だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

ピーター・セラーズ映画を見直してます

2005-01-31 | movie/DVD
『ライフ・イズ・コメディ~ピーター・セラーズの愛し方』公開記念ということで、
すっかりPeter Sellers(以下PS)一色になっている私の生活。

最近観直したのは…
『チャンス』(購入)
『ロリータ』(購入)
『赤裸々な事実』(購入)
『ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ』
『トライアル・アンド・エラー』
『別れの街角』
『ピンクパンサーコレクション BOX』

その中で、印象に残ってる映画について。

まず、『ロリータ』!
先日、学生時代の日記を読み直して、
そこに当時見た映画の感想が書いてあったのですが、
コレについては「長いなぁ」と記してありました。
でも改めて見直してみると、
ドローレスみたいな娘はこういう人生たどるんだよな…
というのが今ならよく分かる(笑)。
それにハンバートの可哀想さ加減が染みてくるし。
嫉妬で冷静に分析できない彼に、妙に同情してしまったり。
「シャイニング」もそうだけれど、すごく思わせぶりで、
原作を読みたくさせられるけど、原作のクィルティはあんな感じなのだろうか?
どうも持ち芸披露の場という感じがしてならないですが、
他の映画よりもPSの奇天烈な喋りを味わうにはいい映画です。
たぶん、PSの事を全く知らないで見たら、ここでも好きになっていただろうと確信できます。
I think you're really normal.
よく、友だちとの間で、飛びぬけてではないけど、どちらかといえば面白いというときに
普通に面白い」といったりしているのですが、
バルコニーでハンバートと話すシーンの「normal(普通)」を繰り返すところでそれを思い出して
「普通である」と連呼するのは逆に異常だとハッキリ認識しました。
ということで、これはクィルティの異常な喋り以外は普通に面白いです。

次、『別れの街角』。
以前から観たくて、今回やっと借りて観た作品。

引っ越すために子供を顧みずに仕事に励む父、
末の赤ん坊を見るのに手一杯な母と一緒に住んでいる幼い姉弟と、
埋立地のそばの寂れた建物に年老いた犬と共に住む大道芸人との交流を描いた物語です。

テンポはとてもゆっくりとしていますが、
子供達と老人の心が次第に通う様がよく描かれていて
ちょっとませてる姉とまだ子供の弟のそれぞれの反応がとても好感持てます。
劇中でPSの歌う歌がどれも哀愁があって、イギリスの曇った風景に合います。
『チャンス』と『別れの街角』、棚に二つ並べておきたい作品。

他のDVD作品は、それぞれPSコレクションとして発売されているものです。
(マダム・グルニエ~は鑑賞済み。おすすめではあるけど。)

この中では『赤裸々な事実』が面白いかも。
セレブたちがゴシップネタ脅迫されて、その編集者を殺そうと企てる。
PSはほとんど自分みたいな変装と物まねが得意なスターの役。
特技を駆使して編集者に近づこうとします。

『トライアル・アンド・エラー』は成功を夢見るけど現実では失敗してしまう弁護士の役。
ハッピーエンドのようで全然ハッピーじゃない作品。

200501311344.jpg
『ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ』は退役した好色な将軍の役。
実は妻のほかに思いつづけた若い女性がいたんだけどふられてしまうという、
これももの哀しい話。
なんだか、英国の映画って、どこか哀しいか皮肉に満ちていて、
見終わっても見終わった感じがしないんですよね。
でも、そこが何より好きです。
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『五線譜のラブレター』

2005-01-28 | movie/劇場公開作品
DE-LOVELY
○1月25日(火)

偉大な米国の作曲家、コール・ポーターの半生を描いた映画です。
コール(若い頃はケビン・クライン)が友人である演出家(ジョナサン・プライス)とともに
同性愛者であるコールの才能と個性を誰よりも愛し、
理解し、支え続けた妻・リンダ(アシュレイ・ジャッド)との関係を中心に、
自分の人生をミュージカル仕立てにして振り返る設定になっています。
エルビス・コステロやロビー・ウイリアムスなどの人気歌手が出演し、コールの作品を歌う場面も見所です。
(私はアラニス・モリセットの歌った曲が一番好きでした。)

この作品で、なによりも素晴らしいのは、コールの音楽でしょう!
観終わった後も、いくつもの曲が頭の中で流れ続けています。
オシャレで茶目っ気のある歌詞に、美しい旋律。
一度聴いただけで忘れることはありません。
そしてケビン・クラインの男性を見つめる眼(笑)!
ゲイだと疑われる先生の役だった『イン&アウト』を思い出しちゃいます。
アシュレイ・ジャッドの気丈なリンダの演技も好感持てました。
才能を持て余している夫に、あれやこれやと道を作る行動力と熱意に感動しちゃいます。
これぞあげまん!(?)
ただ、映画をミュージカルに仕立てなくてもよかったんじゃないかと思うのですが。
音楽だけでも楽しめるし、
コールとリンダのエピソードをストレートに描けば十分だと思いました。
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『ライフ・イズ・コメディ~ピーター・セラーズの愛し方』を観る

2005-01-21 | movie/試写会・映画祭など
200501210313.jpg
(マルクス兄弟だとかモンティ・パイソンとかは別として)
私が一番好きな喜劇俳優、ピーター・セラーズ(以下、PS)。

まだ周りも私もinternetなんて活用していない頃、
方々のレンタルビデオショップを行き来して彼の作品を探しまわったものですが、
まさか、彼の人生の映画を観られることになるとは、
その頃には考えもつきませんでした。


ピンク・パンサーのクルーゾー警部で有名なPSですが、
私はイギリスの知る人ぞ知る怪優というイメージが強く
(私が観て初めて好きになったPS映画は『マ☆ウ☆ス』という
 でたらめでおかしな映画だったし)
それほど大衆的な存在ではないような気がしていたからです。

ですが、この映画を見ると、これを作った人間がどれだけこの寂しい天才俳優を愛し、
優しい目で描こうとしているのが分かります。
そう、PSは、私を含め、多くの人にとって特別な存在であることを
今回の試写会で知ることが出来たのでした。

映画は伝説的な人気ラジオ番組の「グーン・ショウ」収録場面から始まります。

(ここからネタバレ。)
本家・クルーゾー警部!(←これは本物。)
芸能一家に育ち、舞台や戦時中の慰問で芸をいたのち、
すでにラジオではスターだったピーター。
我が家には、可愛い妻子と両親が待っている暖かい家庭…があるようで、
その実、彼の頭の中は「どれだけ役になりきれるか」ということと、
大好きな車のことなどなど、自分のことでいっぱい。

得意の変装&物まねで、映画の世界でも有名になり、立派な家を買って、
楽しい家族の風景をフィルムに収めてはいても、
本当の所、妻子のことは二の次なのでした。

女にも目がないらしく、共演したソフィア・ローレンに入れ込んで、
(妄想愛だけど…)子供に
「お前達も愛しているけど、
 それよりソフィアをもっと愛してるんだ」
と言う始末。
(結局フラレるし。)
自分も奥さんも自暴自棄になって、お互い不倫の末、離婚。
傷心から大好きなママのところへ帰って添い寝してもらうPSなのでした。

その後、霊媒師から「最高のパートナーはB・E」と言われて、出逢ったのは
18才年下のスウェーデン人の女優・ブリット・エクランド(B・E)。
…実は、霊媒師はブレイク・エドワーズ(B・E)が、
PSと『ピンク・パンサー』の続編をやるために彼のイニシャルを伝えたのですが。

結局しぶしぶ出演した『ピンク・パンサー』の続編はヒット、
ブリットとは出会って二週間で電撃結婚し、
幸福な毎日が続くように見えたその時、
彼は激しい心臓発作に襲われるのです。

笑顔が素敵ですが、目はいつも笑ってないような気がする…(←これも本物のPS。やばい、素敵だ!)
前評判を、色々なところで読んだり聞いたりしていたのですが、
(J・ラッシュはPSそっくりだけれど、軽妙な部分までは演じきれなかったとか)
私は、思っていたよりも面白いと感じました。
実物よりもシリアスに描かれてしまったのは、
彼の人生を、ファンの目に映されるスターとしてではなく、
一人の悲しい男として見せるためにはよかったんだと思えます。
PSファンが観ると、知られざる私生活にショックを受けるという話も聞いてましたが、
むしろ、以前よりも好感が持てたくらいです。

なんて愛しい人だろう!と(笑)。

やっぱり彼は映画の中の人間だったんだ!と納得いったというか…。
あんな芸達者なんだから普通の人間なわけないでしょう。
欠けた部分があるからこそ、
彼はあそこまで俳優として仕事にのめりこむことが出来たはずなのです。
いや、のめりこみ過ぎて欠けてしまったのか。

この映画では、マザコンだとか、女好きだとか、ダメな部分に注目させてるけれど、
実際、彼は生きてる間に何十本もの映画に出ているし、
自分でTV関係者の物まねをして売り込みをしたりもしてる。
そのエネルギーが心臓に負担を与えていたんじゃないかと思えるくらい、
彼は真剣に仕事を愛していて、同じように周りの人たちも愛したかったはずだと思う。

J・ラッシュは似ている中でも特に声が似ていてゾクッときました。
(でも、外見はそんなに似ているかなー?
 変装したPSに似せて変装するとそっくりだけど。
 似てる似てないの問題じゃないですが。
 あえて言わせてもらえば、本物の方が、もちょっと男前だと思いますけどね☆)

そして、PSよろしく
登場人物に自らを語らせる粋な演出はとっても楽しかった。

思い出すだけでしんみりしちゃいます。

出てきた二人の奥さん(E・ワトソンとS・セロン。実際は4人奥さんがいたのですが。)
も可愛かったし、一緒に組んだ二人の監督、B・エドワーズとS・キューブリックも印象的だった。

この映画で、PSを愛する心を再認識しました。
PSのために、なんとかの中心で愛を叫びたいです。

そういうわけで、早速今まで買い渋っていた
『ピンク・パンサー』シリーズのDVDボックスを買ってしまいました(苦笑)。
今さらなのに、先着特典のタンブラーを貰えてラッキー!
ドキュメントで映画の復習も出来ちゃった!
(やっぱ実物はもっと素敵だと思う…)
これからしばらくの深夜12時台はPS漬けの毎日になりそう…うっしっし。
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『ライフ・イズ・コメディ~』前夜祭?…DVD『求むハズ』を観る

2005-01-20 | movie/DVD

ピーター・セラーズが、昔ソフィア・ローレンを口説いていたという話を知って、
4935円という高価にも関わらず、
『ライフ・イズ・コメディ~』を見る前に観ておきたくなって買っちゃいました…
『求むハズ』!


S・ローレンが扮するのはエピフォニアという大富豪の気の強いお嬢さん。
彼女が、亡くなった父の遺産を受け取るためには、
あるテストを乗り越えた男性と結婚しなければならない…

その条件であるテストとは
「500ポンドを、三ヶ月以内に30倍の15000ポンドにしたものと結婚すること」。

条件を満たすために、好きな男に自分から15000ポンドを都合したりして、
何とか結婚してみたものの、相手は平凡な女性に浮気をして結局離婚へ。
自殺するしかない!と思い込むエピフォニアの前に現れたのが
インド人医師のカビール(P・セラーズ)。
貧しい人たちの為に働き、お金には一切興味のないカビールの、
金持ちである自分に対する態度に、始めは腹を立てるエピフォニアでしたが、
その冷たいところに妙に惹かれて?猛烈にアタックを開始します。


S・ローレンの可愛いこと! このころはおそらく26歳。
ストーリーはさすがに“20世紀FOX”の映画なのに今まで陽の目を見なかっただけあって、
設定が浅かったり、セリフがイマイチだったりするけれど、
S・ローレンの可愛さだけで見る価値あると思う。
ピーセラは、36歳? いい感じの歳ですね。
彼のインド人、サイコー!! 急激に熱が復活したきた!
カビールは、彼の演じるキャラクターとしてはあまり強烈ではないのですが、
混乱&動揺したときの仕草が最高です。
酔った時の頭のうまく座らない感じとか、
ウケ狙いのところでもないのに見てるだけで笑えて来ます。
エピフォニアとの条件が終わる日に、
お金をどうしたのか答える場面が妙にかっこよくて何度も見てしまいます…。

あと、意外と脇役が個性があって楽しかった。
カビ-ルがお金を渡した教授とか、エピフォニアの弁護士。
もっと面白くしようとしたら出来た内容だと思うのですけれどね。

『求むハズ』と一緒に『赤裸々な事実』も買った。
ふたつで一万円飛びましたよ。信じられん…。
こちらはまだ未見です。そのうち『ライフ・イズ・コメディ』と一緒に感想など。
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ドリカム主演映画『amoretto』

2005-01-09 | movie/劇場公開作品
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試写の手伝いの後、せっかく休みに外に出たので
渋谷シネマライズでドリカムの二人の映画『アマレット』を観てきました。
連休ということもあって、レイトショーなのにかなり早くに開場待ちの人の列が出来てました。ほとんど筋金入りのドリカムファンという感じ。
子連れの家族も何組かいたりして…ドリが青春だった人はもうそんな世代なのかぁ。
男性一人で来ている方も意外といました。
それではストーリーと多少ネタバレを。

ドリのふたりが「ドリカム、のそっくりさん」のアマチュアデュオ「アマレット」を演じていて、
ライブの赤字を作っては、そっくりさんとして地方の営業まわりをしてるんだけど、
本当は自分たちの曲で売れたがっているんですよ。
そこに、別々にやってくるプロへのスカウト。彼らはお互いに想いながらも、
別れて自分の夢を叶えることを選ぶのか、
それとも、チャンスを捨てて二人でプロを目指すのか…という筋です。

これだけ聞くと、ありがちだなぁと思うし、実際物足りない感がなくもないのですが、
なんだか観終わった後に暖かい気持ちになりました。
それは好きなドリカムが出ているということ以上に、
「アマレット」の二人の決断が、とても共感できるためだと思うのです。

私がすみれちゃんなら、戻っていたかも知れない。
でも、私が脚本家だったら戻したりしないと思う。そのへんが妙に響きあって。
それに中村さん演じる康夫が激しく好みです(笑)。
全然笑えないこと言ってふざけてるようで、
実はそれは気を使っていたり愛情や寂しさの裏返しだったり。
弱いんだ、そういうひと!
もともと小学生の頃、中村さんのお嫁さんになる夢を抱いていた私ですが(笑)、
今度は康夫のお嫁さんになりたいぞ!

一番好きな場面はもちろん夜のホームのところ!
みーさまが演技巧くて泣かせるんだ!
普段も演技してるのか?と思えるくらい自然で、
観ていてスクリーンに引きずり込まれちゃう。また泣いちゃったよ…。
台詞もとっても心に響く。
そして電車放り込み&雪。
あのシーンあってのこの映画だなぁ。

主題歌の「ラブレター」は初めて聴いた時「私の歌じゃん!」と思ったのですが
(歌詞が…)、だからこそ映画にも共感出来るのかもしれない。
歌は、いろんな物語を代弁してくれる…改めてそれに気付かされました。
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『なにわバタフライ』@パルコ劇場

2005-01-08 | stage
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○1月5日(水)○

三谷幸喜作、戸田恵子主演の一人芝居『なにわバタフライ』@パルコ劇場。
ロビーに近藤芳正さんがいました。
興奮して、思わず母に「ほら、ち○げさんだよ!」といいそうになってしまった…
未だにち○げさんと呼んでいてすいません、ち○…もとい、近藤さん(笑)。

で、肝心の芝居なんですが。戸田恵子さんかわいい!
少女時代から二人目の旦那さんがなくなるまでを、
関西弁でチャーミングに演じていました。
(方言指導が生瀬勝久さんなのです。うけた!)
戸田さん、着物姿がまた似合うし、仕草も女らしくて憧れます。
全然モデルのミヤコ蝶々には見えませんが(笑)。

芸人、役者ではなく、女としての一面を押し出した作品で、
影響を受けた男性とのやりとりで主人公の情熱と苦しみが伝わります。
一人芝居ということもあり、
三谷作品にはめずらしく小道具を多用していたのが印象的でした。
(人形を腰にまきつけると帯になったり、浴衣の腰紐の代わりに色ガムテープを貼ったり。)

多少長さを感じるし、笑いもそれほど起こりませんが、
大切な人の存在について、考えさせられる素敵な芝居です。

最近はTVでやってた向田邦子の『冬の運動会』や、
小さい頃から大好きだったマービン・ルロイ監督の『若草物語』のDVDを観たりして、
人生を考えてます。
いい話を観ちゃあ滝のように泣けてくる…
マッキーの『ANSWER』って曲が好きになりました。
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