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だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

帰国の日

2025-05-04 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月6日(木)■ 

帰国の日。
朝出発の便だったため、早朝に起きなければいけませんでしたが、思いのほか早く起きてしまいました。
ロンドンにいるときは時差ぼけのせいか割と早い時間に起きてしまう…

最終的なパッキングを終えてフロントへ。
チェックインの時にはコンベンションで混雑していたので、ゆっくりロビーの様子を見ることが出来ませんでしたが、
早朝は人がいなくてゆっくり見渡せました。

空港近くのホテルには初めて宿泊しましたが、やはりロビーが広いですね。

カフェや売店も充実しています。

かといって、のんびり過ごす余裕はないので、またバスに乗って空港に向かいます。

さすがに早朝の空気は冷たい…
他にも待っている人はいるけれど、なかなか来ないバスを待つのもちょっと寂しい雰囲気。

しかし乗ったらすぐに空港ターミナルに到着。

お馴染みのジョンストンフォントも見納め。

帰りもJALの直行便。あらかじめオンラインチェックインをしておきましたが、
到着してからも、端末でオンラインCIしてない時と同じ操作をしたから、
いまいち前もってチェックインしておく意味が理解出来ていない…

 

とにかく早くゲート近くまで行きたいので、手荷物検査をすぐに済ませ、
残りの時間は追加のお土産の物色に費やします。

とりあえず(王室御用達ではなくなってしまいましたが)キャドバリーのチョコはまとめて購入。
職場の先輩にリクエストされていたお土産のチャームや、ウィッタードの紅茶セット、
自分用にレジ横で見つけたモルトンブラウンのサニタイザーも購入。
モルトンブラウンはもっと買っておけばよかったな。

一通りお土産を見終わったら登場ゲートへ向かいます。
今回は登場ロビーのような場所ではなく、待合室のようなスペースになっていました。

帰りの機内食は亀田のおつまみと梅酒から。

よくどの航空会社の機内食が美味しいとか話題になったりしますが、私は今のところJALが一番です。
日本人だから味噌汁出されるだけでホッとしてしまう。

カチコチのアイスは英国製。

 

でも種類も量が多くて、最後はパンを残してしまった…

そんなわけで、今回の旅が無事終了したのですが、
帰りの機内で珍しく切なくなって涙したりしました。
こんな状態になったのは2012年に初めて渡英した時と、
2015年にマークの出待ちでうまく話せなかったことを嘆いた(しかしその後に温かいお返事をもらった)時以来です。

まず、今回観劇した”Inside No.9 Stage/Fright”でいかに自分が英国のコメディが好きなのか、
そしてスティーヴとリースが好きなのかを再確認したことと、
久しぶりに親友に再会して、その大事さと我々の間にある距離を思っての心の動きだったのだと思います。
観劇も控えめにして、留学時によく行ったロンドン中心部の店や場所をゆっくり見ることが出来たのもよかったです。

そして今回は前回宿泊出来なかった憧れのホテルにあちこち泊まることが出来、とても貴重な滞在になりました。
次回にここまで贅沢が出来るとは思えませんが、まだ新しい場所と慣れ親しんだ場所を巡れるといいなと思います。

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ヒースロー近郊のホテルで飛行機を眺めながらラウンジ体験!

2025-05-03 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月5日(水)■ 

翌日が帰国の日でしたが、出発は早朝だったので、実質この日が最終日。
やはり(持病の影響もあり)体の疲労があったので、チェックアウト後に荷物をホテルに一旦預けて、
お土産を探しつつ、周辺を散歩することにしました。

ホテルの裏にある中華街はちょうど春節の時期で赤い鮮やかな提灯で飾られています。
この中華街はレストランだけでなくパン屋さんやケーキ屋さんもたくさんあります。
そこで、この日のお昼は中華街の総菜パンを買い食い。

ヌテラ入りたい焼きとカレーパン。
たい焼きはちょっと並べば焼き立ても売っていますが、これは陳列されていたもの。
ヌテラ入りというのがロンドンぽくていいですね。
中華街ではこの日の夕食用にビュッフェ弁当(£5)を持ち帰り。
これも留学時代によく買って帰ったものです。

そして、見に行った劇場に名残惜しくお別れを言いに行ったりして…

前日と同じく、劇場の裏を通ってコヴェント・ガーデンへ。
ベンチでパンをむさぼってから、お店をあちこち巡りました。

この周辺では、セブンダイヤルズの露店でラベンダーのポプリを買ったり、
ジュビリーマーケットで家族に部屋着用の格安トレーナーをお土産に購入。後は空港で買えばいいかな…

スーパーで友達お薦めの食材を購入した後は、
意外と入ったことがなかったホテルの1階にあるM&Mショップへ。

チョコそのものやアパレルグッズだけでなく、
ロンドンならではの楽しい入れ物がたくさん置いてあって、見てるだけでも楽しかったのですが、
最近太ってしまい、チョコを大量購入するのは罪悪感があったので、ここは購入をグッと我慢…

十分にレスタースクエア周辺を散策した後は、荷物を受け取り、
日が暮れる前に最後の宿泊地であるヒースロー周辺のホテルへ向かいます。

空港から近いので、お高めなホテル用送迎バスを使わなくても
空港のロータリーから普通のバスに乗って2駅ほどで到着。

ホテルに入るとWaterstoneのコンベンションが行われていたのか、
ロビーに人がたむろしていて、なかなかフロントスタッフを捕まえられなかったのですが、
何とか自分の番が回ってくると、なんとクラブラウンジアクセス付きの部屋にアップグレードしてくれました。
「いいんですか? 私プラチナ会員とかじゃないんですけど!?」としつこく確認してしまった…
どうやら混雑していたのはロビーだけで、宿泊者自体は余裕があったみたいです。

ホテルの階数自体は4階建てなので、ラウンジフロアも最上階の4階。
窓が汚くはあったけど、お部屋自体は空港近くのホテルとしてはかなり快適でした。

アメニティはTOKYO MILKというブランド!

早速ラウンジに向かおうとすると、ほとんど建物の反対側にあるらしく、迷路のようでなかなか辿りつけない…

ようやく入口を発見してカードキーで中に入ると、
かわいらしい女性スタッフが挨拶しに来てくれて、オードブルセットを希望か確認されました。
クラブラウンジだとビュッフェスタイルで軽食を用意しているところが多いですが、
このホテルはあらかじめメニューを用意して提供してくれるみたいです。
そしてワインやシャンパンも無料で提供!
朝食代もラウンジ代も払っていないのになんと贅沢な!!
しかも窓からの眺めはランウェイビュー!離陸するジェット機を眺めることができます!

案内された席は窓際ではありませんでしたが、後から空いた席に移ることが出来ました。
そして、用意されたオードブルもサンドイッチやピリ辛のチキンにケーキもついておしゃれ!

ビュッフェだと無理して大量に食べてしまいがちですが、腹八分目のちょうどいい量!
ワインもなくなると先程のスタッフがこまめにおかわりを確認して注いでくれます。天国か!

もちろん、コーヒーマシンやジュースも置いてあるので、ちょうどいい酔い覚ましになります。
紙コップもあるから、客室への持ち帰りも可能ですね。

窓際の席に移り、ワインを飲みながら飛び立っていく飛行機を眺める私。
まさか最後の最後でこんな贅沢なひと時が味わえるとは思いもよりませんでした。
飛び去る飛行機を動画で撮影しようとしてもなかなかうまくいかなかったけど(汗)、
脳内の思い出にはしっかりと刻まれた一夜でした。

最後の記事に続く…

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舞台"Much Ado About Nothing"(から騒ぎ)を観る

2025-04-29 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月4日(火)続き■ 

 中華街で夕食を取った後は、コヴェントガーデン方面へ。
セントマーティンズコートからニューロウ。ここは今回特に何度も行ったり来たりした道。

劇場やレストランを眺めながら夕方のウエストエンドを歩くのはそれだけで心が躍ります。

そしてコヴェントガーデンをそのまま突っ切った先にある目的地はドルリーレーン王立劇場

ここでトム・ヒドルストンヘイリー・アトウェル出演の「から騒ぎ」を観るのです。

Much Ado About Nothing

Much Ado About Nothing

Tom Hiddleston is Benedick and Hayley Atwell is Beatrice. Two of their generation

LW Theatres

 

前日に見た"Inside No.9 Stage/Fright"でもネタにされていた
「サンセット大通り」が話題だったジェイミー・ロイドによる演出。
何か他にも舞台が見たいと探していたところ、出発前に楽しそうな演出の評判を見てチケットを購入。
シェイクスピアなら予習もしやすいと思ったのですが、結局あまり予習はせずに劇場へ向かうことになりました。
(飛行機の中で「から騒ぎ」を元にした映画「恋するプリテンダー」は見ましたが。)

「から騒ぎ」というと、ドクター・フーファンとしてはデヴィッド・テナントとキャサリン・テイトの共演を思い出します。
日本では今年(2025年)三谷幸喜が翻案を上演する予定だったりしますね。

ヘイリー・アトウェルはマーベル作品等の映画作品でもちろん見ていましたが、舞台で見るのは初めて。
トム・ヒドルストンの舞台は、実はこれまで何度か生で見る機会がありました。

2013年は、ドンマーウェアハウスでのシェイクスピア劇コリオレイナス
2019年は、ハロルド・ピンター劇場でのPinter at the Pinterシリーズの締めくくりとなった「背信(Betrayal)」
「背信」も同じくジェイミー・ロイドの演出。トムヒが奥さんのザウイ・アシュトンと共演した作品でもあります。

それだけではなく、「キングコング 髑髏島の巨神」で来日していた時に歌舞伎町のイベントで姿を見たり、
コミコンで撮影のチケットは持っていないけれど遠目で姿を見ることが出来たりと、申し訳ないぐらいにトムヒ運が良い私です。

しかしトムヒの出待ちはいつも長蛇の列なので、いつも遠目で冷やかして終わります。
今日も並ばずに遠目で拝見する予定でしたが、一応ステージドアの場所を事前にチェック。
ラッセルストリート沿いの端にありました。

ドルリーレーン王立劇場は、大好きなリーグ・オブ・ジェントルマンが2001年にライブを行った場所でもあるので、
一度は行ってみたい劇場の一つでしたが、今までなかなかそのきっかけを持てずにいました。
ヴィクトリア&アルバート博物館にも劇場の模型が展示されていたりして、
内部も立派な劇場なんだろうなーと憧れていたものです。

入口でEチケットを見せて劇場に入ると、
まずバッキンガム宮殿の近衛兵のような真っ赤なコートに身を包んだ劇場スタッフが目に入りました。
全てのスタッフが同じ格好をしているわけではないですが、エントランスホールはこの制服を着用しているみたい。
カッコ良すぎるだろ…

Theatre Royal Drury Lane reveals brand new Red Coat uniforms by Charles Jeffrey | Official London Theatre

Theatre Royal Drury Lane reveals brand new Red Coat uniforms by Charles Jeffrey | Official London Theatre

Theatre Royal Drury Lane's auditorium is not the only thing getting a makeover! Check out the edgy new Red Coat uniforms designed by Charles Jeffrey.

Official London Theatre

 

そして奥に進むほどにびっくり。まるで劇場全体が博物館みたい。
中央のバーカウンターは吹き抜け。カウンターを囲むように
シェイクスピアやドルリーレーンの支配人だったデイヴィッド・ギャリックらの彫像が並んでいます。

 建物内はこのバーのある中央を挟んで、キングサイドとプリンスサイドと別れていて、
どちらも立派な大階段があります。

About The Theatre Royal Drury Lane | LW Theatres

階段ホールには絵画が飾られていて、よくみるとシェイクスピア劇をモチーフにしたものでした。
例えばこれは階段脇のスペースに飾られていた「テンペスト」

そしてもちろん「ハムレット」「ロミオとジュリエット」も。まるで美術館です。

直前に予約したので残席が残りわずかでしたが、グランドサークルの比較的リーズナブルな良席を購入しました。
(それでもチケット代は£89。この時期のレートは£1=約200円。涙)
劇場に入ると、美しい紋章の入った深紅の客席が目に入ります。

余裕を見て入場したので、到着した時にはまだお客さんも少なかったのですが、
劇場内では大音量でダンスミュージックが流れ続け、舞台脇のライトが激しく回り続けていました。
お客さんが入ると→みたいな感じ。圧倒的に女性が多いです。

開演が近づくと他の劇場でもあるように「上演中撮影禁止」のプレートを持った劇場スタッフが出てきますが、
この公演は劇場スタッフが音楽に合わせてノリノリでダンスしていて、
掲示の時間が終わると拍手が起こっていました。

舞台美術はご覧の通り、ピンク色の紙吹雪が大量にあるだけ。
役者が使うのは主にシンプルな椅子やテーブルくらい。
その分仮面舞踏会のシーンで使われる動物の頭や、大きなハート型のバルーンなど、
時々出てくるその他のセットや小道具がより印象に残ります。

「から騒ぎ」は簡単に言うと、メッシーナの知事の娘ヒーロー(Mara Huf)と彼女に一目惚れしたクローディオ伯爵(James Phoon)、
独身貴族のベネディック(トムヒ)と知事の姪ベアトリス(ヘイリー・アトウェル)、
この2組を、男性2人の主人である大公ドン・ペドロたちがくっつけようとあの手この手で画策するお話。
一方でドン・ペドロを憎む異母弟ドン・ジョンは反対に2組を仲違いさせようと企みます。

Much Ado About Nothing review – Tom Hiddleston and Hayley Atwell crackle in a party of pink

Much Ado About Nothing review – Tom Hiddleston and Hayley Atwell crackle in a party of pink

With a chemistry that is as bright as the modern-day costumes in this weird and wonderful show, the actors turn Shakespeare into a giddy house party cum modern r...

the Guardian

 

冒頭からマーガレット役のメイソン・アレクサンダー・パークの歌に合わせて
とにかく出演者全員全力で躍りまくってて、「あれ、ミュージカル見にきてたんだっけ…?」と錯覚しそうなほど。
トムヒもヘイリー・アトウェルもびっくりするほど激しく腰を振りまくってダンスしてました。

Much Ado About Nothing, Theatre Royal Drury Lane review: Tom Hiddleston and Hayley Atwell star in the show of the year

Much Ado About Nothing, Theatre Royal Drury Lane review: Tom Hiddleston and Hayley Atwell star in the show of the year

Jamie Lloyd’s Tom Hiddleston and Hayley Atwell-starring take on ‘Much Ado’ is ridiculous, audacious and absolutely phenomenal

Time Out London

 

ベネディック役のトムヒは観客にシャツをはだけさせながら愛想を振り撒いたりして、
その度に観客から「ヒュー!」と歓声が上がります。

知事のレオナートとドン・ペドロとクローディオがベネディックに聞こえるように
ベアトリスがベネディックに好意を持っているという噂を話すところは、
三人に気づかれまいと、大量のピンク色の花びらに体を床にピッタリと硬直させ身を埋もれさせたかと思うと、
だるまさんが転んだのようにズサー!っと頭から滑り込んで紙吹雪の山に飛び込んだり、
ピンクのハートのバルーンの下から潜り込んで頭だけ突っ込んで、
大きなハートの頭が乗っているような状態で直立不動になったり、
とにかくコミカルな動き盛りだくさんで、トムヒってこんなにコミカルな役も上手いんだ!と驚きました。

Tom Hiddleston and Hayley Atwell bring unabashed pink-hued party perfection to Much Ado About Nothing

Tom Hiddleston and Hayley Atwell bring unabashed pink-hued party perfection to Much Ado About Nothing

You won’t need rose-tinted spectacles to bask in every minute of this disco-tastic, all-singing, all-dancing take on Shakespeare’s much-loved romantic comedy at ...

Tatler

 

それにベアトリスとベネディックが相手のことを話す時に、
ヘイリーはロキの等身大パネルを、トムヒはペギー・カーターの等身大パネルを舞台に持ち込んできたり。
ここでもどちらも際どい腰振りをしてて、SNSにその動画が拡散されていましたが、
(本編盗撮して拡散すんなよ、おバ●!と思いましたが、)
仮面舞踏会でもヒーローがはっきりとセッ○スそのものの動きをしていたり、
大丈夫かなと思うような刺激的な身体動作やダンスが多かったです。

カーテンコールもトムヒとヘイリーを中心にダンス。
最後の最後まで、演劇を見にきたというよりは、ショーを見にきたような、
大量のピンク色のエナジーを浴びた一夜でした。

劇場から出ると、やはりSDから長ーい列が出来ていて、なかなか道に出ることができないくらい。
これから並んでもとてもサインなど貰えやしまい…。

そこで、ふと向かいの劇場を見ると、あ!フォーチューン劇場!
オペレーション・ミンスミートって向かいでやってたんだ!

私は前回、予定が詰まっていて出待ちできなかったのを思い出し、
急遽、「オペレーション・ミンスミート」のキャストの出待ちをすることにしました。
マイへスター=Christian Andrewsに会いたかったのです…
しかし、何も話す言葉も用意していなかったので、
実際に会えた時には「2年前にあなたを初めて見たんです!」
「前回来た時は言えなかったんですけど、応援してます!」くらいしか言えず、
なんかめちゃくちゃ恥ずかしかったです…
でもクリスチャンは見た通り、物腰柔らかく優しかった…
しかもその前に出てきた他のキャスト3人も快くサインをしてくれて(この夜に見たわけじゃないのに)感激しました。

ありがたい気持ちとサインしてもらったノートを胸に、劇場を後にしようとしたら、
ちょうどサインに応じるトムヒもチラ見出来ました!

旅日記はもうちょっと続きます。

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レスタースクエアから改装後のナショナル・ポートレート・ギャラリーへ

2025-04-26 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月3日(月)続き■ 

アフタヌーンティーを楽しんで、友達を見送った後は、
一旦ホテルに戻って休息を取った後、
今回の旅のきっかけだった舞台"Inside No.9 STAGE/FRIGHT"を見に行きました。
↓詳しい内容はすでに記事にしてあります。

 

【ネタバレ】舞台"Inside No.9 Stage/Fright"を観る!【Spoiler】 - だから、ここに来た!

※内容を忘れてしまう前に先に投稿しておきます。■2025年3月3日(月)■今回の旅の最大の目的である”InsideNo.9Stage/Fright”。BBCTWOで10年間に渡り放送され...

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舞台の興奮が冷めやらぬ中、再度ウォータールー経由でホテルへ。

2泊したお気に入りのホテルともこの日でお別れ。
ビッグベンの眺めともお別れなので、最後に夜景を眺めておきました。

■2025年3月4日(火)■ 

身支度をしてフロントで2泊分の宿泊費を精算。
ところがそこでアフタヌーンティーで割引フォームの提示を忘れていたことに気づきました。
フロントスタッフに相談すると、あちこちに電話をかけたり、
レストランスタッフにも掛け合ってくれて、
かなり時間が掛かりましたが、予定通り割引対応してくれました。

待っている間にフロントに置いてあったウォーターサーバーの水を飲んでいたら、
紙パックの客室用の水を持ってきてくれたり、
「長くなりそうなら大丈夫ですよ、私がいけないので…」と声をかけたら、
「いえいえ、割引は大きいですから!」とその後もあちこち交渉してくれて、
ますますこのホテルが大好きになりました。
また泊まりに来れたらいいな…

そして今度はレスタースクエアのホテルへ移動。
渋谷のセンター街ど真ん中のような場所に泊まるのも初めて。
ここも以前から建物自体は知っていたので、胸が高鳴ります。

こちらのホテルはクラブのような大音量の音楽が流れる現代的なブランドで有名なのですが、
ロンドンはデザインはモダンではあるものの、
音楽自体は想像していたほど賑やかな雰囲気ではありませんでした。

ロビーもエレベーターホールもミラーボールだらけでかなり煌びやか。
でもフロント係の女性はフレンドリーで、今晩は舞台「から騒ぎ」を見にいく予定だと話したら、
「ああ!トムヒのでしょう?知り合いが見に行ってよかったって言ってましたよ!」と教えてくれました。

到着したのは結局13時頃でしたが、ツインの部屋で良ければすぐに部屋に入れるというので、
アーリーチェックインさせてもらいました。
客室の中もミラーボール付き。眺めは中華街ビュー。

照明も温度調節もテレビも室内スピーカーも全部タブレット操作なのは初めて!

せっかくアーリーチェックインも出来て客室は快適だし、疲れも溜まっていたので、
ソワレの舞台でも見に行こうかと思っていましたが、しばらく部屋の中でのんびりしていました。
動き出したのは夕方から。翌日のレイトチェックアウトもお願いしておいて、
気の向くままに、レスタースクエア周辺を歩き回ることにしました。

EMPIREでは映画”Marching Powder”のプレミアの当日だったようですが、
野次馬は完全にシャットアウトされていたので、冷やかすのは断念。

そしてレスタースクエアを横切って、改装後にまだ行っていなかった
ナショナル・ポートレート・ギャラリーに行ってみました。

以前はセント・マーティン・イン・ザ・フィールズ教会側の小さい入り口から入っていましたが、
今はギャリック劇場近くが正面玄関になっています。
入り口を入ると大きな木の装飾が目に入り、左手奥にはショップが出来ていました。

奥に進むと、以前と変わらないチケット売り場があります。
ここからエスカレーターで上階へ。このあたりもあまり変わっていません。

ナショナル・ポートレート・ギャラリーは今までも何度も来ているので、
施設自体の変化を楽しむために中を歩いていましたが、作品自体はつい毎回同じものを写しがち。
例えばヘンリー8世とその妻たちとか。

チャールズ一世とその家族とか。

アン女王サラ・ジェニングス、そしてその夫のジョン・チャーチルとか。

ヴィクトリア&アルバートとか。

ジョージ6世と、その娘であるエリザベス2世とか。

今までも何回も見ているはずですが、ついまた会いに来てしまいます。
王室以外だと、(私の好きな俳優が好きな)画家である
オーブリー・ビアズリージョン・ミントンも。

この他にも必ず知っている人たちに出会える場所。
真剣に見ようとしたらとても時間が足りないですね。

新しく印象に残った中では、画家ローラ・ナイトの鮮やかな自画像。 

それにコメディ・ジーニアスの写真が集まった一角。
モーカム&ワイズヴィクトリア・ウッドダグラス・アダムス
フレンチ&サンダース「ビヨンド・ザ・フリンジ」の面々、ミーヤ・サヤールとその父。
まるでコメディの祭壇みたいなコーナーです。

そして近年見た演劇関連では、「ナイ 〜国民保健サービスの父〜」のモデル、ナイ・ベヴァンの首像、
ジョン・ギールグッドの大叔母である大女優エレン・テリーのデスマスク(!)。
あと、最近マクベス夫人を演じていたクシュ・ジャンボの珍しい刺繍のポートレート。
困難を乗り越えて成功した女性をテーマにしたゾーイ・バックマンによるシリーズ作品の一つ。

ジュディ・デンチや昨年(2024年)に亡くなったマギー・スミス、
劇作家のデヴィッド・ヘアーの大きな肖像画もありました。

ここまで早足で見て回って1時間ほど。
外に出ると玄関の正面に博物館のカフェが出来ていました。
10年ほど前はここにロンドンパスの受付カウンターが入ってたんですよねー。懐かしい。

レスタースクエアに戻るとシェイクスピア像がお出迎え。
ナショナル・ポートレート・ギャラリーにも鏡像があったので、並べておきましょう。

その後はすぐそばのLEGOショップへ。
ここは留学中に店員さんがものすごく親切に接してくれたので思い出深い場所。

平日ですがかなり混雑していて、見て回るのも一苦労。

以前来た時よりも、ハリーポッターの展示の種類がかなり増えていました。

あまり長居は出来なかったので早々にLEGOショップを後にして、
お腹も空いてきたので、留学中によく通っていた中華街の食堂へ。
日が暮れてコベントリーストリートはラマダーンを祝うライトアップが点灯し始めました。

中華街にあるワンケイは、優しい接客こそ期待は出来ませんが、
メニューの種類が多くリーズナブルで、注文すればすぐ食事が出てくる、
困った時に頼れる食堂です。何度お世話になったかわかりません。
1階はシンプルなテーブル席ですが、
2階はグループで使えるような中華料理でお馴染みの円卓席もあります。

ご飯より汁物が食べたくて注文したのは焼き鴨そば
注文して文字通り、1分も経たずに出てきました。お茶も付いてきます。
これも昔よく食べていたはずですが、注文して思い出しました、
鴨肉は骨付きだから貪りついて食べないといけないのです。

なんとか鴨肉に食らいつきながら、久しぶりの食堂の雰囲気を懐かしみました。
(同席してたおじさんも同じメニューを頼んでた。)

腹ごしらえの後は、初めていく劇場に観劇へと向かいます!

続く…

 

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ビッグベンを見ながらアフタヌーンティー

2025-04-22 | 2025年、ロンドンの旅

 

■2025年3月2日(日)■続き 

お出かけからホテルへ戻ると、フロントスタッフが素晴らしい客室を用意してくれていました!

 

えー!部屋の窓からロンドンアイの全体が見える!最高の景色!
テムズ川の眺めを確約している部屋ではあったけれど、ここまで素敵な眺めを用意してもらえるとは感激!

思わず興奮して友達にLINEで画像を送っちゃいました。
お部屋の雰囲気もモダンで居心地もいい! テンション上がってしまいました。

壁に飾られている動物がモチーフのアートがカードキーにも採用されててかわいい。

お風呂場はシャワーだけど、洗面台やミニバー周辺も広々としている!

そしてアメニティはモルトン・ブラウン!

大興奮でしたが、肉体はすっかり疲れ切っていたので、
この夜、夕食として食べたのは、私御用達の(笑)ナチュラルファストフード店のLEONで
帰りがけに購入した小さめのライスボックス+レモネード。

スーパーで買ったライスケーキをデザートにして一緒に頂きました。
夜はちょうどアカデミー賞の中継をやっていたので、見ながら就寝。

■2025年3月3日(月)■ 

翌日は英国北部に住んでいる高校時代からの友達と、
このホテルのレストランでアフタヌーンティーをする約束をしていました。

 

2年前に渡英したときには、芝居を見る予定を入れすぎてしまい、
会う時間の余裕がなかったので、ロンドンにいることも伝えていなかったのですが、
後で報告したら「なんで教えてくれなかったの!」と怒られてしまったので、
今回はちゃんと時間の余裕を作って、テーブルの予約もしておきました。 

 

列車で出てくる友達を出迎えるためにユーストン駅へ。
ユーストンだと前に泊まっていたホテルの方が近かったので、
どちらに泊まるか迷っていたのですが、用意されたお部屋も最高だったし、
スタッフもよりフレンドリーだったので、結果的に今のホテルにして正解でした。
当日バタバタしながら迎えに出るのも友達に悪いし…

考えてみると友達と会うのは、留学していた2019年の初夏ぶり。
マンチェスターに遊びに行ったっきりです。
それでも(LINEで連絡は取っているし)もう6年も経っていることが信じられないくらい、
つい先週も会っていたかのような感覚で再会しました。
そしてあまりロンドンに来たことがない友達とロンドンアイやビッグベンを眺めながらホテルへ。

 

実はこのホテル、ロンドンの旧市庁舎を利用した建物内にあって、以前訪れたLondon Film Museumも入居していました。
今はもうなくなってしまったので、元々展示室だった場所はホテルの客室になっているかもしれません。

 

Southbankを歩いて、London Film Museumへ。 - だから、ここに来た!

滞在三日目。この日はWaterloo駅からスタート。大きな地図で見るStJohnsChurchの前を通って、Waterloo橋を目指します。一日目に歩いたところですね。そして、NationalTheatr...

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アフタヌーンティーを頂くのはホテルの中のレストラン、The Library at County Hall。
名前の通り、旧市庁舎の会員制図書館だった場所がレストランとして活用されています。

12時に予約したけれど誰もレストランにおらず、しばらく廊下の椅子に座って待っていましたが、
しばらくしてスタッフらしき人を見かけたので、声を掛けて入れてもらいました。
予約席は私たちだけで貸し切り状態。テーブルからはビッグベンがよく見えます!

1ダースほど種類のある紅茶の瓶で香りをテイスティングし、
自分の好きな茶葉を選ぶと、その紅茶をポットに淹れて持ってきてくれます。

アフタヌーンティーのメニューは以下の通り。

サンドウィッチ
1)きゅうりのピクルスとホイップしたクリームチーズとディル(ハーブ)(全粒粉パン)
2)コロネーション(カレー風味)チキンとマンゴーチャツネ(キャラウェイシードのパン)
3)紅茶漬けサーモンとケッパーバター(ビートルートのパン)
4)Clarence Courtの濃茶色卵、マヨネーズとチャイブ(ネギ)(ブリオッシュパン)
5)玉ねぎのキャラメルソースとタンワースのタルト

スコーン with ドーセットクロテッドクリームと‘Tiptree’のストロベリージャムとレモンカード

ケーキ
1)エリザベスタワー(オレンジ&塩キャラメル味)
2)スパイスアップルバターショートブレッド
3)マルメロ(木瓜)とブラックベリーのクランブル
4)フルーツタルト
5)ヴィクトリア(スポンジ)ケーキ

https://www.thelibraryatcountyhall.com/our-menus

そして「シャンパンはいかがですか?」と薦められるままにオーダー。
滅多にないことだし、たまには贅沢してもいいか…

エリザベスタワー(ビッグベン)型のケーキにはオレンジのソースが入っています。
このケーキを見て「これは映える!」と友達にここでのアフタヌーンティーを提案したんですが、
その割に話すのに夢中で、あんまり写真を撮っていなかった…
友達が半分にカットした後で接写してくれていました。

サンドイッチやタルトを頂きながら、友達の家族や仕事の話、好きなドラマや映画の話など、
久しぶりに面と向かってじっくり話せました。
とはいえ、話せる時間は2~3時間ほど。話し足りない!
何しろ6年近く深い話はしてなかったのです。もっと時間が欲しい!

 

ちなみに、酢漬けっぽい味付けのキャラメル色の玉ねぎのタルトを食べていたら、
友達が「これ食べたことある味がする!」と言い出して、後からピクルスの瓶の画像を送ってくれました。
「Branston Pickle」。この便は普通にTESCOのようなスーパーで売っています。

色はソースみたいですが、野菜や果物やスパイスを煮込んだもので、
ブラウンソースより酸っぱくて甘い味がします。
教えてもらってから早速購入して、帰国後は朝食のバゲットにつけて食べています。
チキンカツみたいな日本の揚げ物につけてもけっこう美味しい!

アフタヌーンティーを食べた後は、部屋で日本から持ってきたお土産(麦茶やゆかりなど)を渡し、
電車の時間まで、サウスバンクを散歩しました。

友達が古本が見たいというので、チャリングクロスロードまで出ようか迷いましたが、
月曜日もウォータールー橋の下のブックマーケットがやっていたので、覗いてみたり、
日曜にはクローズしていたBFIとナショナルシアターのグッズ売り場に行って、
NTのトートバッグを購入しました。

そして今度は見送りのためにウォータールー駅からユーストン駅へ。
ほんの数時間だけの再会。その数時間のために長旅をして会いに来てくれた友達に感謝…
名残惜しいけれど、ハグして別れてきました。

アフタヌーンティーの支払いの時に、私持ちでと提案しながら、
「次に来た時にお茶おごってくれればいいよ」と言ったら
「次にいつ来られるかわからないじゃん!」と言われて、
二人の距離を思い知らされて、切なくなりました。

この後、夜には"Inside No.9"の舞台を見に行ったわけですが、
親友同士で一緒に仕事して、いつでも会える距離に住んでいる
リースとスティーヴをうらやましく思えたり。
私なんか親友に合うためには14時間飛行機に乗って旅しないといけないのに…。

それでも、この再会はとても貴重な時間になりました。
帰国後、友達が私と一緒に撮った写真を娘ちゃんと一緒に並べてくれていると知って、幸せな気分です。

続く…

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英国郵便博物館

2025-04-17 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月2日(日)■ 続き

前回のホテルをチェックアウトして、今度はウェストミンスターのホテルに泊まります。
観光客でごった返すウェストミンスター橋を渡らないといけなくて一苦労…
ウォータールー駅から移動すればよかった…

今度のホテルのフロントの方も親切で、
2日間で失った英語力の大きさにへこみまくっていた私が
「英語のしゃべり方をすっかり忘れてしまって大変で…」と話したら、
励ますだけでなく、丁寧な案内に忍耐強く質問に付き合ってくれて、心が軽くなりました。

早めに行って客室の準備が出来ていなかったので荷物だけ預け、
バスに乗るために橋のたもとのバス停で待っていると、
通りすがりのロンドナーが「今日は近くでデモがあるからここのバスは来ないよ!」と
待っている人たちに声を掛けてくれました。
仕方ないのでロンドンアイを眺めながら、ウォータールー駅近くに移動。

日曜日なので、サウスバンクもマーケットがあちこちで開かれています。
食べ物が中心のサウスバンクセンター南のマーケットや、
ウォータールー橋の下でもおなじみのブックマーケットが開催中。

 

用事がなくてもとりあえず寄ることになっているBFIとナショナルシアターものぞいてみましたが、
日曜日で定休日でした。残念。
(どちらも帰国後に上演する)「ナイ」や「ディア・イングランド」が上演してたら見たかったなー。

 

ウォータールー橋からのバスに乗り込み、目的地に向かいましたが、
やはりどの路線も正常通りの運行をしていないのか、
トッテナムコートロード周辺で降ろされてしまい、再度乗り換えが必要になってしまいました。

もう行くのを断念してしまいそうな気持になりながらも、
なんとかバスを乗り換えて、たどり着いたのが、クラーケンウェル近くにある英国郵便博物館

 

英国郵便博物館は本館と別館とあり、別館の方は郵便局鉄道についての展示になっています。
まずは別館から入ると、2012年まで郵便の輸送に使われていた地下鉄道に乗る体験が出来ます。
ホームページで時間帯予約が出来ますが、予約なしでもそのまま入ることが出来ました。
入場料は大人£18.50、16-24歳は£12.5、2-15歳は£11。

客層は親子連れが多いですが、カップルや私のように一人だけで来館している若い男性も。
無人鉄道はまるで遊園地のアトラクションのようで、
ロンドンのど真ん中でこんな体験が出来るなんて不思議な気持ち。

そして遊園地の乗り物と同じように車両にスピーカーがついていて、解説が流れてくるのですが、
それだけではなく、時折途中の駅で停車して、プロジェクションマッピングで郵便の歴史を学ぶことが出来ます。

  

実際にこの場所でどんな様子で郵便局員が働いていたのかが、
エリザベス王女(当時)に宛てに手紙を書いた少女や、
戦場の恋人に手紙を書いた女性がポストに投函するところから描写されます。

 

複雑に入り組んでいる地下道内で鉄道が行き来するため、
途中で停電したように暗くなって電車が止まってしまう場面も再現。

一通りめぐると、元の別館の場所に戻ってきます。

 

この後は、奥にある郵便鉄道についての展示を見て回ります。

 

ヴィクトリア朝時代の人たちは地下鉄が郵便サービスの助けになると考え、
1863年2月20日、地下3メートルで実験的な郵便鉄道が運用開始に。
ユーストン駅とエバーズホルト・ストリート近くの仕分け局の間を動いていたそうです。

空気圧で動いている無人鉄道は時速40マイルの速さで走っていて、
基本的に郵便を運ぶ専用ですが、命を顧みず乗り込むヴィクトリア朝の人もいたとか。

鉄道駅と主な仕分け局を時速30マイルの速さで結ぶ電気で動く自動運転の郵便鉄道は
1914年から地下20メートルの深さで工事が始まり、戦争の影響で実際に運用開始されたのが1927年。
全盛期は200人以上の職員の手によって毎日400万通もの郵送物が運ばれたそうです。
それまでの郵便鉄道の問題点をエヴァン・エヴァンス(Evan Evans)によって改良され、
使用された車両は180ほど。点検ピットにいるエンジニアによってメンテナンスされていました。

 

 

↓郵便袋を受け取るネット。
古い映画で鉄道から勢いよく投げ込まれる様子を見たことありますね!

無人鉄道とはいえ、ポイント切り替え等は各路線の担当者が行っていました。

 

Mail Railという名称がつけられたのは運用開始60周年記念の1987年。
お馴染みの赤いデザインもこの時から使用されています。
まもなく、鉄道の運転もコンピューター制御に。
郵便鉄道は2003年まで使用され、その後2017年にこの郵便博物館のアトラクションとして使われています。
(ブルース・ウィリス主演の映画「ハドソン・ホーク」の撮影にも使われたことがあるらしい。)

地下の展示を見終わって、1階の受付近くにはお土産コーナーも。

 

赤いポストを基調としたグッズが色々。
ポストのデザインが描かれたオイスターカードケースと郵便鉄道のキーホルダーを購入しました。
本館の方にもグッズ売り場が。
郵便配達用カバンの素材で出来たリュックもおしゃれ。

 

本館の方は郵便鉄道よりもさらに昔、英国の郵便の成り立ちからの展示。
郵便システムを作ったヘンリー八世の時代に遡ります。

当時、それぞれの街に郵送のために使われる馬が三頭いて、
この厩舎のことを「ポスト」と呼んでいたのが今のポストの始まりなんだとか!
もっとも、始めは王室のような裕福な身分の人々だけが利用できるもので、庶民は利用できませんでした。

無料で支給されている郵便配達員の制服は赤いコート、青いウエストコートに帽子と、
とてもお洒落ですが、これはパブでサボっている配達員を見つけやすくするためでもあったそう。
都市部でズボンが支給されるようになったのは1855年からで、
地方だと1872年まで私服を使っていたようです。
ちなみに女性用のスカートと防水ケープが導入されたのは1894年。 

 

博物館の中では現在の赤いピラーボックス(郵便ポスト)だけではなく、
緑色のボックスが複数置いてあります。

 

1852年に初めて設置されたジャージー島のポストは赤かったそうですが、
1859年までには地域によって異なっていたピラーボックスは形が統一されて色も緑色に統一されたそうです。
ハマースミス橋と同じ「ブロンズグリーン」!

 
しかし結局、色が分かりにくいという理由で1874年から数年程で
ほとんどのピラーボックスは赤いものに塗り替えられたとのこと。

 

郵便に使われた自転車やバイク、自動車などの展示も。
ポストと同じ赤を基調としたデザインがかわいい。
個人的にはこういうものが一番わくわくします。

古い電話も展示されていました。

 

ポスターのデザインもおしゃれです。
何故か猫ちゃんのぬいぐるみが挟まっています…


この博物館では、世界初の切手ペニー・ブラックが展示されているのですが、
後から探してもその写真を撮り忘れていたみたい… やってもうた。
最近のジョージ六世とエリザベス二世移行の切手ばかり撮影していました。

 

国王女王以外にも今では様々なデザインがありますという紹介で、
STAR WARSのヨーダやドクター・フーのターディスデザインの切手も。
私もSHERLOCKデザインの切手セットを購入したことがあります。

   

ロンドンの郵便番号は、N(北)やSE(南東)など、初めにアルファベットが1~2文字ついていて区分けされていますが、
その地域がどのように分かれているのか地図で初めて見た気がする…↓

郵便博物館でバイクや自動車を見ていたら、交通博物館のグッズ売り場も見たくなってきたので、
帰りはコヴェント・ガーデンにも寄り道。
セブンダイヤルズではピンクのド派手なトゥクトゥクが列を作って客待ち中。
町中を歩いていると「APT」を大音量で流しながら観光客を乗せている光景によく出くわしました。

 

ロイヤルオペラハウスの前を通って交通博物館へ。

グッズ売り場は博物館の入場者でなくても入れます。
入ってみると、入口近くにUNDERGROUNDデザインの室内ライトボックスが売られている!
欲しい!けど自分の部屋にはもったいない(似合わない)ので断念。

その他にも、売り場には地下鉄やオーバーグラウンドのシートと同じデザインの靴下やバッグ、マフラーなどのグッズが並んでいます。
時期によって品揃えも異なるけれど、今回はデザインの種類も商品の種類も豊富に在庫がありました!

個人的には地下鉄やバスのシートに馴染みがあるのでバスと同じ柄のニット帽を購入。
同僚のお土産にティータオルやポーチも購入しました。

 

お土産を入れる袋の代わりに薄手のトートバックも購入。
日常使いの持ち歩きショッピングバッグにも使えそうなカラフルなデザイン!気に入った!

 

その後はレスタースクエアや中華街周辺をさまよい歩く…
ちょうど春節の時期なので、お馴染みの赤い提灯が眩しいほどにこの一帯に飾られています。

 

ウォータールーに戻ると、ロンドンアイもライトアップされる時間に。

 

マジックアワーのウェストミンスターの眺めはいつ見ても美しいですね。

続く…

 

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オアシスを超えた!?元アイドルの成功と葛藤「BETTER MAN/ベター・マン」

2025-04-03 | movie/劇場公開作品

■2025年3月28日(金)■

日本公開初日に映画「BETTER MAN/ベター・マン」を見に行きました。
何故なら私の愛する英国のコメディチーム、リーグ・オブ・ジェントルマンの一人、
スティーヴ・ペンバートンが出演しているからです。

スティーヴは日本で公開・配信されている作品だと、
ミッシング・ユー」や「キリング・イヴ」、「ホワイト・チャペル」といった、
サスペンス系ドラマシリーズでの露出が多いのですが、
映画で姿を見る機会はなかなかなく、今作の劇場公開を楽しみにしていました。

ちなみに、この主人公のモデルで製作総指揮でもある、
ロビー・ウィリアムズについては全くと言っていいほど知識はありませんでした。
こんなに英国が好きで何度も行ってるのに興味を持つ機会がなかったのが不思議ですが、
彼が元々所属していたテイク・ザットについてもこれまであまり興味がなく、
これを機会に好きな曲が見つかればいいなと思っておりました。

映画『BETTER MAN/ベター・マン』本予告

英国中北部ストーク=オン=トレント生まれのロバートは
不器用さを地元の友達にバカにされながらも、
祖母ベティと母ジャネットの愛情と励ましを受けながら、
エンターテイナーを志す父親ピーターの影響で、
フランク・シナトラのような大スターに憧れる負けん気の強い少年だった。

ロバートは父親が自分を置いて家を出た喪失感を抱えながらも、
ボーイズバンドのオーディションで持ち前の度胸と茶目っ気を発揮し見事合格。
10代半ばにして絶大な人気を誇るスターとなるが、
常にプレッシャーと劣等感に苛まれ、アルコールやドラッグに溺れるようになり、
グループからも脱退を余儀なくされてしまう。

傷心の中、ガールズグループのメンバー、ニコール・アップルトンや
コラボレーターのガイ・チェンバーズと出会い、
徐々に復帰への意欲を取り戻した”ロビー”は

オアシスへの対抗意識からネブワースでの野外コンサートを目標に掲げ、
ソロアーティストとしての劇的な躍進を見せる。
そしてついに、ネブワースでのコンサートの開催が決定するのだが…

この作品でまず話題になるのは「何故ロビーが猿なのか?」という疑問なのですが、
私は自分がイグアナに見えてしまう女性の漫画を愛読してたりしたので、あまり気にならず、
他の人と違う自分…劣等感や自意識の強さの表現として、すんなり受け入れてました。
元々ロビー自身が自分を「パフォーミング・モンキー」と評していたため、
監督のマイケル・グレイシーが他の伝記映画との差別化も目的として
ロビーを猿としてCGIで描くことを打診したらしいです。
もっとも、監督に「君のSpirit Animal(自分を象徴する動物)は?」と訊かれたロビーは
「ライオン!」と答えてたらしいけど。監督は「あ〜ん、そうかな〜?」(笑)

Inside Robbie Williams's transformation into a chimp! | The Graham Norton Show - BBC

本編でスターになってステージに立つロビーの目の前に、
過去の自分(猿)が現れて「お前には実力がない」「相応しくない」
彼の存在を否定するセリフを投げかけるのですが、
自分の胸のうちの自己否定との戦いを表していて、
(今は大分落ち着いたけれど)自己肯定感の低かった私には物凄くよく理解出来る場面でした。
うまく事が運んでいる時に油断すると、自分の心の声が防衛反応のように聞こえてくるんですよね…

ドラッグの影響と思われる混沌とした絶望の映像表現も刺激的でした。
ここまで自分の苦しんだ時期を赤裸々に描くというのは、
製作者として振り返ってもかなり辛い作業だと思うのですが、
そこをやってのけてしまうのも、ロビーの豪胆さなのかもしれませんね。

そして、私の最大の目的だったスティーヴはロビーの父ピーターを演じていたのですが、
私の想像の10倍以上の出演場面で、大大大満足でした!
しかも自分勝手で、息子が売れたと見るとしゃしゃり出てくるステージパパで、
ハマり役すぎる!というか、準主役みたいなもんじゃないですか!
海外のファンが「助演男優賞を!」と投稿してたのもよく分かります。
「私、このパパ(の中の人)に先月会ってきたんです!!」って自慢したくなっちゃう。
その舞台でもスティーヴは最後に少し歌ってはいたけれど、
本格的なミュージカル映画でこんなに歌う姿も見られるなんてファンとして大感激。
特に最後のロイヤル・アルバート・ホール公演のシーンはボロ泣きでした。

スティーヴ自身は音楽業界人とはあまり接点はなく、
マット・ルーカスを通じてチラリとロビー本人に会ったことがあったそうですが、
今回の映画でZoom会議等を通じて改めてロビーと話してすっかり人柄に惚れ込んだそうです。

そしてこの映画については以下のように語っていました。

「僕がロビーに感心するのはいかに彼がオープンだったかということ。 
 多分彼は自身が認めるように多くの人にとって嫌な奴だったのかもしれない。
 彼の人生におけるあれこれ…父親やドラッグ、うつ病との関係をとても率直に語っている。
 その全てがこの映画にあるんだ」

 

Steve Pemberton: 'I admire Robbie Williams - he admits he was an arsehole'

The star and creator of Inside No 9 on working with Reece Shearsmith, his new role in Better Man and writing a cult classic

The i Paper

 

そもそもスティーヴがこの役を射止めたのは、
テイク・ザットのマネージャー、ナイジェル・マーティン・スミスを演じたデイモン・ハリマン
監督に"Inside No.9"(邦題は9から始まる奇妙な物語)の名作エピソード
“Bernie Clifton’s Dressing Room”を見るように促したことがきっかけだったそう。
解散したお笑いコンビの再会を描いたこのエピソードで、
スティーヴは馬鹿馬鹿しいギャグを愛する酒にまみれた元芸人を悲哀を込めて演じていて、
今回の役に抜擢されたのも納得です。BAFTAの主演男優賞も取ってるしね!
「BETTER MAN/ベター・マン」で興味を持ってくれた観客が"Inside No.9"や
この“Bernie Clifton’s Dressing Room”も見てくれたら嬉しいんだけどな…

この映画を観た後、通勤中によくサントラやロビーの曲をシャッフルして聴いています。
公開前から目に入っていたリージェント・ストリートの「Rock DJ」のシーンは
劇場で見ても圧巻でしたが、オリジナルの曲も好きです。ピアノの音がいい味出してる。
描ききれない場面をミュージカルシーンに盛り込む演出が「グレイテスト・ショーマン」にあって、
その時はあまり好きではなかったのですが、
この映画の中での「She's the One」での同じような演出は効果的で好きでした。

Robbie Williams - Rock DJ (Regent Street) | Better Man | Official Movie Scene

ステージで生き生きと歌うロビー自身の姿が目に浮かぶ「Let Me Entertain You」はもちろん、
Angels」「Something Beautiful」「Forbidden Road」もよく聴いています。
初めの目論見通り、新しいお気に入りのプレイリストが出来て嬉しい。
配信されて家のテレビ見直すのが今から待ち遠しいです。
でもその前にもう一回見に行ってもいいなー。

 

ロビー・ウィリアムス起死回生の「Angels」、ロイヤル・アルバート・ホールとネブワースのライヴ

日本でも3月28日に公開される映画『BETTER MAN/ベター・マン』。ここで描かれるロビー・ウィリアムスについての連載記事第2回

uDiscoverMusic | 洋楽についての音楽サイト

 

↓今回の記事のタイトルの元ネタ(笑)

永野が“オアシス”あるあるな作品プレゼン!?映画『BETTER MAN/ベター・マン』公開前日祭イベント

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憧れのホテルを探検&海外プール初体験

2025-03-28 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月2日(日)

 

前日の夜にスプーンが届かないモヤモヤを抱えたまま寝落ちてしまったものの、
朝早めに起きると少し頭がすっきりしてきたので、
どうしようか迷っていた朝食をホテルのレストランで取ることに。

その前に、ホテルの中にある有名な大階段を見に行きました。

滞在中のホテル、セント パンクラス ルネッサンス ホテル ロンドン
元々、1873年にミッドランド・グランド・ホテルとしてオープン。
美しいビクトリア様式の建物は、外務省本館やアルバート記念碑の設計で知られる
建築家ジョージ・ギルバート・スコット卿によるものです。
この通り、ゴシック・リバイバル建築のとにかく荘厳な外観。
留学中は毎日のようにこの建物を見ていたので、ホテルだと知ってはいましたが、
まさかその後ここに泊まりに来れるようになるとは夢にも思いませんでした。

そして階段も同じく1873年に作られ、83段の階段は大理石製。
正面入口を入って左手の奥にあります。

エレベーターホールを抜けて階段をのぞいてみると、その存在感に圧倒されます。

かっこいい! 見上げるとこんな感じ。

 

撮影場所としても有名で、スパイス・ガールズの「ワナビー」のPVや、
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のロケにも使われたらしい。

ドクター・フー等の演出家で知られるレイチェル・タラレイもちょうど帰国したころに
インスタグラムでこの階段について懐かしむ投稿をしていました。

階段の右側にはグランドピアノ、奥の通路にはミーティングスペースがあります。

階段を見た後は一旦フロントのあるハンソム・ラウンジに出て、
ブッキング・オフィスという朝食会場へ。
ちなみに、このハンソム・ラウンジは、セント・パンクラス駅の旧車両通路を利用したスペース。

ブッキング・オフィス・バー&レストランはセント・パンクラス駅のチケットホールだった場所を活用しています。

なんとなく以前の雰囲気を感じさせるムードのあるエキゾチックな雰囲気。
レストランの窓からはセント・パンクラス駅のホームとユーロスターも見える!

 

そして朝食で頼んだのはアメリカン・パンケーキ
パンケーキはコンポート&バニラクリーム添えもあったけれど、
ベーコン&メイプルシロップをチョイス。それにカフェオレも。
塩っぽさと甘みが融合して旨い!
見た目は小さいけれど、2枚食べるとちょうどよくお腹いっぱいになりました。

 

一度部屋に戻った後、今回海外旅行で初めて持参した水着を携えてSPAへと向かいます。

実は今回、初めてホテルから出発前に到着時間確認のメールが直接フロントスタッフから来て、
チェックインを待っている間にSPAでプールやサウナ利用が出来ると教えてもらっていたのです。
フロントでSPAのアクセス方法については聞いていたのですが、
結局、前日は行く余裕がなかったため、チェックアウトの時間までに行ってみることにしました。

SPAへと向かうエレベーターは先程の階段の手前。

 

受付で入室時間を記入して、ロッカーの使い方を教えてもらいました。
SPAの中にはなかなか広いジムもあります。

 

ロッカーの中にはバスローブとロゴ入りのビーチサンダル
アクセサリーを入れておく小さい箱もくっついていました。
プールまでの通路には休憩できるソファーがたくさん。

 

普通のサウナは更衣室の方にもあったけれど、プールの前にはスチームルームも。

プール自体は小さめではありますが、朝食会場のブッキング・オフィスと同じようなエキゾチックな内装。
手すりの部分の両側と奥の深度の浅い一角にジャグジーが付いていて、
一定時間ごと、交互に出たり止まったりします。
プールは温水だけど、ジャグジーの水は冷水だった。冬でも温水にはならないみたい。
ジャグジーで痛めた体をほぐして、スチームルームで体を温めて…を2回ほど繰り返し。

フロントスタッフに聞いたら、どの時間も混んでいないとのことで、
私が行った午前中は家族連れと夫婦の2組に加えて私の3組ほど。
一組去るともう一組が入ってくるイメージで、混雑はしませんでした。

 

前日までは客室のあるバーロウ棟の内装や客室の内装が期待外れだったり、
前述のスプーン一つも届けてくれない対応になんだかガッカリしていましたが、
大階段やレストラン、SPAについては贅沢な気分に浸れて大満足でした。

(バーロウ棟の廊下に飾られている使用人の肖像画がダウントン・アビーの世界…)

ちなみにフロントスタッフが窓の大きいお部屋を用意してくれて、
客室からは留学時代にお世話になった大英図書館が見えました。
右側はFrancis Crick Institute生物医学研究センター

 

続く…

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不気味で面白な雑貨店 Hoxton Street Monster Supplies

2025-03-27 | 2025年、ロンドンの旅

■2025年3月1日(土)■続き

運河博物館の後は、バスでホクストンへ移動。
ずっと行ってみたいと思っていたお店、Hoxton Street Monster Suppliesに向かいました。

ホクストンの非営利組織Ministry of Storiesが運営するこのお店の売り上げは、
若者の読み書き支援をするチャリティー活動のために使われるのですが、
このお店については、リーグ・オブ・ジェントルマンのライターのひとり、
ジェレミー・ダイソンが、このMinistry of Storiesに参加している
ロザラムが拠点の組織Grimm & Coのパトロンを務めているために知りました。
同じくリーグ・オブ・ジェントルマンのマーク・ゲイティスも
ジェレミーと共にパトロンとして名を連ねています。

このお店が面白いのは、取り扱っている商品名が、
「内臓ママレード」(実際には瓶入りママレード)や「マーメイドの卵」(実際にはバスボム)、
「ゾンビ用ミント」「悲しみの涙」(という塩)、「キューブ型耳垢」(というキャラメル)など、
不気味で可笑しなネーミングばかりというところ。

 

Hoxton Street Monster Supplies

Purveyor of quality goods for monsters of every kind, established 1818.

Hoxton Street Monster Supplies

 

ショーウィンドウには背丈で自分がどのモンスターなのかわかるスケールが貼られてて
通りがかりのおばさんたちも爆笑しながら写真を撮ってました。

中に入るとウェブサイトでチェックした通りの面白商品がずらりと並んでいます!
店員さんに「写真を撮ってもいいですか?」と訊いたら
「どうぞどうぞ!好きなだけ撮ってー!」と歓迎してもらえました。

店内に入ると、ずっと猫の鳴き声が聞こえていて、
お店の中で猫を飼ってるのかな?と思っていましたが、BGM(効果音?)だったみたい。
たまに叫び声も聞こえたような。

さて、どれを買おうか…
大きい瓶入りのものだと持ち帰る時に割れてしまいそうで心配…
小さい瓶に入っている「妖精の粉(中身はグリッター)なら楽に持ち歩けそうだけど、
グリッターを使う機会があまりないからな…

お店には食品系以外にも骸骨デザインのトングやブラシ、目玉デザインのボールなんかも売っていました。
トングは買おうかどうしようか悩みましたが、持ち手がそのまま金属なのが気になって断念。

結局散々迷って、お店のステッカーとスケルトンキー、
そして指にはめると表面の色が変わる「接近リング」を購入しました。
「接近リング」はおそらく体温によって色が変わる仕組みかと思いますが、
同封している説明書きに
「青-ヒーロー近し。
 紫-逃げろ、バカめ!
 黒-おまえは死んでいる。もしくはゾンビ」
と書かれていて、色によって近くにいる何者かを教えてくれるという代物です。
体温はそんなに変動しないはずだし、しょっちゅう色が変わることもないだろうと思っていましたが、
実際につけてみると、緑に変わったり青に変わったり、コロコロ変わったので、見ていると結構面白いのです。

余談ですが、購入して商品を紙袋に入れてもらい、
ホテルに帰ってから袋の中身をすべて取り出すと、
中にゴ〇ブリが入っていて思わず「ヒッ!」と声をあげてしまいました。

どうやら店員さんが袋に入れてくれるらしい… 
びっくりしたー。でも遊び心が嬉しい…。
店内の音といい、英国らしいユーモアですね。

お店を出て通りを見渡すと、この日は土曜日だったのでマーケットが開かれていました。
衣料品や携帯の付属品、果物の屋台やキッチンカーが出ていて、
よくあるお馴染みの街のマーケット風。

このまま南に進むとショーディッチに出るはずなので、散歩がてら歩いてみました。

 

この辺りの道は建物自体もアート作品のようで、歩くのがとても楽しいのです。
でもこの時点でかなり体力がなくなっていたため、前に進むだけで精一杯。

途中、通りかかったガラス張りの建物の中にある、オートグラフというスペースで
無料の写真展が開催されていました。

Abi Morocco Photos: Spirit of Lagos | Exhibition 31 Oct 2024 - 22 Mar 2025

1970年代から2006年まで盛り上がりを見せたJohn Abe Funmilayo Abeが運営する
ラゴスの写真スタジオ「アビ・モロッコ・フォト」のポートレート展示。
Lagos Studio Archivesプロジェクトによって保存された、1970年代の貴重なフィルム期の作品が並んでいます。

風景写真はなく、家族写真やペアで並んだ写真など、
ラゴスの人たちの生き生きとした生活が垣間見えるもので、
といっても、日常生活をそのまま撮影しているものではなく、
おそらく写真館で撮ってもらうようなよそ行き感があるのでみんなオシャレ。

それぞれの写真には詳しいキャプションもついていたのですが、
あまりにくたびれていて詳しい内容まで読み込む元気はありませんでした…

オートグラフを出て向かい側のお店にはちょうどお昼時のためか、長い列が出来ていました。

Bread and Butter Loungeというお店らしい。
ここも上階がイベントスペースで、ギャラリーやライヴに利用できるみたい。

 

The Lounge | Community Events in Shoreditch, London

Functioning as a cafe in the daytime, transforming by night into a community events space based in Shoreditch, London. Supper clubs, music events, workshops, and...

thebreadandbuttercollection

 

さらに地図もろくに見ずに南下。
高架下に写真が貼られていたり、ストリートアートも至る所に見られます。

 

建物のデザインも面白い。遠くにはガーキンも見える。

ずっと歩いてくると、お馴染みのスピタルフィールズ・マーケットに到着。
ここには旅行のたびに毎回訪れている気がします。
お洒落な創作衣料品、雑貨、アクセサリー、アートなどのストールだけではなく、
食事も充実しているので、ここで食事を取るのがお決まりに。
いいかげんお腹が空いてきたタイミングでした。

疲れすぎて悩む元気もなかったので、試食を配っていた和牛(WAGYU!)バーガーの店で
クラシックバーガーを食しました。

マーケットの中心部のお店は激込みなのに、北側のお店は空いていたのでベンチに座ることも出来ました。

ところで、スピタルフィールズ・マーケットにはここ数年象のブロンズ像がおかれています。

そういえば何故彼らが置かれているのか考えたことなかったなと思い調べてみたら、
シェルドリック・ワイルドライフ・トラストがアフリカでの象の密猟に対する意識を高めるために彫ったものらしい。

 

A herd of elephants can be seen in Spitalfields

Published Jan 2021There’s a herd of 21 elephants in Spitalfields at the moment — one adult and 20 orphaned juveniles.If you’re worried about elephant dung, th...

Gillie and Marc®

 

元々はマーブル・アーチに置かれていたものが、現在はこの周辺に全部で21頭設置されているとか。
2021年まで設置と書かれているけれど、コロナもあったし、そのまま継続されているのかもしれませんね。

食事が終わって一通りマーケットの中を見回った後は、
リバプールストリート駅から地下鉄でトッテナムコートロードへ。

前回の旅行の際に最初に到着した場所ですね。
観劇した劇場SOHO PLACEではKYOTOが上演されています。
ここからシャフツベリー・アヴェニューに向かい、ドクター・フーグッズを買うために、
こちらもお馴染みのオタクの聖地、Forbidden Planetへ。

数年前は入って左側のスペースの一角にひっそりと限られたグッズが置かれていたのですが、
今はお店の奥の棚にけっこう広めにスペースが設けられてある! グッズの種類もずいぶん豊富に!

欲しかった14代目と15代目ドクターのソニック・スクリュードライバーもたくさん並んでいたので無事確保。
今まで見たことのなかったダーレクの突起?デザインのキーホルダーやターディスのピンバッチもあって、
喜びで浮足立ちながらカゴに入れました。

ポスターやアパレル関連も増えて、D+に移行後、結構人気が復活してるのかな。

買わなかったけど、「グッド・オーメンズ」のコースターやトレーナーも置いてありました。

最終的に購入したのは↓ 14代目のソニックはこのお店限定の金色デザイン。

この後、明るいうちにホテルに帰りましたが、
部屋にティースプーンが置いておらず、電話で頼んだのに持ってきてもらえなくて、
がっかりしたまま寝落ちしました。
高級なホテルで期待が高かっただけに、不備があった時のガッカリ度が大きい…

続く。

 

 

 

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【ネタバレ】舞台"Inside No.9 Stage/Fright"を観る!【Spoiler】

2025-03-23 | TV/9から始まる奇妙な物語

  

※内容を忘れてしまう前に先に投稿しておきます。

■2025年3月3日(月)

今回の旅の最大の目的である”Inside No.9 Stage/Fright”
BBC TWOで10年間に渡り放送されていたTVシリーズInside No.9(邦題は「9から始まる奇妙な物語」)を舞台化し、
全エピソードの脚本と出演を担当している二人組、
スティーヴ・ペンバートンリース・シェアスミスがこの舞台でも主演します。

劇場は地下鉄レスター・スクエア駅を出てすぐのウィンダムズ劇場
今回は発売初日に予約した、前から3列目のほぼ中心、ストールの最良席。
真正面から二人の姿を拝むことが出来ました。
出来ればもう1公演くらい見たかったけれど、渡航前にはすでに全公演完売!
このシリーズと彼らの人気の高さが伺えます。

客層は見た感じ40代以上が多そうな年齢高めな雰囲気。女性よりは男性の方が若干多い印象。

販売していたグッズの内容は

  • 未公開台本付きプログラム=£15
  • マグカップ=£14
  • Tシャツ(2種)=£25
  • A3ポスター=£15

この他にも通常の劇場プログラム(£5)も販売していたそうですが、
こちらはよく舞台で売っているスチール写真と広告が半々ぐらいの一般的なプログラムで、
公演が始まった頃はこちらを購入してしまった人もいたみたいです。

以下、本編の内容を振り返ります。
劇場内でもSNS上でネタバレをしないように再三周知が出ていたので、内容を知りたくない方はご注意ください。
記憶が曖昧な部分もあるので、鑑賞された方の投稿や劇評も参考にしています。
場面が前後していたり間違っている部分があるかもしれませんが、ご了承の上でお読みください。

■No talking. No noise.■

客入りが終わると、突然 どーん!という雷鳴のような大きな音が鳴り暗転。
その後、沈黙があり、観客は驚かせるための音だと気づいて笑い始めます。
と同時に「あと1分で開演します。携帯電話はオフにし…」という注意喚起のアナウンスが流れると、
舞台が明るくなり、私たち観客と向かい合うように何列かの客席が段になって現れます。

舞台上の客席には、2列目に青年が一人座り、その後、足元の覚束ない老人を連れた女性がやってきます。
この女性、金木り声で父親らしい老人に喋りかけ、
(彼らが見ている)舞台ではすでにハムレットの上演が始まっているのに、
itsu(日本食を中心としたファストフード店)の紙袋からガサゴソ大きく音を鳴らしながら
取り出した寿司を父親に食べさせようとする、わかりやすい迷惑な観客。
すぐ後ろにいる青年がピーナッツ?のおつまみを食べようとすると、
「うちの父はアレルギーがあるんだからやめてちょうだい!」と文句を言います。
不快に思った青年はその席を後にし、入れ替わりに別のスーツを着た男性(リース)がその席に座ります。

これだけでは終わらず、今度はビジネスマン(スティーヴ)が最後列にやってくると、
彼の携帯電話の着信音が何度も鳴り響き、リースが冷ややかな視線を向ける中電話に出ると
「今劇場にいるから話せないんだよ!」と大声で会話。
通話を終えたかと思うと、スマホの音声文字変換でテキストのやりとりを始め、
ついにはパソコンを広げて客席で仕事をし始めます。

堪忍袋の尾が切れたリース演じる男性は、女性が離席したタイミングで老人の手にする寿司にピーナッツをふりかけ、
それに気づかず寿司を食した老人は泡を吹いてガックリ
そしてビジネスマンのスティーヴに水を浴びせかけて、パソコンを通じて感電死させ、
最後に戻ってきた女性の頭を水筒?で強打
他の観客が息絶え、血まみれになったリースは最後に一言
「皆さん、ここは劇場です。携帯電話での通話、迷惑行為はご遠慮ください」

≪感想・引用ネタ≫
リースの内なる怒りが大爆発するプロローグ(笑)。
次々と舞台上の迷惑な観客たちを残虐に成敗していく様を見て、観客は大爆笑
こんなに舞台で人が始末されて大喜びしてる観客たちも珍しい(笑)。
スマホの音声変換場面は「Hope that's OK」というと「Ho that's so gay」とテキストが誤送信するといった、
スティーヴお得意のダジャレネタ
リーグ・オブ・ジェントルマン(以下TLoG)ライブツアーでの観客を迎えた
必ず英語の下ネタに聞こえてしまうドイツ語授業を思い出しました。

■Bloody Bellの呪い■

深紅の幕が閉じると、左右のボックス席にスポットが当たり、2人のヴァイオリニストが番組のテーマを演奏!
舞台から普段着風のスティーヴとリースが本人として登場します。

見終わった後は外でネタバレしないでくださいね!という注意喚起とともに、
劇場スタッフが注意パネルを持っていて、そこに書かれているのは「No M*******」(劇場内自慰禁止)の文字
そして二人はこの劇場にまつわる怪談を語り始めます。

なんでも、昔この劇場で「精神病院の恐怖」”Terror in the Asylum”という演目を上演中に
主演女優が演出上の事故で亡くなってしまったとか…
そしてその霊”Bloody Bell”が今でもこの劇場に取り憑いているというではありませんか…
呪われたウィンダムズ劇場で恐ろしいことが起こるのはその霊が原因だとか。
(スティーヴ曰く、ケネス・ブラナーの「リア王」が酷評だった?のもそのせいらしい。笑)

リースはこの怪談を信じている様子ですが、スティーヴは懐疑的で、
悲しみの記憶が霊として現れるのであって、愛する人の思い出の記憶なんだと自論を展開します。
そしてスタンドランプを持ち込むスティーヴ。
このランプが光っている時は、霊が近くにいる証拠らしい。

説明の途中で黙って舞台袖にはけようとするリース。
「どこに行くんだよ?」とスティーヴに訊かれると、「いや、次のシーンの衣装替えだけど?」

リースを見送ったスティーヴは劇場に霊を呼び出すため、
観客に3回「Bloody Bell」と唱えさせます。
すると、客席に幽霊が出た!とF9席にスポットライトが。
(その席に座る何も知らない観客は注目を浴びるはめに…)

≪感想・引用ネタ≫

素の姿で登場したリースは確かジャケット姿、スティーヴは黒いセーター。
数年ぶりに間近でみる二人はめちゃくちゃカッコ良かった!!
ドレスアップしたヴァイオリニストによるお馴染みのテーマの生演奏も
「本当に”Inside No.9”の舞台を見にきたんだ!!」と気持ちが昂りました。
最後の観客席にスポットが当たる客弄りは、去年見に行ったナイロン100℃の演出を思い出したなー。

■"Bernie Clifton's Dressing Room" 再び■

リースが着替えていた衣装は「アングリートマト」の創設者トーマス

そう、TVシリーズの名作エピソードの一つ"Bernie Clifton's Dressing Room(以下BCDR)"の再演が始まります。
別々の人生を歩んでいる、30年ぶりに再会したお笑いコンビ「チーズ&クラッカー」が久しぶりのネタ合わせ。

Inside No. 9 -

Inside No. 9 - "Bernie Clifton's Dressing Room"

Inside No. 9 - "Bernie Clifton's Dressing Room" [エンターテイメント] イギリスのコメディ・チーム「リーグ・オブ・ジェントルマン」のメンバー2人(リ...

ニコニコ動画

 

セリフはほとんどTVシリーズと同じですが、
リース演じるトミーがアングリートマトの従業員数を話していた時に、
「それじゃあ、お尻がくすぐったいだろう?」とスティーヴ演じるレンがトミーの尻を叩いたり
レンが一人芝居でパントマイムをするシーンは、
コートの人物が無理やりレンにキスしたり股間を揉んだり(笑)、動きが激しめ。

途中、ブリテンズ・ゴット・タレントにエントリーしたと告げたレンが煙草を吸いに行っている間、
レンから新ネタとして手渡された台本をトミーが読み始めます。
それが次のシーンにつながっていくのです。

 

≪感想・引用ネタ≫

BCDR…ファンにとっては何度も鑑賞しているエピソードのはずですが、
私としては理解出来ているストーリーを追えるのはとても楽ちんだし、
何より大好きなエピソードを生で見られる幸せで胸がいっぱい。

この舞台の観客はTVシリーズをほとんど視聴済のダイハードファンばかりが集まっていると思い込んでいたのですが、
意外にもこのシリーズ内の名作の一つであるBCDRを初めて観る観客も少なくなかったらしく、
トミーがなんのためにレンに会いに来たか分かる場面ではハッと息を呑む声があちこちから聞こえました。
一人で映像を見る時には感じることの出来ない、ライヴならではの空気感。

■"A Quiet Night In"のコンビとゲストの共演!■

レンが考えた台本のト書きをトミーが音読すると、劇場の幕に文字が映し出されます。
その新ネタとは、TVシリーズの人気エピソード"A Quiet Night In"のコソ泥二人組
レイ(リース)エディ(スティーヴ)が登場するスケッチ(コント)。
テレビでは一切喋らなかった二人ですが、この舞台では普通に会話します。

指示役の元、指定の家から住人を誘拐してきたエディ。
頭に袋をかぶせられたガウン姿の人質の顔を覗き込んでびっくり。
状況を確認しにきた共犯者のレイに、人質の名前をジェスチャーゲームで伝えようとします。
うまく伝わらず、頭から袋を取り外すと、そこにはジェーン・ホロックスが!
どうやらエディは住所の6と9番地を間違えて有名人を連れてきてしまったようです。
別人を連れてきてしまった2人はスマホの向こうにいる指示役に本物の人質だと取り繕おうと、
ジェーンにフラメンコを躍らせたり、トランペットを吹かせたり。
結局、解放されたジェーンは悪態を吐きながら(笑)2階へと階段を上っていきますが、
レイが掲げた銃が意図せず暴発し、被弾したジェーン(の人形)が階段を転がり落ちます。

オチがついた後、トミーがレンの台本の出来の悪さを嘆いていると
レンが戻ってきて、"BCDR"のエピソードの終盤へ。

£25を受け取ったトミーがレンへの感謝の言葉をつぶやくと
冒頭でスティーヴが舞台に持ち込んできたスタンドランプが舞台後方でビリビリと光り輝きます
「…レン?」
トミーが呼びかけても、奥からは誰からも返事はありません。
気のせいかと部屋を後にするトミー。

そこに突如、舞台上に”Bloody Bell”の幽霊が出た!!! 

ぎゃー!!!

…ここで第一幕は終了。

≪感想・引用ネタ≫

日替わりスペシャルゲストのコーナー!
サー・イアン・マッケランデヴィッド・テナントマイケル・シーン
マーティン・フリーマンサイモン・ペッグなどなど、
毎日豪華ゲストが出演し、アドリブでこのシーンに臨んでいます。
もちろんTLoGの仲間、マーク・ゲイティスも2月22日に出演。

毎日ゲストが違うので、レイに有名人の名前を伝える際もゲストによってジェスチャーが違います。
観客との絡みに強いスティーヴが得意そうなコーナーですね!
ジェーンの時にどうやって伝えようとしてたか忘れちゃったけど、
マーク・ゲイティスの時は「マーゲート(Margate)」と伝えようとしていたらしい。

エディは登場する有名人のファンを自称し、一方のレイは顔を見ても全くそれが誰か分からないので、
エディがゲストの代表作を伝えようとするのですが、それが毎回間違っていて、
ジェーンの場合は「アブソリュートリー・ファビュラス」を何度も間違えられてました。
マークはTLoGを言い間違えられて「お前も出てただろうが!」と怒ってたみたい(笑)。

(ウェールズ出身で知られる)マイケル・シーンの場合は、「最も優れた”イングランド”の俳優」と紹介され
「グッド・オーメンズ」「グッド・ローマンズ」と間違えたエディに怒り、
去り際に「人生でこんなに屈辱的なことはなかった…デヴィッド・テナントと仕事したこともあるのに!」と言ったとか。

リースが自分の演技に自信満々なのか、ちょいちょいドヤ顔してるのが面白かったですが、
相変わらずゲストとのやりとりの間で役を忘れて笑ってしまう場面もありました。

このコソ泥二人組はもちろん"A Quiet Night In"の登場人物ですが、その他にもTVシリーズの引用が沢山あります。
誘拐犯が6と9で家を間違えたのは”Once Removed”と同じ。
タンスの中に片方だけの靴や、何故かキャストが隠れているのは、"Diddle Diddle Dumpling""Sardines"の引用。
劇中に登場したものは必然性がなければならないという「チェーホフの銃」発言は"The Riddle of the Sphinx"にも登場。
誘拐された有名人は"Mulberry Close”に住んでいて、
舞台となる部屋が18号室になっていたらしく、Inside No.9の劇中劇だから倍になっている??
それにトミーが受け取った25ポンド入りのカードのデザインは"Wise Owl"だったらしい。
TVシリーズで毎回小道具として置かれている野兎像は階段においてありました。

 

■精神病院の恐怖〜Terror in the Asylum■

第二幕の舞台は、ヴィクトリア朝の精神病院
雷鳴が響き渡る中、実験室のような病院の手術室に引かれたカーテンに、
何者かがベッドに横になる人物に刃物を振り上げ、血飛沫が飛び散る様子が映し出されます

その後場面は変わり、偏頭痛に悩まされているブロンドボブヘアーの若い女性シュゼット(ミランダ・ヘネシー)が
不気味な看護婦長クラッグ(アンナ・フランコリーニ)に連れられて診察室へとやってきます。
クラッグ曰く、診察室に飾られた肖像画は首を切られて亡くなった医師の妻のものだとか。
不穏な話を聞かされた後に一人薄暗い診察室に残されたシュゼット。
そこにマッドサイエンティストのようなヒューゴ(リース)が飛び込んできます。
彼は狂ったように元素記号の歌を歌い始めますが、
先ほどの婦長が現れ、実は彼は医者ではなく入院患者だということが判明。

 

ヒューゴが連れていかれると、本物の担当医グードロン(スティーヴ)が登場し、
偏頭痛に悩むシュゼットに頭蓋骨にドリルで穴を開ける穿頭術を勧めます。
不安になるシュゼットに、グードロンは催眠術を使うために痛みはないことを説明。
すっかり大人しくなったヒューゴが車いすで連れてこられると、
効果を証明するためにグードロンの催眠術にかけられ、自らのこぎりで片足を切り落とします。
グードロンが催眠を解くと、ヒューゴは痛みに絶叫し、再び連れていかれるのでした。

シュゼットは恐怖のあまり診察室から逃げようとしますが閉じ込められ、
かつてこの病院の患者だった彼女の姉をグードロンが虐待し、
その事実を知った妻に手をかけるグードロンの姿を目撃したショック
彼女の偏頭痛の原因だとグードロン自身から明かされます。

シュゼットの記憶を抹殺するため、穿頭術を実行しようと迫るグードロン。
彼女は自分の顔に酸をかけると脅しますが、誤って居合わせた婦長の顔にかけてしまいます。
クラッグは絶叫し、その顔は溶け、手のひらの上に目玉がこぼれ落ちて…

そこに、差し入れのコスタコーヒーを持ってきた劇場スタッフのアビー(ギャビー・フレンチ)が客席から登場。
そう、実はこれは舞台「精神病院の恐怖」のリハーサルの最中だったのです。

≪感想・引用ネタ≫

ここからは舞台オリジナルの、コテコテのホラーストーリー。
ヒューゴが披露した元素記号の歌は、Tom Lehrer"The Elements"という曲らしい。
個人的にはミュージカルドラマ”Galavant”でリースが披露したTime Is of the Essenceを思い出しました。
グードロン医師に扮したスティーヴは、それまで登場した役柄とガラッと変わり、
爬虫類のような青白い肌色に尖った眉をしていて全くの別人になりきっている!百面相!
そして、リースが自ら足を切るのは”Mother Ruin”の引用。
実際に間近で見ると、ヒューゴの朦朧とした表情と合わせてそら恐ろしかったです…

■不穏なリハーサル■

アビーが入ってきたことによって舞台「精神病院の恐怖」のリハーサルは中断。
休憩する俳優たちの会話から、それぞれの立場が明らかになってきます。
ベテラン俳優らしいヴィンス(スティーヴ)は、シュゼット役の歌手シェリー(ミランダ)を
TikTokでバズってるだけの馬鹿な女とみなしていますが、
演出家であるマーカス(リース)は彼女の知名度を生かして公演を成功させようと目論んでいます。
アマゾン製作の「神曲」シリーズのオーディションを受ける予定のシェリーは
役者志望のアビーにシュゼット役のアンダースタディにしてもらえるようマーカスに頼んではどうかと提案。

中断を経て、マーカスは診察室のセットを取り払い、カメラを持ち込んで
舞台上の巨大スクリーンでも役者を映し出すという、現代的な演出を試みることに。
しかし、今じゃ目新しい演出でもないと皮肉るヴィンス。
「シャフツベリー・アベニューを歩けばカメラを持ったバカばかりだ」

穿頭術のシーンからリハーサルは再開し、これまで以上に大袈裟に演技する役者たち。
本当に死んでしまったのではないかと勘違いさせたいとマーカスが言い出すと、
シェリーはその提案に反応せず、本当に死んだように見せかけて周囲をドキリとさせますが、
アビーが実際にこの劇場で同じ演目を上演中に主演女優が亡くなったのだと明かします。
シェリーは初めて聞く幽霊の話にショックを受けてリハーサルを去り、
一方、ヴィンス(というよりもスティーヴ)の様子もおかしく、
ダニエル・デイ・ルイスがハムレットの上演中に父親姿を見て降板したエピソードを話しながら、
マーカス(というかリース?)にハグをしてリハーサルを離れます。

≪感想・引用ネタ≫

舞台にカメラとスクリーンを持ち込む演出が最近流行っているという言及は
ジェイミー・ロイド演出の「サンセット大通り」を示唆しています。
そして、スティーヴがリースにハグをして立ち去った時に、
なんだかセリフが唐突で変、後の場面に繋がってるのかな?と思ったのですが、この理由は後で説明されます。
シェリーがオーディションを受ける「神曲」は、
”Plodding On”でスティーヴがオーディションを受けて出演する予定だったドラマシリーズ。
また、舞台上のテストスクリーン右下にウサギのシルエットhare productionsの表記がありました。

 

■マーカスの企み、そして…■

劇場に戻ってきたシェリーは”Ninth Circle”というシリーズのオーディション用のビデオ撮影に挑みます。
「精神病院の恐怖」で使われているカメラで撮影を手伝うアビー。
舞台と同じように撮影中の映像はスクリーンに映し出されます。
しかしその途中、ハッとしてシェリーの背後に何かがいた、と立ち上がるアビー。
映像データを巻き戻し、スクリーン上で再生しながら、
シェリーは自分の背後の舞台袖にゆっくりと近づいていきます。
映像の中に影を認めたアビーは他のスタッフを探しに行きますが、
残されたシェリーはカメラを手に取り、カメラの付属ライトをつけて舞台裏へ
カメラの映像は舞台上に映されたまま、劇場の奥へと進んでいくシェリー。
物音のした方に目を向けると、そこに小道具の帽子用の箱を見つけます。
シェリーが恐る恐る中を開けると、中には野兎像が
と、その瞬間、舞台の天井から生首がドン!!と落下!
カメラを持って戻ってきたシェリーは舞台上に転がった生首を見つけるのです。

「畜生!こんなもんで怖がったりするもんか!」

ブチギレたシェリーは啖呵を切りますが、その背後に”Bloody Bell”が出現! 
驚いたシュゼットは劇場から逃げ出していきます。

「よくやった、上出来だ」

劇場にアナウンスが流れると、”Bloody Bell”が扮装を脱ぎ、そこにはアビーが。
実は演出家マーカスとアビーはシェリーを追い出すために、”Bloody Bell”の怪談話を利用したのです。
シェリーが怖がって逃げたことで、より公演の話題性が増すと語るマーカス。
二人の雰囲気から親密な関係であることが感じ取れますが、
アビーの期待をよそにマーカスはシェリーの代役にはシェリダン・スミスが適役だと語り、
アビーはグードロン夫人を配役するからと、自分の部屋に誘います。
彼女の頬に手を添えるマーカス。
しかし、アビーはその瞬間、両手でマーカスの首をへし折ります
崩れ落ちるマーカスを置いて、一歩一歩、舞台奥へと去っていくアビー。
そして最後にまた!!本物の”Bloody Bell”の幽霊が!!! 

ぎゃー!!!

≪感想・引用ネタ≫

”Ninth Circle”は"Simon Says"で言及されるテレビシリーズ。
シェリダン・スミスはこちらも名作回"The 12 Days of Christine"で主役を演じています。
シェリーがカメラを持って舞台裏を見回るシーンは、もちろん生放送回"Dead Line"の再現そのもの。
真っ暗な中、音もなく、揺れるカメラのライトだけが観客も照らし、
突然何かが飛び出してくるのではないかと、最高に緊張感が高まる場面でした。
首が落ちてきた時には、覚悟していたものの、やっぱり怖かったー。
リース演じるマーカスがアビーにいちゃつくシーンは貴重だからもっと見たかったけど、
すぐに首をへし折られちゃって残念(笑)。

■悲しみのカーテンコール?■

カーテンコールでキャストが舞台に登場。
ところが、あれ?
何故かスティーヴの隣にリースがおらず、代わりに出演者の一人トビーが立っています。
スティーヴは一人前へ出て観客に感謝を表すのですが、「リースがここにいないのが残念です…」と報告。
なんでも、リースは上演中に落とし扉から落下するという不慮の事故に遭い、亡くなったらしい…。
スティーヴは「先ほどは途中で舞台を降りてすみません」と詫びながら、
代役のトビーに「親友のリースが本当にそこにいるように見えて、心が乱れるほどでした」と感謝を述べます。
そしてリースを偲んで、舞台上には彼のポートレートと共に
「Reece Shearsmith 1969-2025」という文字が映しだされます。

カーテンコールが終わっても、出演者のマイクは生きたままで、
スティーヴと共演者たちはリースが居ない公演を続けられるのかを話し合い。
ところが、今度は幕に映し出されたスティーヴのシルエットに、
天井から照明が落下してきて…!

≪感想・引用ネタ≫

リースが死んでしまったという設定も、生放送回"Dead Line"の再現。
プロローグでリースがトビーと入れ替わって入ってきたり、
愛する人の思い出が幽霊になると言う発言や、
第二幕でスティーヴが唐突にリースとハグして舞台から去ったりしたのは、
リースに見えたり見えなかったりしていたっていう、この設定のためだったのか!
もちろん観客は、彼らがこの後の展開をまだ隠しているんだろうと分かっているので、
真面目にトビーへの感謝とリースを失った悲しみを語るスティーヴを見ながらクスクス笑い始めます
私も、どこからかリースが出てくるのではないかと、ヒントを探して劇場中をキョロキョロ探してしまいました。
相方が死んだ体で遺影が出てくるのって、とんねるずの木梨憲武追悼特番を思い出すなぁ…

■大団円■

再び幕が開くと、そこには倒れたスティーヴと落下してきた照明が転がっています。
そこに死んだはずのリースが白い服を着て、二人分のコーヒーを持って登場。

「いつも通り、床に転がって死んだふりだな」
「お前…トビーなのか?」
「トビーじゃねえよ!」
「…まさかお前がずっと幽霊だったってオチだとは思わなかった…」
「ひでえよな。ネタ切れだよ」

リースが迎えにきて自分が死んだことを自覚するスティーヴ。

「これからどうしたらいい?」

するとリースは"Bernie Clifton's Dressing Room"の最後をカットしてただろ、
それを終わらせなきゃとスティーヴに提案します。

そして二人が去ると、舞台は天国のような明るい雲の背景になり、
白いスーツやタッセル付きのレオタードに身を包んだキャストが
羽付き扇を手に、軽やかに舞台へと躍り出ます。
そして、白いタキシードに身を包んだスティーヴとリースが再登場。
二人は手に手を取ってステップを踏みながら壮大なミュージカル調にアレンジされた
"BCDR"に登場する名曲"Tears of laughter"を歌います。

二人はLaughter is my memory of… ♪まで歌った後、
最後に客席を指して…

YOU!

そうして、"Inside No.9 Stage/Fright"は大喝采の中で本当のカーテンコールを迎えたのでした。

≪感想・引用ネタ≫

"Tears of laughter"! スティーヴとリースが葬式にかけて欲しい曲というほどお気に入りの曲です。
それを「天国」で二人が披露するなんて!
まるで「モンティ・パイソン 人生狂騒曲」のChristmas in Heavenみたい!
二人ともミュージカル映えしてて、二人ともまたミュージカルもやれるんじゃないの??
いつもの死んだふり、と言うのは、二人がネタづくりをする時に、
先に仕事部屋に入った方がドッキリを仕掛けて後から来た相方を驚かせるという
お決まりのルーティーンのことを指しています。

実はこの舞台のチケットを取ってから本当に見にいくか、色々あってかなり迷っていたのですが、
彼らのおかげで私のこの英国を旅するという挑戦が始まったんだよなと思い出し、
初心に戻った気分で、やっぱり来てよかったと心底思いました。
近くで見た二人の姿は自信に満ち溢れ、輝いていて、本当にかっこよかった…
TVシリーズの焼き直しなんて書いている劇評もありましたが、
TLoGでも名スケッチは何度やってくれても全然飽きないし、
引用を散りばめながら新しい素材も出してくれて、
この番組のファンにとってこれ以上ない贈り物だったと断言出来ます。
番組を始めから応援してきてよかったと、心から思いました。

ちなみに出待ちも長蛇の列
たくさん話す余裕はなさそうだったのでサインだけ頂いてきましたが、
スティーヴに一言「素晴らしかったです」と伝えたら
あの素敵な青い瞳をこちらに向けて「ありがとう!」とニッコリ微笑んでくれました

(2025-03-23 03:25:44 投稿)

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