入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

       ’24年「夏」(32)

2024年07月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 いい朝が来た。今朝はウグイスの声が聞こえてくる中、いつものように朝飯前、5時半に牛の機嫌を伺いに出た。
 昨日最後の見回りに出て、第2牧区に入るゲートをうっかり閉め忘れ、戻ってきてそれに気付いた。ゲートの先に新たに設置した水切りのことに気を取られたせいだと分かったが、それにしてもこういう不始末は情けない。脱柵した牛がいなくて幸いだった。
「水切り」とは道路を流れる雨水を受け止め、道路外にその流れを誘導するゴムを付けた丸太、もしくは単なる丸太のことをこう呼ぶ。あんなものがゴム付きは1本3万円ほどし、当牧場ではもちろん、ゴムのない丸太である。
 和牛の無事をまず確認し、さらに牧区の一番上段に1頭だけでいると思われる42番の確認に行く。

 見慣れた風景とはいえ、今朝の吸い込まれるような空の深い青さに驚く。入笠の山頂から昇りかけた鋭い光を放つ朝日、朝露で湿り気を帯びたすがしい大気、緑の草原と風が運ぶその匂い、聞こえてくる鳥の声などなど、視覚だけでは見えない風景を改めて感じた。まさに目の覚める眺めだ。
 できればここに写真を載せたかったが、あれはいろいろな感覚が捉えたものを脳が集め描き出した景色であって、現場に立つことでしか見えない類のもののような気がし、断念した。(7月6日記)

 昨日、牛が下りていった。南信州の牛たちである。最初は2頭と聞いて、そのうちの42番のためには途中までトラックを上げることが決まった。そのため、一昨日の夕方、そして昨日も早朝からずっと作業道の際の障害になりそうな枝打ちを続けた。
 ところが、やって来たトラックは2トンでなく4トンで、運転手は作業道への進入は無理だと言う。その上、さらに下牧する牛がもう2頭増え、4頭となった。
 無理してここに残して問題が起きても困るし、当然ながら、畜主は一番それを恐れる。そのあたりの事情はよく分かるが、それにしても、散々苦労させられた挙句の結論であった。敗北感と言ったらいいのか、割り切れない思いが後を引いた。

 今朝は好天のはずが、早くから霧が出たりしてまだ青空は見えない。カッコウの声だけが聞こえる。8時過ぎの気温は20度、いつもよりか遅く、これから牧に向かう。

 山小屋&キャンプ場の営業案内は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。明日は沈黙します。


 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«      ’24年「夏」(31) | トップ |         ’24年「夏... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

キャンプ場および宿泊施設の案内など」カテゴリの最新記事