だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

日本モンティ・パイソン宣言

2010-09-05 | movie/試写会・映画祭など
というイベントに行ってきました。
@赤坂レッドシアター。

モンティ・パイソン…もはや高校時代から好きすぎて、
今更どうやって彼らを説明すればいいのかも分らないのですが、
よく言われるのは「コメディ界のビートルズ」って紹介ですね。
とにかく、愛するコメディアンの集まりです。


なんだか内容も分からないままに、
モンティ・パイソンとタイトルに入ってるだけで行ってきたけど、
なかなか楽しかったです。

内容は三つに分かれていて、前半がゲストとのスケッチ(コント)観賞会。
司会は松尾貴史、日替わりゲストは山寺宏一、倉本美津留、水野美紀でした。

記憶が危ういけれど、
一発目は有名どころで「シリー・ウォーク」。
バカ歩き省、ってやつ。

山ちゃんは、オカマ風な軍人たちによる「進軍体操」、
不良ばあちゃんたちが闊歩する「グレパッパ族」、
「下着屋に入った銀行強盗」をリクエスト。
吹替版の偉大な先輩声優の方たちの仕事を称えながら、
青野武さんと押井守作品で共演したときの話もしてくれました。

倉本さんは「パゾリーニのクリケット第三回戦」と
脅迫バラエティ番組、「ブラックメール」。
ダウンタウンの松ちゃんは「(モンティ・パイソンなんて)見たことない」
と昔「遺書」で書いてましたが、
倉本さんはパイソンズ好きなんですねー。
「ブラックメール」みたいな番組を作りたいと思ってたらしいw

松尾さんは「チーズショップ」でした。
久々に見たけど、チーズ買いに来た客がキレる瞬間の演技が素晴らしい!
(ジョンとマイクの組み合わせはハズレなしだ!)
ゲストが話してた「ドリフで言うもしもシリーズ的なスケッチ」ってよくわかるなぁ。


中盤は関西弁にアレンジしたスケッチの朗読。
これがよかった!
常々、彼らのスケッチを日本語にアレンジしてもつまらんだろうと思ってたけれど、
この関西版コントの分りやすくて面白いこと!

スパムメールの語源ともなった
スパムの入ったメニューしか置いていない食堂が舞台の
「スパムの多い大衆食堂」をアレンジして「キムチ」にしたり。
キムチ・キムチ・キムチ・ナムル・キムチ、みたいな品名ばっかり…。

いかにも悪そうなのに法律違反を嫌う強盗団が登場する
「違法じゃない強盗」も、
レストランで汚いフォークに文句をつけたことから始まる悲劇、
「汚れたフォーク」も見事に関西弁コントに。
普通に現代でも笑える朗読で、新鮮でした。


そして、最後は、2010年版の吹替版上映!
今、モンティ・パイソンを放送するとしたらどんな吹替になるだろう?
ということで、

生瀬勝久=グレアム・チャップマン
古田新太=テリー・ジョーンズ
山寺宏一=ジョン・クリーズ
ケラリーノ・サンドロビッチ=マイケル・ペイリン
松尾貴史=エリック・アイドル

というメンツで
「密輸犯」「ナッジナッジ」「親子間階級闘争」「果物から身を守る方法」
の吹替に挑戦した企画。

↓これがCM。メイン企画だったのですね。
http://www.youtube.com/watch?v=7N9OgIUaZI0

オリジナルの声優があまりに偉大すぎて
他の人がやるなんて想像できなかったけど、意外にもよかった。
中でも古田さんのテリー・Jと松尾さんのエリックが合ってた!
「果物から~」での山ちゃんの熱演も見ごたえあった。

今、テレビで新しい吹替を放送するのもありなんじゃないか…
という淡い期待が膨らんじゃう好企画だったわー。

最後は「Always look on the bright side of life」を合唱して終わり。

いつもひとりでビデオとかDVDを見てたけど、
たくさん同じファンのいる中で見るのも、いいねぇ。
それに、パイソンズのネタが、思ってた以上に理解しやすいお笑いなんだってことを、
日本風なアレンジのおかげで感じることができた。
原点に戻って笑顔を若干取り戻した一夜でした。

モンティ・パイソンについては再来週もつづく…
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韓国映画ショーケース2009「素晴らしい一日」

2009-11-30 | movie/試写会・映画祭など
スバル座で開催している韓国映画ショーケース2009の中の一作品
「素晴らしい一日」を見てきた。
お気に入りの俳優=ハ・ジョンウが出ているので。
(知らない人は「チェイサー」か「ノー・ボーイズ・ノー・クライ」を見てね☆)





 別れる前に貸した大金を返してもらうために
 1年ぶりにかつての恋人と再会した女性が、
 彼の金策のために振りまわされる1日を描く。


と書けば、簡単っちゃー簡単ですが、
1日を描くと言っておきながら、
実は、彼らの空白の1年を描いているところが
この映画の良いところです。


とにかくこの男が甲斐性なしで、
おしゃべりで調子が良い。
そのくせ、周りに対する気遣いを心得ていて、
金を使うのも女性から借りるのも上手なのよね。

女はそんな彼を見ていて、
呆れかえってしまう。
「こいつ別れてからどんだけ女たぶらかしてきたの?」くらいに。

でも、男の知り合いを訪ねて回るうちに、
彼の憎めない人となりが見えてきて、
お金じゃない、置き去りにしてきた気持ちをふと取り戻す。


つっけんどんな女=チョン・ヨドンは
自分を見ているようだった…あんなキレイではないけどw
ジョンウの3枚目ぶりは演技も自然で笑えます。
そんな状況で金借りられたの?って場面でも、
けっこう笑いが起こってた。

素晴らしい映画!とまではいかないけど、
暖かい佳作って感じです。







ちなみに、山野楽器でMichael JacksonのDVDイベントやってました。

私が行ったときはもう終わってたけど。
日曜もライブ・イン・ブカレストを上映していたみたい。



O2アリーナのポスター。きゃーっこええ!
結局「This Is It」は4回見ました。
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第1回したまちコメディ映画祭in台東

2008-11-24 | movie/試写会・映画祭など
いとうせいこうコメディ映画講義 マルクス・ブラザーズ特集
@東京国立博物館・平成館(2008年11月24日)

マルクス兄弟の「吾輩はカモである」と「ルームサービス」を上映。
「カモ~」上映後、ケラリーノ・サンドロヴィッチといとうせいこうの解説付き。
以下、講義の様子を簡単にまとめました。
ケラさんのコメントをメインに拾ってます。




ケラ  小学校時代には、マルクス兄弟の映画は見られなかった。
    中原弓彦(小林信彦)の「世界の喜劇人」や
    「マルクス兄弟のおかしな世界」を読んで知ることしかできなくて。
    (中原さんはチャップリンよりマルクス兄弟とキートンを評価していたので)
    好きだったチャップリンはそんなに悪いのか…と思ったりした。

    東武デパートの30人くらいしか入らない上映会で
    「マルクスの二挺拳銃」を見て、
    そのあと、歌舞伎町のアートビレッジで
    「オペラは踊る」と「吾輩はカモである」の同時上映があることを、
    当時、映画館にしか置いてなかったぴあで知って、
    前日から並んで待ってた。
いとう 俺はその上映で初めて見たわ、確か。
ケラ  並んだと言っても、ボクしかいなかったけど。
    前日は「鉄道員」を上映してたんだよ。
    てっきり並ぶもんだと思ってたら誰もいなくて。
    当日の始発で大学生がやっとひとりやってきて、仲よくなった。

    「オペラ~」を見にNYまで行こうと思っていたほどだったから、
    この上映会のおかげでパスポートを取らなくてすんだよね(笑)。
    ラジカセ持って行って録音した。他の観客もものすごくウケてたな。
いとう 映画泥棒じゃん! NO MORE映画泥棒!w
ケラ  途中でテープひっくり返したりしてw
    でもガチャガチャやっても分からないくらい、
    熱狂的なもりあがりだったんだよ。

    あの人たち、けっこう歳サバ読んでるんだよね。
    小林信彦さんの著書では、映画デビュー当時、
    チコが40過ぎてて、グルーチョが30代半ばでって書いてあるけど、
    実際はグルーチョも40歳超えてたらしい。
    「~カモである」のときなんてそこから4作後なわけだから…。

    その年齢で「~カモ」のミュージカル・シーンはすごいよね。
    いいかげんな振り付けで。
    「御冗談でショ」の時の…この邦題もどうかと思うけどw、
    「御冗談でショ」のミュージカルシーンも最初見たとき、衝撃的だった。

ケラ  68年の(学生運動が起こった)フランスでは暴動になるくらい
    マルクス兄弟が受けてたらしい。
いとう 時代がパンクになるたびにマルクス兄弟が受けるよね
ケラ  「カモ」ではチコもハーポも得意の楽器演奏を省略してる。
    排除してまで笑いを追求してるね。

いとう グルーチョがかぶったツボに書かれた顔、かわいいよね。キュートなんだよ
ケラ  ハーポあたりがキュートな雰囲気を持ってくる。
    自転車屋で(ハーポの持ってる)「ブーッ!」てラッパ(警笛)買っちゃったもん。
    ただ、鳴らしてみたくて。
    あと、チコみたいにピアノ弾こうとするとこのへん(指が)血だらけになるよ。
    小学校の音楽室でマネしようとして、先生に怒られたことあるw

ケラ  誰も知らないかもしれないけど、
    永田キングって芸人がグルーチョの扮装をしてたらしい。
    エンタツアチャコのエンタツとか…古川ロッパも好きなんじゃないかな。
    グルーチョはインテリ受けするよね。
いとう ベケットも「ゴドーを待ちながら」で帽子芸をやりたかったわけだしね

ケラ  「カモ~」のあとは、兄弟は恋人ふたりを支援する役回りになっていく。
    小林信彦さんじゃないけど、独自性という意味では、
    やっぱりパラマウントの5作品だね。
    最後の方は、チコのカードの負けを取り戻すために映画作ってたわけだしw

    実はマルクス兄弟の作品をまんま舞台でやる計画も、
    一応なくはないんだけど。
    これからやるような人は現れないだろうし、
    失敗してもいいからやってみるべきかもね。
いとう でも配役は難しいよー?
ケラ  マーガレット・デュモンの役は池谷のぶえにやってもらうつもりだけどw
    彼女しかいないと思う。それは本人にも言ってあるんだ。
    兄弟は、マーガレット・デュモンといると
    安心してアドリブやってる気がするよね。
    彼女は兄弟と舞台から一緒にやってたはず。

いとう ケラさんおすすめのマルクス映画は?
ケラ  「オペラは踊る」と「~二挺拳銃」は見やすいよね。
いとう 家が倒れちゃうのはなんだっけ?
ケラ  「マルクス捕物帖」。ハーポが家に寄りかかってて、手を離すと倒れる。
いとう そのシーンのために、家のハリボテ作ってるわけだよねw
ケラ  「おまえは家を支えてるつもりなのか」
    ってハーポが訊かれて、うなずくんだよねw
    MGM時代も豪華だよ。
    「オペラ~」の船上のシーンも、コメディとは思えないクオリティだもん。

いとう 不条理という言葉は、訳すとばかばかしいって意味になる。
    英米には不条理という中に、
    笑っちゃうような要素も入ってるんじゃないのかな


■ここで、ケラ監督作品「罪とか罰とか」の予告編を初公開。

 
いとう 兄弟最後の作品は「ラブ・ハッピー」になるわけですけど。
ケラ  兄弟というか、ハーポが主演の映画で。
    「ラブ・ハッピー」は8ミリフィルムで見ました。
いとう それは買ったの?
ケラ  輸入で買ったの。「~捕物帖」と「ラブ・ハッピー」は4万8千円で買った。
    親父の貯金、200万円おろして他のフィルムとまとめて買いました
いとう バカ息子だわw

ケラ  トリオのコメディ・チームって、映画では初めてだったんじゃない?
    3人だと、一回見ただけじゃよく分からない。
    4、5回見て発見することもある。
いとう 双方向なんだね。みんなでみないとわかんない

■ケラ演出の舞台「しとやかな獣」の話から、
 いとう氏が土曜日の小沢昭一氏のパフォーマンスについて語る。
 二曲披露するつもりが、20分歌い続けて止められなかったエピソード。

いとう 俺はもはや蛭子さんでさえ仕切れるからね!
    自信があったんだよ、仕切りは。
    でも、ものの2、3秒で小沢さんに(舞台から)追い返された。
ケラ  猛獣使いみたいだね。
いとう 猛獣ですよ、あれは!w
    でもね、結局、人間力が出ちゃうんじゃないかって思う。
    40、50過ぎてああいうことやってるって、説得力が違うよね。
    ただふざけただけじゃ説得力は出ないんだよ
ケラ  ブルータスでいとうさんが宮沢章夫さんと対談してたけど、
    「マルクスもモンティ・パイソンもすごい稽古を重ねてた」って。
    それを本番で崩すっていうのがスマートなんだね
いとう 三木のり平さんは、本番で、客には見えないのに
    鼻の穴に黒い糸貼って、息するたびにピロロロ~ってなびかせてたってw。
    共演する女優はたまったもんじゃないよ
ケラ  のり平さん、扉座の稽古場に訪問した時に、時計があるのを見て、
    「時計なんていらない」って言って取らせたんだって。
    神聖な場所には時計はいらない、って。退館時間とかあるのにね
いとう その一方で、鼻から糸出してんだよ?w
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『ナルニア国物語』プレミア

2006-02-17 | movie/試写会・映画祭など
無理ならあきらめるつもりだったんだけど、
昼休みに武道館に行って引き替えることが出来たので行ってきました。
私は原作を読んでないので、
この作品を映画としていいか悪いかでしか判断出来ないのですが、
あくまで映画に関してなので。
原作とは違うはずだと認識しながら書いているので、御了承くださいね。

で。感想はと言うと、
「うーん…」。

シリーズものの一作目というのは、まぁ踏み切りみたいなもので、
それで全てを判断することは難しいと思います。
ただ、ちょっと急いで描きすぎなんじゃない?というのが正直な意見です。
それぞれのキャラクターがどういう存在なのか、
馴染まないうちに先へ先へと進んでしまって、
もうちょっと余韻だとか、説明があってもいいところにそれがない。
子供には分かりやすいのかもしれないけど、
大人が楽しめない映画なんて、子供だって心底楽しめるわけない。

その点、このアンドリュー・アダムソン監督の『シュレック』は最高だったけど。
ということは、脚本がいけないのか?
それともこれは原作を読んだ人が実写化されたものを楽しむための映画なのか。
誰に見てほしいんだろうか。

たとえば、私がこれを子供の頃に見て思い出に残るかどうか、考えてみると、
ちょっと物足りないなーと思う。
なんか深さが足りないんだ。
とって付けたような危機的状態、兄弟の不和。

むしろはじめの空襲シーンはいらないくらいだ。なんのためにいるんだ?!
全部描こうってのが無理な話で、
どこを訴えかけたいのかを強調した方がいいんじゃないのかと思います。

兄弟にしても、ひとりひとりの描写があまい。
きっと原作はもっと面白いだろうな。
自分で想像出来るから。

指輪物語の人種も入り乱れた世界の壮大さも物足りないし、
ハリー・ポッターの生まれた国の特色を継いでる作風のようなものもないし。
ディズニーは簡単にファンタジー作品に乗りすぎたんじゃないでしょうか。



しかし、試写会自体は今まで観た中で一番派手なプレミアだったかも。
大地真央が飛んでた!!
白い魔女に扮してたわけです。
「ナルニアは我らのものだー。」って叫んでました。
なんでやりますって言っちゃったんだろう。

デヴィ夫人だとかK-1選手数人、琴欧州とか曙とかも来てました。
佐々木元投手が新しい奥さんと子供二人を連れてきてたり。
叶姉妹はいなかった。

来日したキャスト・スタッフは、
ウィリアム・モーズリー、スキャンダー・ケインズ、
アナ・ポップルウェル、ジョージー・ヘンリー、
ティルダ・スウィントン、アンドリュー・アダムソン監督。

ティルダ・スウィントンは白い魔女役ですが、
映画の中ではすごく妖しい魅力が溢れてますが、
実際の彼女は「黒い魔女」のよう。
地味なドレスで、カラスのような雰囲気でした。
私はそのギャップが好きです。
アナ・ポップルウェルの方がドレスアップしてて、
映画の中のスーザン役には見えなかった。

ルーシー役のジョージー・ヘンリーちゃんは
日本語で挨拶しようとして、うまくできずに泣いてしまい、
観客は皆「あぁぁ~。がんばれぇ~」と声を洩らしてました。

タムナスさんのジェームズ・マカヴォイさんが見てみたかったな。
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『THE 有頂天ホテル』試写会

2006-01-14 | movie/試写会・映画祭など
ブログ、さぼってました。
完全に正月ボケ。なんもやる気がしませんでした。
そんななか、職場主催の試写会に行きました。

『THE 有頂天ホテル』。三谷幸喜「監督と脚本」の最新作です。
大晦日のあるホテルを舞台に、
昔の妻に再会してしまった副支配人(役所広司)、
汚職事件でマスコミに追い掛けられている国会議員(佐藤浩市)、
その元愛人でシングルマザーの客室係(松たかこ)、
ホテルに忍び込んでは追い出されるコールガール(篠原涼子)、
夢を諦め田舎に帰るために仕事をやめるベルボーイ(香取慎吾)などなど、
カウントダウンまでの従業員や宿泊客たちの人間模様を描いた群像喜劇。

はっきり言ってしまうと、私はそれほど楽しめませんでした。
期待しすぎたのかもしれないし、群像劇がダメなのかもしれない。
昔、cxでやってた「ハートにS」のように、
ひとつひとつが最後にまとまる仕組みなら、
エピソードをじっくり味わえたのかもしれない。
映画の中で隠されているウソや、登場人物のつながりがすぐわかってしまうし、
中にはつながっている必要があるのか分からなかったり、
そんなこと言う必要あるの?と思ったりすることもしばしば。
舞台向きの俳優さんを見ると違和感があったり。
なにかとケチつけたくなっちゃってよくなかった。
散漫な感じがしちゃいました。

やりすぎると「姉さん、事件です」になりかねないけど、
せっかくなんだからもっとホテルらしい特色を生かしたらよかったのに。
三谷さんなら最高のホテルコメディが書けるだろうに。



今回の試写はティーチ・インで監督が登場。
監督はテレビ出演のはしごをしたあとなので、あんまり寝てないという噂。
そのせいか、あんまりいつもの覇気がなかったかも。
面白い話もそんなになかった。
もっと映画の内容に突っ込んで、もっともっと場面の思いいれも聞きたかった。

まずタイトルは、舞台がホテルなので「ホテル」をつけようというところから、
『ホテル・ビーナス』があるから、『○○ホテル』と後につけることになり、
(監督曰く「『ラッフルズ・ホテル』もありますけど、もう忘れられてるからいいかな」)
『踊る大捜査線』にあやかって、『踊る大紐育』+『夜の大捜査線』のように、
ハリウッドの映画タイトルをふたつ重ねて並べてみようということで、
『有頂天時代』+『グランド・ホテル』で『有頂天ホテル』に。
さらに、製作から「もっと豪華さが欲しい」と言われたので、
THEをつけてみました、とのこと。

他にもあやかっている部分があって、
役所さん主演の『Shall We ダンス?』の
タイトルの英語とカタカナの混ざっているところ、
それにこの映画の上映時間2時間16分(本当はもう少し長いらしい)は、
『Shall We~』の上映時間と全く同じらしい。
けっこう縁起を担いで、カット数を333にしたりしているらしい。

監督の映画を見ていると洋食を食べているような、
邦画っぽくなさを感じるというツッコミでは、
邦画特有の静止画が我慢ならない、
貧乏症なので、動かない場面があると不安になって、
人を必ず写したくなるそうです。
だから「今回の映画で人が映ってないのは灰皿のシーンだけ」だそう。
ちなみに今回の映画のテーマはグランドホテル方式ということで
火事の起こらない『タワーリング・インフェルノ』だそうです。

このティーチインの最中、お客さんがガンガン写メを撮っていて、
そこらじゅうで「カシャ!」「ピロピローン!」と音が鳴り、
あー、これだから嫌だよマナーの分からない観客はよー!!
とひとりでキレていたら、監督が脚本の説明の中で、
今のテレビドラマで見られるように、
登場人物が台詞で正直に本音を話したりはしないんじゃないか、
という話をしていて、
「例えば、僕は(写メの音が)“うるさいなー”と思ってても、言わないわけですよ」
と例えてて嬉しかった。
それから後は音が鳴らなくなったな。

おまけ。
私の好きなエピソードは、松たか子が仕事ほっぽり出す件でした。
世間の目なんて関係ないよ!と熱くなるところは好きです。
あと、逃げ惑う伊東四郎。一番笑いました。
西田敏行の間の取り方。アドリブの台詞に会場の笑いも最高潮でした。
YOUの歌がよかったなー。うまい。元々歌手だから。でもYOUはYOUにしか見えない!

それと、後藤田さん(佐藤浩市)の最後に会う人物が…!!!
私にとっては最高のサービスショットでした!
ありがとう三谷さん!!!
ちなみに、映画における食事についてのこだわりはあるかという質問で、
後藤田さんのキャラクターは、つまみ食いが多いところで
子供っぽい性格を表したそうです。
その代わり、バーなどの食事するところのシーンでは
一切食べ物を口にしていないんですって。

そんなわけで、なんだかんだ言って、この映画を楽しんでいる私でした。
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試写会『フライト・プラン』『レジェンド・オブ・ゾロ』

2005-12-08 | movie/試写会・映画祭など
試写を観てまいりました。
『フライト・プラン』は飛行機内を舞台にした密室サスペンス。

夫を亡くし、エンジニアとして勤めていたドイツの地を離れて、
娘とアメリカに戻ることになった女性(ジョディ・フォスター)。
ショックで、母娘ともに深く傷つき、精神的に不安定になり
娘は恐くて車に乗り込めないと言いだすほど。
夫の棺桶が貨物室に運ばれる様子を見ながら、
母は娘に悲しみを思い出させないように、横になって休もうと提案します。
後ろの空いている席で横たわる二人。
ところが、母が目覚めると、そこにいたはずの娘がいなくなっています。
母親は機内のあらゆる場所を探しますが、娘は見つからず、
周りの乗客に聞いても、姿を見た人はいません。

いなくなった娘は一体どこへ言ってしまったのか。
事件に巻き込まれたのか、…それとも、全ては母親の幻想なのか?
息つく暇もなく、怒濤のごとくストーリーが展開していきます。

詳しいネタバレは、この映画を純粋に楽しむために控えさせていただきますが、
ハラハラする展開に100分ほどの時間が、もうちょっと長く感じられます。
ハラハラと言っても、物語に対してではなく、母親が次に何をするのかに対して。
母の力はすごい!と驚かされます。
えー、そんなことまでしちゃうの?と、あまりに強い信念に思わず笑えてくるほどでした。
本当に彼女がエンジニアでよかったよ…

一緒に観た子はあまり良い評価はしてなかった。
私は最近、映画のdetailに突っ込み入れたりしなくなったので、満足でした。
観ている間、お尻が痛いのに気付かなければ十分成功してる映画だと思います。
(階段で座って観たので。)


あと一本は『レジェンド・オブ・ゾロ』。
前作『マスク・オブ・ゾロ』で結ばれたゾロ(アントニオ・バンデラス)と
エレナ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)、
そして彼らの息子・ホアキンが悪の結社と再び戦います。
1850年、アメリカ合衆国の31番目の州とするかどうか、
カリフォルニアでは賛否を問う選挙が行なわれ、結果は圧倒的に賛成が多数。
だが、市長のもとに投票箱が渡されようとするのを阻む男たちが現れた。
彼らはアメリカの滅亡を企てるある秘密結社とのつながりがあった。
彼らを見事追い払ったゾロだったが、
その後、家族を省みず、人々のためだけに生活をささげる彼に
エレナは愛想を尽かし別居の末、離婚。
ゾロは愛するものに裏切られたことで悔しさを爆発させるが、
しかし、そこには隠された計画があって…

こちらの評判は上々でした。
ただ、アントニオ・バンデラスが
「アンパンマンみたい」とか散々な言われようで…。
素敵じゃん、アントニオ! 可哀想よ!
私はあのマントを翻してるのを見るだけでドキドキしちゃう。
…マントなら誰がつけても同じかもしれないけどね。
相変わらずキャサリン・ゼタ・ジョーンズは美しいし、
アクションもハッとするほどかっこいい。
でも、今回はゾロよりもなによりも、
息子のホアキン! この子の可愛さ&強さに100点!
大活躍なんですから。ゾロより強いんじゃねーのか??

とにかく、活劇として映画の楽しさを十分に満喫できる作品。
一作目を見てない人も、まったく心配なく見られる映画です。
ホアキン君の活躍もあることだし、
冬に家族で見るのもいいんじゃないでしょうか。
世の中のお父さんも、ゾロの気分で楽しんで欲しいですね!
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『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』ジャパン・プレミア

2005-11-12 | movie/試写会・映画祭など
11日、またしても仕事を早く切り上げ、今度は有楽町へ。
11月26日公開の『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』ジャパン・プレミアを見にいく。
指定席の引き換えは16時からで、私が国際フォーラムに着いたのは17時。
席は二階の前の方でした。
友達の仕事が終わるまでの間、スープストックで休憩してました。

試写の開始前に「豪華抽選会」があって、
グッズセットや出演者に会える権などが当たるんですが、
その中で「ワーナーブラザース試写室で上映会を開ける権」があって、
ハリポタを好きな人たちと観られるということで、
抽選会の目玉の一つらしいんだけど、
ドラムロールが鳴り響き、番号が発表されると、
会場の観客が立ち上がっているはずの当選者を乗り出して捜し回る。
司会者が当選者にコメントを求めると、聞き覚えのある声が。

「あのー、西村知美なんですけど、いいんでしょうかぁ?」

友達と大爆笑。
すごいよ、西村知美!
仕込みなしで当選するあんたのその強運はなんなんだ!
彼女は謹んで権利を辞退してました。かっこいい、知美!


ところで映画ですが、
詳しい考察は熱心なポッタリアンの方に任せるとして、
私はヴォルデモートの復活に非常にワクワクさせられました。
シリーズの中で一番不安や悲しみを感じさせる展開の作品です。
あわせて登場人物の心の変化、
思春期独特の素直になれない衝突や劣等感がとっても楽しい!
青春映画としても楽しめます。
もう一回見てもいいなー☆

上映後はグッズの販売が終わっていたんですが、
「買っておけばよかったね」と激しく後悔。

映画の後は友達と久々に朝まで梅酒を飲み、
始発までドンキでマッサージ機を試してました。
あとロデオマシーンね。

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東京国際映画祭『靴に恋する人魚』『愛していると、もう一度』

2005-10-31 | movie/試写会・映画祭など
曇り、ときどき雨。
土曜日に渋谷Bunkamuraにいってきました。

チケットを会社に忘れたので、一度取りにいき、
引き換えが遅くなってしまいましたが、
そんなに悪い席ではなかったのがラッキーでした。

映画祭の会場の周りでは、グッズの販売や号外みたいな新聞を配っているのですが、
引き換えに行く前に、映画祭のスタッフのお姉さんに
「すみません、その新聞の、月曜日に発行されたものはありますか?」
と訊くと、わざわざ遠くまで取りにいってくれました。
そう、テリーGの表紙なんです。
ファイルを買って中に大切にしまっておきました。
ありがとう、おねえさん。

今回は映画祭でははじめてのティーチ・インを見ることが出来ました。
自分が経験したT・Iの中では盛り上がってたし、活気があって楽しかったな。

以下ネタバレありなので、ご注意を。
(メモを頼りにしていますが、正確とは言い難いので参考程度にお読みください。)

------------------------------------------------------------------------------
一本目は『靴に恋した人魚』。
ビビアン・スー、ダンカン・チョウ主演のファンタジックなラブ・ストーリーです。
台湾の『アメリ』って感じでしょうか。
プラス、アンデルセンなどの童話の数々をモチーフにして、
病的な靴への憧れを捨てられない主人公が
幸せがなんなのか気付いていくまでを描いていきます。

ビビアンの衣裳がすごくかわいい!
それだけでも見る価値ありますが、
映画自体も完成度が高いです。かなり面白い暖かい作品。
ストーリーを聞いただけじゃあつまらないかもしれないですが。

映画が終わって登場したのは、…襟川クロだー!
変なこと訊かないだろうなーとちょっと心配でしたが、
(彼女はいつもどうでもいいようなこと訊くからな。)
彼女ならではのツッコミが今回はかなり面白かった。
紹介されたロビン・リー監督を迎えると、
襟川さんは元々は女優さんをされていたわけではないですか?と訊いてましたが、
「いいえ、女優ではなく、スタッフとして映画の裏方の仕事をしていましたよ」
と答えてましたね。

それでは、お客さんから監督への質問。
■今年はアンデルセンの生誕200年ということですが、
その区切りもあって童話にインスパイヤされたんでしょうか。

「生誕200年は考えに入っていません。脚本はすでに2年前に完成していたんです。
 でも童話をモチーフにすることで、多くの人に気に入ってもらえるだろうと思っていました」


台湾が大好きな男性からは
■エンドロールに“シンチク”と入っていたのでどの場面かと気になったのですが
それぞれの撮影はどこで行われていたんでしょうか。
(会場・男性の真剣な姿勢の質問に笑が起こる)

「シンチクは動物園のシーンで、その他は台北市内で撮影されています。
 動物園はすごく小さいところで、動物の種類も十数種類しかいません。
 でも私はすごく気に入ったんですね。」


何故熱心にシンチクのことをたずねるのか監督が不思議がっていましたが、
男性がさらに、劇中で出てくるポストのある場所がどこか知りたいというと

「ポストは郵便局から借りてきました。だから実際にはないんですよ。
 同じような質問を台湾でも聞かれました。
 台湾の中であまり見ないような風景ですからね。」


そんなに気になるのなら、後で全ての撮影場所を教えて差し上げます、
といってました!

■とても美術や衣装、小道具がかわいらしいですが、
その中で一番のこだわりはなんですか。

「美術は長いこと一緒に仕事している方(名前失念…)が全て担当しています。
 コンセプトは「童話の本」そのものにしたいということだったんです。
 一緒に仕事をしていて、台湾の映画は暗ーい映画が多いから、
 今度撮る作品はピンク色にしようねと言ってたんですよ!

 予算も人手も足りなかったので、美術を作り上げるのは大変でしたが、
 台北金馬影展では大きな作品と一緒にノミネートされました」



■今作でアンディ・ラウさんが製作を
担当されているので楽しみに見に来ました。
パジェットが足りなかったということですが、
アンディはたくさん資金を提供してくれたわけでは
ないんでしょうか。(会場・笑)

「これは新人監督に映画製作のチャンスを与えるFirst Cutという企画の一角で、
 映画全てに資金が提供されるというわけではありません。
 それとスターTVも協力していますね。
 みなさんが想像されるより、パジェットはずっと少なかったですが、
 たくさんもらっても、それだけの作品を作らないといけないという
 プレッシャーが生まれてしまうので、これはこれでよかったと思います。
 これを成功させて次はいっぱいもらうつもりです(笑)」


襟川さんが「予算がないのに貧乏臭くないですよね」とまた失礼なことを言ってました(笑)。
みんな拍手してたりして。

「そうそう、この作品は金馬影展でCGに対してもノミネートされてるんですよ、
 『セブンソード』と一緒に!(会場・オオーとどよめき、拍手)」


■キャスティングはどのように?

「製作会社が決まって、すぐこれはもうビビアンだと決まりました。
 彼女はすごく若いわけではないから、女の子から母親まで演じられると思いました。
 童話に出てくるようなかわいらしい女性なので、主人公のドゥドゥにぴったりです。
 彼女は今まで自分にふさわしい役というのがなかったので、
 この脚本を読んですごく気に入った様子で、是非やらせてくださいといわれました。

 そして、彼女からダンカンを紹介されました。
 彼は同じ製作元の『僕の恋、彼の秘密』にも出ているので起用が決定しました。」


■ナレーションをアンディ・ラウが担当しているとは知りませんでした。
登場人物や猫たちが歳を取らないのは童話をモチーフにしているからだと思うんですが、
そうですよね?

「猫がそのままなのは、予算の問題です!
 パジェットの関係で一気に取ってしまわないといけなかったんです。
 ですが、登場人物が変わらないのは意図的にそのままにしてあります。
 主人公だけ成長しているように見せたかったんです。
 出版社のシーンは2日間で撮ってるんですよ。」


■出てくる靴はタイアップ?

「はじめは靴のブランドに協力してもらって資金をもらおうと考えていたんですが、
 ブランド側は自分のところの靴だけを使ってくれというんですね。
 それは難しいということで、ダメになりました。
 それで実際使った靴は友達から借りたり、
 装飾のないものにスタッフが飾りをつけたりしていました。
 だから現場ではいつもスタッフが靴を作ってましたね!」


最後の質問
■長編の構想もあると思いますが、今後挑戦したい作品や企画している作品は?

「2つあって、ひとつはもっと資金が調ってからの予定ですが、
 「DNAが私の愛を変える」という作品で…
 潔癖症で男の臭さや汚さが嫌いな女性が、
 薬を飲むと嫌なものが一切目に入らなくなって、
 はたしてそんな状況で男と一緒になって幸せかどうかという作品です!」


襟川さんが、それは監督の経験が入ってるんですか?と訊くと

「女友達は差はあれどみんな“夫のこんなところが気に入らない”とかよく言ってますよね」
と答えてました。

------------------------------------------------------------------------------
さて、もう一本は『愛していると、もう一度』。
『靴に…』でも何度も名前が登場したアンディ・ラウ主演。
一人二役に挑戦しています。
監督はダニエル・ユー。
アンディと配給会社FOCUS FILMで出資などに取り組んでいる
元々プロデューサーの方ですね。
おそらく会場のほとんどの観客がさっきと同じ人たち(笑)。

妻を亡くした医師が、妻の臓器を移植した女性を偶然発見し、
生前寂しい思いをさせた妻のかわりに彼女のそばで過ごすことを決心するお話。
心臓移植ネタ。多いですね最近。

アンディはとても素敵な旦那様でした。
微笑ましい夫婦の生活を振り返る場面では客席から笑い声も多かった。
その一方で、やはりなくしたものへの悲しみは涙を誘います。
不覚にも、私も泣いてしまいました。
なんでもない毎日を一年の記念日にしてしまう
(クリスマス、正月に、復活祭、エイプリルフール…)
夫の洒落た思いやりが好きでした。

ストーリーはありきたりですけれども、何故か許せちゃう。
アンディが出てるからでしょうか?
彼の見事な手品も見所。
私も誰かから「約束のリング」が欲しい…。

面白かったのは、オープニングに出てくる
「友情出演:アンソニー・ウォン」に会場が大いにどよめいたところです。
そのどよめきに対して、今度は笑いが起こったりして。
で、本人が出てくるとまだどよめいて。
みんな知らなかったわけです。
カメオっぽい存在なわりに結構登場してました。
蝶ネクタイしてたのが気になりました。

ティーチ・インはダニエル・ユー監督が登場。
『LOVERS』以来の来日らしい。
そうか、あれからもう一年以上経ってるのね。
私はあの日に金城武よりアンディ・ラウ、と確信したんです、たしか(笑)。
監督はアンディからのメッセージを預かってるということで、

「次回作の撮影で日本にいけなくて申し訳ないです。
 もしこの映画を見て涙を流してしまったのであれば、ゴメンナサイ」


とのこと。
ホント、ゴメンナサイですよ。来てくれないし実際泣いてるし、悔しい。

And now。ティーチ・インの模様ですが。

■この映画の撮影のきっかけは?

「私は小さい頃からラブストーリーをよく読んでました。
 恋愛にはいろんな形の愛がありますが、中でもやはり愛する女性を大切にしたいという気持ちを
 この映画で表したかったんです。」


■アンディは一人二役に挑戦していますが、演技指導はあったのでしょうか。

「彼とは昔から知り合いだし、お互いをよく理解しています。
 今回はハードルをあげて、この一人二役をやらせてみたんです。
 そうしたら何の問題もなく、素晴らしい演技をしてくれましたよ。」


香港から日本に来たファンの質問で、
■主人公がオレンジを切るシーンがありますが、何を表現しているのでしょうか。

「実際、登場人物の気持ちを表現するときにプロップ(小道具)を使うことがあります。
 複雑な気持ちをどう表現するかというときに、
 よく悲しい気持ちのことを“すっぱくなる”と言ったりするので、
 主人公にオレンジを切らせて、寂しさや心の葛藤を表そうとしたんです。」

■キスシーンでアンディはキスもうまいなぁと思いました(会場・笑)
 彼が床に溢れた水で転ぶシーンがありましたが、
 あんなに頭を打ち付けなくてもよかったんではないですか?(会場・再び笑)

「私も常に彼の心配はしているので大丈夫ですよ!
 あのシーンははじめワイヤーで体を吊ろうという話だったんですが、
 彼から“それじゃあ説得力に欠ける”と意見があったので、
 実際に転倒することになったんです。
 撮影はワイヤーで6回は撮って、ラストの一回が採用されてます。」


■二役の性格や愛情の温度差が感じられないのですが、
 もともとふたりの間に差をつけるように描いてはいたのでしょうか。

「…難しい質問ですね。
 意図的にふたりに差が出ないように描きました。
 もっと、大げさな差をつけていいんじゃないかと議論も重ねたのですが、
 アンディは結局、お客さんのことを考えてしまうので、ふたりとも優しいご主人になったんです。
 (会場・笑)
 このことで、より商業的な作品になったと思います。
 女性がこれで作品を気に入って、今度は彼をつれて見に来てくれれば嬉しいですからね!」


■アンディが他に意見を出したところは?

「常にふたりで話し合って決めていますね。
 彼は演技をする際オプションとしていくつかの提案を与えてくれて、
 私はその中から選んでいきます。」

ちなみに監督のお気に入りのシーンは、というと

「全てですね! …もしくは、やはりオレンジの場面でしょうか?」

■相手役の女性のキャスティングはどのように決定したのか?

「アンディほどのスターになると、様々な女優さんと競演しているので
 相手役を探すのは難しいんです。
 そこで新鮮さを出したいということで、今まで競演したことのない女優さんを起用しました。
 チャーリー・ヤンは10年程前にMTVで監督をしたときに、
 自分の思い描いた悲劇的なラブ・ストーリーを演じるのにピッタリだと思っていたんです。
 シャーリーン・チョイはアンディに比べると若いですが、
 彼に写真やサインをねだる若いファンは多いですからね。
 アンディは若い女優さんと共演しても様になるんだよ、と分からせたかったんです(笑)
 でも、ふたりとも非常に美しい女優だというのが一番メインの理由ですね。
 彼女たちの演技はとても素晴らしかったです。」


ちなみに撮影時アンディは43歳、シャーリーンは22歳らしい。
いや、見た目全然ありでした。

■今後の作品の予定は?

「アンディとはFOCUS FILMとして話し合いをし、構想を練っています。
 これからも若い俳優や新人の監督を常に起用したいと思っていますし、
 今回の映画祭でもリサーチをしてきましたよ。
 『Aサイド、Bサイド、シーサイド』とか色々ね。

 …実は、来年はマギー・チャンとの共演の予定があるんですよ!
 監督はジョニー・トゥ。僕はプロデューサーです!」


ママママジデー!? ジョニー・トゥ?? マギー・チャン??
最後の最後で興奮しちゃいました! 待ち遠しいよー!

てなわけで、実りの多い一日でしたが、
その日は前日から体調が悪く、胸が痛かったので、
ちょっと移動しながら不安でした。
そのことを友人にメールしていたら電話をくれて、
「あんた、胸が痛いって、アンディに恋してるからじゃないの?」
とからかわれた。
いやいや、真剣に心配なんっすから。
でも、そういうことで、いいや。あながち嘘でもないかもしれんし。
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テリー・ギリアム舞台挨拶!東京国際映画祭

2005-10-23 | movie/試写会・映画祭など
東京国際映画祭 テリー・ギリアムが好きなんだーーーっ!!!

この気持ちをご本人に伝えたいところですが、
まずそのまえに英語が出来ないと意味ないかもね。
I LOVE HIS TALENT!
そんなわけで、簡素な舞台挨拶レポートです。



昨日は『ジャバーウォッキー』を見て意識を高めてまいりました。
これを見ると、わりと『ブラザーズ・グリム』の世界観に近い気がする。
試写で見たときには『ブラザーズ…』って「ハリウッド映画だなぁ」と思ってたけど、
ギャグっぽい部分の間だとかは全然変わらない。
だから、あれは間違いなくギリアムの作品なんだな。



さて、始まりから一生ものの後悔。
開場時間になってから六本木に到着したので、アリーナイベントを見られませんでした。
アホです、私。…十分反省しました。
しばらくこの失態を思い出して暗くなることでしょう。

それでも、舞台挨拶は前から3番目! うれしー!!
緊張のため、ジンジャエールを大量に摂取していると、
彼の新作としては7年ぶり、そして来日は10年ぶり(!)
という説明があったところで、ギリアム氏、登場しました。

長袖の黒っぽい地に、たてに筆ですっと線を入れたような色の入ったジャケットと、
中には白いシャツを着ていたように思います。
私のいる下手から陽気に手をあげて入ってきて、
客席側に背を向けながら通訳さんに一礼しました。
ゴツイおじちゃんですが、妙にキュートです。

久々に対面した日本の観客に対して、
「みなさん、素晴らしく美しく成長されましたね」

というようなことを言ってて、
この言い方、彼っぽいなーと早速ニヤケちゃったりして。ふふふ。

「このポスター(東京国際映画祭の)を見て気付いたんだけど、
 イタリア語でMOOO…は牛、VIEは人生って意味なんだよね。
 ということでみなさん、牛の人生にようこそ!」


と、またまた彼らしいコメント。

司会者の方から改めて監督が紹介されると、
ギリアム自らADのように観客の拍手をまくし立ててました(笑)。
グルグルまわりながらガッツポーズしたり。テンション高い!

私、同じ空間に彼がいる興奮と、隠し撮りするのに夢中で、
あんまり発言のひとつひとつをまともに聞けませんでした。
これ、言い訳。(結局隠し撮りもピンボケ失敗したし。)
記憶があんまり正確じゃないかもしれない…勘弁です。

まず、映画に関しての説明を求められると、

「僕は、とことんこだわって映画を撮ってる。
 今回はおとぎ話の世界にのめりこめるような作品だよ」


こだわって撮ってることはここにいるみんな分かってますよ!
本当に頓挫せず、新作が見られてよかったよ…。
出来れば、上映後にこの作品のこだわりの部分を聞きたいところなんですが、
そのへんまでは時間的に話せないんでしょうね。

役者に関しては、

「僕は、一緒にいて楽しめる人としか仕事はしない。
 マットはいつも知的で繊細な役だけど、
 今回は正反対の、ベン・アフレック的な役をやってもらった。(会場・笑)
 ヒースもいつもとは違う神経質でおかしな動きもする役だね。」


元々、ふたりは反対のキャスティングだったんですよね。
ところが、いつもどおりだと面白くない、ということで、
マットとヒースが相談してそれぞれ今の役になったらしい。
…ベン・アフレックというところがツボでした。

「女性にはマットとヒースのイケメン二人、そしたら男性にも、
 ってことで、共演はセクシーなモニカ・ベルッチだ!
 ということになったわけだ。
 彼女は少女から200歳の老婆まで演じられることを楽しんでたよ」


ってなことを言ってました。
そういえばモニカも来るっていう話はどこにいってしまったんだろう…。

また、会場に来るまでに出会った人に、これで映画を見るのは二度目だと言われた話が出て…

「是非何度も見てもらいたいよ。それだけ僕に金が入ってくるからね!」


どうやら、そのへんで普通に出会えてたかも知れないのですね。
出会えた人が羨ましい…。羨ましい…。

そして、この辺でお時間が…と司会の女性がきりだすと、
「いいとも!」ばりに「えーーーーーーーっ???」と、
言いたかったんですが、みんな言わなかったね。さすがに。

最後に一言ということで、監督は、
「ここは素晴らしい劇場だし、映画も本当に面白い、繰り返し観たくなる作品です。
 是非何度も楽しんでください。
 今までこれを観て死んだって人はいませんから(会場・笑)
 申し訳ないけど、みなさんが見てる間、僕は昼ごはんを食べてます!」


とのこと。
退場前に、報道用にカメラの前でポーズ。
手を前であわせて、とてもおとなしい姿。
見た目とは違う、いいひとオーラが出てました。

その間、司会の方が、監督はすでに日本を色々観光して
袈裟を買ったという話をされてました。 袈裟?!


そうして、夢のような時間はあっというまに過ぎ去ったのです。



ギリアムのインタビュー本に、『ジャバーウォッキー』を故郷のミネソタに
持っていってセミナーで上映したときのことが書いてあったけど、
観客があの作品のユーモアをどう受け止めていいのか戸惑っていたところで
「その後、僕が立ち上がって観客を魅了して、みんな僕を」そして作品を好きになった、
そこが気に入らないって書いてあったのを思い出す。
自分ではなくて、作品を正当に評価してもらいたい、と。

でも、それはまた彼の作品自体と密接な関係があるはず。
彼のサービス精神溢れるキャラクターが、作品のおかしさを一層際立たせてる。

真面目くさった人間が『未来世紀ブラジル』を撮っていたとして、
果たして、今ほど愛される作品になっていたかどうか疑問です。
彼が撮ったという事実が、より観客の目を開かせていると私は思う。
世の中の素敵な監督って、映画以上に本人も魅力的なんじゃないかな。




あーあ。それにしても、私は明日から何を糧に生きたらいいんだ?
望みがなさ過ぎて生きていけない…。

mixi情報によると、大田光がサンデージャポンでギリアムにインタビューするらしいので、
それを励みに頑張ろう。うん。

予告でふたりがhugする映像があったらしい。考えただけでも感動。
向田邦子といい、ギリアムといい、私の向かうところ、たいがい大田光がいる。
彼、野田秀樹もドリカムも好きと言ってたし、どうも他人の気がしない。



帰ったら、父が結婚式から戻っていて(披露宴の司会を無事務めたらしいです。)
新婦さんが中国の方なので、中国製のお守りをもらいました。
純金です。キラッキラ。
もう、これに願かけるしかない。

いつか、ギリアムとまっすぐ話せるような立派な人間になるぞ☆☆
コメント (7)
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『同じ月を見ている』試写会

2005-10-22 | movie/試写会・映画祭など
久々にティーチイン試写会に参加しました。
『バトルロワイヤル2』の深作健太監督『同じ月を見ている』です。

漫画を映画化した作品で、
心臓病を患う恋人であり幼なじみでもある彼女のために医者になった青年と、
彼らの幼なじみであるヒトの心を読めてしまう青年をめぐるドラマ。

医者である青年を、これが映画復帰作となる窪塚洋介と、
孤児の幼なじみのドンをなんとエディソン・チャンが演じています。

私は原作を読んだことはないんですが、エディソンが出てるっていうのが興味深く、
「日本語どうすんだよ?」というところをチェックしたかったのと、
窪塚くんの復帰作という点はやはり気になりました。

とてもシンプルな感動作で、とても好感持てました。
原作はもうちょっと登場人物がいるそうなんですが、それでも十分楽しめた。

何が一番よかったかというと、窪塚君で。
私は正直、多くの人が言うほど彼って素晴らしい役者なの?と思っていたんです。

ですが。これを見て変わりました。彼、いいなと思えました。

いい意味で、前よりも目の強さがなくなった気がする。
役柄のせいかも分からないですが、すごく寂しさが漂っていて、引き寄せられます。

最後のシーンがすごく印象的で…
惹かれる役者って、見てると画が焼き付いちゃう感じがするけど、本当にそんな瞬間でした。
たぶん、ちゃんと生きていられたわけがあったんじゃないかな。

まぁ、一緒に見ていた同僚達はエディソンに夢中でしたけどね。
あの目がいい!とか、俺もこれからは寡黙になる、とか(笑)。
職場で『インファナル・アフェア』のDVD回したら戻ってこないかも…。
少々たどたどしい日本語が、言葉をうまく選べないドンという役柄を表していて、
全然違和感なかったです。

そして、金子役の山本太郎!
彼の熱さって必要不可欠! 最高!
金子が駆け込む美容整形の先生=松尾スズキも脇でナイスな役どころです。



映画を見ている間、ちょっとホロリときた私ですが、
一番感動で涙が出たのは監督のトークでした。

深作健太監督といえば、深作欣二の息子で、「バトルロワイヤル2」の監督。
そのくらいの知識しかありませんでしたが、
彼の映画に対する熱意、愛情、語り口はあそこにいたみんなが親近感感じていたはず。

初めてのドラマ映画の撮影でたくさんの困難があったんでしょうが、
どんなところが自分の悪いところで、映画を撮るときにここが苦手だということを
はっきりと把握していて正確に語る。

父上に対しては「僕はファザコンなんです」と言い切り、親の七光りも受け入れて、
その肩書きや周りの普通より大きい反応や多くのものを背負いながらも、
それでも映画が好きでこれで食べたいと率直に言う監督は、
七光りどころか、他のどの監督より自らが光っているように見えました。

頭の回転も非常に早い方です。
彼がいうには、自分の中にある(説明できる)映画しか撮っちゃダメだと教えられているということで、
子供のころの映画に対する思いと、この映画の「月」の存在を比較して説明したり、
窪塚くんや俳優さんのどういうところが演技として素晴らしいのかという点や、
登場人物の細かい心情から、特定の場面の持つ意味の説明も明確かつ丁寧で、
劇中で登場する絵について話が触れると、
「ちょっとここで絵についても話していいですか?」と楽しげに語る。

そう、心から楽しそう。

そういう姿と言葉が胸を打ったんだろうな。
この監督には、またいいものをどんどん撮ってもらいたいと素直に思いました。

ティーチインは大反響で、質問も途切れず、
進行のライターさんも「今日は素晴らしいお客さんで…」と言ってました。
盛況なのは窪塚くんの影響もあるけど、監督の人柄もあると思うよ。
「終電までやるよ!」と、監督も「舌」好調でした。
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