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ナショナル・シアターで舞台「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」を観る

2023-12-17 | 2023年、ロンドンの旅

■2023年6月7日■ 続き

ついにこの度の最大の目的であった、サム・メンデス演出の舞台"The Motive and the Cue"を見に行くために、
サウスバンクにあるナショナル・シアター(以下NT)に向かいます!

ああ、懐かしのNT!
留学中は開演するまでの間、このホワイエで勉強したり読書したりして過ごしていました。
今回もその雰囲気に浸るために早めに到着して、ホワイエでスマホに入れてある戯曲を復習します。

正面入口のモニターには"The Motive and the Cue”のポスター画像が表示されています。
劇場の前にはアイスクリーム売りのバンが止まっていたけど、営業はまだしてなかった。

 

さて、"The Motive and the Cue”について。
この舞台は1964年にジョン・ギールグッド演出、リチャード・バートン主演でブロードウェイで上演された
シェイクスピア劇「ハムレット」のリハーサルの様子を描いています。

この1964年の「ハムレット」ブロードウェイ公演は興行的に大ヒットし、
ギールグッド自身がタイトルロールを演じていたハムレットの公演記録を塗り替え、17週間も上演されましたが、
実はその舞台裏では、ギールグッドとバートンの確執があったという、
緊張感あふれるリハーサルについての出演者の証言が残っており、
舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」などで知られる劇作家のジャック・ソーン
その証言をもとに"The Motive and the Cue”の戯曲を完成させました。

今回の舞台の元になった書籍の一つ、書簡集「Letters from an Actor」の中で、
「ハムレット」のギルデンスターンを演じたウィリアム・レッドフィールドは、ギールグッドとバートンの関係を
「二人の男の間には芸術的な不一致、美的感覚の不和がある。それは信念と技術の本質的な違いである」
と表現しています。

↑ジョン・ギールグッド卿越しに見る、ローレンス・オリヴィエ像。

大女優エレン・テリーを大伯母に持ち、ヴァイオリンのような美しい声を持つことで知られ、
世界最高峰のハムレットとも称されてきた英国の名優ギールグッドは
まだ同性愛が違法だった1954年に逮捕され、キャリアに傷がつくようなことはなかったものの、
ライバルであるローレンス・オリヴィエとは対照的に1960年代にはスター性を失っており、
久しぶりの大きな仕事として、このハムレットの演出の仕事を引き受けます。

このギールグッドを、私が敬愛するマーク・ゲイティスが演じます。

一方のリチャード・バートンを演じるのは、シンガーソングライターでもあるジョニー・フリン
マーティン・マクドナー「ハングメン」にも出演していた多彩な役者です。
マークも出演している映画「オペレーション・ミンスミート」では007の生みの親イアン・フレミングを演じています。

バートンの芝居はギールグッドと異なり、自然体でエキセントリック
当時大スターエリザベス・テイラー(演じるのはタペンス・ミドルトン)と結婚したばかりのバートンは
私生活でも世界から注目を集めていましたが、
自分の実力を試すために、ハネムーンを返上してハムレットへの出演と尊敬するギールグッドの演出を熱望。
その望みは実現しますが、ウェールズポート・タルボット出身で
幼い頃に暴力的な炭鉱夫の父親に捨てられ、姉に育てられた後、教師の養子となった生い立ちを持つバートンは
品位と伝統を重んじるギールグッドと対立し、自分自身のハムレット像を生み出すために葛藤します。

私自身は、舞台でも映像でもハムレットを何度か見ています。
生で見たもので印象的なところを挙げると、バービカンのベネディクト・カンバーバッチや、日本だとシアターコクーンの藤原竜也
なんだかんだ言って、シェイクスピア劇の中ではやはり一番見ているかもしれない。
しかし、バートン版のハムレットは大ヒットしたにも関わらず不勉強で知らなかったので、
リハーサルの服装のままで役者が舞台に出る、という今と通じるようなコンセプトを面白いと思いました。

Hamlet - Richard Burton - John Gielgud - Broadway production - Shakespeare - 1964 - HD Restored - 4K

マーク・ゲイティスのファンとしては、ハムレットを演出する偉大な名優に扮するというだけでも大興奮でした。

第一幕の最後、酒を飲んでリハーサル室に現れたバートンに侮辱されたギールグッドが
出演者やスタッフを全員リハーサル室から追い出し、
ひとりきりになった部屋で、第三幕 第二場でハムレットが劇団の役者たちに演技指導をする
”Speak the speech, I pray you” のセリフを静かに誦じるシーンがあるのですが、
ここはあちこちの劇評でも高く評価されている美しいシーンの一つでした。

正直、マークがハムレットを演じることなんてないと思っていたので、
劇中で、別の役者を演じながらではあっても、ハムレットのセリフを言うマークが見られるなんて本当に喜びの極み!
演出している時も、バートンと一緒にセリフを呟いている様子が見られて嬉しかったです。

特に好きなシーンは第二幕の始まり。
ホテルでのエリザベス・テイラーとの朝食のシーン
若い頃からショービス界で活躍していたテイラーと、英国演劇界のサラブレッドなギールグッドの、
2人だけが共有できる洗練されたユーモアが楽しめる場面。

そして、ギールグッドはテイラーから2人とは育ちも感性も異なるバートンの気質についてヒントを得ます。

(個人的に、この頃は坂本龍一が亡くなったことが記憶に新しかったので、
 戯曲を読みながら、教授の、編集者である父親一亀との衝突や細野晴臣との80年代の確執のことを考えたりしてました。
 細野さんは、父親に対するコンプレックスが、年上の男性に対して反抗的な態度を取らせるのではないか、と分析してたのです)

そしてギールグッドは、虚しさを埋めるためにホテルに男娼を呼びます。
特に一緒に寝ることも求めないギールグッドに彼の為人を知った男娼はハグを提案しますが、頑なに断るギールグッド。
ちょっと抱き合っただけで、背中をポンポン叩き満足したフリをして「とても良かった」と離れようとします。
しかし、そのまま男娼の腕に抱かれるギールグッドは、次第に気持ちが緩み、泣き始めるのです。
「申し訳ない。なんてことだ。我慢できない。
 生まれつき膀胱が目の近くにあるんだ。瞬きすると流れてくる」

役者たちの演技を正す場面でも決して声を荒げず、あくまで肯定的な言い回しで演技指導するギールグッド。
最後には感情的に反抗するバートンと一対一で真正面から話し合い、ハムレット俳優としてのバトンをバートンに渡します。(洒落ではない…)
そのバートンがついに初日の舞台へと向かっていく姿は、
かつて見たサム・メンデス版「キャバレー」の幕引きのように衝撃的で美しく、目に焼き付いて離れない瞬間でした。

演出という点では、ゴルトベルク変奏曲ノエル・カワードの歌が流れ
ハムレットのセリフの引用と稽古何日目なのかが黒いスクリーンに映し出される場面切り替えが印象的。

Noël Coward - Why Must The Show Go On?

装置が上下して稽古場やホテル、ギールグッドのオフィスへと切り替わる舞台機構も面白かった。
実はこの上演中にThe Motive And The Cueをフューチャーした劇場ツアーがあったのですが、
私の滞在中はちょうど日程が合わず参加出来ませんでした。
その代わり、通常の劇場ツアーには参加したので、また後日記事に出来たらと思っています。

"The Motive and the Cue”は、2023年4月20日〜7月15日までNTで上演され、
その後、ウエストエンドのノエル・カワード劇場にもトランスファーされ、2023年12月9日から2024年3月23日まで上演されました。
この日は昼夜の2回公演の日。
ちょうどマチネ上演中に戯曲を復習していたのですが、劇場出入口に撮影が入るとお知らせが出ていました!

と、いうことは!いつかはNT Liveで映画館上映が行われるはず!
サム・メンデス作品だし、ニーズは高いと思うので可能性大!

(2024年6月追記)

その後、日本のNT Liveでも上映が決定しました。

 

the motive and the cue | ntlivejapan |モーティヴ&キュー| マーク・ゲイティス| NTLive |ジョン・ギールグッド|ジョニー・フリン|エリザベス・テーラー|リチャード・バートン|サム・メンデス|ジャック・ソーン

NTLiveが贈る『ザ・モーティヴ&ザ・キュー』サム・メンデス(『リーマン・トリロジー』)が演出し、脚本家ジャック・ソーンが脚本を手がけ、『るつぼ』のエス・デブリンが...

ntlivejapan

 

 

NTの中のブックショップではThe Motive and the Cue関連…つまりハムレット関連のグッズもフューチャーされています。
ここでフィジカルな戯曲をいくつかとNTグッズ(キーホルダーやオイスターカードケースなど)を購入。

友人に渡す分のプログラムもまとめて買い、
腹ごしらえに劇場のデリで1人分のメニューはないのか訊いたらピザトーストを勧められ購入。
でも全然1人前の大きさじゃなかった…
頑張って2つ食べて、残りのうちの一つはナプキンに包んでホテルに持って帰りました。

ちなみに今回の出待ちは、あまり体調もすぐれなかったので、サクッと帰るつもりでいました。

いつものように緊張してモジモジダラダラ喋ることを禁じ、スマートな出待ち!をモットーに、
お馴染みのステージドア前で待っていると、割とすぐにマークが出てきました。
(その日マークを待っていたのは、私を含めて2人だけ。)
来客や出演者と話し、連れの人たちと出てきたところで近づいて、
プログラムにサインをお願いし、お土産を渡し、セルフィーを頼む私。

その間「今日の公演、素晴らしかったです」くらいしか言わず、とにかくシンプルな会話に徹した私に、
最後にマークが満面の笑顔を向けながらかけてくれた「ありがとう!」の一言と、
ギュッと腕に添えてくれた手の温もりがいつも通りで、じわーっと感激しながら、風のようにその場を去りました。

スマートに、と言いながら、後から思い出すと、あれを言えば良かった、これを言えば良かったと、結局色々後悔しています。
でもセルフィーの写真はとても優しい表情で写ってくれてるし、
多くは語らなくても、まあ、見たことある子だなくらいには思ってくれているだろうと期待し、大切な思い出の一つに加わえました。
(舞台はもう一回見たんですけどね)

旅行記は続きます

 

■ナショナル・シアター・ライヴ上演時の感想記事■

 

ナショナル・シアター・ライヴ「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」 - だから、ここに来た!

7月5日(金)からナショナル・シアター・ライブの作品として、映画館上映が始まった舞台「ザ・モーティヴ&ザ・キュー」(以下、TMaTC)。初日やトークイベントを含め、合計3...

goo blog

 

 

■参考記事■

 

Heavenly powers or something rotten? When Richard Burton played Hamlet

It was a box-office hit directed by John Gielgud and created turmoil on stage and off. Now, the 1964 Broadway staging has inspired The Motive and the Cue, a new ...

the Guardian

 

 

 

What Makes a Great Performance? Backstage Drama, That’s What. (Published 2023)

“The Motive and the Cue,” a new play in London, imagines fraught behind-the-scenes maneuvering by John Gielgud, Richard Burton and Elizabeth Taylor during rehear...

 

 

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東京コミコン2023(12月8日)撮影&サイン会

2023-12-11 | TV/SHERLOCK S2〜

12月8日、幕張メッセで行われた東京コミコンに参加してきました。
昨年もカレン・ギランがこのイベントのために来日してたので来たかったけど仕事の都合で来れず、
今年はやっと来ることが出来たのです。

コンベンションに参加するのは2015年春にロンドンで行われたシャーロック・コンベンション以来。
(当時の記事は最後に貼っておきます。)
以来、というか、シャロコンが初めての経験だったので、今回は実質2回目になります。

ただ、同じコンベンションとはいっても、運営の仕方はそれぞれのイベントで異なるし、
東京コミコンは毎年運営のやり方が杜撰と聞いていたので、出来れば来たくないと思っていました(苦笑)

しかし今年はベネディクト・カンバーバッチが来る!しかも、ユアン・マクレガーも来る!と知って、
これはどんな障害が生じたとしても覚悟の上で参加せねばならない!と決意したのです。
そしてチケットを取る時点でシフトが出ていなかったので、有休の取れる金曜日だけ参加することにしました。

ベネディクトは言わずもがな、大好きなSHERLOCKの主役であり、
今ではMARVELのヒーローに留まらず世界的に活躍する映画俳優となりましたが、
シャロコンではお金の余裕がなかったり、とても撮影会のチケットを確保出来る自信がなかったので、
ステージのトークを見るだけに留まっていました。
バービカンで舞台「ハムレット」を見たり、BFIでお姿を見かけるなんてことはありましたが、
一緒に写真を撮れるなんて思ってもみませんでした。

そしてユアンは学生の頃からずっと大好き
90年代から友達と彼の出演する映画を見に行ったり、レンタルで彼の過去作を貪り見たものです。
もちろんスターウォーズも大好き。続三部作以降は若干食傷気味だけど…
最近の映画も見ていますが、一時期は日本が嫌いなのでは?と噂されたりしていて、
日本に来てくれるイメージがありませんでした。
事実、初来日ってついこの間の「プーと大人になった僕」だったんですよね。

 

ユアン・マクレガーの初来日は『プーと大人になった僕』だった|シネマトゥデイ

31日、金曜ロードショー(日本テレビ系、よる9時~)で「くまのプーさん」を実写化した映画『プーと大人になった僕』(2018)が放送される。

シネマトゥデイ

 

なので、本来であればベネディクトだけでも興奮するところなのですが、
ユアンが来ると言うのはもう日本のファンにしてみたら一大事なわけです!!

その他にも、マッツ・ミケルセン、トム・ヒドルストン、クリストファー・ロイド、
エヴァンジェリン・リリー、ポム・クレメンティエフ、ナタリア・テナ、
テムエラ・モリソン、ダニエル・ローガン、C.B.セブルスキーといったゲストが大集結しました。

他のゲストも好きだけど、I can't afford it...
体力的にも時間的にも精神的にも余裕がないので、今回は2人のゲストに集中!

 

そして当日。

12時から始まるオープニングのステージが目当ての人は朝早くから並んでいたみたいですが、
私は体力がないので、10時半ごろに幕張メッセに到着。
幕張メッセには、20代の頃カウントダウンジャパンのために毎年年末に来ていたり、
サマソニにも来ることがあったので慣れています。

かなり暖かい日とはいえ、海も近いし幕張メッセのコンクリの床が冷えることも知っていたので、
セーターにジーパン、ダウンを着て、足元はボアのショートブーツという姿で挑みました。
ブーツは正解だったけど、ダウンはコートでもよかったかな。

私はチケットぴあではなく主催のハリコンのサイトでチケットを確保したので、
正面入り口から入ってホール3前にあるWILL CALLでQRコードを使ってチケットを発券してもらいます。
そこそこ並んでいたけど、5分くらいでカウンターに辿り着けました。

チケットは会場に入るための入場券とサインや撮影希望の参加者は別途サインor撮影チケットを購入。
この辺はシャロコンとおんなじ。

ホール3と4の間には「やすらぎのモール」という吹き抜けの空間があり、
ステージには行かずに撮影やサイン会に向かう人はここから直接向かうことが出来るみたい。

すぐ横にはプレゼントボックスが設置されていました。警備の人がしっかり管理しているんですね。

チケットを発券した後は少しベンチで休んで、11:15頃にホール1側にある一般入場口へ。

朝はたくさん並んでいたみたいだけど、開場後はスムースに入れそう。

入場後は最初の撮影まで時間があるので、展示ブースや物販ブースを超特急で見て回りました。
ステージが終わったら見終わったお客さんで混雑すると思ったので、先に一通り見ておこうと思ったのです。

各ブースの詳しい写真は後日また記事にしますが、一通り見終わった後、まだ時間がありそうだったので、
ステージでセレモニーが行われる12時頃からMARVEL/STAR WARSの物販に並び始めました。
並んでいる間にホールの奥から聞こえてくる歓声を聞きながら、YouTubeでステージの様子を鑑賞。
ステージでいつもよりちょっと元気なさそうなベネディクトを見て心配になっちゃったりしながら…

しかし、このMARVEL/STAR WARSの物販が思いの外時間がかかり、
中に入るまで80分、速攻で欲しいグッズを選択してすぐにレジに並び始めたものの、
最初のベネディクトの撮影会(14:15)が迫ってきました。
スタッフに会計を先に割り込ませてもらえないか相談したけれども不可との返事。
渋々そのまま列で待って、結局会計が済んだのが14:10
アナウンスされている内容だと30分〜1時間前に並ばなければいけないはずなので、
大急ぎで待機の列が出来ている「やすらぎのモール」に駆け込みました。

↑これがホール3から撮影&サイン会場に向かう入口と、やすらぎのモールで待機する人たち↑

ここで一度チケットのチェックを受け、ホール4:セレブエリアの入口で荷物検査を受け、
さらにそれぞれ希望のセレブの列に並び直すことになります。

セレブエリアは写真撮影不可なので画像はありませんが、
上からセレブの顔写真付きの垂れ幕が下がっていて、その下に各撮影ブースがあり、
ブースの外側にサイン用のテーブルが設置されています。
脇には撮影後の写真を受け取るプリンターのエリア。
ブースの前で参加者は列を作って自分の番を待つことになります。

開始時間ギリギリに駆けつけた私でしたが、他にも時間が過ぎて並び始める人もいて、
断られることもなく、無事列に加わることが出来ました。

しかし、並び始めてから45分ほど経ち、
ブース前で緊張しながら列で待っていたところ、それまで進んでいた列がぴたりと止まってしまいました
周りにいるスタッフの話に耳をそばだてていたところ、どうやらベネディクトはしばらく休憩をとっているらしい。

コミコンの前情報で、途中で中止になることもあると目にした記憶があったり、
物販で並んでいる間に見ていたステージでベネディクトが元気のなさそうな様子を見ていたので、
このまま中止になってしまうのでは?と言う考えが頭を過る…。

しかし前述の通り、どんな障害が起こったとしても受け入れる覚悟だったので、
ベネディクトの体が一番大切だ、中止になってもやむを得ない、と素直に思えました。
ただ、横で並んでいる家族連れも写真が撮れないのだとしたら可哀想だな、と思いつつ。

ところが20分後、隣のブースの方角から歓声が聞こえた後、再び列が動き始めたのです!
ベネディクトが休憩を終え、トムヒのブースに顔を出してから撮影を再開したみたい。
トムヒの撮影に並んでいた人は幸運にもベネディクトともお写真を撮影出来たそうで。ラッキーすぎる!

ブース入口前の荷物置き場に置いてあるカゴにチケットと携帯以外の荷物を置いて、
ブースの中へと入っていくと、サクサクと撮影をこなしているベネディクトの姿が目に入りました!
本物だー!
休憩してリフレッシュ出来たせいか、ステージ配信で見た時より表情が柔らかくなったみたい。よかったー。

コミコン名物?ベルトコンベアーのように次々と流れるように撮影を続ける中、
ベネディクトはスタッフに引き離される撮影後の人たちに目を見ながらありがとうと声かけて、
伸ばした手をそのままに名残惜しそうにひとりひとり見送っていました。優しさが滲み出てるー

指先でハートマークを作るのが苦手なベネディクトに、
そこが逆に可愛いと、ポーズのリクエストをする人が多いみたいでしたが、私ははじめから指差ししてもらうことに決めてました。
ベネディクトといえばいまだに指差しのイメージな私。

そしてついに自分の順番が来て、元気に'Hello!'とベネディクトにご挨拶。
そして’Could you point at me?’って訊くと'Of course!'と、快く指差ししてくれました

↓こんな感じ!多分お疲れなのにこんなに優しい表情!

スタッフにディアストーカーはコスプレになります!追加料金払ってください!って言われるかな?と
ちょっとドキドキしてたけど、特に何も言われず、他にもかぶっている人もちょくちょく見かけました。
マーク(・ゲイティス)ともディアストーカーを被って一緒に撮ってもらったので、
これでホームズ兄弟と帽子をかぶって一緒に記念撮影出来たことに!嬉しい!

それにしても、ベネさんの休憩でだいぶ待ったし、その間ずっと緊張しっぱなしだったし、
この撮影だけでも疲労がかなり溜まってしまいました。
遠方から来て一緒に写真撮ってくれるベネディクトほどじゃないですけどね。

荷物を受け取って、プリンターのところで自分の写真を受け取り、空きスペースで写真を確認したら
目の下にアイシャドウが落ちちゃっててクマみたいになってて凹みました(苦笑)。
普段真面目に化粧しないから長丁場のイベントに耐えられない私の顔。
ユアンの撮影の前は目の下をちゃんとチェックしておこう…

撮影が押したので外の飲食スペースに出たのは16時頃
そういえばお昼ご飯を全然食べてなかった!
次の撮影の間に、富士宮焼きそばを食べました。(おにぎりも持参してはいたけど。)
会計はQRコードを読み込んで、店番号を打ち込んで支払うキャッシュレス

 

ユアンとの撮影は17時から、終わったらすぐにサイン会だったので、1時間前に並んでおきました。
一回撮影を経験すると勝手が分かるから自分の動きもスムース。
早めに並んでいると、当然ですが順番も早く回ってくるので、ブース前で緊張しすぎることがなくていいですね。
ちなみにこの写真チケットは数日前に追加発売されて購入したものでした。

心配していたスタッフの対応も時間が表示されたプレート片手に
「ユアンさんこちらですー!」「マッツさんの撮影こちらですー!」と頻繁に声がけしてくれていたので、
どこに行っていいのか全然わからないってことはありませんでした。私の印象ですが。

ベネディクトの列は家族連れや女性が多めの印象でしたが、ユアンは男性が多い印象でした。
やっぱりスターウォーズとかバイク旅とか男性が惹かれるジャンルだからかな。

ユアンの写真がたくさんプリントされているつなぎとか、
レイア姫(成人レイアや子供レイアも!)のようなスターウォーズ関連のコスプレとか、
ダースベーダーやもちろんジェダイマントを羽織った人など、気合いの入った衣装の方も多かったです。
私は引き続きロンドンで買った普通のセーターで勝負(笑)

ユアンははじめにひとりひとり’Hello! Nice to meet you!’と挨拶しながらがっしり握手して出迎えてくれるスタイル。
その握手したままの姿で左手は肩を抱いて撮影、といった流れで対応。
この動きは短い時間でも参加者が迎え入れてもらえていると感じられてとても好印象! 慣れているなーと感じました。

ただ、右手を差し出して握手したまま撮影になってしまうと、
首脳会談みたいな握手の写真になってしまいそうだったので、
自分の番が来た時に、私は挨拶しながらあえて左手を差し出しました。
ユアンの反応がアレッ?同じ手?って感じでしたが、そのまま親指を持ってもらい(笑)撮影終了。
別れ際に’Thank you!’とちゃんと右手でもしっかり握手してくれました!

女性の参加者だと腕を持ってハグしたり密着した写真も見かけて、それも凄く素敵だと思ったのですが、
私の場合は、手と手が触れ合っている写真が欲しかったので、
もう写真をゲットしてイメージ通りの写真だと確認出来たときにはどえらい興奮してしまいました(笑)。
目の下の隈も初回ほど酷くなかったし。なんだかベネさんの撮影が予行演習になっちゃってちょっとシャクだけど。

そして、17:45からは再びユアンのサイン会。
もう一度、やすらぎのモールで並び直して再びセレブエリアへ。

サイン会は本来ブースの外のテーブルで行われるはずなのですが、
ユアンの場合は撮影と同じくブースの中で対応していました。

対して、ちょうど並んでいるときにサインに出てきたトムヒは外のテーブルでサインに応じていました。
トムヒって遠くから見てもトムヒだとすぐわかる。顔が整っているせいか、オーラがすごいのか…
今まで舞台を2回見たり、新宿で映画「キングコング:髑髏島の巨神」のプロモで来ていたトムヒを見たことがありましたが、
いつでも出てくるとすぐわかるオーラがありますね。

サイン会の方は撮影よりもお話する余裕があるイメージだったので、
ユアンに何を言おうか迷っていたのですが、好きな作品が色々ありすぎてこれと選べない…
トレインスポッティングは当たり前だし、シャロウ・グレイヴとかリトル・ヴォイス?
美女と野獣とかジャックと天空の巨人… もしくはカラーに口紅とか? 
スターウォーズは特に好きだけど、みんなそうだろうし…
そして、私は彼を好きになったきっかけを話そうと決意しました。

ブースに入って、スタッフに使って欲しいペンの色を伝え、
書いて欲しいものを手渡すと、ユアンの隣にいる海外のスタッフに渡されます。
そしてついに自分の番になって、
「ERに出ているあなたを見てからずっとファンです!1997年から!」と伝えました。

Carol Is Taken Hostage In A Shop | ER

「ER」シーズン3エピソード15の「険しい回り道」
そう、このエピソードがユアンとの出会いでした。売店に強盗に入った若者ダンカン。

ユアンはサインした後、私を見上げて「わぉ本当に?ありがとう!」と満面の笑みで見つめ返してくれました。
その笑顔がもう映画の中で見る笑顔そのままで! そのあまりの破壊力に私の体は完全にフリーズ(笑)。
言葉を失ったまま、我に返って慌ててサインを受け取ると
「これからも応援してますっ!」と逃げるようにブースを出て行きました(笑)
今でもその笑顔が網膜に焼き付いて離れません。いいや、一生離れなくていいっ!!

ちなみに、私がサインをもらったのは「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」ジャパンプレミアでもらったパンフレット
これ自体もレアなはずだけど、さらにユアンのサインもついて超レアのお宝となりました!

こうして、私の1日だけのコミコン参加は終了したのでした。

今振り返ると、もっとこうしたかったとかこう話せばよかったとか考えることもありますが、
舞台の出待ちと同じく、イメージ通りに行くほうが奇跡
もちろん誰だってスターに出会うなら完璧を目指したいけど、
大好きな人を前にして緊張しないわけがないし、対面できただけでもありがたいことだと思わなければ。
そういう意味で、シャロコンの経験は何年も前とはいっても今回の助けになりました。

今回撮影できた写真は早速携帯のホーム画面にして、仕事で疲れた時にチラチラと見ています(笑)。
これがあれば多少の辛いことも乗り越えられるというものです。

コミコンでいろんな経験をされていろんな感想をお持ちの方がいて、
賛否両論、それぞれ凄く納得の行く感想ばかりですが、
個人的には想像していたほど酷いコンベンションではなく、
スタッフもなるべく問題に対処できるように動いていることが見て取れました。

今回たくさんの人に会うために撮影やサインを絶え間なく続けてくれたセレブや
決して安くないお金を払ってセレブに会いに来た参加者の人たち、
出来るだけ参加者の希望を叶えようと対応してくれたスタッフがこの後も健康に過ごせるといいなと思ってます。
私は休日の今日一日腰が痛かったです(笑)。

 

■■■関連記事■■■

【シャーロック公式コンベンション"Sherlocked the Event" at Excel London(2015年4月)】

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想定外の夢の共演!「ドクター・フー:ザ・ギグル」

2023-12-10 | TV/その他

「ドクター・フー」60周年を記念するスペシャル第三弾、最終回にあたる「ドクター・フー:ザ・ギグル」!
初代ドクターの時代から登場している敵役トイメーカーをニール・パトリック・ハリスが演じます。

前回の「ワイルド・ブルー・ヨンダー」の最後で、なんとかロンドンに戻ったドクターとドナがウィルフおじいちゃんと再会。
しかし、街は争う人々で混乱しドクターの力が必要な状態に。

前回のあらすじと感想はこちらから↓↓↓

 

贅沢なSF密室劇!「ドクター・フー:ワイルド・ブルー・ヨンダー」 - だから、ここに来た!

「ドクター・フー」60周年を記念するスペシャル第二弾「ドクター・フー:ワイルド・ブルー・ヨンダー」!タイトルを訳すと「紺碧の彼方」、しかし劇中に説明されるように...

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↓↓↓今回のあらすじ↓↓↓

人類が自己中心的になり、地球中で暴力行為が横行していることをUNITから説明を受けるドクターとドナ。
2日前から起動した人工衛星によって世界中の辺境な土地でもネットにアクセスできるようになったことがきっかけだと言う。
ドナは人間の脳から自然発生してる7回の波動反応から、アルペジオの旋律であると発見。
そしてそれがジョン・ロジー・ベアードが世界初のテレビ放送で流した人形Stooky Billの映像に隠された笑い声であると判明する。
何者かが全ての映像にその笑い声を忍ばせ、人類の脳に刷り込み、全ての人間に広まるまで機会を待っていた…
その何者かに心当たりのあるドクターは、ドナと共にStooky Billが放送された1925年10月2日、ソーホーのフリス通り22番地に向かう。
ソーホーのおもちゃ屋で待ち構えていたのは、ドクターのかつての敵、トイメーカーだった。

 

↓↓↓以下、ネタバレ含む感想↓↓↓

特番の最終回… つまりドクターの再生…
視聴者が14代目ドクターデヴィッド・テナントとお別れし、15代目ドクターシューティ・ガトワと初対面する回でもあります。
別れの悲しみと出会いの喜びを同時に味わうエピソードになるのは必至…

しかし、そんな心の準備を裏切り!なんと!トイメーカーにビームで撃たれた後、
二重再生(バイジェネレーション)で14代目から15代目が分割して生まれると言う展開に!
14代目と15代目が再生直後にハグ!そして一緒にトイメーカーと対面しキャッチボール勝負!?
こんなことが実現するなんて!

しかも洋服を分け合ってるのが笑える。
14代目が裸足にノーパントラウザーで、15代目がパンイチ(笑)!
60周年なのに、50周年みたいに複数のドクターが共演する機会がないことに寂しさを感じていましたが、
こんな共演シーンが控えていたなんて!最高!

ミスター”ドクター・フー”とも言える10/14代目のデヴィッドが15代目のシューティをハグすることで、
これまでのドクターたちが新ドクターを歓迎し祝福しているようで感動するし、
勝利しながらも浮かない顔の14代目を15代目が抱き寄せキスするシーンは、
これまでドナを励ましながらも、自分も慰めを求めていた14代目の傷を癒すようで…(涙)
もう一人の自分に励まされるって、ある意味、最大の理解者と傷を分かち合うことだからどんな慰めよりも効きそう。
そして14代目にもターディスが残せて本当に良かった。

でも正直、ドナの家族と平和に食事を囲む14代目を見て
「良かったね…(ホロリ)」と思うのと同時に「ズルいなー」とも思った。
11代目とエイミー&ローリーが仲良くしてた頃の時代とか思い出して、
彼らや他のドクターもこんな風に過ごせてたかもしれないのになと思ったりして。
まあリヴァー・ソングが一緒じゃあ、どっちにしろ普通の家族にはなれなさそうだけど。

トイメーカーが劇中でドクターを批判した、コンパニオンを犠牲にするスタイル?が
スティーヴン・モファット期の批判される理由の一つみたいですが、
私は今回のような「甘さ」で逃げなかったのが、モファットの偉いところだとも思う。
彼がここまでドクターに容赦なく別れを与えたからこそ、今回の設定がやっと生きてくるだろうし。
これから毎回二重再生が可能になったら、ドクターがどんどん増殖しちゃうじゃん!

10代目の人間の分身はローズと一緒にいるし、14代目はドナと一緒。
デヴィッドが人気のあるドクターだからとしても、
RTD期だけドクター複数作ってズルいよ!と言うのが正直な感想。

とはいえ、これからも14代目やドナが再登場する可能性が十分にあるのは嬉しい。
デヴィッドは70周年にも駆り出されそうな勢いだ。
14代目がドナの娘の方のローズと一緒にターディスで出かけるミニソードも見てみたい。
ドナは12万ポンドと休暇5週間でUNITに就職するのかな。いやこの条件で迷う理由がないよね。
今回のドナは特に頼もしくて、ドクターとドナがちゃんと出会えて良かったなーってしみじみ思った。
そういえば一番笑ったのは、英国首相が「国民なんてどうでもいい!」と発言する動画が流れた時のドナの一言「前からだよ」
私も「変わってないじゃん」と思ってた!

あと、この特番が始まる前、14代目の目の下の隈がやたら目立ってて
「歳を取ったデヴィッドはドクターに相応しくない」
「人は歳をとるもんだろうが!」「初代や12代目が就任した時に何歳だったか知ってんのか!」
っていうファンのやり取りを見かけたけど、
最後の休養中の14代目の表情はGOのクロウリーみたいにツルツルすっきりしてたし、番組上の演出のメイクだったんだろうな。
なんにしろ、ドクターをやる年齢がどうのなんて、大きなお世話ですな!

そして、私は何気に6〜7代目の時代にコンパニオンとしてドクターと旅をした
コンピューター・プログラマーで元コンパニオンであるメルの
「姿は変わっても、そんなの関係ない。だってどんなドクターも最高だもの」
ってセリフが一番グッときました。本当そうだよな!
UNITの化学部長ケイトからのガッチリハグも好きでした。

NPHのトイメーカーはキャラクターとして面白かったけど、
ストーリー的には盛り上がりに欠ける感じがした。
最後にキャッチボールってのがまた、盛り上がるにも限界がある気がするけど。
もうちょっと勝負の見せ方がなんとかならなかったのかと思う。演出の問題かも。

なので、この全三話の個人的レートは
第一話=7/10点
第二話=8.5/10点
第三話=6.5/10点 って感じ?

ともあれ、15代目としてのシューティの活躍が今から楽しみです!
今回の出演で(いつもと同様に)すでにスタイリッシュな振る舞いの15代目が大好き!
マスターについても言及されていたし、新しいマスターも登場するのかな?

新シリーズもディズニープラスで放送されるようなので安心しました!


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↓こちらの次回作でのデヴィッドの活躍も待たれる!

 

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贅沢なSF密室劇!「ドクター・フー:ワイルド・ブルー・ヨンダー」

2023-12-04 | TV/その他

「ドクター・フー」60周年を記念するスペシャル第二弾「ドクター・フー:ワイルド・ブルー・ヨンダー」
タイトルを訳すと「紺碧の彼方」、しかし劇中に説明されるようにアメリカ空軍の軍歌「空のかなたへ」のタイトルでもあります。
なんでこの曲を使ったのかな… まだその理由の考察は見かけていないのですが…

前回の「スター・ビースト」で、ドナがコンソールにコーヒーをぶっかけてしまい(!)
制御不能となったターディスがドクターとドナを未知の場所へと連れて行きます。

 

前回のあらすじと感想はこちらから↓↓↓

 

懐かしきドクターとコンパニオンとの再会!「ドクター・フー:スター・ビースト」 - だから、ここに来た!

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↓↓↓今回のあらすじ↓↓↓

ドクターとドナは暴走したターディスによって、巨大な宇宙船内に到着する。
ソニックスクリュードライバーを扉の鍵穴に差し込み、ターディスの修理を試みるドクターだったが、
HADS(敵対行為変位システム)のため、ターディスは2人を置いて飛び去ってしまう。
生命体の気配のない宇宙船、通路に置かれた古びた一体のロボット、定期的に宇宙船内に響き渡る言葉…
不安を募らせるドナを励ましながら、ドクターはドナと協力して休眠状態の宇宙船をアクティブな状態に戻そうとする。
しかし、別の部屋で作業していたドクターの前に現れたドナはどこか不自然で…

↑ドクターの今回のスチール、どれもカッコ良すぎる。モデルかっ!

 

↓↓↓以下、ネタバレ含む感想↓↓↓

前半は、宇宙船内と同じく、ずいぶんスローテンポだなと思っていましたが、
後半になるにつれ、宇宙船の謎が明らかになり、一気にドクター・フーらしい展開になって満足しました。
宇宙船の大きさが、ディズニーの製作費のデカさを感じさせます。
船内を移動するカートに乗る時に、「サンダーバード」のレディ・ペネロープとパーカーのやり取りを真似しててちょっと嬉しかったり。

宇宙船でたどり着く途中に出会ったアイザック・ニュートンがいい男だとドクターが認めるシーンがありますが、
14代目はゲイかバイ、もしくはキャプテン・ジャックのようにパンセクシャルになったのかな。
前回のノンバイナリーに引き続き、ドクターのセクシャリティも流動的になっているのかも?
一部の視聴者にwokeだwokeだと揶揄されたりしていますが、
ファンの間ではかつてアンドリュー・ガーフィールド演じるフランクにも「(再会が嬉しかったら)後でキスしていいよ」と言ってたことがあったよね?
などと、ドナが言ってたように、ドクターのセクシュアリティの揺らぎは今に始まったことではないと言及する人も。

そしてニュートンがドクターたちと出会ったために、重力(gravity)が集力(mavity)に変わってしまったのが気になる… あとで回収されるかな??

 

ターディスに置いていかれて、広大な宇宙船の中でとり残されたドクターとドナ。
口喧嘩しながらも、動揺するドナの手に口付けて元気付けるドクターの優しさにジーンとします。

HADSは2代目ドクターの時代に初出のシステムで、
最近では11代目の「冷戦」(マークの脚本回だ!さすが!)で引用されてます。

密室でドクターとドナ(つまりデヴィッドとキャサリン)しか出てこないのって逆に贅沢!
1時間、2人の演技をたっぷり見られるのは嬉しいですね。
しかも敵は、相手をコピーする未知の生命体! 敵も味方もデヴィッドとキャサリン!
1話で2人の、2種類の演技を堪能できるなんて最高。
(吹き替えだとさらに4倍楽しめることに!)

ちなみに、吹き替えでロボットを見に行きたいドクターが
ドナに「帰りを待ってる家族がいるんですけど!」と反対されて
ドクター「うぅんぃ〜?」
ドナ  「はぁー、わかった!」
ドクター「いぇーい!」 ってところが可愛かった。

しかし、完全にコピーしきれていない敵(英語字幕だと"not-things"と書かれている)が
巨大化したり腕や顎だけ伸びたり、普通にキモい!(笑)
でもこれって昨今のAI技術のメタファーのような気もしますね。
コピー元を真似することでどんどん正確になっていく。
最近現実でも映画の中でもAIネタばかりで食傷気味になっていましたが、
AIという言葉を出さなくても、それをモチーフにして物語を作れるんだよな。

巨大な手を操作するデヴィッド↓↓↓

ドナがドクターはガリフレイ出身ではないということに言及したり、
ドナと離れている間、ドクターが宇宙の半分を崩壊させたと話すシーンがありましたが、
これは前シリーズ(FLUX)の設定を引き継いだもの。

前回も書いたように、私は13代目ドクター=クリス・チブナル期を視聴したのは途中までなので、
その設定はいまだにほんのりとしか知りません。
(当時かなり厳しい意見が飛び交っていたので、怖くて見れていない… 臆病でごめん)
それでもなんとなくFLUXの内容なんだろうなと察しながら鑑賞してました。

偽ドナに寄り添う言葉を掛けられ、一度は心を開き掛け抱きつこうとするドクターの前で偽ドナが崩れ落ち、
逃げ込んだ通路の中で当たり散らすドクター。胸が痛い…

どれが本当のドクターで本当のドナなのか??
最後まで分からない緊張感と同時に、宇宙船の謎もだんだんと解き明かされていくのが、スリリングで面白い回でした!
こういう話を見るのがドクター・フーを見る醍醐味だよなぁ!
前回が7/10点なら、今回は8.5/10点かな。

そして最後のバーナード・クリビンス演じるドナのおじいちゃん、ウィルフレッドとの感動の再会!
みんなドクターとウィルフの再会を待ちに待っていましたよね!
実は私は今回のスペシャルの撮影場所のスクープ画像で出演することは知っていたので、
驚きはしなかったのですが、やっぱり彼らの再会はとても嬉しかった!

バーナードは亡くなる前にこの場面はなんとか撮影できたそうで、やはりこのシーンが遺作となるようです
個人的にはピーター・セラーズの「泥棒株式会社」や「フォルティ・タワーズ」のゲスト出演も印象に残っています。

RIP Bernard...

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the Guardian

 

 

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