スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

スウェーデンのポルスカと、ポーランドの音楽

2017-12-21 09:27:09 | ポルスカについて

スウェーデンの伝統的なダンス曲「Polskaポルスカ」は、スウェーデン語でポーランドを意味します。

「ポーランド」とよぶ理由は、昔、ヨーロッパで流行したペアダンス(男女がくんで踊るという、当時は画期的で刺激的なダンスのスタイル)が、ポーランドを経由してスウェーデンに入ってきたからだと言われています。スウェーデンのダンスは、国の名前がついたものが多く、ショティスはスコットランド、エンゲルスカはイングランド、レインレンデルはドイツの地名で、その土地から来たダンスだと言われています(音楽はスウェーデン産)。ですが、実際にその国から入ってきたかどうかは不確かです。例えば、2拍子のショティスを聞いたことがなかった田舎の人が「あんなモダンな音楽はドイツの曲に違いない」と言い、そのショティスのことを「ティスカ・ポルスカン(ドイツのポルスカ)」と呼んだ、なんて話もあります。

という話はさておき、このスウェーデンのポルスカと、ポーランドの音楽、枝分かれするずっと前は同じだったのでは?今でも共通する部分があるのでしょうか?

スウェーデンの伝統音楽奏者、ポーランドの音楽奏者が集い、交流をし、その謎にせまるプロジェクトが1-2年前に始まりました。当時アップされた動画は残念ながら意味がわからなくって。1年待って、やっと英語字幕がつきました!!(ポーランド語は英語字幕、スウェーデン人は英語で話します)そして見てみると…すごく面白いです。動画の中でも言っていますが「この問いに対する答えはすぐに出るものではない、始まったばかり」だと。ですが、確かに共通点を感じます。そして、すごく違うとも感じます。動画でも「共通点は明らかなのに、とにかく違うんだ。求めているもの、向かっていく先、すべてが違う」と語ります。

Polska - Dance Paths

ポーランド人からみたこの二つの音楽を語るところを聞くと、違う角度から物体をみつめるようにスウェーデンの音楽の特徴が浮かび上がってきます。「スウェーデン人は歌うように弾き、そこにルールを感じる(※秩序や理性を感じるという意味かと思いました)。そしてダンスのためにリズムを奏でる。(※スウェーデンの伝統音楽は世界でも珍しく打楽器を使いません。メロディの中でダンスのリズムを表現します。)でも、ポーランドの音楽は、一緒に弾くこと自体を楽しむ音楽なんだ(※ポーランドの民俗音楽はダンスのための音楽ではないとという意味かと思いました)。ドラム、ベース、リズムがあり、フィドラーやシンガーはそれに合わせて自由に歌う/演奏する、即興の音楽だ」と。

「コミュニズムなど政治、社会的な問題で、ポーランドの伝統音楽は大事にされなかった。人々に見下された音楽だったが、スウェーデンは違っていた。伝統音楽の学校があり、指導者と一緒に演奏ができた。ポーランドでそんな学校を作ることは不可能だった。」と。1976年にはスウェーデンにはフィドラー向け指導者育成の学校があったそうです(伝統音楽の、と明言していないように思いましたが、文脈よりそう理解しました)。「今では生徒が1000人。人口900万のスウェーデンにしてはかなりの人数だ」と言います。後半は、ポーランドとスウェーデンのグループがそれぞれに演奏するコンサートの様子もおさめられ、楽しめます。さりげなくスウェーデンの伝統音楽の有名な人たちが登場しています。最初のほうで語っているMagnus Gustafssonマグヌス・グスタフソンはフィドラーでもあり、伝統音楽の研究者でもあります。論文を書いたり、歴史的な内容の講義も色んな学校でする人で、スウェーデンの伝統音楽をしていると誰もがどこかで会ったことがある人、です。

51分の動画です。飲み物を用意して、ゆっくりと見たくなります。


<お知らせ>

12月23日 すばるホール・プラネタリウム(富田林市)「コルミッコ」のコンサートでちょこっとゲスト出演。クリスマスのディープなお話しと演奏です。久々のソロ(ゲスト出演)で自由度が高いので、選曲も構成もかなりレアでいきます。これで今年が終われる!

1月7日 満席になりました。hardingfele solo live(ニッケルハルパ、ゲスト出演)大阪、天六のTime blueにて。ノルウェーの紅茶、スウェーデンの紅茶を用意します!

1月20日 和歌山のリュースモーネにて(南海高野線の林間田園都市駅まで送迎有・予約時に要連絡)、1月21日 難波のカフェ・ホロホロにて、野間友貴さんとデュオ。たっぷりとスウェーデンの伝統音楽です。

2月4日(日) Spel och dans 曲を習ってその曲で踊るワークショップ

3月9日(金) ニッケルハルパ・ソロライブ 第五回古民家コンサート(生駒市桜ケ丘6-2 生駒駅より徒歩10分)

1500円 ケーキ付 13:30~「桜が丘つどい場”笑”」にて 定員20名

※お問合せ・ご質問はこちらまで。nyckelharpaーあっとーfolkishproject.com ーあっとーは@マークに変えてください。2-3日で返事がない場合はお互いどちらかのメールが届いていないと思います。


そして、去年のこの時期も全然、北欧と関係のない動画をアップしましたが、今年も!

今年、私が一番ヘビロテで見た動画です。ウクライナのグループでノリノリです!イェイ!特にブルガリアン・ボイスという訳ではないですが、あれがロックになったらこんな感じかなー?みたいなワクワク感があります。

DakhaBrakha — Yanky

 

気に入った方は、もっとこちらで聴けます!

DakhaBrakha: NPR Music Tiny Desk Concert

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