日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(215)「雜説(韓愈)」の「有」の「語順」と「千里馬常有」の「述語論理」。

2019-05-09 19:20:54 | 訓読・論理学

―「先ほどの記事(214)」の「続き」を書きます。―
(32)
存在を表わす動詞として、古代語においても、「」と「」と常用されている。しかし、その存在するものと、存在する場所という単語の語順は、次のように全く反対である。
 A式 場所語―有―存在物
  例 机上書(机上に書あり)
 B式 存在物―在―場所語
  例 書机上(書、机上にあり)
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、346頁)
従って、
(32)により、
(33)
① 伯楽不常有=伯楽は常にはあらず。
② 伯楽不常=伯楽は常にはあらず。
であれば、
① は、「マチガイ」であって、
② が、「タダシイ」はずであるが、
「韓愈(雜説)」の「原文」では、何故か
② ではなく、
① になってゐる。
然るに、
(34)
③ 臣弑其君者有之=臣にして其の君を弑する者、之有り。
のやうな「倒置」であるならば、
① 伯楽不常有 =伯楽は常にはあらず。
ではなく、
① 伯楽不常有之=伯楽は常には、之有らず。
になってゐても、ヲカシクはない。
然るに、
(35)
④ 常在、常住、常識、常勝、常備、・・・・・。
等は、すべて、「名詞」である。
従って、
(35)により、
(36)
常在、常住、常識、常勝、常備、・・・・・。
だけでなく、
常有
の場合も、「名詞」なのかも知れない。
従って、
(36)により、
(37)
④ 千里馬常有=千里の馬は常にあり。
の場合も、
④ 千里馬常有=千里の馬は常有である。
といふ「名詞文」として、
④ 千里馬常有=千里(形容詞)+馬(名詞)+常有(名詞)。
といふ「語順」なのかも、知れないし、さうであれば、
④ 千里馬常有=千里の馬は常有である。
といふ「語順」は、「漢文として、普通である」。
然るに、
(38)
「韓愈」自身は、
存在を表わす動詞として、古代語においても、「」と「」と常用されている。しかし、その存在するものと、存在する場所という単語の語順は、全く反対である。
といふことを、どうでも良いと思ってゐたのかも、知れない。
然るに、
(39)
仮に、さうであるならば、
① 伯楽不常有=伯楽は常にはあらず。
④ 千里馬常有=千里の馬は常にあり。
といふ「それ」は、固より、
① 伯楽不常=伯楽は常にはあらず。
④ 千里馬常=千里の馬は常にあり。
である。といふことになる。
然るに、
(40)
(ⅰ)
1  (1)∀x{馬x→∃y(千里xy)}    A
1  (2)   馬a→∃y(千里xy)     1UE
 3 (3)   馬a              A
13 (4)         ∃y(千里xy)  23MPP
  5(5)            千里ab   A
 35(6)         馬a&千里ab   35&I
 35(7)      ∃y(馬a&千里ay)  6EI
13 (8)      ∃y(馬a&千里ay)  457EE
1  (9)   馬a→∃y(馬a&千里ay)  38CP
1  (ア)∀x{馬x→∃y(馬x&千里xy)} 9UI
(ⅱ)
1  (1)∀x{馬x→∃y(馬x&千里xy)} A
1  (2)   馬a→∃y(馬a&千里ay)  1UE
 3 (3)   馬a              A
13 (4)      ∃y(馬a&千里ay)  23MPP
  5(5)         馬a&千里ab   A
  5(6)            千里ab   5&E
  5(7)         ∃y(千里ay)  6EI
13 (8)         ∃y(千里ay)  457EE
1  (9)      馬a→∃y(千里xy)  38CP
1  (ア)   ∀x{馬x→∃y(千里xy)} 9UI
従って、
(41)
(ⅰ)∀x{馬x→   ∃y(千里xy)}=すべてのxについて、xが馬であるならば、あるyは、xの千里である。
(ⅱ)∀x{馬x→∃y(馬x&千里xy)}=すべてのxについて、xが馬であるならば、あるyは、馬である所のxの千里である。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
然るに、
(42)
(ⅱ)∀x{馬x→∃y(馬x&千里xy)}=すべてのxについて、xが馬であるならば、あるyは、馬である所のxの千里である。
といふことは、
(ⅱ)「馬の集合」の中には、「千里の馬」が、「必ずゐる」。
といふ「意味」である。
然るに、
(43)
(ⅱ)「馬の集合」の中には、「千里の馬」が、「必ずゐる」。
といふことは、
(ⅱ)千里の馬は、常に有る。
といふことである。
然るに、
(44)
(ⅱ)∀x{馬x→∃y(馬x&千里xy)}=すべてのxについて、xが馬であるならば、あるyは、馬である所のxの千里である。
とするよりも、
(ⅲ)∀x{馬x→∃y(千里馬y)}   =すべてのxについて、xが馬であるならば、あるyは、千里の馬である。
とする方が、「簡単(計算が楽)」なので、以下では、
(ⅲ)∀x{馬x→∃y(千里馬y)}   =すべてのxについて、xが馬であるならば、あるyは、千里の馬である。
であると、する。
従って、
(28)(41)(44)により、
(45)
④ 千里馬常有而伯楽不常有=
④ 千里馬常有而伯楽不(常有)⇒
④ 千里の馬は常に有れども伯楽は常には有らず。
といふ「漢文・訓読」は、
④ ∀x{馬x→∃y(千里馬y)}&~∀z(馬喰z→伯楽z)=
④ すべてのxについて、xが馬であるならば、あるyは、千里の馬であり、&すべてのzについて、zが馬喰であるならば、zは伯楽である。といふわけではない。
といふ「述語論理・訓読」に、相当する。
(46)
漢文」は、もともと、「人工言語」であるものの、「漢文の文法」は、「語順」だけである。と言っても、「言ひ過ぎ」ではない。
従って、
(47)
漢文」には、「ギリシャ語や、ラテン語や、エスペラント」のやうな「文法」が「一切、皆無」である。
cf.
漢語におけるこのような表現のしかたは、単語の間の関係を文法的な形式によって示すことを重んじている西欧の言語になれている人にとっては、まことに奇妙なことに思われるものと考えられる。カールグレン氏は、その著書《中国の言語》において、このような奇妙な孤立的な漢語の文法は、「非常に貧弱なものであり」、「漢語においては、文法的な分析は、あまり役に立たず、実際に役立つのは、広い読書を通じて習得した経験、つまり、中国人がどのようにして文をつくりあげているかということに対する感覚が、唯一のものである」と説き、更に、漢語の文の意味を理解するためには、「豊富な直観が、必要である」とも述べている(鈴木直治著、中国語と漢文、1975年、293頁)。
然るに、
(48)
述語論理」にも、「ギリシャ語や、ラテン語や、エスペラント」のやうな「文法」が、「皆無」である。
それ故、
(49)
蓋し、「述語論理」に、「最も近い言語」は、「漢文」であるに、違ひない。
従って、
(50)
漢文」に興味がある私は、「その勢ひ」として、「述語論理」にも、興味を持つことなる。
それ故、
(51)
「然るべき、漢文」に関しては、どうしても、「述語論理」に訳したくなるものの、そのやうなことをしてゐると、せっかく買った、「Word2019」の勉強を、いつまで経っても、始めることが出来ず、そのことが、今現在の、「最大の悩み」になってゐる。

(214)「伯楽不常有(部分否定)」と「伯楽常不有(全部否定)」の「述語論理」。

2019-05-09 14:51:41 | 訓読・論理学

(01)
{a、b、c}が「変域(ドメイン)」であるとき、
① ~∀x( Fx)=~(Fa&Fb&Fc)
然るに、
(02)
「ド・モルガンの法則」により、
① ~∀x( Fx)=~( Fa& Fb& Fc)=(~Fa∨~Fb∨~Fc)
然るに、
(03)
②   ∃x(~Fx)= (~Fa∨~Fb∨~Fc)
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~∀x( Fx)=~( Fa& Fb& Fc)=(~Fa∨~Fb∨~Fc)
②   ∃x(~Fx)= (~Fa∨~Fb∨~Fc)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
③  ∀x( Fx)= ( Fa& Fb& Fc)
④ ~∃x(~Fx)=~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
然るに、
(06)
「ド・モルガンの法則と、二重否定」により、
④ ~∃x(~Fx)=~(~Fa∨~Fb∨~Fc)=(~~Fa&~~Fb&~~Fc)=( Fa& Fb& Fc)
従って、
(05)(06)により、
(07)
③  ∀x( Fx)= ( Fa& Fb& Fc)
④ ~∃x(~Fx)=~(~Fa∨~Fb∨~Fc)=(~~Fa&~~Fb&~~Fc)=( Fa& Fb& Fc)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(07)により、
(08)
⑤  ∀x( ~Fx)= ( ~Fa& ~Fb& ~Fc)
⑥ ~∃x(~~Fx)=~(~~Fa∨~~Fb∨~~Fc)
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(09)
「二重否定」により、
⑤  ∀x( ~Fx)= (~Fa&~Fb&~Fc)
⑥ ~∃x(  Fx)=~( Fa∨ Fb∨ Fc)
従って、
(04)(07)(09)により、
(10)
① ~∀x( Fx)=~( Fa& Fb& Fc)=(~Fa∨~Fb∨~Fc)
②   ∃x(~Fx)= (~Fa∨~Fb∨~Fc)
③  ∀x( Fx)= ( Fa& Fb& Fc)
④ ~∃x(~Fx)=~(~Fa∨~Fb∨~Fc)=( Fa& Fb& Fc)
⑤  ∀x(~Fx)= (~Fa&~Fb&~Fc)
⑥ ~∃x( Fx)=~( Fa∨ Fb∨ Fc)
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、
⑤=⑥ であるものの、このこと他を、「量化子の関係」と言ふ。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(馬喰x→ 伯楽x) A
1 (2)∃x~(馬喰x→ 伯楽x) 1量化子の関係
 3(3)  ~(馬喰a→ 伯楽a) A
 3(4) ~(~馬喰a∨ 伯楽a) 3含意の定義
 3(5) ~~馬喰a& ~伯楽a  4ド・モルガンの法則
 3(6)   馬喰a& ~伯楽a  5DN
 3(7)∃x(馬喰x& ~伯楽x) 6EI
1 (8)∃x(馬喰x& ~伯楽x) 237EE
(ⅱ)
1 (1)∃x(馬喰x& ~伯楽x) A
 2(2)   馬喰a& ~伯楽a  A
 2(3)~~(馬喰a& ~伯楽a) 2DN
 2(4)~(~馬喰a∨~~伯楽a) 3ド・モルガンの法則
 2(5)~(~馬喰a∨  伯楽a) 4DN
 2(6)  ~ 馬喰a→ 伯楽a) 5含意の定義
 2(7)∃x~(馬喰x→ 伯楽x) 6EI
1 (8)∃x~(馬喰x→ 伯楽x) 127EE
1 (9)~∀x(馬喰x→ 伯楽x) 8量化子の関係
(12)
(ⅲ)
1(1)   ∀x(馬喰x→~伯楽x) A
1(2)      馬喰a→~伯楽a  1UE
1(3)     ~馬喰a∨~伯楽a  2含意の定義
1(4)    ~(馬喰a& 伯楽a) 3ド・モルガンの法則
1(5)  ∀x~(馬喰x& 伯楽x) 4UI
1(6)~∃x~~(馬喰x& 伯楽x) 4量化子の関係
1(7)  ~∃x(馬喰x& 伯楽x) 6DN
(ⅳ)
1(1)  ~∃x(馬喰x& 伯楽x) A
1(2)  ∀x~(馬喰x& 伯楽x) 1量化子の関係
1(3)    ~(馬喰a& 伯楽a) 2UE
1(4)     ~馬喰a∨~伯楽a  3ド・モルガンの法則
1(5)      馬喰a→~伯楽a  4含意の定義
1(6)   ∀x(馬喰x→~伯楽x) 5UI
従って、
(11)(12)により、
(13)
① ~∀x(馬喰x→ 伯楽x)=すべてのxについて、xが馬喰であるならば、xは伯楽である。といふわけではない。
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=あるxは馬喰であって、伯楽でない(伯楽ではない、馬喰が存在する)。
③   ∀x(馬喰x→~伯楽x)=すべてのxについて、xが馬喰であるならば、xは伯楽ではない。
④ ~∃x(馬喰x& 伯楽x)=あるxが馬喰であって、伯楽である。といふことはない(伯楽である馬喰は、存在しない)。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(14)
{a、b、c}を「馬喰の変域(ドメイン)」とするとき、
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)= (~伯楽a∨~伯楽b∨~伯楽c)
④ ~∃x(馬喰x& 伯楽x)=~( 伯楽a∨ 伯楽b∨ 伯楽c)
である。
従って、
(14)により、
(15)
「ドモルガンの法則」により、
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=(~伯楽a∨~伯楽b∨~伯楽c)
④ ~∃x(馬喰x& 伯楽x)=(~伯楽a&~伯楽b&~伯楽c)
然るに、
(16)
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=(~伯楽a∨~伯楽b∨~伯楽c)
であれば、例へば、       (  伯楽a& 伯楽b& 伯楽c)
であれば、「偽」であるが、     ( 伯楽a&~伯楽b&~伯楽c)
であれば、「真」である。
従って、
(14)(16)により、
(17)
{a、b、c}を「馬喰の変域(ドメイン)」とするとき、
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=(~伯楽a∨~伯楽b∨~伯楽c)
であれば、例へば、 
② 馬喰aは伯楽である。
② 馬喰bは伯楽ではない
② 馬喰cも伯楽ではない
といふ場合に於いて、「」である。
従って、
(18)
{a、b、c}を「馬喰の変域(ドメイン)」とするとき、
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=(~伯楽a∨~伯楽b∨~伯楽c)
であれば、
② 三人の内の、一人は伯楽であり、他の二人は伯楽でない
のであれば、その場合は、「」である。
従って、
(19)
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=(~伯楽a∨~伯楽b∨~伯楽c)
であれば、
②「部分否定」である。
従って、
(13)(19)により、
(20)
① ~∀x(馬喰x→ 伯楽x)=すべてのxについて、xが馬喰であるならば、xは伯楽である。といふわけではない。
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=あるxは馬喰であって、伯楽でない(伯楽ではない、馬喰が存在する)。
に於いて、
①=② は、「部分否定」である。
然るに、
(15)により、
(21)
{a、b、c}を「馬喰の変域(ドメイン)」とするとき、
④ ~∃x(馬喰x& 伯楽x)=(~伯楽a&~伯楽b&~伯楽c)
であれば、
④ 三人の内の、三人とも伯楽でない。
ならば、そのときに限って、「」である。
従って、
(13)(21)により、
(22)
③   ∀x(馬喰x→~伯楽x)=すべてのxについて、xが馬喰であるならば、xは伯楽ではない。
④ ~∃x(馬喰x& 伯楽x)=あるxが馬喰であって、伯楽である。といふことはない(伯楽である馬喰は、存在しない)。
に於いて、
③=④ は、「全部否定」である。
然るに、
(23)
①「有」は「他動詞的」であって、
②「在」は「自動詞的」である。
従って、
(23)により、
(24)
① 伯楽不常有。
② 伯楽不常在。
であれば、
① よりも、
② の方が、分かり易い。
然るに、
(25)
「不常~」「常ニハ~ず」と読み、「いつも~とはかぎらない」の意を示す一部否定の形。全部否定は「常不」の形で「常に~ず」と読み、「いつもからなず~ない」の意を表す。
(旺文社、漢文の基礎、1973年、155頁)
然るに、
(26)
① 伯楽不常有=
① 伯楽不(常有)=
① 伯楽(常有)不⇒
① 伯楽は(常には有)ず。
(27)
③ 伯楽常不有=
③ 伯楽常不(有)⇒
③ 伯楽常(有)不=
③ 伯楽は常に(有ら)ず。
従って、
(20)(22)(25)(26)(27)により、
(28)
① 伯楽不常有=伯楽は常には有ず。
といふ「漢文・訓読」は、それぞれ、
① ~∀x(馬喰x→ 伯楽x)=すべてのxについて、xが馬喰であるならば、xは伯楽である。といふわけではない。
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=あるxは馬喰であって、伯楽でない(伯楽ではない、馬喰が存在する)。
といふ「述語論理・訓読」に対応し、
③ 伯楽常不有=伯楽は常に有ず。
といふ「漢文・訓読」は、
① ~∀x(馬喰x→ 伯楽x)=すべてのxについて、xが馬喰であるならば、xは伯楽である。といふわけではない。
②  ∃x(馬喰x&~伯楽x)=あるxは馬喰であって、伯楽でない(伯楽ではない、馬喰が存在する)。
といふ「述語論理・訓読」に対応する。
然るに、
(29)
因みに言ふと、
① 伯楽不常有。
といふ「漢文」は、
① 伯楽不常有=
① 伯楽不〔常(有)〕⇒
① 伯楽〔(有)常〕不=
① 伯楽は〔(有ること)常なら〕ず。
といふ風に、読むことも、可能であるし、
③ 伯楽常不有。
といふ「漢文」は、
③ 伯楽常不有=
③ 伯楽常〔不(有)〕⇒
③ 伯楽〔(有)不〕常=
③ 伯楽は〔(有ら)ざること〕常なり。
といふ風に、読むことも、可能であり、この方が、分かり易い。
cf.
原田種臣、私の漢文講義、1995年、56頁。
(30)
(ⅰ)
1 (1)~∀x(馬喰x→ 伯楽x) A
1 (2)∃x~(馬喰x→ 伯楽x) 1量化子の関係
 3(3)  ~(馬喰a→ 伯楽a) A
 3(4) ~(~馬喰a∨ 伯楽a) 3含意の定義
 3(5) ~~馬喰a& ~伯楽a  4ド・モルガンの法則
 3(6)   馬喰a& ~伯楽a  5DN
 3(7)∃x(馬喰x& ~伯楽x) 6EI
1 (8)∃x(馬喰x& ~伯楽x) 237EE
(ⅱ)
1 (1)∃x(馬喰x& ~伯楽x) A
 2(2)   馬喰a& ~伯楽a  A
 2(3)~~(馬喰a& ~伯楽a) 2DN
 2(4)~(~馬喰a∨~~伯楽a) 3ド・モルガンの法則
 2(5)~(~馬喰a∨  伯楽a) 4DN
 2(6)  ~ 馬喰a→ 伯楽a) 5含意の定義
 2(7)∃x~(馬喰x→ 伯楽x) 6EI
1 (8)∃x~(馬喰x→ 伯楽x) 127EE
1 (9)~∀x(馬喰x→ 伯楽x) 8量化子の関係
といふ「計算」は、
(ⅰ)
1 (1)不常x(馬喰x則 伯楽x) A
1 (2)有x不(馬喰x則 伯楽x) 1量化子の関係
 3(3)  不(馬喰a則 伯楽a) A
 3(4) 不(不馬喰a若 伯楽a) 3含意の定義
 3(5) 不不馬喰a且 不伯楽a  4ド・モルガンの法則
 3(6)   馬喰a且 不伯楽a  5DN
 3(7)有x(馬喰x且 不伯楽x) 6EI
1 (8)有x(馬喰x且 不伯楽x) 237EE
(ⅱ)
1 (1)有x(馬喰x且 不伯楽x) A
 2(2)   馬喰a且 不伯楽a  A
 2(3)不不(馬喰a且 不伯楽a) 2DN
 2(4)不(不馬喰a若不不伯楽a) 3ド・モルガンの法則
 2(5)不(不馬喰a若  伯楽a) 4DN
 2(6)  不 馬喰a則 伯楽a) 5含意の定義
 2(7)有x不(馬喰x則 伯楽x) 6EI
1 (8)有x不(馬喰x則 伯楽x) 127EE
1 (9)不常x(馬喰x則 伯楽x) 8量化子の関係
といふ風に、書いても、構はない。
(31)
1 (1)不常x(馬喰x則 伯楽x) A
1 (2)有x不(馬喰x則 伯楽x) 1量化子の関係
であれば、
1 (1)xが馬喰であるならば、則ち、xが伯楽である。といふことは、常にさうである。といふわけではない。 A
1 (2)有るxが馬喰であるならば、則ち、xが伯楽である。といふわけではない。 1量化子の関係
といふ風に、読めるため、
1 (1)不常x(馬喰x則 伯楽x) A
1 (2)有x不(馬喰x則 伯楽x) 1量化子の関係
よりも、
1 (1)~∀x(馬喰x→ 伯楽x) A
1 (2)∃x~(馬喰x→ 伯楽x) 1量化子の関係
といふ「記号」の方が、「優れてゐる」といふことには、ならない。