入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’24年「夏」(22)

2024年06月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

   この牛たち、他の牛と違い草を食べる様子を見せない

 これほど激しく降る雨の中でも乳牛は、ホルスもジャージーもそれほど濡れるのを意に介さずに草を食んでいる。牛たちが囲いの中にいる限りは、脱柵は不可能だし、間近に行動が分かるからまず安心していられる。
 ところが和牛はそうはいかない。今は第1でなく第2牧区へ移したが、昨日の脱柵牛のように、どこで何をするか分からない。加えて電気牧柵の電圧が雨による漏電のために低下していて、5000ボルト前後をかろうじて維持している状態ではその効果が気になる。

 本日は沈黙の予定でしたが、まだ記憶の消えないうちにその後の脱柵牛の顛末を呟いておきます。

 昨日の4頭の脱柵牛は、2頭が通常牧柵と電気牧柵を切って、それでもともかく牧内に戻った。しかし、残り2頭のうち1頭は移動中に後ろ足を痛め、それで気が立ってか誘導しようとすると向かって来る始末、仕方なくそこに残して他のもう1頭を探すことにした。
 この行方知らずの牛30番は、かなり牧場から離れて国有林の中にいたのを見付け、ようやく林道まで追い出し、牧場近くまで連れ戻せたまでは良かった。ところが、牧内に戻ることができず、それからは反対方向にテクテクと歩き出し、テイ沢の出合いどころかさらに林道を下っていこうとする。
 その間には、「法華道を守る会」の人たちや、沢から来た登山者の対応など、いろいろな問題も起きた。

 とにかく後を追うのではなく、軽トラをその先に出して牛を追い戻さなければならないがそれができる場所がない。牛は喉が渇いているらしく、小黒川に下りようとするふりまで見せハラハラする。川に下ってしまったら、もう手の施しようがない。
 南沢まで行きそうだと覚悟を決めていたら、どういうきっかけだったか、牛が反転した。そのためわれわれも、軽トラを後進させながら牛との距離を保ち、一カ所記憶にあった川床へ下る作業道へ車を入れ、牛に先を譲った。そして今度は後ろから追うことになった。
 いやぁ、その後も方向転換しようとしたり、車に向かってきたり、車を降りた職員のO君に反撃を試みたりと緊張が続いた。それでも道路脇の小さな流れで水を飲むことができて少し落ち着き、さらには長い間の逃避行で疲労も増してか、O君との間にも少しづついい関係が生まれ始めた。そういう様子を恥ずかしながら牛守は軽トラから見守った。

 この機を逃さないようにとロープを取りに小屋に戻り、ようやく脱柵牛は人間の支配下に戻った。その後は、O君と牛はまるで夫婦のように睦まじい関係になり、さらに下から応援に2名職員が来て牛は牧内の群れと合流した。逃走劇5時間、いやいやもっとだ。
 その後、残置させておいた牛をやはりロープを使って誘導し、この牛は足の様子を見るためパドックの中に入れた。
 最後は職員3名とで肉牛全頭を隣の第2牧区へ移した。21日の歩行数1万2000歩、22日は1万5000歩。

 第2牧区へ移した和牛の全頭は本日23日、問題のないことをすでに確認済み。 

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 本日はこの辺で。

 
 
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