かずこの想い

日本共産党区議会議員ぬかが和子の日々の出来事や想いを綴るページ

西新井小の改築工事はなぜこんなに遅れたのか

2011年09月08日 | 教育・子ども
 
  
今回、一番うれしかったのが、この写真の風景です。子どもたちがプールや体育館でのびのびと体育をやっている姿がありました。
それには深~いわけがあります。
 
工期が3回も延びました。そのため、もともとは今年の4月には新校舎で生活できることになっていましたが、3回も工事や契約の変更があり伸びました。
後期開始の10月が正式な新校舎の利用開始になります。改築に着手したのが平成19年、4年越しです。

子どもたちにとって4年は長い!校庭もプールも使用できない期間が伸びるのは大変なことでした。

特にこの一年間は、文教委員会でこの問題の改善を繰り返し求めてきました。

子どもたちが自由に思いっきり身体を動かせる機会をふやして!プールも代替策を!など
それこそ担当課長と目が合えば口癖のように「西新井小学校の子どもの校庭やプールの代替対策を!」と。もちろん学校からも要望があったそうです。
その中で、舎人公園にバスを出して「一日体育」。プールは近くの学校プールの空いた日を借りるだけでなく、本町小学校の温水プールも借りて利用できるなど、改善されました。
それでも、温水プールは一学年ににつき1回だけだったのです。

だから、改築新校の正式使用は10月ですが、プールと体育館は前倒しで開放することになりました。この9月からです。
西新井小学校の子どもたちは、9月に初めて自校でプールに入ることができたのです!
だから子どもたちの元気な姿が何よりもうれしかった というわけです。


なぜこんなことになったのか…。工期も長く、延期が繰り返されたのか…。
大きく分けて二つの要因があります。

1つは東日本大震災でサッシなど資材が入りにくくなったこと…。これはやむを得ないことと思います。
2つは、学校の敷地内での建て替えという、足立でも初めての試みであったこと
 
他の学校では絶対に見られない、改築中の新校から既存校舎を写した写真です。
子どもたちが通う学校の敷地内での工事。本当に大変だったと思います。

3つは、PM的手法という、施工管理や建て替えに関する様々な手続きを民間に「丸投げ」するようなやり方を、これまた初めて導入したこと
 特にこの3番目が問題です。

当時の議会討論を振り返ってみると…
本会議場での指摘だけでもこんなにありました。(下の方にアップしています。委員会や補正予算審議ではもっとたくさんやっています)




21年12月 補正予算討論(一部)
 「新たな外部委託により、更に税を投入する問題も看過できません。債務負担行為の中に、PM業務委託の1億1,000万円が入っています。これは新たに改築を行う学校2校分のPM(プロジェクトマネジメント)を実質来年度から4年間で1億1,000万円、毎年にすると2,700万円余かけるためのものです。
 今、建て替えを行っている西新井小、中川小から、区の職員が工事の進行管理やチェックをするやり方を変え、外部にゆだねるPM的手法を導入していますが、設計や工事監督などの一括発注の中にPM業務も含まれており、今回のような予算はかかりませんでした。
 しかし、PM管理のミスなどにより、この2校の工事は遅れてしまいました。その欠点を補い、設計や工事監督を一括して行う業者をチェックするために、別の会社にプロジェクトマネジメントを委託する必要があるからと計上された予算です。
 新たな外部化により学校改築を進めるならば、今回のような方法しかないのかもしれませんが、結局外部に、設計だけでなく、工事の進行管理を丸投げするやり方を進めることで、新たなお金が必要になっているのです。
 しかも、プロジェクトマネジメントを専門にできる会社は主に大手の設計会社であること、それでも民間では、会計検査や補助金の関係など行政の建築独特の手法には不慣れであり、結局は、区の職員体制を現在よりも厚くせざるを得ないことも明らかになりました。そこまでして、外部に工事の進行管理を投げる必要があるのでしょうか。こういった予算を新たに組むことは認めるわけにはまいりません。
 区には、優秀な技術職員がいます。今こそ区の技術職の新たな採用も含め、育て、活用を行い、学校改築や施設更新を行う方法に立ち返るべきです。」

22年9月 監査委員からも指摘!
 「監査の結果、指摘事項はございませんでしたが、西新井小学校改築工事について、1件の意見・要望をいたしました。改築工事に当たって採用されましたプロジェクトマネジメントについてでございます。
 区は、西新井小学校の改築工事に当たりまして、A社との間で設計等業務委託契約を結んでおります。委託の内容は、通常の設計、工事監理業務に加えまして、プロジェクトマネジャーを選任し、工事への指導助言や、発注者である区との連絡調整など、大きな役割を担わせるものとなっております。
 しかしながら、区におきましては、工事を所管する教育委員会に専任技術職員の配置がなされず、また、A社も、所与のプロジェクトマネジメント業務を適切に展開することができなかったこと等によりまして、プロジェクトマネジメントは十分機能いたしませんで、結果としまして、設計変更や工程の遅延等の問題を生じているところでございます。
 プロジェクトマネジメントは、建設工事の効率的な推進を可能にするものとされておりますが、その機能を発揮するためには、発注者とプロジェクトマネジャーの責任と権限の明確化が不可欠であり、かつ、また双方に適切な人材配置がなされることなどが重要であるとされております。
 プロジェクトマネジメントの導入は、自治体として先駆的な取り組みでございましたが、その機能を担保する態勢づくりやリスク管理の面では、対応が十分でなかったと言わざるを得ません。
 本工事の残された工程、並びに、区において今後他の工事に適用するに当たりましては、このことに十分留意されるよう求めたところでございます。」

22年12月 補正予算討論(一部)
「西新井小学校の改築工事の遅れにともなう建設経費の増額は、本来、行政が職員の手で行うべき部分を、PM方式で外部委託をする手法をとったため、設計段階の問題点も事前にチェックできなかったことによるもので、行政責任をあいまいにし、市場化の流れにのって経費節減を図ったつもりが、結局、新たな経費が必要となったもので、重大です。」

23年2月 代表質問より
「新たな外部化を次々と行う中で、西新井小学校の改築は重大な遅れを招き、区民に配布するリブインは、重大なミスにより一部再発行するなど、公共サービスの質の低下も招いてきました。」

子どもにしわ寄せがいくのは重大な問題ですから、本当に繰り返し指摘、改善の求めて、今日にいたったのです。







 

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