入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’24年「夏」(31)

2024年07月04日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 午前5時起床、今朝も霧が深い。里に用事が出来、その前に取り敢えず牛の全頭確認に出る。1時間ほどかけて終えたが、無事。心配していた42番はきょうも単独で、あまり元気そうではなかった。
 他の南信州の牛たちは昨日の午後、さんざん時間をかけて再度追い上げ坂に戻した。あそこの方が第2牧区と比べ下部は平坦であり、草の状況も良かったからだが、そうしたら、まるで別の牛かと思うほど元気に草を食べだした。
 あの牛たちは昨日も朝からいつもの場所に所在無気に群れて、飼料を持っていっても反応はいまひとつ、ついには下に戻そうかとさえ考えたのだが、そんな様子を見られて思い留まった。

 昨日は各地暑かったらしい。ここからそう遠くない隣県の山梨も35度近くになったとか。「高原にいらっしゃい」という惹句を何かの宣伝で見た記憶があるが、ここはまだ暑さ知らず、同じ言葉を使いたい。
 温暖化が心配されて久しく、今年の夏のことは分からないが、記録のある2年前くらいまでは一番暑い日でも30度には届かなかった。今年はまだ半袖にならなくても暑くないし、夜は相変わらず毛布と布団をかけて寝ている。
 里ではさすがに炬燵は見るだけで暑苦しいから片付けたが、ここではそのままにしている。

 東京を引き上げて、もう、21年にもなる。「おぎゃ」と泣いて生まれても、それだけ経てば、生意気盛りの若者に成長する。そうやって考えると、あの21年間に比べ、信州で暮らした21年は短かったと月並みな感慨を覚える。
 何度も同じことを呟くが、東京を去る時、これからは夏でも冷房の世話にならずに済むと、そんなことがやたら嬉しかった。あまり、というか、かなり神経は鈍いと思うが、冷房だけには閉口した。と言って、なければ暮らしていけない。
 それが有難いことに、高原に職場を得て、夏の暑さからは逃れて暮らすことができた。「高原にいらっしゃい!」

 先日、人に勧めれれサングラスを買った。余程のことでもなければそんな物の世話にはならずに来たが、ここの夏の鋭い日射しが気になるようになってきたのだ。視力にも影響するだろう。
 某スポーツ店で店員の言うことに従って買った。しかし改めて見れば、これはどうやら女物だ。間違いない。
 そんなわけで、もしも女物のサングラスをして牛の世話をする姿を見ても、笑ったりはせず、無視してくれるようにとお願いします。

 ようやく日が昇り出したようだ。まだ霧は深い。これから里に下り、午後には戻る。
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 本日はこの辺で。

 

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