■2025年3月4日(火)続き■
中華街で夕食を取った後は、コヴェントガーデン方面へ。
セントマーティンズコートからニューロウ。ここは今回特に何度も行ったり来たりした道。
劇場やレストランを眺めながら夕方のウエストエンドを歩くのはそれだけで心が躍ります。
そしてコヴェントガーデンをそのまま突っ切った先にある目的地はドルリーレーン王立劇場。
ここでトム・ヒドルストン&ヘイリー・アトウェル出演の「から騒ぎ」を観るのです。
前日に見た"Inside No.9 Stage/Fright"でもネタにされていた
「サンセット大通り」が話題だったジェイミー・ロイドによる演出。
何か他にも舞台が見たいと探していたところ、出発前に楽しそうな演出の評判を見てチケットを購入。
シェイクスピアなら予習もしやすいと思ったのですが、結局あまり予習はせずに劇場へ向かうことになりました。
(飛行機の中で「から騒ぎ」を元にした映画「恋するプリテンダー」は見ましたが。)
「から騒ぎ」というと、ドクター・フーファンとしてはデヴィッド・テナントとキャサリン・テイトの共演を思い出します。
日本では今年(2025年)三谷幸喜が翻案を上演する予定だったりしますね。
ヘイリー・アトウェルはマーベル作品等の映画作品でもちろん見ていましたが、舞台で見るのは初めて。
トム・ヒドルストンの舞台は、実はこれまで何度か生で見る機会がありました。
2013年は、ドンマーウェアハウスでのシェイクスピア劇「コリオレイナス」、
2019年は、ハロルド・ピンター劇場でのPinter at the Pinterシリーズの締めくくりとなった「背信(Betrayal)」。
「背信」も同じくジェイミー・ロイドの演出。トムヒが奥さんのザウイ・アシュトンと共演した作品でもあります。
それだけではなく、「キングコング 髑髏島の巨神」で来日していた時に歌舞伎町のイベントで姿を見たり、
コミコンで撮影のチケットは持っていないけれど遠目で姿を見ることが出来たりと、申し訳ないぐらいにトムヒ運が良い私です。
しかしトムヒの出待ちはいつも長蛇の列なので、いつも遠目で冷やかして終わります。
今日も並ばずに遠目で拝見する予定でしたが、一応ステージドアの場所を事前にチェック。
ラッセルストリート沿いの端にありました。
ドルリーレーン王立劇場は、大好きなリーグ・オブ・ジェントルマンが2001年にライブを行った場所でもあるので、
一度は行ってみたい劇場の一つでしたが、今までなかなかそのきっかけを持てずにいました。
ヴィクトリア&アルバート博物館にも劇場の模型が展示されていたりして、
内部も立派な劇場なんだろうなーと憧れていたものです。
入口でEチケットを見せて劇場に入ると、
まずバッキンガム宮殿の近衛兵のような真っ赤なコートに身を包んだ劇場スタッフが目に入りました。
全てのスタッフが同じ格好をしているわけではないですが、エントランスホールはこの制服を着用しているみたい。
カッコ良すぎるだろ…
そして奥に進むほどにびっくり。まるで劇場全体が博物館みたい。
中央のバーカウンターは吹き抜け。カウンターを囲むように
シェイクスピアやドルリーレーンの支配人だったデイヴィッド・ギャリックらの彫像が並んでいます。
建物内はこのバーのある中央を挟んで、キングサイドとプリンスサイドと別れていて、
どちらも立派な大階段があります。
About The Theatre Royal Drury Lane | LW Theatres
階段ホールには絵画が飾られていて、よくみるとシェイクスピア劇をモチーフにしたものでした。
例えばこれは階段脇のスペースに飾られていた「テンペスト」。
そしてもちろん「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」も。まるで美術館です。
直前に予約したので残席が残りわずかでしたが、グランドサークルの比較的リーズナブルな良席を購入しました。
(それでもチケット代は£89。この時期のレートは£1=約200円。涙)
劇場に入ると、美しい紋章の入った深紅の客席が目に入ります。
余裕を見て入場したので、到着した時にはまだお客さんも少なかったのですが、
劇場内では大音量でダンスミュージックが流れ続け、舞台脇のライトが激しく回り続けていました。
お客さんが入ると→みたいな感じ。圧倒的に女性が多いです。
開演が近づくと他の劇場でもあるように「上演中撮影禁止」のプレートを持った劇場スタッフが出てきますが、
この公演は劇場スタッフが音楽に合わせてノリノリでダンスしていて、
掲示の時間が終わると拍手が起こっていました。
舞台美術はご覧の通り、ピンク色の紙吹雪が大量にあるだけ。
役者が使うのは主にシンプルな椅子やテーブルくらい。
その分仮面舞踏会のシーンで使われる動物の頭や、大きなハート型のバルーンなど、
時々出てくるその他のセットや小道具がより印象に残ります。
Inside the rehearsal room with the company of Much Ado About Nothing.
— The Jamie Lloyd Co (@JamieLloydCo) January 15, 2025
📸: @brennerphotos #MuchAdoAboutNothing
1/3 pic.twitter.com/N7ybMwtkiN
「から騒ぎ」は簡単に言うと、メッシーナの知事の娘ヒーロー(Mara Huf)と彼女に一目惚れしたクローディオ伯爵(James Phoon)、
独身貴族のベネディック(トムヒ)と知事の姪ベアトリス(ヘイリー・アトウェル)、
この2組を、男性2人の主人である大公ドン・ペドロたちがくっつけようとあの手この手で画策するお話。
一方でドン・ペドロを憎む異母弟ドン・ジョンは反対に2組を仲違いさせようと企みます。
冒頭からマーガレット役のメイソン・アレクサンダー・パークの歌に合わせて
とにかく出演者全員全力で躍りまくってて、「あれ、ミュージカル見にきてたんだっけ…?」と錯覚しそうなほど。
トムヒもヘイリー・アトウェルもびっくりするほど激しく腰を振りまくってダンスしてました。
ベネディック役のトムヒは観客にシャツをはだけさせながら愛想を振り撒いたりして、
その度に観客から「ヒュー!」と歓声が上がります。
知事のレオナートとドン・ペドロとクローディオがベネディックに聞こえるように
ベアトリスがベネディックに好意を持っているという噂を話すところは、
三人に気づかれまいと、大量のピンク色の花びらに体を床にピッタリと硬直させ身を埋もれさせたかと思うと、
だるまさんが転んだのようにズサー!っと頭から滑り込んで紙吹雪の山に飛び込んだり、
ピンクのハートのバルーンの下から潜り込んで頭だけ突っ込んで、
大きなハートの頭が乗っているような状態で直立不動になったり、
とにかくコミカルな動き盛りだくさんで、トムヒってこんなにコミカルな役も上手いんだ!と驚きました。
それにベアトリスとベネディックが相手のことを話す時に、
ヘイリーはロキの等身大パネルを、トムヒはペギー・カーターの等身大パネルを舞台に持ち込んできたり。
ここでもどちらも際どい腰振りをしてて、SNSにその動画が拡散されていましたが、
(本編盗撮して拡散すんなよ、おバ●!と思いましたが、)
仮面舞踏会でもヒーローがはっきりとセッ○スそのものの動きをしていたり、
大丈夫かなと思うような刺激的な身体動作やダンスが多かったです。
Meet our Shakespeare Barbies and Kens 💕👋#MuchAdoAboutNothing pic.twitter.com/unITsbTnZq
— The Jamie Lloyd Co (@JamieLloydCo) March 5, 2025
カーテンコールもトムヒとヘイリーを中心にダンス。
最後の最後まで、演劇を見にきたというよりは、ショーを見にきたような、
大量のピンク色のエナジーを浴びた一夜でした。
Much Ado About Nothing is officially OPEN. 💕🪩#MuchAdoAboutNothing pic.twitter.com/0vcD7KlUhj
— The Jamie Lloyd Co (@JamieLloydCo) February 21, 2025
劇場から出ると、やはりSDから長ーい列が出来ていて、なかなか道に出ることができないくらい。
これから並んでもとてもサインなど貰えやしまい…。
そこで、ふと向かいの劇場を見ると、あ!フォーチューン劇場!
「オペレーション・ミンスミート」って向かいでやってたんだ!
私は前回、予定が詰まっていて出待ちできなかったのを思い出し、
急遽、「オペレーション・ミンスミート」のキャストの出待ちをすることにしました。
マイへスター=Christian Andrewsに会いたかったのです…
しかし、何も話す言葉も用意していなかったので、
実際に会えた時には「2年前にあなたを初めて見たんです!」
「前回来た時は言えなかったんですけど、応援してます!」くらいしか言えず、
なんかめちゃくちゃ恥ずかしかったです…
でもクリスチャンは見た通り、物腰柔らかく優しかった…
しかもその前に出てきた他のキャスト3人も快くサインをしてくれて(この夜に見たわけじゃないのに)感激しました。
ありがたい気持ちとサインしてもらったノートを胸に、劇場を後にしようとしたら、
ちょうどサインに応じるトムヒもチラ見出来ました!
旅日記はもうちょっと続きます。
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