太郎も面白い。
親子で並んででかっ、と思ってしまいました。
歌舞伎では存在感のせいでしょうか、勘三郎さんの方が大きく見えるのにねぇ。
扇雀さんが普通のおっちゃんなのが歌舞伎では見られない感じでおかしい。

マンション建設の賛成派と反対派の間に入る精一。
精一は「豆腐を作るのが好きなんだ。毎日毎日同じことをやりたい。毎日違うことをしたい。毎日違うものを食べたい人もいるけれど、俺は豆腐を作り続けたいんだ」
これってー、まさにマクロビオティックじゃないですか~~
毎日お肉を食べていたらもっともめたんじゃないかな~。
毎日豆腐を食べている精一と、毎日寝坊な豆腐屋をそれでも待って買いに来る町の人達だから温和に平穏な日々が戻ってきたのかも?なんて思って見てました。
こんな風に思っていたのは私だけ?(笑)

カーテンコールではやはり大先輩ですから、森さんへ挨拶にどうぞどうぞと勘三郎さん。
森光子さんは先代とも数々共演されていてゆかりのある方のようです。
そのせいか既にうるうるしている中村屋姉弟。
森さんが観客席に向かって「勘三郎さ~ん、息子さんは素晴らしい役者さんですよ~」(注:1字1句覚えていないので確かこんな感じだったと思う 笑)と観客席にいるであろう、先代に声をかけられ。
勘三郎さんは号泣してました。
勘三郎襲名の時の仁左衛門さんの次くらい泣いてましたー。
先代から知ってる方はまた思い入れが違うんだろうなぁ。
コメント (2)
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