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下町のパンを食べてみませんか?

千住、緑町ゆうやけ通り下町のパン屋パレット

ディズニーランド

2006-11-05 03:37:29 | パンのパレット

孫を連れて行くと言っていた父はディズニーランドが
オープンした年に願い叶わずこの世を去っていきましたが、
オープン後しばらくして僕は仕事を終えてから
幼いMちゃんと友達のRちゃんを車に乗せて
高速道路を走っていました。
車の右前方に見えてきた搭が何かを二人に尋ねてみると、
搭に気付いた二人は初めて見るシンデレラ城に驚き、
次の瞬間歓声をあげました。
二人は自分達の搭に関するありったけの知識を
僕に教えてくれました・・・
今もその時に丸くした二人の目が忘れられません。
その頃、4時過ぎの入場は比較的簡単だったと記憶しています。
子供達の笑顔や歓声は幾つになっても
親の大好物だと思います。
まだ携帯の写メールなんかが無かった頃の話です。

孫に対面でき、遊ぶ機会があったとしても
自分の子供と違って孫は海や川には連れて行かないつもりです。
その代わりに湯船でヨーヨー釣りやスーパーボールすくい、
湯船の底に置いた器に落としたオハジキが入るかなどの
縁日で慣れ親しんだゲームの数々を一緒に楽しみたいと
考えています。お風呂で遊ぶと叱られた経験をバネ?に・・・
まぁ、お風呂遊びの達人のアイディアのパクリですが、
今度は僕の親でなく湯冷めを心配する家族から
叱られるのでしょうね。
人生・・・叱れているうちが華だと思っています。


お酉様

2006-11-05 01:19:02 | 夢見るお年頃

http://www.otorisama.or.jp/hyoushi.html

一時衰退したのかと思うほど人出が減ったように感じた
時期もありましたが、今は再び賑わっているように思います。

子供の頃は僕も弟も押し潰されぬよう両親は僕達の
後ろをガードしながら歩いたように思います。
浅草生まれの父は祭や縁日が大好きでした。
お酉様の帰路には決まって吉原堤の桜鍋屋に寄って
食事をしたものでした。
店は混雑し、店に入る列に並んでいる時の寒さは格別でした。
入店の順番が近づくと子供の目からは「お爺さん」とも思えた
職人さんが汗を拭きながら肉をスライスしてました。
大きな肉塊が乗るまな板には栄養ドリンクの瓶も毎年ありました。
外の寒さから一気に店内の熱気の中に入った記憶は
今も残ります。
小さい時に必ず買ったモノはダルマ型の桃色と緑の「オコシ」。
火であぶながら伸ばし、膨らむ平らで大きな靴ベラのような
不思議な煎餅?も買いました。
やつがしら芋や羊羹とあんこ玉も売られていましたね。


むらさき

2006-11-04 19:20:37 | パンのパレット

父が食事に僕達家族を連れて行ってくれた処で
醤油を「むらさき」と言っていたのを思い出しました。

僕の作った「あんこ玉」を見た人が
「何でこのあんこ玉はむらさき色なんですか?」と訊かれました。
そう確かにグレーがかった淡いむらさき色をしています。
あんこ玉は黒と思っていたのかも知れませんね。
ツヤのある黒い玉・・・手間隙かけた泥団子も光ってますね。
でもね、餡は小豆から作りますから「黒」ではなく
「薄むらさき色」なんです。
水墨画の山なみのような淡い墨色にも通じるむらさき系の色です。
そんな色の餡は妙に粘らず、口の中で淡雪のように溶けて
広がった豆味も甘さも未練など残さずに消えてゆきます。
僕の考えでは餡の粘りは負け惜しみ。
バラバラに餡の粒子が散ってゆくのは未完成。
甘さだけが妙に前に出る餡も感心できません。
豊な豆の風味も甘さもサラリと消してみせるには
豆から餡までの工程で職人が如何に高いモチベーションを持ち、
時間も惜しまず簡素化もせず効率も考えずに豆に向き合ったかの
「証し」ではないだろうか?なんて僕に想像させてくれます。
経営者は利益を考えるのは当然だと思います。
現場では効率を考えなければなりません。
職人の労働環境も重要です。
でもね・・・そんなの一切取っ払って目指す味を
作って見たくなる時が職人さんにはあると思うんです。
楽をしたくなったら手抜きに繋がりやしないか心配ですね。
たぶんそんな職人さんはいないと思いますし、機械を
使っての量産品ならしかたのない話です。
勿論、一部には器械で大量生産しても尚美味しいモノが
作れる事実も承知しています。

自分が疲れるとか面倒くさいとか自分第一に
考えた時は良い結果は望めないような気がします。
自分を捨て、或いは自分を忘れる(消せる)程の
気持で作ったモノは何かを感じさせるし、伝わりますね。
自分を抜いて考える・・・な~んだ愛と同じじゃんなんて
思っている人もいるでしょうね。
僕も同感です。

画像は敢えて載せません。
目で見た色が出ませんでしたから。


殿様来る

2006-11-02 23:34:42 | パンのパレット

今日、久しぶりに「殿様」がおいでになりました。
もちろん僕が密かにそう呼んでいるだけです。
すらっとスタイリッシュで知的なんですが口も悪い。
コワソウですが憎めない・・・そんな人です。

奥様がトナさんと話していると遅れて登場。
お店の外には車椅子。
「坐骨神経痛になっちまって・・・」殿様の初めての
弱気なお言葉を聞きました。
「俺はいつ死んでもいいんだけどね・・・」

以前は僕と話す度にハッパをかけてくれたのに・・・
そこで僕は昨日聞いたばかりの話をしました。
昨日のお客様の父親が施設にショートスティしたそうなんですが
帰宅直後に言った言葉は
「あんな年寄りだらけの処など二度と行きたくない!」
だったそうです。偶然にも同時期に4歳上の姉も来ていた
そうで、集団生活の心得をミッチリ聞かされたそうです。

殿様も最近ショートスティを経験したそうで、
僕達より少し年上の殿様の奥様はウチでも同じことを
言ってましたと話してくれました。でも施設の人に皆が
元気になるから「ちょくちょく来てくださいね」と言われたそうです。

僕も以前、殿様に「地球は俺の為に回ってると思うんだよ」なんて
言われたことを思い出しました。

いつも、今もダンディな殿様は今年84歳になったそうです。
また、お客様のお父様は今年94歳だそうです。
お父様の実の姉は4歳年上。

まだまだ僕たちは若造なんですね。

 屋上のブルーベリーの一本が紅葉しました。

ブログのアップから1年以上が過ぎたのですね。
我乍ら驚きです。


キューリー夫妻

2006-11-01 23:29:16 | パンのパレット

ラジウムを発見したキューリー夫妻ですが、やはり婦人の方が
有名ですね。僕としては・・・
それはともかく、微量のラジウムを発見する為の労力に
比べたらそれこそ微々たる作業かも知れませんが、
新米ならぬ新小豆から生こしあんに到る工程で
沈殿を待つのももどかしく二度濾しした貴重な粒子を
一粒も流すまいと悪戦苦闘。
沈殿を待つ間にどう炊き上げるか暫し空想に耽る・・・
イメージとしては小さいけれど美味しさで高名な「Y饅頭」・・・
あのあっさりとさり気ない甘味と風味たっぷりな豆味。
さりとて未だ未熟と思う自分が和三盆を使うのは早いと
考えています。だから癖の無い豆味を生かす砂糖を使っています。

昨日数ヶ月ぶりに食パンの粉のブレンド比率を変えてみました。
いつものようにトーストして食べてみると「違う・・・」食感や
口解けが違いました。恐るべし目に見えぬグルテン。
開店以来同じ形の食パンですが、配合や製法は何度も
変えてきました。見えないことのイメージを形にするのは
困難を伴いますが到達した時には僅かですが満足感があります。
でも、それは前進後進を繰り返しながらの
新たなスタート地点であり通過点なんですね。
そんなパン屋さんが沢山あること肝に命じておかなきゃね!

イメージ通りに焼きあがったら食べていただきたい
遠くのお客様がいますが、ハードルを高く設定し過ぎた為に
未だ発送することができません。
でもそのお客様はきっと「焦らず奢らずゆっくりと」なんて言うと
思いますからまだいいかな~なんてね。

きっとコレでいいんだ・・・なんて思わないうちに
リタイアするのかも知れません。