おんらく館~のこぎりものには福がある~

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調律と湿度

2013-02-26 | 調律
この土日は、久々にフルに調律が入りました。
4件伺ったんですが、グランドが1台、アップライトが3台。しかもそのアップライトが全てカワイ製。これまた珍しいです。

で、その中のグランド(これはヤマハですが)、昨年湿気がすごいということで伺ったお宅でした。
  昨年書いたブログ


ピアノは温度湿度の変化に敏感とはよく言いますし、実際その通りなんですけど、、、

ピアノの弦とそれを支えるフレームは金属で出来ているので、音の高さは温度による変化が主で、湿度は音色やアクションの動き、整調にかかわってくるもんだ、と思ってました。


ところが、昨年の続きの今回のお伺い、

室温(温度)は昨年と変わらないと思います。
ところが湿度がぐっと下がった。

昨年は85%もあったのに、今年は30%前後。実に55%のダウン!

対策としては、窓を二重窓にしてガス暖房をやめてエアコンに切り替えたということです。
まずそれでひどかった結露がなくなったということ。
結局除湿機は買わなかったようですが、それ以外でこんなに効果が出るんですね。これもビックリ。

さて、まずアクションの動きと整調をチェック。

昨年のビショッとした感じはなくなりましたが、アクション自体まだ水分を含んでいるみたいで随分と重い。。
調律後、湿度の低いときはなるべく屋根を開けるようお願いしました。

そして調律

ユニゾンが気になってる音が幾つかあるな~程度でロングミュートをかまして、チューナーにて基音を確かめる。今までは音叉を使ってましたが、音叉自体温度による誤差があるということで、今の会社に入ってから基音はチューナーで取る事にしてます。そこから先は今までどおり耳で合わせます。

さて、チューナーを見てビックリ。
なんと5Hzも下がってました!!

考えられるのは響板の湿気が抜けて反り具合が変化したのではないでしょうか。
他にも乾燥によるゆがみ(戻り)が色々あるのでしょうが、それにしても湿度でこれほどまで音の高さが変わるとは思ってもみませんでした。

これは一度夏にもお伺いして状態を確認したいものです。