日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(290)数学原理(PM)の5つの公理と、選言導入の規則。

2019-07-04 18:57:16 | 論理

(01)
アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドとバートランド・ラッセルの、数学原理(Principia Mathematica)における公理
(Ⅰ)(P∨P)→P
) Q→(P∨Q)
(Ⅲ)(P∨Q)→(Q∨P)
(Ⅳ) P∨(Q∨R)→Q∨(P∨R)
(Ⅴ)(Q→R)→(P∨Q→P∨R)
(沢田 允茂、現代論理学入門 、岩波新書 青版 C-14 新書、1962/5/2、173頁改)
然るに、
(02)
これらの「5つの公理」を、「自然演繹(E.J.レモン)」で、「証明」すると、次の通りである。
(Ⅰ)
1  (1)P∨P A
 2 (2)P   A
  3(3)  P A
1  (4)P   12233∨E
(Ⅱ)
1(1)Q   A
1(2)P∨Q 1∨I
(Ⅲ)
1  (1)P∨Q A
 2 (2)P   A
 2 (3)Q∨P 2∨I
  4(4)  Q A
  4(5)Q∨P 4∨I
1  (6)Q∨P 12345∨E
(Ⅳ)
1    (1)P∨(Q∨R) A
 2   (2)P       A
 2   (3)P∨R     2∨I
 2   (4)Q∨(P∨R) 3∨I
  5  (5)   Q∨R  A
   6 (6)   Q    A
   6 (7)Q∨(P∨R) 6∨I
    8(8)     R  A
    8(9)   P∨R  8∨I
    8(ア)Q∨(P∨R) 9∨I
  5  (イ)Q∨(P∨R) 5678ア∨E
1    (ウ)Q∨(P∨R) 1245イ∨E
(Ⅴ)
1   (1)Q→R       A
 2  (2)P∨Q       A
  3 (3)P         A
  3 (4)P∨R       3∨I
   5(5)  Q       A
1  5(6)  R       15MPP
1  5(7)P∨R       6∨I
12  (8)P∨R       23457∨E
1   (9)P∨Q→P∨R   28CP
    (ア)(Q→R)→
       (P∨Q→P∨R) 19CP
然るに、
(03)
例(選言導入
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、バカボンのパパは天才である。
命題変Q,Pを、
 Q:今日は雨が降っている。
 P:バカボンのパパは天才である。
とおくと、先の推論は、
 Q→(P∨Q)
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
(Webサイト;WIIS改)
従って、
(01)(03)により、
(04)
 Q→(P∨Q)
すなはち、「前言導入の規則∨I)」は、「数学原理の、5つの公理」の中に、「2番目」そのものである。
加へて、
(02)により、
(05)
(Ⅰ)(P∨P)→P
を除く、
(Ⅱ) Q→(P∨Q)
(Ⅲ)(P∨Q)→(Q∨P)
(Ⅳ) P∨(Q∨R)→Q∨(P∨R)
(Ⅴ)(Q→R)→(P∨Q→P∨R)
といふ「4つの公理」は、すべて、
(Ⅱ)今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、バカボンのパパは天才である。
といふ「選言導入の規則∨I)」によって、「証明」される。
従って、
(04)(05)により、
(06)
(Ⅱ)今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、バカボンのパパは天才である。
といふ「選言導入の規則∨I)」は、「ヲカシナ規則」であるとしても、「無くてはならない規則」である。
といふ、ことになる。


(289)「選言導入の規則」と「含意の定義」。

2019-07-04 12:35:40 | 論理

(01)
例(選言導入
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
命題変P,Qを、
 P:今日は雨が降っている。
 Q:今日は寒い。
とおくと、先の推論は、
 P ∴ P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
(Webサイト;WIIS)
従って、
(01)により、
(02)
例(選言導入
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っていない。ゆえに、今日は雨が降っていないか、バカボンのパパは天才である。
命題変P,Qを、
 P:今日は雨が降っている。
 Q:バカボンのパパは天才である。
とおくと、先の推論は、
~P ∴ ~P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
然るに、
(03)
1(1) ~P        A
1(2) ~P∨Q      1選言導入の規則
1(3)  P→Q      2含意の定義
従って、
(02)(03)により、
(04)
命題変P,Qを、
 P:今日は雨が降っている。
 Q:バカボンのパパは天才である。
とおくと、
1(1)今日は雨が降っていない。                                 A
1(2)今日は雨が降っていないか、 バカボンのパパは天才である。 1選言導入の規則
1(3)今日、雨が降っているならば、バカボンのパパは天才である。 2含意の定義
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
①  P,P→Q ∴ Q
② ~P,P→Q ∴ Q
に於いて、すなはち、
① Pである。PならばQである。故に、Qである。
② Pでない。PならばQである。故に、Qである。
に於いて、
① は、「妥当」であるが、
② は、「妥当」ではない
cf.
「前件否定の誤謬」。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 今日は雨が降っている。 今日、雨が降っているならば、バカボンのパパは天才である。故に、バカボンのパパは天才である。
② 今日は雨が降っていない。今日、雨が降っているならば、バカボンのパパは天才である。故に、バカボンのパパは天才である。
に於いて、
① は、「妥当」であるが、
② は、「妥当」ではない
従って、
(04)(06)により、
(07)
1(1)今日は雨が降っていない。                                 A
1(2)今日は雨が降っていないか、 バカボンのパパは天才である。 1選言導入の規則
といふ「推論」は、「妥当」である。が、
この時点で
1(4)バカボンのパパは天才である。
とは、言へない、ことになる。
従って、
(08)
1(1)今日は雨が降っていない。                 A
1(2)今日は雨が降っていないか、もしくは寒い。 1選言導入の規則
といふ「推論」は、「妥当」である。が、
この時点で、
1(4)もしくは寒い。
とは、言へない、ことになる。
従って、
(07)(08)により、
(09)
1(1)今日は雨が降っていない。                 A
1(2)今日は雨が降っていないか、・・・・・・。 1選言導入の規則
といふ「推論」は、「妥当」である。が、
この時点で、
1(4)・・・・・・。
とは、言へない、ことになる。