ピアノ力
この本が出版されたのは2005年の4月。今からもう10年前になるんですね。
なので、今頃・・・という向きもあるかもしれませんが、僕がこの本を見つけて読んだのが今年に入ってからなので、まあそこんところはご勘弁を・・・
表紙のタイトル脇に
道半ばでくじけているお父さんへ。
長続きしないお母さんへ。
もう悩まない、大人のピアノ
カンタン学習術。
と付け加えられていたのが読むきっかけでした。「大人のための」がポイント(笑)
というのが、
ピアノ調律に出向いて多いのが、
「子供が小さいころは習っていたんだけど、今は部活が忙しくって、全然使っていないんですよね」
というご家庭。
で、当のお母さんは?というと、
「私は弾けませんから~」
ステイタスシンボルの如く昭和50年代ごろに一気に普及したピアノですが、結局は「シンボル」であり、「楽器」ではなかったんだなぁ、というのが現在までの正直な感想です。
持っていることに意義があり、弾いて楽しむものではなかった。
更に言うなら、弾くなら「完璧に弾けなければいけない」的な強迫観念もあるのではないでしょうか?
でも、今の世の中、ピアノを弾く→音大を目指す→プロになる なんて考え方は一般的に古いことはわかりますよね。勿論このように頑張っている方を否定しているわけではありません。
楽しくギターやウクレレを習う感覚と同じ感覚でピアノに接して上げられればいいな、と思っています。
ピアノの場合、うかつに「メロディ・リズム・ハーモニー」の全てが1台で出来てしまうために、それらを全部できるようにならないといけない。と思ってしまう所があるように感じますが、全然そんなことはないと思います。
また出来ないことを恥ずかしいと感じる必要もないと思います。
なんか全然本の紹介にたどり着きませんが(苦笑)、ピアノを眠らせているご家庭のお父さん、お母さんに何か参考に出来ないか?と思い読み始めました。
ところが、いざ読んでみると、自分が教えている「のこぎり演奏」との共通項がなんと多いことか!
更にはこの著者の角聖子さんのおっしゃってることは、自分が思ってることと同じ!
ものすごく共感を持って読んでいました。
「いつも通りに弾くことを目標にしていると、すぐに挫折感を味わう」
「技術的に難しい曲を弾くよりも、音楽的に弾く方がずっと喜びがある」
「まず、情熱をもって、音をイメージしなさい。そうすれば、欲しい音が出せる身体になっていきます」
「歌う力をつける」等々・・・
のこぎりなど単音楽器は特にわかりやすいのですが、「正確に・上手に弾こう」というテクニックだけの演奏は、2曲で飽きます。
でも、どんなにシンプルな曲でも、音楽的に情感を持って演奏できれば、10曲でも20曲でも聴かせ続けられます。
この本は、ピアノを習う(向き合う)に当たって、そういうところを優しく解りやすく伝えています。
発表会で演奏するにあたってすごく緊張された70代の男性の
「人前でこんなにドキドキした経験は最近ではありません。手が震えるほどドキドキすることで、自分にもこんなに若さが残っていたのかと感動しました」
なんてのも目からうろこで感動しました。
技術面も若干は触れてありますが、基本は精神面というか音楽への向き合い方を書いてある本です。
勿論アマチュアがアマチュアらしく楽しむために!
「私には音楽の才能がないから」と言ってあきらめている人にも読んでもらいたいですね。
でも、実際に始めるには、何かやりたい曲を1曲でも見つけることが大事かも。。。(^^)
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