ピンボケが惜しいが、冬の仙丈はいつもこんな感じ Photo by Gonbei
昨日は予報通り雪が降った。予定のない雪の日は、”休息日”と決めているから、何もしない。
降る雪の中、一羽の椋鳥がまた柿の木に来て、細い枝をしならせながらしばらく餌をついばみ、漁っていた。なぜ昨日に限って一羽だけで来たのかは勝手だが、ひょっとするとあの椋鳥の相方も、それを見ている者と同じように雪の日は、何もしないと決めているのかも知れない。酔わない程度にビールを飲みながらそんな様子を、眺めるともなく眺めながら時を過ごした。実際、雪が降るといろいろな口実ができて困る。
今日も雪こそ降っていないが、空の大方を雪雲が覆い、残されたわずかの青空と、風に揺れる木々が寒さを誘う。
午前中はフランス映画をテレビで見た。暗い映画だった。どうもこの国の映画は暗いと思い込んでいてあまり見ないが、聞こえてくるフランス語だけは耳に心地よい。と言って、もちろん字幕を見なければ何を言ってるかは分からない。
英語とフランス語は、40パーセントぐらいは発音の似た単語があると、何かの本で読んだことがある。時々、確かに似た音を聞いたような気がする。発音も、英語よりラクだとか言う人もいた。ただし文法は難解で、「一生をかけて学ぶ言語」だと、当のフランス語を母国語とする某婦人から聞いたことがある。
もとよりフランス語にも、フランス人にもまったく興味も関心もない。日本人の若い女性の間では人気があったようだが、今はどうか知らない。あれほど気位が高く、自己主張の強い人々なのに、「国境のない医師団」などを組織して、世界中の災害などにいち早く出動、活躍する姿を目にすると、この国の人々に対する印象が少し変わる。
日本人にもいろいろいる。鹿にもいろいろいる。一概に決めてはいけないだろう。特に、あの人たちから変人として紹介されているだけでなく、自らもそれを認めている身にあっては。
寒空の下、道路工事の音や作業員の声が、ここまで聞こえてくる。入笠も大変な雪のようだ。