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おんらく館~のこぎりものには福がある~

のんびり・ぼちぼち・気の向くままに・・・

ガルパンの秘密

2015-02-08 | 
先日、とある会話の中で「ガルパンって面白いですよね。」という話題になった。
ガルパン=ガールズ&パンツァーというタイトルのオリジナルアニメのこと。

その際に進められたのが「ガルパンの秘密」というこの本。
スマホからネットでの表紙写真を見せてもらって、「うわっ、これは買わないわー」と思わず言ってしまったが、
帰宅後改めてアマゾンでのコメントを見ると、みんないいことを書いてある。面白そう。


そもそもこの作品、本放送の時僕は全く知りませんでした。

後に模型雑誌で作例や企画ページを見て、「何打これ?」と気になったのが最初。
しかも戦車模型を盛り上げるための企画か、ゲームか何かだと思ってたので、まさかアニメ作品だとは思いませんでした。

なんとなく気になってたところで、再放送のオンエアを発見したので、おそるおそる見てみたんですが、・・・

これが面白かった!


アニメは好きですが、正直「美少女+メカ」という「受けるだろう」前提で出してくる作品にはまず引きます。(苦笑)
これもかわいい女の子が戦場に行って、ドンパチやります。的な内容だったらすぐに見るのをやめたでしょうね。

「戦車道」という架空の「作法?」がある世界で、その家元のこともだった主人公が「流派」に馴染めず独り飛び出して、
しかし、転校先でまた戦車道を嫌々始めるのだけど、仲間と一緒に自分らしさと自信を取り戻していくという内容には感動すら覚えました。(^^;)


そして、その先に茨城の大洗がこの作品の舞台になっていて、町興しに一役買ったということも知りました。


この本は、プロデューサーを始めアニメスタッフと、大洗の関係者へのインタビューを載せる感じの内容になってます。


で、何気なく「へぇ~」と思っていたことが、実は奇跡的なことの積み重ねだったり、一人一人の作品に対する熱い思いが改めてわかり、
この「ガルパン」という作品の魅力を再認識するにいたったのでありました。実際に面白かったからね。



表紙を見て、絶対に買わないな~と思った本ですが、丁度最終ページがくっついて破けてしまったため安くなってるというのが出てまして、本文に関係ないということなのでそれを購入しました(笑)。


制作会社からバンダイのプロデューサーに「何か一緒にやりませんか?」と持ち込まれたところから始まるインタビュー収録ですが、
アニメオタクの裏話的事情といった雰囲気はまるでなく、「カンブリア宮殿」か「ガイアの夜明け」といった一歩引いたところから大変さと意気込みを見せられるビジネスガイドという印象が強かったですね。

原作のないオリジナル作品での苦労、一方オリジナルならではの楽しみ。
大洗を選んだのも、震災で福島と千葉に挟まれて、被害があったものの「報道のエアポケット」に入ったこの街に何かスポットが当てられないかな?ということだそうです。
なので「アニメで町おこしありき」ではなく、応援しましょうのスタンスで「一緒に楽しんで、協力して頂けませんか?」からスタートしたという。

結果は、「大洗あんこう祭」で例年の倍以上の来場者数を記録し、ファンと商店街の交流も盛り上がって、町全体が活性化したとのこと。


製作でも、「そこそこ売れるものを作ろう」ではなく、制作会社のプロデューサーなどはまさに背水の陣で取り組んだという。

その熱意と真摯さがファンにも町にも伝わったんだな~



マンパワーと人間の輪(和)の素晴らしさを伝えてくれる1冊でした。







「ピアノ力」をつける!

2015-02-05 | 

ピアノ力


この本が出版されたのは2005年の4月。今からもう10年前になるんですね。

なので、今頃・・・という向きもあるかもしれませんが、僕がこの本を見つけて読んだのが今年に入ってからなので、まあそこんところはご勘弁を・・・





表紙のタイトル脇に

 道半ばでくじけているお父さんへ。

 長続きしないお母さんへ。

 もう悩まない、大人のピアノ

 カンタン学習術。



と付け加えられていたのが読むきっかけでした。「大人のための」がポイント(笑)





というのが、

ピアノ調律に出向いて多いのが、

「子供が小さいころは習っていたんだけど、今は部活が忙しくって、全然使っていないんですよね」

というご家庭。



で、当のお母さんは?というと、

「私は弾けませんから~」





ステイタスシンボルの如く昭和50年代ごろに一気に普及したピアノですが、結局は「シンボル」であり、「楽器」ではなかったんだなぁ、というのが現在までの正直な感想です。

持っていることに意義があり、弾いて楽しむものではなかった。

更に言うなら、弾くなら「完璧に弾けなければいけない」的な強迫観念もあるのではないでしょうか?





でも、今の世の中、ピアノを弾く→音大を目指す→プロになる なんて考え方は一般的に古いことはわかりますよね。勿論このように頑張っている方を否定しているわけではありません。





楽しくギターやウクレレを習う感覚と同じ感覚でピアノに接して上げられればいいな、と思っています。



ピアノの場合、うかつに「メロディ・リズム・ハーモニー」の全てが1台で出来てしまうために、それらを全部できるようにならないといけない。と思ってしまう所があるように感じますが、全然そんなことはないと思います。

また出来ないことを恥ずかしいと感じる必要もないと思います。





なんか全然本の紹介にたどり着きませんが(苦笑)、ピアノを眠らせているご家庭のお父さん、お母さんに何か参考に出来ないか?と思い読み始めました。







ところが、いざ読んでみると、自分が教えている「のこぎり演奏」との共通項がなんと多いことか!



更にはこの著者の角聖子さんのおっしゃってることは、自分が思ってることと同じ!

ものすごく共感を持って読んでいました。



「いつも通りに弾くことを目標にしていると、すぐに挫折感を味わう」

「技術的に難しい曲を弾くよりも、音楽的に弾く方がずっと喜びがある」

「まず、情熱をもって、音をイメージしなさい。そうすれば、欲しい音が出せる身体になっていきます」

「歌う力をつける」等々・・・





のこぎりなど単音楽器は特にわかりやすいのですが、「正確に・上手に弾こう」というテクニックだけの演奏は、2曲で飽きます。

でも、どんなにシンプルな曲でも、音楽的に情感を持って演奏できれば、10曲でも20曲でも聴かせ続けられます。



この本は、ピアノを習う(向き合う)に当たって、そういうところを優しく解りやすく伝えています。



発表会で演奏するにあたってすごく緊張された70代の男性の

「人前でこんなにドキドキした経験は最近ではありません。手が震えるほどドキドキすることで、自分にもこんなに若さが残っていたのかと感動しました」

なんてのも目からうろこで感動しました。





技術面も若干は触れてありますが、基本は精神面というか音楽への向き合い方を書いてある本です。

勿論アマチュアがアマチュアらしく楽しむために!





「私には音楽の才能がないから」と言ってあきらめている人にも読んでもらいたいですね。







でも、実際に始めるには、何かやりたい曲を1曲でも見つけることが大事かも。。。(^^)










読書

2015-01-22 | 
今日は滅茶苦茶寒かったですね~。。。
夕方の天気予報で、明日の予想最高気温が6℃!寒い!!と思ったら、今日より3℃高い!!!
というくらい寒かった。。。


さて、それはそれとして、最近一生懸命本を読んでます。
寝る前とか、電車の中とか・・・

読書が好き!というよりは、ついつい買ってしまうので読まざるを得ないわけです(苦笑)

おまけに遅読なので大変。。。
それでも最近少しくらいは早くなった気もしますが・・・


そんな中昨日、研究室へお邪魔しに行きました。
新年の挨拶と、折角だから一緒に飲み(食事を)しましょう♪と・・・

そこでまた3冊借りてきてしまいました!



全部伊福部昭関連本ですが、どれも面白そうだったので(^^;)

そして、よせばいいのに、帰りにブックオフに寄って4冊も買ってきてしまいました!バカだ・・・



内「いい音ってなんだろう」村上輝久著は、ヤマハのトップ調律師村上さんの書いた本で、以前図書館で読んでいるのですが、良い本だったので手元に置く用で購入。
それでもまだ3冊あるぞ。。。

ついでに言うと、買ったけどまだ読んでない本、10冊以上あります。

更なる読書週間をつけないといけませんね~。。。(^^;)





日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか

2014-08-27 | 
ちょっと前に読んだ本です。
「日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか」内山節著 講談社現代新書

かつて日本のキツネが暮らしている地域では、人がキツネにだまされるという話は日常のごくありふれたもののひとつだった。
それも、そんなに昔の話ではない。
いまから五十年くらい前の二十世紀半ばまでは、特にめずらしいものではなかった。
ところが1965年頃を境にして、日本の社会からキツネにだまされたという話が発生しなくなってしまうのである。

という書き出しで始まるこの本。

その「なぜ」を手がかりに、
1965年頃になにがあったのか、それまでと何が変ったのか、日本人の歴史と風習~人間の歴史観、

そういったものを丁寧に読み解いていきます。


このタイトルで検索すると、本の感想等が結構拾われます。
興味のある人は、まずそれを読んでみてもいいかもしれませんが、
要約してるため、本書よりなんだか難しい~感じに書かれている気もします。。。(苦笑)


全体の流れは割愛してしまいますが、

自分が特に目を引かれたのは、

明治時代、近代技術を導入するために、山奥の村に外国人がしばらく暮らした。
当時の村人は、キツネやタヌキやムジナにだまされながら暮らしていた。それがありふれた日常
それなのに外国人たちは、けっして動物にだまされることはなかった。
だから「外国人はだまされなかった」という「事件」が不思議な話としてその後も語り継がれた。

というくだり(第4章の冒頭)


「遠野物語」なぞも、そういったものだったのだろうか?・・・


いずれにせよ現在の日本人には取り戻せない感覚なんだろうな、
と思って読み進めていたんですが、

最近読んだ伊福部先生の「福祉工学への招待」の中で

先輩研究者のI氏という話が出てきます。

I氏はあるときから宗教を立ち上げ、数十人もの信者が集まるようになっていました。
著者もしばしば誘われ、儀式にも付き合いました。
あるとき預言者が「札幌の郊外に人類を助けるためのUFOが降りる」といい、
そのうわさが広がり、著者も半信半疑で見物に参加し、一生懸命になって観測しました。
著者には見えなかったんですが、
信者たちは皆、よく見えた。心の中に鮮明に映し出された。といっていたそうです。


これも、キツネにだまされていた頃の人たちと同じ心理現象なのでしょうか?

もしそうであれば、日本人はまだ「キツネにだまされる」という「こころ」を持ち合わせているのかな??


ものすごくピンポイントに摘み上げてしまったので、本の良さは伝わってないと思いますが、

人の心の奥深さを垣間見れる面白い本でした!







福祉工学への招待

2014-08-23 | 
本の紹介です。
「福祉工学への招待」伊福部達著 ミネルヴァ書房

先日波形測定をしてくれた伊福部先生の最新の著書です。

僕が伊福部先生にお会いしたのは、打ち上げの席と、測定の時の2回だけ。
それ以前は全く存じ上げない方でした。
(実はテレビの中で何度かお見かけしてたことが本を読んで知りましたが)

そして、「音の測定が出来る」に始まり、研究室の入り口には「福祉工学」の文字、
中に入って秘書の方に説明されて渡されたのが、柏市をモデル都市にした「超高齢社会の研究」

正直接点が見出せず、目を白黒させていたという感じです。

そういう中で頂いて読み始めた本なので、他の方とは少し違う視点で読み進めた感はありますが、
それを差し引いても面白い本でした!

ご本人の談によると、
以前「福祉工学の挑戦」という本も書かれたのですが、それは少し専門的過ぎて難しかった。
今回は誰にでも読みやすい内容にした。
ということですが、

頁を開くと、まずご自身の幼少の頃から話が始まりまして、この研究への興味が語られます。


これも本人から聞いた話ですが、元々は「医療工学」という分野だったとか。


耳、口、目の障碍者に対して、電気を使った器具でそれを助けるものの研究開発、といったことです。


ちなみに、NHKで流れる地震速報の「チャラララン チャラララン」というチャイム音も伊福部先生が作りました。

この写真は研究室の壁に貼られていたものですが、本の中にも音符が紹介されています。

「のこぎりで弾くか?」と言われましたが、
  ムリです(苦笑)


「聴く」を助ける
つまり聴覚障害者への補助道具ですが、補聴器以外に「指で聞く」という研究が面白いです。
指先に神経が集まっていることを利用して、箱に流れる電流を音として認識させるという研究。

他にも「話す」を助ける
ではインコと九官鳥の「声マネ」の原理を調べたり(それぞれ違うシステムでしゃべっているそうです!)
腹話術師のI氏の協力(誰かは言わずとも明白・笑)によって発声のメカニズムを調べたり、

また先日お会いしたYさんの開発したアプリも紹介されてます。

これは「ゆびで話そう」というスマートフォン用のアプリで、
子音と母音を指でなぞることによって言葉を発声し、会話が出来るというソフトです。

結構ちゃんと聞き取れますし、メロディに合わせて歌うというのも聞かせてもらいました。

350円でダウンロードできるので、興味あったらお試しください。


そして「見る」を助ける
では、超音波による視覚補助。

そして、バーチャル、3Dの課題といった所からロボットへの開発!(ツボだ~笑)


最後に「超高齢社会」への提起へと帰結して行きます。

なるほど、繋がった~!という満足感。

途中の研究は、それぞれNHK等の科学番組などで多く紹介されており、
「あ、これ見たわ!」というのが幾つもありました。


それにしても、先端を走り続けているな~と、尊敬せずにはいられませんね。


あとがきに
「本書の読者は社会福祉や文化・歴史などに関心のある文型の人たちが多いことを想像します」
と書かれています。

僕も文系(というか、理系が全くダメなので消去法的に文系なだけですが)ですが、
それを想定していたからか、本当に読みやすい本でした。

ただし、説明のためのグラフが逆に理解しづらくて困りましたが・・・
もっともこのグラフがなくても読み進めるのに全く支障ありませんでしたけれど(苦笑)


これは、障碍者や高齢者がどうやって生きるか?という本ではなく、
そういう人たちが増える中、彼らとの共生方法、生活モデル、新たなビジネススタンダードを提起してくれる本だとも思います。

また、科学にあまり関心がない人でも、楽しく興味を持って読めます。
何しろ自分たちの体の仕組みについても色々知るところが多いですから。


ゼヒ呼んでいただきたい1冊です!!