日本語の「は」と「が」について。

象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
とりあえず「三上文法」を「批判」します。

(208)「論理学」に於ける「ならば」と「日常言語」との「齟齬」について。

2019-05-04 16:18:40 | 論理

(01)
(ⅰ)
1  (1)(P→~Q)&(~P→Q) A
1  (2) P→~Q         2&E
 3 (3)    Q         A
 3 (4)  ~~Q         3DN
13 (5)~P            24MTT
1  (6) Q→~P         35CP
1  (7)        ~P→Q  2&E
  8(8)          ~Q  A
1 8(9)       ~~P    78MTT
1 8(ア)         P    9DN
1  (イ)        ~Q→P  8アCP
1  (ウ)( P→~Q)&
      ( Q→~P)&
      (~P→ Q)&
      (~Q→ P)       267イ&I
(〃)
1  (1)( P→~Q)&
      ( Q→~P)&
      (~P→ Q)&
      (~Q→ P)       A
1  (2)( P→~Q)       1&E
1  (3)(~P→ Q)       1&E
1  (4)(P→~Q)&(~P→Q) 23&I
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)(P→~Q)&(~P→Q)
(〃)(P→~Q)&(Q→~P)&(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
(ⅰ)=(〃) である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)(P→~Q)       &(~P→Q)
(〃)(P→~Q)&(その対偶)&(~P→Q)&(その対偶
に於いて、
(ⅰ)=(〃) である。
然るに、
(04)
(ⅰ)(P→~Q)       &(~P→Q)
(〃)(P→~Q)&(その対偶)&(~P→Q)&(その対偶)
(〃)(P→~Q)&(Q→~P)&(~P→Q)&(~Q→P)
といふことは、
(〃)(PならばQでなく)&(QならばPでなく)&(PでないならばQであり)&(QでないならばPである)。
といふことに、他ならない。
然るに、
(05)
(ⅰ)『二つの命題PとQのどちらか一つだが真のときに限って、「PまたはQ」が真になる。』といふことは、
(〃)(Pならば Qでなく)&(Qならば Pでなく)&(PでないならばQであり)&(QでないならばPである)。
といふことに、他ならない。
然るに、
(06)
「PまたはQ」に対する真理値の割り当てを「排他的または」に対して行うと、二つの命題PとQのどちらか一つだけが真のときに限って、「PまたはQ」が真になるに対し、「包含的または」に対して行うと、二つの命題PとQのどちらか一つか、あるいは、二つが真のときに「PまたはQ」が真になる。― 中略 ―、命題論理は、「包含的または」の方を採用しており、「真理表」にもそれが反映されている(早川書房、「不可能、不確定、不完全、」、2011年、207頁改)。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
(ⅰ)(P→~Q)    &(~P→Q)
(〃)(PならばQでなく)&(PでないならばQである)。
(〃)「排他的または」
に於いて、
(ⅰ)=(〃) である。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1 (1)  P→~Q A
 2(2)  P& Q A
 2(3)  P    2&E
 2(4)     Q 2&E
12(5)    ~Q 13MPP
12(6)  Q&~Q 45&I
1 (7)    ~Q 46RAA
1 (8) ~P∨~Q 7∨I
(〃)
1     (1) ~P∨~Q   A
 2    (2)  P& Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P& Q)  25RAA
   7  (7)    ~Q   A
 2    (8)     Q   2&E
 2 7  (9)  ~Q&Q   78&I
   7  (ア)~(P& Q)  29RAA
1     (イ)~(P& Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)     Q   A
    ウエ(オ)  P& Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P& Q)&
          (P& Q)  イオ&I
1   ウ (キ)    ~Q   エカRAA
1     (ク)  P→~Q   ウキCP
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ) P→~Q
(〃)~P∨~Q
に於いて、
(ⅰ)=(〃) である。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1 (1) ~P→ Q A
 2(2)  P&~Q A
 2(3)  P    2&E
 2(4)    ~Q 2&E
12(5)     Q 13MPP
12(6)  ~Q&Q 45&I
1 (7)   ~~Q 4RAA
1 (8)     Q 7DN
1 (9)  P∨ Q 8∨I
(〃)
1     (1)   P∨ Q   A
 2    (2)  ~P&~Q   A
  3   (3)   P      A
 2    (4)  ~P      2&E
 23   (5)   P&~P   34&I
  3   (6)~(~P&~Q)  25RAA
   7  (7)      Q   A
 2    (8)     ~Q   2&E
 2 7  (9)   Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(~P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(~P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  ~P      A
     エ(エ)     ~Q   A
    ウエ(オ)  ~P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)    ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)      Q   キDN
1     (ケ)  ~P→ Q   ウキCP
従って、
(10)により、
(11)
(ⅰ)~P→ Q
(〃) P∨ Q
に於いて、
(ⅰ)=(〃) である。
従って、
(09)(11)により、
(12)
(ⅰ)( P→~Q)&(~P→Q)
(〃)(~P∨~Q)&( P∨Q)
に於いて、
(ⅰ)=(〃) である。
従って、
(07)(12)により、
(13)
(ⅰ)( P→~Q)    &(~P→Q)
(〃)(~P∨~Q)    &( P∨Q)
(〃)(PならばQでなく) &(PでないならばQである)。
(〃)(PでないかQでなく)&(Pであるか  Qである)。
(〃)「排他的または」
に於いて、
(ⅰ)=(〃) である。
然るに、
(14)
(ⅰ)(PでないかQでなく)&(PであるかQである)。
(ⅱ)            (PであるかQである)。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) ではない。
従って、
(06)(13)(14)により、
(15)
(ⅱ)(~P→Q)
(〃)( P∨Q)
(〃)(PでないならばQである)。
(〃)(Pであるか  Qである)。
(〃)「包含的または」
に於いて、
(ⅱ)=(〃) である。
従って、
(15)により、
(16)
(ⅱ)( P→Q)
(〃)(~P∨Q)
(〃)(PであるならばQである)。
(〃)(Pでないか  Qである)。
(〃)「包含的または」
に於いて、
(ⅱ)=(〃) である。
従って、
(17)
論理学」でいふ所の、
(ⅱ)(Pであるならば、  Qである)。
といふ「仮言命題」は、
(ⅱ)(Pでないか、または、Qである)。
といふ「選言命題」であって、尚且つ、この場合の「または」は、
(ⅱ)「包含的または」であって、
(ⅰ)「排他的または」ではない
然るに、
(18)
① ~P∨Q(Pでないか、または、Qである)。
② ~P∨Q(Pでないか、または、Qである)。
③ ~P∨Q(Pでないか、または、Qである)。
④ ~P∨Q(Pでないか、または、Qである)。
といふ「包括的または」に於いて、
① ~真∨真(真でないか、または、真である)。
② ~真∨偽(真でないか、または、偽である)。
③ ~偽∨真(偽でないか、または、真である)。
④ ~偽∨偽(偽でないか、または、偽である)。
であるとする。
然るに、
(19)
~真=真でない=偽である=偽。
~偽=偽でない=真である=真。
である。
従って、
(18)(19)により、
(20)
①  偽∨真(偽であるか、または、真である)。
②  偽∨偽(偽であるか、または、偽である)。
③  真∨真(真であるか、または、真である)。
④  真∨偽(真であるか、または、偽である)。
従って、
(20)により、
(21)
①  偽∨真(偽であるか、または、真である)。
②  であるか、または、である)。
③  真∨真(真であるか、または、真である)。
④  真∨偽(真であるか、または、偽である)。
に於いて、
②  (偽であるか、または、偽である)。
だけが、
②   両方とも、「である」。
従って、
(06)(16)~(21)により、
(22)
① ~真∨真(真でないか、または、真である)。
~真∨偽(真でないか、または、偽である)
③ ~偽∨真(偽でないか、または、真である)。
④ ~偽∨偽(偽でないか、または、偽である)。
といふ「包括的または」に於いて、
② ~真∨偽(真でないか、または、偽である)。
だけが、「」である。
従って、
(16)(22)により、
(23)
(ⅱ)( P→Q)
(〃)(~P∨Q)
(〃)(PであるならばQである)。
(〃)(Pでないか  Qである)。
といふ「仮言命題(包括的または)」の場合は、
① ~真∨真(真でないか、または、真である)。
③ ~偽∨真(偽でないか、または、真である)。
④ ~偽∨偽(偽でないか、または、偽である)。
といふ「3通り」に於いて、「」になる。
従って、
(23)により、
(24)
①「明日が晴ならば、 釣りに行く。」
といふ「日本語」が、「包括的または」であるならば、
②「明日は晴である。 釣りに行かない。」
③「明日は雨である。 釣りに行く。」
④「明日は雨である。 釣りに行かない。」
に於いて、
② は「偽」であり、
③ は「」であり、
④ も「」である。
従って、
(24)により、
(25)
①「明日が晴ならば、 釣りに行く。」
といふ「日本語」が、「仮言命題(包括的または)」であるならば、
②「明日は晴である。 釣りに行かない。」
といふことが、起これば、「ウソ()」であるが、
③「明日は雨である。 釣りに行く。」
といふことが、起こったとしても、「ウソ()」にはならない
然るに、
(26)
(ⅰ)( P→~Q)   &(~P→Q)
(〃)(PならばQでなく)&(PでないならばQである)。
(〃)「排他的または」
に於ける、
(ⅰ)(P→~Q)&(~P→ Q)
といふ「仮言命題の連言」の「二つの後件」を「否定」し、
  ⑤(P→ Q)&(~P→~Q)
といふ風に、書き換へる、ことにする。
然るに、
(27)
⑤(P→Q)&(~P→~Q)
に於いて、
 P=「明日は晴である。」
 Q=「釣りに行く。」
といふ「代入」を行ふと、
⑤(P→Q)&(~P→~Q)⇔
⑤「明日が晴ならば、釣りに行き、明日が晴でないならば釣りに行かない。」
といふ、ことになる。
然るに、
(28)
⑤「明日が晴ならば、釣りに行き、明日が晴でないならば釣りに行かない。」
といふことは、
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
といふ、ことである。
従って、
(27)(28)により、
(29)
⑤(P→Q)&(~P→~Q)⇔
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
といふ、ことになる。
然るに、
(23)(24)(26)により、
(30)
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
といふ「日本語」は、「包括的または」ではないし、「排他的または」でもないし、
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
といふのであれば、
③「明日は雨である。釣りに行く。」
といふことが、起これば、ウソ()」にはならざるを、得ない。
然るに、
(31)
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
のやうな、
⑤(P→Q)&(~P→~Q)
⑤(P→Q)&( Q→ P)
を、「双条件法」と言ふ。
cf.
       (~P→~Q)は、
       ( Q→ P)の「対偶」である。
従って、
(25)(30)(31)により、
(32)
①「明日が晴ならば、釣りに行く。」
といふ「日本語」に於いて、
① が、「包括的または」であるならば、
③「明日は雨である。釣りに行く。」
といふことが、起こったとしても、「ウソ()」にはならないが、
① が、「双条件法」であるならば、
③「明日は雨である。釣りに行く。」
といふことが、起こったとすれば、「ウソ()」になる
従って、
(25)(32)により、
(33)
①「明日が晴ならば、釣りに行く。」
③「明日は雨である。釣りに行く。」
に於いて、
①と③ が、「矛盾」であると、感じるのであれば、その人は、
①「明日が晴ならば、釣りに行く。」
といふ「日本語」を、
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
といふ「双条件法」であると、思ってゐる。
といふ、ことになる。
従って、
(34)
①「明日が晴ならば、釣りに行く。」
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
に於いて、
①と⑤を、「混乱せずに、使用する」ならば、
①「明日が晴ならば、釣りに行く。」
③「明日は雨である。釣りに行く。」
に於いて、
①と③ が、「矛盾」であるとは、思はない。ことになる。
然るに、
(35)
⑤(P→Q)&(~P→~Q)
⑤(P→Q)&( Q→ P)
といふことは、
⑤ に於いては、
⑤「(とその対偶)」も「」である。
といふことに、他ならない。
従って、
(35)により、
(36)
必ずしもではない。」といふことを、
「ワザワザ確認しなければならない。」といふことは、大半の日本人は、
①「明日が晴ならば、釣りに行く。」
⑤「明日が晴ならば、そのときに限って、釣りに行く。」
といふ「日本語」に於いて、
①と⑤ を、「区別せずに使ってゐる。」
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(24)(36)により、
(37)
①「明日が晴ならば、釣りに行く。」
といふ「日本語」に於いて、
②「明日は晴である。釣りに行かない。」
③「明日は雨である。釣りに行く。」
④「明日は雨である。釣りに行かない。」
に於いて、
② は「偽」であることは、「正しい」。
③ は「真」であることは、「正しく」ない。
④ も「真」であることは、「正しい」。
とするならば、
①「包括的または」
⑤「双条件法」
であるところの、
①と⑤ を、「区別せずに使ってゐる。」
といふことを、「意味」してゐる。
従って、
(16)(37)により、
(38)
(ⅱ)( P→Q)
(〃)(~P∨Q)
(〃)(PであるならばQである)。
(〃)(Pでないか  Qである)。
(〃)「包含的または」
に於いて、
(ⅱ)=(〃) であるが、
(ⅱ)( P→Q)
(〃)(~P∨Q)
(ⅴ)( P→Q)&( Q→P)
(〃)(~P∨Q)&(~Q∨P)
(〃)Pならば、そのときに限って、Qである。
(〃)「双条件法」
に於いて、
(ⅱ)=(ⅴ) ではない。
といふことを、「確認」することは、「重要」である。