近事変々

思いつくまま、気の向くまま綴る「おとりん」のサイトです。
※表題の「変々」は字面の遊びです。(念のため)

尾花(おばな) = 薄 (すすき)

2006-10-20 09:41:03 | 花好きずき
尾花というのは秋の七草の一つで、いわずと知れたススキの
ことである。ススキの花穂が動物の尾に似ているからいうの
だそうだが、そんな感じがしないでもない。
また、枯尾花という言葉もあるが、こちらはススキの花穂が
枯れたものをいい、荒涼とした風景を表すときにも使う。

「狐火の燃えつくばかり枯尾花」 (蕪村)

ススキは茅(かや)ともいい、茅葺き屋根の材料として使われ
るが、古民家などでは材料の不足と職人の高齢化が問題に
なっており、葺き替え費用もかなりの高額にのぼるという。








【薄 (すすき)≪尾花(おばな)≫】

・稲(いね)科。
・学名 Miscanthus sinensis(ススキ)
Miscanthus : ススキ属
sinensis : 中国の
Miscanthus(ミスカンサス)はギリシャ語の
「mischos(小花の柄)+ anthos(花)」が語源。
・秋の月見のお添えとして欠かせないもの。
【中秋の満月】には収穫物と一緒に供えられるが
収穫物を悪霊から守り、翌年の豊作を祈願する意味がある。
・屋根材のほかにも、炭俵用、家畜の飼料用などとしても
よく利用される。
・ススキの「スス」は、葉がまっすぐにすくすく立つことを
表わし、「キ」は芽が萌え出でる意味の「萌(キ)」だと
言われている。
・箱根の仙石原や、奈良の若草山で行われる「山焼き」は、
 ススキを野焼きすること。春先に行う。
この野焼きをしないと、ススキの草原には次第に樹木が
 侵入し、ススキの原として維持することができなくなる
ので、一年に一度全部焼き払ってススキ草原を残すように
 している。
・「常磐(ときわ)すすき」という種類は「すすき」に比べ
 て開花が早いため、真夏の頃から穂を楽しめます。
・「すすき」は「芒」とも書く。
・別名 「尾花(おばな)」
花穂が獣の尾に似ていることから。
「茅(かや)」。
民家の茅葺き屋根は、この薄などの茎や葉を
用いて葺(ふ)いた屋根。

(出典:「季節の花300」)