ジブリが発行している「熱風」という月刊誌があります。
毎月10日発行で、書店にて無料取り扱いです。(取り扱い店舗は決まってますが)
http://www.ghibli.jp/shuppan/shoten/
たまたま藤沢では有隣堂さんが置いてくれてるので、ここ数ヶ月は愛読してます。
今月の特集が「サツキとメイの家10年」というタイトル。
「となりのトトロ」の主人公、サツキとメイが暮らした家を実際に建てた。ということから始まっている談話です。
タイトルとあらましを見るだけだと、ほのぼのと明るい話題かと思いますが、
実際に読み進めると主題は2020年に施行される「省エネ法」について。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk4_000005.html
CO2削減問題から引っ張って、一般住宅も「エネルギー消費の少ない家にしましょう」ということらしいです。
どういうことかというと、断熱材でくるまれて、外部建具はアルミまたは樹脂サッシ。ペアガラスを使って壁財にも気密性の良い樹脂などを使った熱伝導率の低い家。
そういう性能を数値化して、規制しようということらしいです。
つまり、昔ながらの土壁で、風通しの良い家は今後建てられなくなる!ということらしい!!
サツキとメイの家も勿論アウトです!
実はこれを読むまで、そんな法改正の準備が進められているなんて知りませんでした。
集団的自衛権や、原発問題なんかは日々ニュースで取り上げられてますから反対にしろ賛成にしろ(僕は勿論反対ですが)、自分の意見を訴えていくことが出来ます。
しかし、知らないところで成立してしまった法律に対しては意義を唱えることすら出来ません。
しかもそれが我々の住居という超身近なことに対してです!!
正直ものすごく憤りを感じました。
南北に長い日本において、北海道も九州も(数値に若干の差こそあれ)一様に高気密でエアコンで管理する家を推奨しようとしているわけです。
全くもってアホですね。
米不足のときのブレンド米を思い出してしまいましたが、今回はそんな一過性の問題ではありません。
大きな窓で風通しをよく、なんてことは出来なくなりますし、高気密となれば囲炉裏や火鉢も使えなくなるでしょうね。。。
本来ならば、エアコンを切って風通しを良くする方がよっぽど省エネなんですが・・・
近年ここまで外気が上昇してる要因の一つがエアコンの室外機だと思ってます。
本文から少し引用します。
省エネ法は簡単に言えば「縁側も含めて部屋のすべての室温を20℃にキープできる家にしなさい」という法律である。
地域別に見ると大差があるのだが、実は住宅のエネルギー消費量が増加している原因は家電なのである。エネルギー消費量を増やしているかでんとしては次のものが挙げられる。
1、オート洗浄・オート開閉蓋ウォシュレット
2、食洗機、食器乾燥機
3、50インチ以上の大型テレビ
4、500Lの冷蔵庫(世帯当たりの家族数は少ないのに)、ヒーター付冷蔵庫
5、温水式洗濯機、冷暖房エアコン付洗濯乾燥機
6、全室エアコン設置
省エネ法の主幹官庁は経済産業省である。もし、家電エネルギー消費量を見直すとしたら、家電が売れなくなる。ゆえに日本の骨太産業である家電業界が萎縮するような規制はせず、その矛先を暖房エネルギー消費量削減に向け、暖房器具に規制をかけるのではなく、建物の断熱性能に規制をかけようとしているのだ。
考え方が腐ってます。。。
一部抜粋としましたので、かなり偏ったお知らせになってますが、全体を読んだところで考え方がなんら変わることはありません。(自分は・・・)
自分自身の話をしますと、音楽をやっている手前、実は高気密住宅というのは必要としています。
が、一方で土間のある昔ながらの住宅にもあこがれています。
矛盾はしてませんよ。
昔ながらの土壁住居の1室を高気密の防音室にすればよいだけですから。(^^)
ただ、はなから法律で決め付けられ、選択の余地もなく「こういう家に住め」というのは暴力であり、苦痛でしかありません。
こういう準備が進められていることを少しでも多くの人に知ってもらって、阻止(がムリでも緩和)の方向に持っていけたらな、と思います。