下町のパンを食べてみませんか?

千住、緑町ゆうやけ通り下町のパン屋パレット

修行

2006-11-30 23:43:28 | パンのパレット

先日、日本有数の売上を誇るパン屋さんを辞めた青年の
話を聞きました。
辞めた原因は「何のために自分がパン屋で働いているのかが
解らなくなった・・・」そうです。
日々仕事に追われ、給料査定は休日にも勉強会に参加したかが
参考にされたそうです。仕事に慣れるまではパン屋とはそんな
モンかと思って頑張っていたそうですが、数年でパンを作る
楽しさを感じなくなり、疲労や倦怠感だけを強く感じる日々が
続いて辞表を出したそうです。
そのパン屋さんの多くの職人志願者は平均3年で辞めるとも
聞きました。30年くらい前はパン運送の運転手さんも
含めると業界で独立できるのは千人に一人といわれていました。
僕も麻布にいた時には食パンを一度に4本型から抜いたり
したもんですが、辛いとか大変だと思うより先に食パンを
窯の前から店の棚に運ぶ先輩を煽ってみたい気持の方が
強かったような気持だったと思います。下っ端のささやかな
反抗だったのかも知れませんが、作業はまるでゲームかスポーツで
さしずめテニスや卓球のラリー感覚でした。
勿論、荒っぽくムチャな力をパンに加えたら先輩の雷が落ちますから
速さと同じように丁寧な扱いも必要でした。
パン学校の生徒なら当然学費を払う立場ですが、
勤めでは払うどころか給料が貰えて実戦で覚えられます。
先輩に学校で習った理論やノーガキなど言えない状況ですから
当然見て覚えて無料の技術研修会には積極参加。
勤めたお店にもよりますが、そんな気持を持って次の店に
移る為の基礎技術習得、体慣らしと考えるべきだったのかも
しれませんでしたね。

パン屋を辞めても彼は日本有数の繁盛店で仕事をしてたのだから
どんな仕事にも興味を持てば耐えられると僕は思ってます。
どんな業種でも日本一というのは半端じゃありませんからね。
いつか彼が結婚したら家族と休日にパンを焼き、
ご近所さんにもおすそ分けしてみることも可能だと
思いました。その時は初心を思い出して楽しみながら
粉まみれになって遊んでくださいね。
きっとお店で作っていた時よりも美味しいパンが焼けると信じます。


お酉さま

2006-11-28 22:15:45 | 夢見るお年頃

一、二と逃して今夜三の酉に行ってきました。
http://www.otorisama.or.jp/

 最初の鳥居をくぐって左。

一、二を見なかったのですが、三の酉は強く押される事も無く
歩きながらの携帯写真も迷惑かけずに撮影可能な状況でした。
助かるやら寂しいやら・・・
賽銭箱の数メートル手前からお賽銭が飛んできた頃を
知る者としては気の抜けたドンペリ?(下戸の戯言です)

 賽銭箱目前。

数本の鈴の紐は全て上にあげられて誰も触れず、
儀式より管理・運行・混雑緩和優先?

かつて父に連れられて家族で行った吉原土手の
さくら鍋屋さんまで行くのはやめておきました。
三ノ輪から鷲神社までの露店も以前に比べて隙間が多く、
神社裏口から出た周辺の露店も短い感じで吉原土手まで
はたして露店が続いているのか疑問に思い、あの寒い路上で
白い息をはきながら順番待ちした店に行列ができているのか
不安になりました。繁盛して行列してなきゃ僕のお酉様じゃ
なくなるようで・・・
郷愁なのか単に僕が確実に年をとったということなのか、
たぶんその両方ですね。
来年は一の酉に行ってみたいと思います。
神社の反対側の歩道に停めた自転車のカギをあける時、
しゃがんだ僕の処までベビーカステラの甘い匂いが届きました。


トランスポーター

2006-11-26 23:13:42 | 夢見るお年頃

先日、コナは散歩の途中で秋を見つけました。
 隅田川沿いのお散歩コースにて。

両親の眠る場所に行きました。
 門の近くの色づいた銀杏。

更に走って杉戸の割烹高橋屋さんで昼食をいただきました。
 
高橋屋さんは現在リニューアル完了真近。
http://www.takahashiya.org/
生き字引のような三代目のお話や老舗有名店や都心各店での
修行もなさってきた四代目の興味深いお話も伺えて
ゆったりと寛ぎ、満ち足りた時間を過すことができました。

尚も走り年上の彼女に会いに行きました。
彼女の運動会や生け花とのツーショット写真を見ていたら、
「変な顔でしょ」とご自分の写りが気に入らぬ様子。
一世紀近く生きていらしてもやはり女性はシタタカなんですね~~

彼女の部屋で待ち合わせたトナさんの姉とご夫婦がなさっている
お店へ行き、たんまりとオカズをいただき、仕入れた材料も
満載したみどりチャンはトナさんの膝の上やヘッドレストの後部にも
荷台を置かれてさぞ迷惑だったろうと思いましたが、帰宅した
僕はプロのトランスポーターのタフさを思い知りました。

ぐったりとソファに横になった僕にしっかりお留守番して
くれていたコナが寄り添ってくれました。
手のかかる父を持ったコナの宿命ですね。
でも今日の僕を年上の彼女が採点したら120点くらい
出すんじゃなかろうかと想像しながら暫し睡魔に身を任せました。


三人三様

2006-11-26 03:08:15 | パンのパレット

十代の後半に三人ともバイクのモトクロスに明け暮れて
いた時期がありました。
30年経って三人の乗っている車、乗ろうとする車は
違っています。
 

 三人三様。

あの頃と同じなのは自己満足?


先輩通過

2006-11-26 01:35:05 | 夢見るお年頃

僕の町には40代から再びバイクに乗り始めたライダーが
三人いましたが、その中で今もバイクに乗っているのは一人だけです。

三人の先駆けはSさんでした。
ある日街で見かけたバイクに乗りたいと大型2輪免許取得に
挑戦を始めて挫折することなく合格したSさんが購入した
バイクは僕の考えるハーレーに対抗できる数少ない日本車。
V-MAXでした。

店の前に信号で止まった車。
運転席から僕を見ているような気がしましたので
目を凝らすとSさんでした。
僕が気がつき作業場から手を振るとSさんも笑顔で
僕に手を振り出しました。何度も何度も振り続けます。
Sさんは信号が青になるまで笑顔で手を振り続けてくれました。

バイクで郊外を走っていると擦違いざまに片手を上げることが頻繁に
あります。初対面の知らない者同士ですが互いの無事を願って
励ましあうかのように片手を上げて挨拶をします。
僕はこの一瞬の合図がとても好きなんです。
だから単独のバイク・ツーリングも孤独など感じずに好きです。

Sさんがまたいつかバイクに乗り始めて
僕をツーリングに誘ってくれる日のために
僕はいつでも行けるよう準備しておくつもりなんです。
Sさん、その日が一日も早く来るよう僕は願っているからね。


機材

2006-11-24 01:04:50 | 夢見るお年頃

最近急に携帯の送受信状態が悪くなって
PC前からPCに画像送信するにも圏外表示でできず、
SDカードに移してからPCに入れるしかないと思っています。
問題はくたびれたPCにカードリーダーを機能させるソフトを
入れるだけの余裕があるかどうかです。
コナの散歩中の画像も送れなかったので、今日の画像は断念。

昨日アクセサリー制作会社にPCを届ける手伝いをした
ついでに事務所の機材を見学しました。
キャドやレーザーの実物を見ながら説明を受けたのですが、
実際の作業は終わっていましたので残念ながら次の機会です。
飛躍的に作業効率を上げて職人の手を必要としません。
見学したキャドはワックスを回転させながら削り出すモノでしたが、
最新のモノでは入力したデータに従ってワックスを吹き付け
積層させて完了後にお湯に漬けるとワックス以外の積層された
素材が解けてデータ通りのワックスだけが残るそうです。

デザインを形にする職人技が機械に代わられてしまうと、
普通程度?の技術レベルの職人は必要なくなりますね。
高価な機械が装備できない会社は工賃の安い中国などに
仕事を発注するそうです。
デザイナーも仕上げの程度は販売価格を考えて妥協すると
聞きました。例えばシルバーの細かい部分を磨くには
凧糸を通して磨くそうです。販売価格によってはそこまでの
磨きは当然しませんが、そうまでして仕上げたアクセサリーは
当然高価で、仕上げるには高い技術レベルの職人を必要と
するそうです。日本には素材の段階から完成までを理解できる
高い技術の職人さんがいて、「いい仕事してますね~」なんて
評価される作品はそんな職人さん達の仕事だそうです。
中国では効率よく短期間に技術者を養成するために
各工程だけの職人がほとんだそうで、一人の職人では
前の工程と後の工程を理解できないそうです。
日本でも原子力やロケット開発に蒲田糀谷辺りの町工場が
部品を作っていると聞きましたが、以前と違って全体や
周辺を含めた図面は渡されずに部品単体の図面で
どう使われるかも聞かされずに部品を作るようになったそうです。
だから作られた部品の精度は確かですが、部品に遊びや逃げが
無くて設計者が机上で予想したストレスを現実では上回った場合に
事故が起こるそうです。
部品の遊びや逃げは机上で計算された数値を越えた
職人の「勘」なのではないかと思っています。
アクセサリーも展示会に出し受注を目的に作られた
最初の作品は特別念入りに仕上げられるかも知れません。
展示品と同じ形の量産品の仕上げの差がブランドの力量なのかな?

社長の重い一言を聞きました。
「腕のいい職人さんはどんな時代にも忙しいですよ。」
う~~ん深く重いお言葉でした。


フォカッチャ

2006-11-22 18:32:20 | パンのパレット

黒オリーブとバジルそして少量のガーリックと
オリーブオイルの入ったイタリア発祥のパンです。
イタリアでも地方によって配合や食感はマチマチだそうですが、
僕の焼く配合はベネチア風です。
味付けは天然塩と酵母それにオリーブオイルです。
菓子パンやデニッシュ、チョコやメープルと違って
強烈な自己主張はありませんが、いつの間にか
かなりの量を食べてしまいます。
パレットのフォカッチャは一つが食パンの半斤分くらいです。
パンをちぎってオリーブオイルをつけただけでのワインもいいし、
スモーク・サーモンやローストビーフにトマトやレタス類を
挟んで食べても美味しいと思います。
口解けは軽いのが特徴でしょうか、解けるまでのドラマを
楽しんでいただけたら嬉しいです。

各種のカルチャースクール案内を見ました。
陶芸や彫金にも興味がありますが、仕事帰りの時間帯に
配慮したスクールが増えてきたな~なんて感じました。
ハーブやピラティスにも惹かれましたが
中でも「仕事帰りの天然酵母パン」教室に興味をそそられました。
18時過ぎの教室なら段取り次第では参加できそうで、
短時間(受講時間内)に焼き上げられる天然酵母のパンって
どんなパンなのか興味津々、入校してみたいと思いましたが
月に数回の教室参加に毎回同じスーツではね・・・


キャド

2006-11-21 22:17:38 | 夢見るお年頃

昨年の今頃だったか僕はシルバーのペンダント・トップを
作るためにワックスを削り、原型を創る事に熱中していた
ように思います。
1年経って急激な変化がありました。
僕に依頼してくれた依頼主は今ではレザーを使って指輪の
内側にメッセージを彫ったり、キャドにデータを入力する
作業をしているらしいのです。
立方体の物質から空洞の球体を削り出せることも可能で、
僕の友人のA君も長年ダイキャストの仕事をしていましたが、
彼も今では昼に同じような入力作業をして夜間に機械が
入力に従って金属を削っているそうです。
彼の働いていた昔の工場には長いベルトの輪が一つの
モーターから数本動いて幾つかの機械を回転させていました。
工場はなんとなく薄暗い印象だったのですが、今では金属の
切粉など落ちて無い明るい環境で入力作業していることと思います。
柳原音楽祭に来てくれる彼はいつも最後列の席に座って、
彼曰く「丸くなった音」を楽しむそうです。

 手作業の道具達。


季節の便り

2006-11-18 22:23:21 | パンのパレット

どっぷりと秋になりましたね。
景色の良い峠道もいくつか閉鎖されました。
風と桶屋の関係ではありませんが、紅葉の季節に
メープルのパンを焼いてみました。

 メープルの沁み込んだスポンジを
クロワッサンで包みアーモンドとメイプルシュガーでトッピング。

パレットで使用している有機栽培された北海道の小豆のこし餡を
調理実習で作るお饅頭に使ってもらいました。
授業で作ったお饅頭をいただきましたので揚げてみました。

 皮が薄くとても美味しくいただきました。

季節が変わる度に送っていただく果物。
友人が発送をお任せしている酒田市の

木川果実店 

 今月はラ・フランス。

同梱されていた季節の果物ご案内に
1~3月・・・青森産フジ、柑橘類
4~5月・・・苺(庄内産)
 6月・・・・サクランボ(山形産)ハウスメロン(庄内産)
 7月・・・・アンデスメロン(庄内産)
 8月・・・・ナイトメロン(庄内産マスクメロン)
       だだちゃ豆(庄内産、枝豆)桃(山形産他)
 9月・・・・幸水・種無しピオーネ(庄内産)
10月・・・・柿・マリゲットマリア(洋梨)(庄内産)
11月・・・・ラ・フランス(山形産)
12月・・・・フジ・シルバーベル(洋梨)紅干柿(山形産)
      ウインター(洋梨)(山形産)

僕はこの木川果実店がたまらなく好きなんです。 


第14回 柳原音楽祭

2006-11-18 02:03:24 | 千住の紹介

今年の柳原音楽祭は例年よりも約一か月遅く、
しかも土曜日。
http://home.att.ne.jp/alpha/yanagihara/
オケには多数の教授達が入っていますので
先日上野でコンサートを聴いた大将はナカナカと評しておりました。

 12月9日13時会場14時開演。
昨年のコンサートでは当日券を求めたお客様を予定より
100人多く、会場のキャパいっぱいまで入っていただき
僕達スタッフは入れない状態でしたが、更に多くのお客様を
受付けでお断りししました。
お断りする時の気持はけっこう辛いものです。
パレットには前売り券も若干数ではありますが
置いてありますのでよろしければご利用ください。

先日うなぎ屋で一緒に飲んだノッポ君がパレットを
訪ねてきてくれました。(僕はバイクだったので?コーヒー)
日曜日に数度訪れたそうですが閉まっていたので
夜逃げでもしたかと思ったそうです。
彼の買った二つのチョココロネを見て「へ~酒飲みなのにね~」
彼は「のんべ~だからこそ甘党なんです」と僕を見下ろしながら
主張していました。そういえば僕の知る酒飲みには
スイーツOKの人が多い。
彼にパレットの今週の一番人気を「食べて」と渡すと
「いや~買いますよ・・・」僕は彼がある雑誌の編集にも
関っているので「そのうち僕を取材してくれればいいから・・・」
もちろん彼にそんなチカラは無いと思っていますから
安心して差上げました。
すると代金の換わりにと仮面ライダーを僕に差出し
パレット・ライダーですから大事にしてくださいね!
 いただいたライダー。
「ありがとう、明日のヤフオク見てね!ライダー出品されてるカモネ」
お互い食えない奴同士。
ところで土曜日でもパレットさん音楽祭手伝えますか?
そのツモリと伝えると彼も応援できる事を考えているそうです。
お店に音楽祭の旗出したのにアイツはチケット持ってこないと
言えば、パレットさんなら顔で入れるでしょ・・・だって。
お店でお客様に販売するチケットのことだし、僕はいつも
700円(超低価格)ちゃんと払って入ってるのにね~!
お互い見かけによらぬ者同士。
そのうち彼の携わる雑誌で「千住の黒子特集」なんて組んだら
僕を外せないハズ・・・と思ったが、残念!
黒子が表に出たら黒子、影で無くなっちゃう・・・
ピカピカもいいけれど燻した銀色も捨てがたい・・・な~んて
今宵もモウロウとするほど酔ってる感じ。