入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       ’16年「冬」 (35)

2016年02月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 入笠を源(みなもと)とする小黒川の谷は、いつの季節であっても美しい。新緑に霞む春、清冽な水が緑陰を流れ下る夏、谷の中が紅葉に染まる秋、そして色彩を失った水墨画のような冬。
 しかしこの谷は、地盤が脆弱なため、しばしば通行止めになる。山から帰った翌日、入野谷へ風呂に行くつもりでついまた、戸台から小黒川林道に行ってみた。クマ撃ちのG君から、戸台経由なら牧場まで車で行けるという情報を得ていたため、今週末また牧場に行く以上、道路の様子を確かめておきたくなったのだ。
 案の定、一冬の間に林道は荒れて、道路上には岩屑や石ころがあちこちに落ちていた。さすがにそういう道を、前日帰ったばかりの牧場まで、また15キロの道程を無理して行く気も失せて、途中から引き返してきた。
 その日から、釣りが解禁になって、渓には釣り人の姿もあった。解禁初日とあってか、漁協の監視員の車ともすれ違った。小黒の谷には、幾つも大小のダムや発電所もあり、そのため漁業補償によって稚魚の放流が行われている。だから魚影は濃いのだろうか。昨年の夏など、静岡や千葉、山梨など遠くから来た同じ車をよく見かけた。通行止の期間は、車にオートバイや自転車を積んできて、通行止のゲートからは、それで谷を下っていった人たちもいた。彼らの大半は入漁券など持っていない。
 どうであれ、こんな深い谷の中で釣り糸を垂らせたら、さぞかし気持も良かろうと思って眺めてきた。

 小黒川も上流へ行けば川幅も広くなり、両岸からの落石の心配も減る。半対峠を越えていく古道「石堂越」の足跡も、運が良ければ見付けることができるだろう。はるかな昔の平安時代、都に馬を連れていく際に通った道だと伝えられてる。そんな遠い昔を偲ぶ現代の旅人の姿を、いつか見てみたい。

 今週また19,20,21日と牧場に上がりますので、その間ブログを休みます。
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