
緑の色が一段と濃くなってきた。芽吹きが進む春から初夏のころは、一口に緑色と言っても樹種によりかなりその色合いに違いがあり、緑と言うよりか黄色に近い色もあって、自然は絵具では手に負えないほどの複雑な色を見せてくれる。今はもう落葉松の葉の色であれ、白樺の葉であれ少し離れてみればそれほどの違いはない。
今朝に限って、その単調で平凡な緑の色になぜ関心がいったかと言えば、それは前日の雨と朝の光のせいだった。同じ落葉松の緑でも、光の加減で単調な緑の色が絶妙に変わる。風も一役買って、夏の終わりのころの疲れた緑ではなく、生まれたばかりの朝の光に煌き、溌剌として変化する緑の色を見てきた。
実は昨日も里に帰った。片付け損ねた食物と、家の周囲に繁茂する雑草が気になって、それで山を下った。雑草に混じり、4月の仕事を始めたころに咲き出したミヤコワスレの花がまだ咲いていて喜んだ。外来種だろうか、これまでに見たことのない草もあって、とにかく、力任せに草刈り機を振り回し、刈るだけ刈ってきた。
上と下とでは6度くらいの温度差がある。そのせいでか、三日前に帰った時は少し寝苦しかった。昨夜もそうかと思ったら、意外とよく眠れた。
このごろ、中高年の過剰な睡眠が寿命を縮めるなどという説を仄聞し、驚いている。これまでも、特に上で暮らすようになってからは喜んで9時間、10時間の長寝を楽しんできた。そんな快眠を止める気はない。夢も見るから深い眠りではないと言われても、その夢だって楽しみのひとつであるから気にしない。
古来稀なる年齢を少なからず過ぎた身では、よく動く方だと思う。先週の平均歩行数は1万歩を超えていたし、まだ重い物も担ぐことができる。睡眠は肉体労働を評価、判定する目安のような物だと考えているから、逆にあまり睡眠時間が少ないと、怠けていたようで精神衛生上良くないとさえ思う。
夜中に目が覚めて眠れなければ、起きている。苦にしない。ただし、昼寝はしないと決めている。快眠というご馳走を先につまみ食いしてしまうような真似は、愚かなことだと考えるからだ。
肉体労働に加え、ここの気温と適度な湿度、そして無音と言ってもいいような静けさ、それが我が睡眠導入剤である。そして、最大の報酬であるかも知れない。
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本日はこの辺で。