雨が降ってる。もう、夏の面影はない。たった一夜の雨で、季節は夏から秋へと入れ代わってしまったのだろうか。雨に濡れる森や草原を眺めていると、何か大きなものが去っていった後のような、落莫とした思いがしてくる。
昨日、管理棟の入口に、使い残した薪がおいてあった。あんなふうにして一人、二人とキャンパーの姿が消えていき、今は一つのテントさえない。昨夜山小屋に泊まった東京から来た二人が7時過ぎ、雨の中を帰っていき、ここにはもう誰もいない。昨日までの光景は嘘のように消えている。
雨脚が強まり、権兵衛山はまた雲の中に隠れてしまった。今朝は小鳥の声もしない。自然はその力を出し切り、絶頂をあとにして少しづつ下降していく登山者でもあるようだ。
「塩をくれー」
「一列縦隊で来い」
焚火の名残り
「晩夏」という言葉が好きだが、ここにはそれがない。舞台が一転するように、一気に季節は秋へと移り変わる。今朝も牧場を一巡してきたら、いつの間にか牧草も秋の色に変わりつつあるようだ。今日からこのブログのタイトルを「秋」に変える。
FKBさん、かんとさん、コメントありがとうございました。また牛守に戻って、やってきた新しい季節の中で暮らします。
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