ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

時薬(ときぐすり)

2018-05-02 00:51:21 | 日記
3、4日前に夕食を食べていたとき
おっさんが、言った。

「この間の山口君の報道があった時には
ホントにどうしていいかわからなかったよ」

さらに言う。
「正直、嫉妬しちゃったよ。
オレに何かあったら、お前はあそこまで泣いてくれるんだろうかって」

泣くに決まってんでしょ!?
と答えながら
心のうちではこう叫ぶ。
「アンタのために、どれだけ涙を流してきたかっ!」

でも、まあいっか。
今は限りなく優しい夫なんだから。

夏日の今日、2人とも休みだった。

ピクニックに行こうよと、おっさんを誘い
おにぎり、サンドイッチ、缶ビール、缶チューハイを買って
近くの河原に出かけた。

日差しは強いが、風が心地いい。

10年前、2人で同じ場所に来たときのことを思い出す。
失意の底にいたおっさんを連れ出して
今日と同じように、ここでおにぎりを食べた。

あのとき、おっさんは寄ってくる鳩に向かって
「オレをばかにすんな!」と石を投げつけたっけ。

壊れていたおっさん。
でも、立ち直った。

「あ、魚が跳ねた!」
「あの木、なんていう名前なんだろうね?」

何気ない会話を続けながら、穏やかな時間を過ごす私たち。

京都には“時薬”という言葉があって
それは、時間がすべて解決してくれるという意味らしいが
確かにねぇ。

10年という歳月を掛けたが
いま、おっさんと私は本当に元気である。