だから、ここに来た!

いらっしゃいませ! 英国旅行記の他、映画や音楽、テレビドラマ、演劇のレビューを中心にお贈りしております!

Congrats to Andrew Scott & Steven Moffat!!

2012-05-28 | TV/SHERLOCK S2〜
英国旅行記をちょっとお休みして、英国アカデミー賞(BAFTA)の話題を。
日本時間で28日早朝3時からBAFTAテレビ部門の授賞式が開催されました。

我らがSHERLOCKからは主演男優賞にベネディクト・カンバーバッチ
助演男優賞にマーティン・フリーマンアンドリュー・スコットがノミネートされており、
その他、作品としては視聴者の投票で決まるYouTube Audience Awardsにもノミネート。
さらに、英国のテレビ界に卓越した脚本で貢献した功績を讃えて、
脚本家のスティーブン・モファットがSpecial Awardsを受賞することが決まっていました。

授賞式にはBenedictとAndrew、(Martinは撮影の為に欠席)
Moffatとプロデューサーで奥さんのSue Virtue、
Mark GatissとパートナーのIan Hallard、Irene Adler役のLara Pulverが出席。
(Rupert Gravesも会場にいたようですがSHERLOCK組ではなかったみたい。)

ララ様のドレス姿、ゴージャースだあ(*´∀`*)♪

BBCで授賞式の模様が放送されましたが、
実際の授賞式から1時間遅れての放送だったので、
Twitterで前のめりに結果を知りつつ、放送を見るような不思議な状況。
結果はシャットアウトして放送だけ見ようかと思ってましたが、
やっぱり我慢出来ずにTwitter見ながら授賞式の映像を見ていました。

結果は、助演男優賞はアンドリュー・スコットが受賞!
やったー!!ヽ(´∀`)メ(´∀`)メ(´∀`)ノ
マーティンは去年受賞していたので、今年はアンドリューならいいよね…と
誰もが願っていたはずなので、本当に嬉しいことです!!



シャーロックを死に追いつめる最悪の犯罪者を演じたとは思えないこのモジモジとしたキュートな姿!!w 胸キュンです。
本当ならThe Great Gameの時点で受賞してもよかったんじゃないかと思うくらい。
インタビューの興奮した様子も微笑ましいです。
自分のマイク持ってるのに、途中から完全に使うの忘れてるしw



そして、Special Awardsのプレゼンターには、Benedictと"DOCTOR WHO"のMatt Smithが登場!
SherlockとThe Doctorの夢の共演!
Moffat自身も開口一番、
「シャーロック・ホームズとドクター・フーが僕に賞をくれるなんて!素晴らしいね!」と言ってます。



モファットはBAFTAの技術系の賞、Craft Awardsでも今年は"A Scandal in Belgravia"の脚本家として受賞しています。
どこまで神々しくなってしまうのでしょうか。
でも、本当に彼の脚本は他の追随を許さない程、ダイナミックでエモーショナルで、圧倒的に面白いし、
彼の脚本を愛する私たちまで、なんだか鼻高々な気分にさせられますね。

このモファットのコメント、彼らしくもったいぶった話し方がイラっと来ますがw
聖典の"The Final Problem"から、ワトソンがホームズについて書き記した
"I shall ever regard as the best and the wisest man whom I have ever known."
を引用し、
「私が今まで会った中でも、最高で最も優れた人物」とマーク・ゲイティスを、
そして「今まで結婚した中で、最高で最も優れた女性」と奥様のスー・バーチュを紹介していたのが感動的でした。
今まで見たことのない程の弾けるような笑顔のスーさんが印象に残ります。


さて、肝心の主演男優賞はというと…
"Appropriate Adult"のDominic Westが受賞。

思わず、"Noooooooooooooo!!!!"
と叫んでしまいましたw
私はひたすら"SHERLOCK"を応援しているだけで、"Appropriate Adult"を見てはいないので、
Dominic Westの演技がそれほど良かったんだと思うしかありません。
それに、SHERLOCKはシーズン3もあるので、これからも受賞するチャンスはあります。
きっとおあずけくらってるだけなのです。あんまり凹むのはナシにしましょう。

ちなみにDominic Westは受賞コメントで、
「妹はベネディクトを応援していた」と語って笑いを取っていますw
それを受けて、ベニーさんがカメラ目線で"Sorry! Sorry!"と言っているのを見て、
もーなんでとらせてあげられないんだっ!と余計思ったりして。

BAFTAs: Dominic West wins Leading Actor and jokes about Benedict Cumberbatch losing


残念なことに、シャーロックは圧倒的優勢だと思われていたYouTubeAAも受賞を逃しました…。
ニュージーランドにいるマーティンはどう思ってるんでしょうねー。




嬉しいニュースと残念なニュースが半々のBAFTAでしたが、
とにかくアンドリューとモファットの受賞を心から祝福しようではありませんか!


【追記】
BAFTAのレッドカーペットでのインタビューによると、
シーズン3の幕開けとなる物語"The Empty House"はMark Gatissが担当するようです!!
[ソース]
まだ聖典からどのように変わった話になるかは未定で「頭の中」にあるそうですが、
"The Hounds of Baskerville"で見せたような遊び心あるシーンや台詞がしょっぱなから見られる…!!
期待が膨らみます!!!
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コヴェント・ガーデン・マーケットと、"The Recruiting Officer"カンバセーション

2012-05-24 | 2012年、英国の旅 ~春編
滞在八日目。
この日はCovent Garden駅へ。
三日目は駅の北側しか歩いていないので、
今度は南側の、コヴェント・ガーデン・マーケットを覗いてみました。
大きな地図で見る

コヴェント・ガーデンと言えば、"マイ・フェア・レディ"(原作は"ピグマリオン")でヒギンズ教授が花売りのイライザに出会う場所ですね。
シャーロック・ホームズが「青い紅玉」で、宝石を飲み込んだガチョウの売り手を探すために立ち寄った市場のある場所でもあります。
市場、といえばコヴェント・ガーデンというイメージがありました。

コヴェント・ガーデン・マーケットは北と南に2本のアーケードが走っていて、
その間は屋根がある地下からの吹き抜けになっています。
チェーン店の有名な雑貨屋さんやブティック、スイーツショップ、パイの専門店もあれば、
手づくりの雑貨や絵を売っているストールも入っています。
(実は以下の内装の写真は後日行った時の写真なんですが…)




外にはレストランやカフェがあり、
路上パフォーマーがマジックや大道芸を披露していていつも人だかりが出来ています。
パフォーマーは盛り上げ上手。




さっそくお腹がすいたので、ちょうど吹き抜けになっている場所で作っていたパエリアを買いました。
(これはちゃんとその日に撮った写真。)



一番小さいSmallサイズは4ポンド。
量はこのぐらい。↓ 

手のひら一杯分くらいでしょうか。

この吹き抜けに限らず、コヴェント・ガーデン周辺は鳩が多くて、
レストランのテーブルにも平気で近寄ってきます。
このパエリアの鍋の周りでもよく鳩が飛んでいまして…
絶対、羽か何かが中に入ってるはず…
でも美味しかったし、お腹も壊さなかったのでたぶん大丈夫。

ホットソースもお好みでかけられるので、
半分食べたところで使ってみたら、思いのほか辛かった…。

マーケットの傍にはアップル・ストアが。2フロアあってかなり広かった!
思わず写真撮っちゃったりして。
サンプルのiPadがたくさん置いてあるので、
急にネットで調べものをしたい時に立ち寄ると便利です。





さて、何故またコヴェント・ガーデンに寄ったかというと、
単に気に入っているというのもあるのですが、
(実際、この後も何度も立ち寄りますし。)
先日見た"The Recruiting Officer"の上演前に行われるティーチ・インのようなイベント、
"Mark Gatiss And Gawn Grainger In Conversation"があるからなのです。

Gawn Grainger氏は60年以上のキャリアを持つベテラン俳優。
今回の"The Recruiting Officer"では、Sylviaの父で判事のMr Ballanceを演じていらっしゃいました。
若い俳優が多い中、ひときわ存在感があり、
ユーモラスに演じていた様子がとても印象に残っています。
そのGrainger氏から、共演者のMark Gatissを聞き手に
彼の映画や舞台に置ける豊かなキャリアを振り返り語ってもらう、という内容なのです。

このイベント自体は滞在中に知って、即ネットで予約しました。
英国のベテラン俳優のインタビューを、劇場で聴けるなんて貴重な機会だし、
まさか肉眼でwもう一度Mark Gatissが見られるとは。
しかもチケットはたったの2.50ポンド!
本当に後々罰が当たるのではないかと、恐怖に震えましたw


すっかり歩き慣れたニール・ストリートを通って、再びDONMAR WAREHOUSEへ。



先日Markと写真撮ってもらったBox Office前。
入口の壁には公演の場面写真が貼られています。

開始15分前に到着した頃にはすでに開場していて、席は自由席でした。
先日観劇した際は下手の端っこの座席だったので、この日は上手側へ。
前から三列目の、若いお兄さんの横が空いているようだったので、
「誰かいますか?」と確認してから座りました。
(全く関係ないですが、お兄さんの使ってるハンドクリームがいいにおいだった…
 ロンドンは女性だけじゃなく、男性からもいい匂いがするなあ…)

客席には年配の、おそらくGrainger氏の関係者を始めとして、
若い演劇ファンも多く来ていました。
中国人の女の子グループも見かけた…。たぶんシャーロック経由だろうな。

左隣に座ってる子は若い白人の女の子で、
ずっと手元のスケッチブックに絵を描いていました。
抱えてるコートは赤い縁取りのボタンホール…もしかしてベルスタッフ? まさかね。
そしてスケッチをチラっと見たら、描いてるのはベネディクト・カンバーバッチの似顔絵!!
この子は完全にシャーロック・クラスタだわ!!
でも話しかけるようなことはしませんでした。会話するだけの英語力ないし、スケッチに熱中してたようなので。



午後6時、Dapperなスーツ姿のMarkが登場し、イベントはスタート。
今回は聞き手ということで、見習うべきトーク番組の有名司会者たち(デヴィッド・フロストetc...)の名前を挙げていくMark。
最後に"Toby Hull and Emu"(鳥のパペットと、それを操る芸人)を挙げて笑いを取ってました。

本当に恐れながら、私の英語力ではGrainger氏の貴重なお話を100%拾うことは出来なかったのですが、
wikipediaの力を借りながら思い出しますとw、
Grainger氏は1937年、グラスゴー生まれ。ところが1940年に北アイルランドで生まれた説、もあって、
「二回生まれた」ようになっているのは、彼の実の父親が、両親の下宿人であったことが後になって判明したことに由来しているようです。
彼は(名義上の?)父が演劇に連れて行ってくれたことに感謝し、その経験が演技をする上で役に立っていると語っていました。

元々役者デビューの前から舞台のための脚本も執筆していて、21歳の時には初めて彼の脚本が上演されています。
俳優としてのキャリアを築いた後の80年代には、執筆活動に専念していましたが、
90年代、俳優に復帰。
彼のカムバックはハロルド・ピンターの強い要望があったそうで、
「何故演技に戻らなくちゃいけないんだ?」と訊くとピンターは「君は演技に借りがあるからだ」と言ったとか。

Grainger氏は67年に"Romeo and Juliet"のワールド・ツアーでブロードウェイデビューも果たしており、
彼のUK訛りがセクシーに受け止められて相当モテたらしく、
「まさしく私はロミオだったよ!」と仰ってましたw

また、Grainger氏はローレンス・オリビエとの親交が知られていて、
1972年にナショナル・シアターのカンパニーに参加しています。
オリビエが最後の舞台に立った時にもその場に立ち会っていたということで、
彼が舞台を去った時の様子を再現してくださいました。

舞台上のオリビエが歓声に応えるように、両手を大きく広げてゆっくりと客席に歩み寄り、
跪いて舞台にキスをするのです。
その再現がとても美しく、今でも目に焼き付いています。

Markのしきりっぷりも痛快でした。
後半になって急にアクターズ・スタジオ・インタビューのジェームズ・リプトンの真似をし始めるんです。
仏頂面で椅子に寄っかかるように質問を始めたので、
Grainger氏が「なんだい、それは?」と訊くと
「アクターズ・スタジオ・インタビューですよ、ほら、椅子の前に机があって司会者が大きい顔してて…」
って言いながら、今にもずり落ちそうな程椅子の上でふんぞり返って
番組で恒例になっている"10の質問"をし始めたので、皆爆笑!

「トム・クルーズならそんな回答はしませんよ?
 なんだっけ…誰かトム・クルーズが何て答えたか覚えてる人ー?」
と客席に訊いてみたり。
そんなMarkのノリに負けじと、Grainger氏もジョークを交えつつ質問に答えていました。

Grainger氏は85年、George Stephenson(蒸気機関車の実用化に成功した英国の技術者)に扮して
DOCTOR WHOにも出演されているので、トークも終わりに近づくとMarkはすかさず
「DWに出演された時の、あのアクセントは何処で習得されたんです?」
とWHOVIANらしい質問も挟んでいました。

そして、最後に客席からの質問に答えるGrainger氏。
私が一番印象に残っているのは、役者志望の女の子からの
「オーディションを受ける役者の卵にアドヴァイスするなら?」という質問。

Grainger氏はまず一言、"Just do it."と答えました。
そして続けたのです。

「私は62年間俳優をしてきたが、素晴らしい人生であり素晴らしい人たちに出会えたよ。
 Just do it. Go for it.」

その誇らしげな笑顔に、彼の人生の輝きを少し分けてもらえたような気分になり、
聞きに来た誰しもが、笑顔になっていました。

他にもアメリカのクイズ番組に出演するようになった経緯や、オリビエとの思い出話等もあり、
人間味豊かなGrainger氏のおしゃべりと、ユーモア溢れるMarkのしきりで盛り上がる中、
有意義な対話の時間はあっという間に過ぎていったのでした。




ちなみに終わって劇場から出ようとすると、反対側からめちゃめちゃ爽やかな青年が。
よく見てみたらMarkの旦那さん=Ian Hallard氏でした。
出口でガッツリ目が合ってしまい、あまりに素敵青年なのでドキドキしてしまったー…。
あんな旦那がいるなんて、どっちもズルい…。
女は一体どうすれば…どこに行けばいいんだ…と途方にくれながら、私は帰路に着いたとさ(笑)。
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聖バーソロミュー病院&教会と、“Absent Friends”

2012-05-18 | 2012年、英国の旅 ~春編
ちょっとリラックスしたかったので、
六日目は自主的に休日にして、滞在七日目。

この日はついにあの聖バーソロミュー病院を見に行きます。
シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンが出会った、ということになっている病院です。

大きな地図で見る



St. Paul's駅から降りて、Bootsでチキンのラップサンドとカミソリを購入。
(日本から持って行くの忘れて眉毛がボーボーになりつつあったw)

ニューゲート・ストリートを歩いて行き、途中で見えるのはクライストチャーチ・タワー。
そしてギルツブール・ストリートに入ると、見えてきます。



本物のバーツだーっ!!
「SHERLOCK」でも度々出て来るこのアングル!!

 これは"The Great Game"のワンシーン。

反対側から見るとこんな感じ。



聖バーソロミュー病院は1123年に設立されたロンドンで最古の病院であり、
元の場所に今でも現存している病院としては英国内でも最古になります。
幽霊が出る、なんて噂もありますね。
そう考えるとちょっと写真を撮るのも憚られますが、かっこいい外観ですよね。

そして「SHERLOCK」ファンとしては気になる、あの場所。
(第2シリーズを見ていない方は回避願います。)



シャーロックがその…あの…アレしてしまう場所です…(涙)。



例えフェイクだったとしても、思い出すだけで悲しい…。

病院の前にはバス停があり、頻繁にダブルデッカーが行き来しています。
(そういえば、Mark Gatissがツイッターで思わせぶりに
 St Bartholomew's Hospital → End of route
 ってバスの路線図の画像をツイートしてたのを思い出しましたが、
 実際、ここが終点のバスが何度も止まっていました。)

建物沿いにベンチが並んでいて、そこでしばらくひなたぼっこ。
珍しく陽射しが暖かい日でした。



温まったら、病院の裏にある聖バーソロミュー教会(St Bartholomew the Great)へ。
こちらも12世紀に建てられたロンドン最古の教会。
ローマ巡礼中に病に襲われたラヒアという人が、病が治った暁にはロンドンに病院を作ろうと誓い、
無事にロンドンに戻ってからこの教会と病院を建てたということです。
この場所に建てたのは、十二使徒の一人、聖バーソロミューが現れ、
スミスフィールドに作るようにと、告げたからなんだとか。



チューダー様式の立派な門が目印。
入場料は4ポンド。



ちなみに私は何の気なしに入場料をカードで払えますか?と入口で訊いたのですが、
わざわざ中にあるレストランまで行って支払わないといけないらしく、
受付のおじさんに露骨に嫌な顔をされてしまいました。
教会内の地図も後から投げやりに渡されたし。
そういうことも、あります。



窓から差し込んで来る光が美しい…。
ここでもしばらく礼拝用の席に座り、厳かな気分に浸りました。

ところで、モンティ・パイソンが好きな私としては、
メンバーの一人、グレアム・チャップマンの葬儀がここで行われたことに触れないわけにはいきません。
メンバーの中でも特に突飛なひらめきが優れていたグレアムは、
元々は医者で、学生時代はバーツで医療研修を受けていました。

長年苦しんだアルコール依存症を克服したものの、喉頭癌により48歳という若さで亡くなり、
スケッチ執筆のパートナーであったジョン・クリーズが彼の葬儀で弔辞を読んだのですが、
故人を讃えるだけでなく、最高に笑える弔辞として歴史に残るのではないかと思っています。
グレアムは死の床でジョンにこう呟いたそうです。
「君はテレビで初めて "shit" と言った尊敬すべき男だ。
 俺のために式をしたいなら、まず英国の追悼式で初めて "Fuck!" と言う男になってほしい」
 ←その動画。参列者爆笑。


話が横道にそれましたね。
教会を出て、すぐそばにある公園で先ほど買ったラップサンドを食べました。
水仙が植えてあって良い香り…。
他のベンチ同じように簡単なランチを食べている人がちらほら。

公園の向かいにはヨーロッパ最大&最古の食肉市場と言われる
スミスフィールド・マーケットがあります。



のんびりした後は、Central線に乗ってTottenham Court Road駅で下車。



オックスフォード・ストリートをずずいと西へ歩いた後、ニュー・ボンド・ストリートに入りました。



ニュー・ボンド・ストリート~オールド・ボンド・ストリートは決して広い道ではありませんが、宝飾店や高級服飾店が並ぶ道。
通り過ぎる人たちも、セレブっぽいマダムが多かった気がする…。
このあたりは銀座っぽい雰囲気かも。
ピカデリーに出ると、すぐ左側にあるのはロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ(王立芸術院)。



バーリントンハウスという建物の中にある美術館で、
2012年6月10日まで"Johan Zoffany RA: Society Observed"が催されています。
入場料10ポンドだけど、入ればよかったなー。

バーリントンハウスの中にはお洒落なアーケードもあります。
その斜向いには王室御用達のデパート、フォートナム&メイソン。
薄緑色で縁取られた外見がかわいい。



St James's Churchを横目に見ながら、Piccadilly Circus駅を過ぎ、
ヘイマーケットのカフェでしばし読書タイム。



この後に、二本目の芝居、"Absent Friends"を見るためです!



場所はハロルド・ピンター劇場。
先日のDONMARは300席レベルの、まさに小劇場でしたが、こちらは約800席。
友人たちに説明するのに「雰囲気は紀伊国屋ホールみたいな…」と説明してたのですが、
Stall, Dress Circle, Royal Circle, Balconyと4階席まであり、実際にはもっと大きいです。…シアターコクーンくらいか。
(私が座ったのはStallの上手側。)

あと、DONMARは白と赤のシンプルで新しい内装でしたが、
ハロルド・ピンター劇場は1884年に(途中改装はされていますが)建てられた劇場だけあって、
古風でちょっと豪華な内装です。

売店でパンフレットを買ったら、
「他に御用はありませんか、マダム?」と言われて、
「マダムだなんてそんな…テヘ!」なんて照れてましたが、女性には普通に言うんでしょうね。

中に入ると、大きな壁掛け時計の描かれた幕が降りていて、
時計のチク、タク、という音が鳴り響いています。
それをかき消すくらい、お客さんのガヤガヤとした話し声が劇場に溢れていました。
物語は、70年代のある家庭の客間から始まります。

 主婦のダイアナは自宅でお茶会を準備中。
 夫ポールの古い友達であるコリンが、最近婚約者を溺死で亡くしたことを知り、
 共通の友人ジョンやゴードンも呼んで、意気消沈しているだろう彼をなんとか励まそうと考えたのです。
 ジョンと、彼の妻イヴリン、病気で休んでいるゴードンの代わりにやって来た妻マージも、
 客間でコリンの訪問を待っています。
 
 ダイアナは、夫とイヴリンが浮気しているのではないかと疑っているため、
 表向き明るく迎えてはいますが、腹の中では彼女を軽蔑しています。
 一方、イヴリンの夫のジョンは、浮気の事実を知ってはいましたが、
 ポールに仕事の口利きをしてもらっているため、何も言うことは出来ません。
 マージはマージで、子宝に恵まれなかった反動で夫を甘やかしてばかり。
 家にいるゴードンに電話を掛けては赤ちゃんを扱うように話しかけ、周りを呆れさせます。
 そんな状況で、帰宅したポールは「コリンは友人じゃない」と言いだす始末。
 全員のフラストレーションが爆発しそうな中、お茶会の主役、コリンが到着します…

 
作者であるアラン・エイクボーンは
「アメリカにはニール・サイモンあり、イギリスにはアラン・エイクボーンあり」
と言われるように、英国を代表する喜劇作家ですが、
日本では意外とちゃんと紹介されていませんね。戯曲も中古でしか手に入りません。
"Absent Friends"も翻訳されていないので、渡英してから購入しました。

実際に芝居を見てみると、間の取り方が絶妙でした。
演出家の匙加減もあるでしょうが、喜劇とは言ってもアイロニーたっぷりな話なので、
気まずさや居心地の悪さで笑ってしまう、というのでしょうか。
ダイアナがブチギレてキッチンに引きこもってしまった後に、
残されたコリンとジョンが、居間にあるアルマジロの剥製みたいな置物を
ひたすらじーっと見つめてるシーンに大笑いしましたw

私のお目当てだったReece Shearsmithはコリン役。
登場した瞬間、客席が爆笑!
プレス向けの写真では普通だった髪型が、ぱっつり七三分け!
髪型だけで笑えてしまいました。
本人曰く、"76年のテリー・ウォーガンのような髪型"。



本当にこのジャケ写みたいな髪型だったよー。おかしかったー。
先日のMarkもそうでしたが、登場するだけで場が盛り上がるんですよね。

で、そのコリンですが、
そもそも、ダイアナのお茶会はコリンを励ますためのものだったのに、
当のコリンは婚約者との思い出を胸に幸せに過ごしていて、
彼を励まそうとしたダイアナたちが逆に励まされてしまうのです。

でも、その励まし方は決していい方向に向かうわけではなく…。
コリンはダイアナとポールが結ばれるきっかけになった
大切なハンカチの存在を彼らに思い出させるのですが、
ポールが、今ではそれを車の洗車用に使っていることが分かり、ダイアナの怒りは大爆発!!

…なんだか笑っていいのか悪いのか、分からなくなってくる筋書きでしょ?w
でもお客さんは皆多いに笑っていました。

ちなみに、ダイアナ役はIT CrowdのKatherine Parkinson。
私とそんなに歳が変わらないはずなのですが、
子供を育て上げた主婦の雰囲気を十分醸し出していて、
ちょっとショックなくらいでしたw

Reeceは、TLoGの中で最も力量のある俳優だと
勝手に、上から目線で評価しているので、
これからも舞台で色々な喜劇の役柄を演じて欲しいです。
道化からアバズレまでw 演じ分けますからね。
出来ればもっと感情むき出しになる役が見たい。
新しい公演の度に見に行けたら最高なんだけどな…。

Absent Friends the Play - The Cast Interviews...


今回も出待ちが出来たらしたかったところなのですが、
Reeceは終わってすぐ向かいのパブに入ってしまったので出来ませんでしたー。
めちゃめちゃ声でかいから、パブに向かって行くのがすぐ分かったw
そして、追いかける程の覚悟はない…チキンなので。外寒かったし…。
いかに前回の出待ちが私にとって世紀のチャレンジだったかってことがお分かりになるでしょ?
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テート・モダンとミレニアム・ブリッジ

2012-05-15 | 2012年、英国の旅 ~春編
滞在五日目は、Southwark駅から。
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ブラックフィヤーズ・ロードを北に向かって、目指すはテートモダン。
ロンドンで初めての美術館体験です。



道の途中、サザーク周辺に限りませんが、バンクシーっぽいスプレーで書かれたグラフィティが
さりげなく壁に描かれていたりします。



これがテートモダンの外観。元は1981年に閉鎖されたバンクサイド発電所の建物で、
設計はジャイルズ・ギルバート・スコット卿によるもの。
2000年、この場所に美術館として開館。(割と最近の話なんですね!)
テムズ川を挟んで向こう側に聖ポール大聖堂が見えます。



元発電所だけあって、入るといきなり吹き抜けのだだっ広い空間が広がっています。
入場料はナシ! 写真撮影もOK!!(特別展はダメだろうけど。)
ですが、寄付用のボックスは設置されているので、
これで入場無料は申し訳ない!という方はそちらに。

テートモダン、というくらいですから、
不思議な現代美術のオブジェもあれば…






ダリやピカソの名画もあります。



(特に絵画は、写真を撮っても生の質感が伝わらなくて意味がない気もしますね…)
この時は草間弥生の特別展が催されていました。(2012年6月5日までやっているようです。)
こちらは10ポンドの入場料が必要。



子供向けの遊び場もありました。賑わってます。



特別展は入りませんでしたが、
英国人現代美術家Damien Hirstの作品「For the Love of God(神の愛のために)」が別に展示してあったので見てみました。
18世紀の欧州人男性の当骸骨に8601個のダイヤモンドをちりばめた作品で、
制作費が1400万ポンド、投資家が購入した額は5000万ポンドだったそうで。
キラッキラの眩しい当骸骨…。



中に入る際は、手荷物チェックがあり、隠し撮りも厳重に取り締まってました。
(Damien Hirst展は9月9日までで入場料は14ポンド。)
見終えたらショップへ。何も買わなかったけれど。




正面から見たテートモダンの煙突部分。
真下からだと全体像が撮れない…
(遠くから見た外観は旅の後半までお待ちを。)

この後は、散歩がてらテートモダンのすぐ目の前にあるミレニアム・ブリッジを渡ります。
前回紹介した"ガーキン"の設計者フォスター卿がデザインした橋。ちゃんと安定してましたw
橋のふもとではキャラメルナッツや鳥の鳴き声のような音が出る笛を売ってたなー。



渡り終えると、正面に聖ポール大聖堂が見えてきます。
「メリー・ポピンズ」の「2ペンスを鳩に(Feed the Birds Tuppence a Bag)」を口ずさみながら、
セント・ポールズ・チャーチ・ヤードを西に歩いて行きます。
鳩の餌売ってるおばあちゃんはいなかったなー。
(右は正面入口から見た外観。)



店じまいしちゃってたけど、聖ポール大聖堂の近くにかわいいお菓子屋さん発見。



交差するファーリンドン・ストリートで曲がり、テムズ川の方に戻ると、Blackfriars駅に出ます。
改装したての、奇麗なガラス張りの外観。



川に出たら、ビクトリア・エンバンクメントを散歩。
そういえば、Mark GatissがIan Halardと結婚式したのってミドル・テンプルじゃなかったっけ?
と思って外から撮ってみたり。



その後、ストランドに出て、Charing Cross駅から帰路に着きました。
Charing Cross駅脇からヴィラーズ・ストリートを見ると、奥にEmbankment駅が見える!
なんだ、こんなに近かったのかー。



宿泊先の最寄り駅に戻ると安心するー。
地下鉄なのに地上にある駅が好きです。
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Liverpool Street駅周辺とバラ・マーケット

2012-05-12 | 2012年、英国の旅 ~春編
滞在4日目。前の日の興奮が醒めないこともあり、
クールダウンもかねて、Liverpool Street駅周辺の建造物を見て廻ることにしました。
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Baker Street駅でCircle線かHammersmith and City線に乗換。何かというとBaker Streetを乗換に使っていました。
最古の地下鉄の駅だけあって、古めかしい雰囲気が大好き。



Liverpool Street駅。National Railが通っているので、思ってた以上に大きな駅です。



Charing Crossと同じようにTubeの出入口がしまっていましたが、実はここも「SHERLOCK」にちらりと出て来たりする…



"The Blind Banker"にインサートされる風景ですね。
ここからどこへ行こうか…と南側のロンドン・ウォールという道に出る途中、
スイス・リ本社、通称"ガーキン"が見えたので、まず"ガーキン"を目指すことにしました。
ピクルスのキュウリ型の、繭のような建物です。
正式名称は"30 St Mary Axe"っていうんですね。



おお、ピクルスの形がよく見えてきました。
真下まで行ってみると…



どーん!
設計はミレニアム・ブリッジも手がけた建築家ノーマン・フォスター。
(ミレニアム・ブリッジは揺れの不具合で一回閉鎖されてましたよね。)
この周辺はシティと呼ばれる金融街で、この日は休日ということもあり人通りはとても少なかったのですが、
ここに写真を撮りに来た観光客をよく見かけました。

"ガーキン"と同じ位人気の撮影スポットは、ロイズ・オブ・ロンドン。



ロイズは保険会社ですが、起源はコーヒーハウスだったらしいです。
リチャード・ロジャースによる設計で、配管がむき出しになったインパクトのあるデザイン。
後日行くことになりますが、The O2が入っているミレニアム・ドームもこの人の仕事。
フランスのポンピドゥー・センターも有名ですね。

さて、有名どころの2つを押さえたところで、個人的に見たいところを…。
ロイズからフェンチャーチ・ストリートを東に行くと、いかにも金融街な白い建造物が立ち並びます。



ここはモンティ・パイソンの映画「人生狂騒曲(Meaning of Life)」冒頭の短編「クリムゾン 老人は荒野を目指す」で
老人たちが金融界を航海する"船"になる建物です。
…おかしな説明ですが、船になる、としか言いようがないw



そして、またロイズの方に戻り、グレースチャーチ・ストリートに出ると、
目立たない入口ですが見事な内装の市場、レドンホール・マーケットがあります。



ここは「ハリーポッターと賢者の石」のロケ地で知られています。
私にとっては「Drパルナサスの鏡」でトニーが客引きをする場所。
残念ながら休日なので静まりかえってました。
金融街の中だというのに、華麗な雰囲気の市場ですよね。
ここも撮影スポットとしてカメラを持った人たちを見かけました。

さて、今度はコーンヒルを歩いて西のBank駅へ歩きます。
しばらくすると見えてくるのはイングランド銀行と旧王立取引所です。



左側に見える緑色の建物に現在の取引所があるそうで、
現在、旧王立取引所の中にはショップが入っています。
ウィンドウを眺めながら、イングランド銀行と旧王立取引所の間にあるスレットニードル・ストリートを進んで行きましょう。
すると途中で三叉路があります。



実はここも"The Blind Banker"に挿入されている風景。



それもそのはず。
さらに進んで行くと、タワー42というシティで最も高いビルの前に出ます。



ナショナル・ウエストミンスター銀行のために建てられた高層ビルで、
中には高級レストランも入っています。
「SHERLOCK」クラスタ的に言えば、"The Blind Banker"の依頼人の勤務地ですよね。



いやあ、観光地でもない金融街でも見応えがあるなあ、なんて思っていたら、
さすがにお腹がすいてきたりして…。

シティの飲食店はほとんど閉まっているので、
Bank駅からNorthern線でテムズ川の南側にあるLondon Bridge駅まで出て、
ロンドンで最大の規模の市場、バラ・マーケットを冷やかしに行きました。



駅から歩くとすぐ見えて来るサザーク大聖堂。
大聖堂のすぐ横にバラ・マーケットがあります。



ブラウニーやチョコレート等のスイーツから、多彩なチーズ、魚や肉のような食材まで揃っていて、
見てるだけで満腹になりそう。
もちろん、ランチ向けにヘルシーな五穀米の野菜丼や、ホットドックとコーヒーのような軽食を売っているストールもあります。



私が買ったのは中にペーストのカボチャが入ったパスタ。
ソースはオリーブオイル&チーズですが、
お好みで8種類あるソースの中から選べます。
これで4ポンドだったかな…。
少なく見えますが、けっこうお腹いっぱいになっちゃいます。

シティからちょっと出て食材の宝庫へ。
全く異なる2通りのロンドンを見て廻れた一日でした。
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The Recruiting Officerを見る。そして…

2012-05-09 | 2012年、英国の旅 ~春編
話は長くなりますが…。

そもそも私が英国行きを決意した一番のきっかけとなったのは、
"リーグ・オブ・ジェントルマン 奇人同盟(The League of Gentlemen)"(以下TLoG)でした。
TLoGとは主に1999年から2002年に放送されたコメディ番組、及びそのクリエイターである4人組のことを指します。

(左上から時計回りにMark Gatiss, Jeremy Dyson, Reece Shearsmith, Steve Pemberton)
「SHERLOCK」好きの方なら共同製作者であり出演者のマーク・ゲイティスがその一員であることは知っているかもしれません。

元々英国のコメディが好きだった私ですが、TLoGはそれまでスルーしていたので、
「SHERLOCK」を見始めたのを期にきちんと見てみたところ、
そのキワドさ加減と登場する個性的なキャラクターにすっかり魅了されてしまい、熱烈なファンになってしまいました。
そして、いつものように彼らのライヴDVDを見ている最中に、唐突に思いついてしまったのです。
「そうだ、英国に行こう!」w

それというのも、TLoGの出演者3人(作家のJeremy以外)がちょうどこの4月まで、
各々別の舞台に立つということを知っていたからなのです。

Reece Shearsmithは、Alan Ayckbourn作の"Absent Friends"
Steve Pembertonは、Oliver Goldsmith作の"She Stoops To Conquer"
Mark Gatissは、George Farquhar作の"The Recruiting Officer"

BBCのヒット番組の出演者である彼らが、
West Endである程度の評価を得て今のように活躍出来るまでには、意外にも時間が掛かったようで、
その内容が記事にもなっていました。
ともかく、こんな渡英のための絶好なタイミングがあるだろうか!?と思ったわけです。

さっそく"Absent Friends"をWebで予約し、
"She Stoops To Conquer"は他の2つよりも楽日が遅いので、滞在が落ち着いてから予約することにして、
"The Recruiting Officer"のチケットを調べると、売り切れ…。

ところが、こまめに劇場のサイトをチェックしていたところ、
一週間分の公演に若干数のチケットが出ていて、その中から予約することが出来ました。
無事に予約出来た時は、手の震えが止まりませんでした。
「本当に3人の芝居を生で一気に見られるかも…夢じゃなくて現実なんだっ」

特にMark Gatissは、ユニークな性格俳優というだけでなく"SHERLOCK"や"DOCTOR WHO"の脚本家としても心底憧れているので、
「お目にかかれたらもうお土産は一切要らない! 一生それを支えに生きて行く!」
とまで考えていました。

そんなわけで、前置きが長くなりましたが、滞在3日目にこの"The Recruiting Officer"を見に行ったのです。

------------------------------------------------------------

DONMAR WAREHOUSEは、大好きなサム・メンデス版「キャバレー」の初演が上演された憧れの場所。
かわいい劇場のお兄さんにチケットを見せて階段を上がると、
一階(Stall)と二階席(Circle)の外にそれぞれバーカウンターがあり、開場まで飲み物を飲みながら待つことが出来ます。

私はどうもソワソワしてしまい、早く開場してもらいたかったので、
入口の女性に開場時間を訊くと、
「もうすぐ開場しますよ」
「"もうすぐ"ですか?」
「ええと…あと、5分くらいで」
何時って、決まってないんですね。

パンフレット(たしか3ポンド)を買ってから、実際に中に入って見ると、
客席は250席程で、思った以上にこじんまりした(でも雰囲気のいい)芝居小屋!
椅子は長椅子で番号が振られており、舞台を囲むようにコの字型に並んでいます。
私の席はStallの下手側。一番端の席でした。

開場後から、ミュージシャン(Woodwind,Guitar,Violin,Double Bass Mandolin, Baritone Ukelele)が、
舞台上だけでなく、客席もウロウロしながら演奏を始めています。
無駄なセットはなく、天井に古風なシャンデリアと、空の模様が描かれた背景にロウソク台が並んでいるだけ。
出演者が下がってきたシャンデリアのロウソクに火をともし始めると、開演が近づきます。

'The Recruiting Officer' at the Donmar - rehearsal preview


 徴兵のためにシュルーズベリーにやってきたPlumeと、彼の友人であるWorthy。
 彼らはそれぞれの意中の女性―
 PlumeはSilvia、Worthyは彼女のいとこのMelindaと結婚せずによろしくつき合いたいと思っています。
 しかし、彼女たちは財産の相続人となっていて、愛人として彼らに囲われる必要はない立場にありました。
 男性たちを惑わせようと、いとこのMelindaは別の徴兵役の将校Brazenに気のある振りをし、
 Silviaは男装をしてPlumeに近づき、彼の部下として徴兵されます。
 (本当いうと、彼女たち2人とも殿方たちに気があるのです。)
 Plumeが遊び心で手を出した地元の女中を、彼から引き離し"一夜を共にした"Silviaでしたが、
 それが原因で逮捕され、父親である判事の前に突き出されてしまいます…。


この作品は1708年に生まれた、王政復古時代の「風習喜劇」と呼ばれるもので、
ただでさえ英語が聞き取れない私にとってはかなり難しかったです。
プロットと、途中まで戯曲を読んでいたものの、
やはり細部を理解するまでは程遠く…追えない台詞に笑い声が起こると悔しい気分に。

それでも、演劇の生の楽しさは十分に味わうことが出来ました。
ミュージシャンが定番の携帯電話の着信音を演奏し始めたり、
WorthyとMelindaが最前列のカップルに「いちゃいちゃするな」ってちょっかい出したりw
(ミュージシャンも2人にやたら近づいて演奏したりしてたな。)



お目当てだったMark GatissはCaptain Brazen役だったのですが、
彼も下手からキャップ(帽子)をパーン!と客席に投げ捨てて登場!
(はけるときに「どうも」と言ってまた受け取っていたけども。)
その後で、杖も最前列の男性に預けてたし。
(男性が戸惑うでもなく、厳かに受け取ってるのがなんだか面白かったな。)

実際に見た彼の印象は、直視するのを躊躇う程の、"圧倒的なオーラのある役者"w
出てきた途端に、客席からも「待ってました!」「笑わせてくれ!」という熱気と期待がビシビシ感じ取れ、
ゴージャスな出で立ちと軽妙な演技でその期待に応えていました。

また、"The Office"のギャレス役で知られるMackenzie Crookも、
手を変え品を変えて街の人間を徴兵しようとする、Plumeの相棒:Sergeant Kiteとして熱演。
舞台と客席が近いだけあって、普段見ることの出来ない英国の役者の演技をつぶさに見ることが出来て、
興奮すると同時に、もっと理解したい!という気持ちも高まりました。

最後は、ミュージシャンたちがひとりひとり戦場へ赴いて行く描写で幕に。
喜劇だけれど、静かな余韻を残す終わり方でした。



------------------------------------------------------------



興奮を押さえきれないまま、劇場を出て階段を降りると、
階段下に、パンフレットとサインペンを持って待っている女の子たちが。
(もしかして、出演者も同じ階段で降りて来る?)
すると、Worthy役のNicholas Burnsが劇場から降りて来たのです。
早い! 客がまだハケきってないのにもう出て来るなんて!

ともかく、出演者もここから出て来ることは確かみたい。
(Mark Gatissとお話するチャンスがあるかもしれない…。)

出待ちなんて無作法なのかもしれないけれど、日本から10時間以上かけて来て、
こんなチャンスがあるなら、逃すわけにはいきません…。
私も、入口傍で待つことにしました。


(でも、待っていても気付かれずに通り過ぎてしまうかもしれない、
 ヘタしたら気付いていてもスルーされちゃうかも…)


はち切れんばかりの期待を胸に抱きながらも、頭は失敗した時のショックに備えようとします。
劇場から出て来る人たちを見つめながら、
寒い中で立たされているかのように、ソワソワと足踏みをしてその時を待ちました。

しばらくすると、長身の男性が、スタッフらしき人たちと話しながら階段を降りて来ます。
(彼だ、Markが降りて来た!)

私は思い切って階段の下まで駆け寄りましたが、
Markは知り合いの女性と待ち合わせをしていたらしく、
手前で楽しげにハグと挨拶を交わしています。

(どうしよう、完全に話しかけるタイミングを失ってしまった…)
硬直して呆然と立ち尽くす私。

すると、それに気付いたMarkが、こちらの言葉に注意深く耳を澄ませるようにして近づき、
満面の笑顔で向こうから声をかけてくれたのです。


「ハァイ!」
「こんにちは…。ミスター・ゲイティス、あなたに会うために日本から来ました。よろしければ写真を…」
「写真? もちろん撮ろうよ!」


ああぁっ! ありがとうございますっ!
あたふたとカメラを取り出そうとする私。
緊張で手がガタガタ言ってしまい、電源を入れるのにも一苦労。
そんな私を彼は「じゃあ、ここは人が通るから、あっちに行こうか」
とBOX OFFICE近くにエスコートしてくださいました。

そして、私の様子を近くで面白そうに見ていた紳士にシャッターをお願いし、
私はMark Gatissと一緒に写真に写ることが出来たのです! ああっ…奇跡!

紳士にお礼を言った後、私はMarkに旅の計画を話しました。

「再来週Hadfieldに行くつもりなんです。」

Hadfieldとは、TLoGの番組が撮影された英国北部の街。
ロンドンからコーチ(長距離バス)で約5時間、
そこからさらに列車に乗って1時間かかります。
そう、Hadfieldが私のもう一つの旅のメインイベントでした。

TLoGのメンバーの芝居を見て、TLoGの撮影地を巡礼する…
バカな発想ですが、その皆が呆れそうな計画自体が、
一人旅で縮み上がりそうな私の心を強く支えてくれていました。
この私の旅の予定を話せば、本気で彼や彼の仕事のファンであることが、伝わるのではないかと思ったのです。

するとMarkは「えー! 本当に!?」
ガハハハハハー!と豪快に笑ってくれましたw
その笑い方もインタビュー等で見ていた笑い方そのもの。
服装もいつも見るお気に入りらしいチェック柄のシャツだし。
本物のMark Gatissが私の話で爆笑している…(涙)。

彼は私のHadfield行きを喜んでくれたらしく、
嬉しいよぉー!と、向こうから私の右手を両手でがっしり握ってブンブン握手してくれました。
(その後、早口で何か言ってくれたのですが、うまく聞き取れず聞き返せず。
 「行ったら戻って来れないよ!」だったかもw)
相変わらず満面の笑みをたたえた彼から、こちらが驚く程のリアクションを貰えて、
ひとりで考えた無茶な計画が、特別な使命になったような気がしました。

そしてここぞとばかりにサインもお願いし、
「名前教えて?」「xxxxxxです」「…スペルも教えてw」
 分かりやすい名前ですが、意外と難しいらしい。)
何度もお礼を言い、頑張ってください!と声を掛けて見送りました。



…ほんの数分の、それだけの話なのです。
でも、私にとっては一生分の価値のある出来事になりました。

(たぶん今夜は人生で一番幸せな夜なんだわ…)
大人になると、幸せな気分を素直に味わうのに抵抗を感じるものですが、
Piccadilly Circus駅までの道をパンフレットを抱きかかえて歩きながら、
この日ばかりはその喜びにどっぷりと浸かりました。

今まで好きな人にサインを貰った経験はありましたが、
こんなにも優しく受け入れてもらえた事はありません。
日本から来た、上手く英語の話せない、どう見ても冴えない女子(という年齢でもないし)に
気さくに接してくれたMarkに感謝のしようがないです。
今でも思い出す度に涙が出てきます。
彼のようなSWEETな大人になりたいっ!

なんだかんだ言ってお土産はいろいろ買ってしまいましたが、
(でもそのうちのほとんどは彼が関わってるDVDや書籍ですからね!)
始めから心に決めていた通り、
この日のことを支えに、死ぬまで生きて行こうと思います。


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New Scotland YardからCovent Garden駅へ。

2012-05-06 | 2012年、英国の旅 ~春編
今回の滞在でビッグ・ベンの最高の写真が撮れなかった私…。
いつも逆光か手ぶれ、カメラの不具合でうまく撮ることが出来ませんでした。
これは呪いなのか? なんなのか?



呪いかどうかはともかく、ロンドン・フィルム・ミュージアムをあとにし、
ウェストミンスターブリッジロードを渡ってビッグベンの下を歩きます。



ウエストミンスター・ホール横のパーラメント・スクエアにはチャーチルの銅像が。



この周辺にある赤い電話ボックスは記念撮影で人気です。
ウェストミンスター大寺院を左に見ながら、ヴィクトリア・ストリートを進みます。



右手にはMethodist Central Hall Westminster。
ズンズン進んで行くと、人通りはどんどん少なくなっていきます。
ちょっと不安になってきますが、クライスト・チャーチ・ガーデンズの手前で右に折れると、
そこにはロンドン警視庁があるのです。
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やはりロンドンのミステリーに憧れる者としては一度訪問しておかねばならないでしょう。
こんなところで嬉々として写真を撮っているのは私くらいでしたが、
あんまりパシャパシャやってると怪しい人に間違われかねないので控えめに。

さあ、今日のうちに撮影したい場所は済んだので、
このあとは、私にとってこの旅一番と言ってもいいイベントへと向かいます。
ニュー・スコットランド・ヤードの目の前にあるSt James's Park駅から一回乗りかえて、
Leicester Square駅で下車。そこからCovent Garden駅へと向かいます。
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ロング・エイカーを歩いて行くとCovent Garden駅が見えてきます。
Southbankは川沿いで開放感のある賑わいでしたが、
Covent Gardenの北側は、狭い道々の途中にパフォーマーがいたり、ストール(出店)があったりと、
ちょっとアットホームな雰囲気の活気があります。



駅前の小道、ニール・ストリート。そこでパフォーマンス中の猫を連れて弾き語りするお兄さん。
(この猫、Tumblrの記事で見かけたことある!!)

ニール・ストリートを入って4つの道に分かれる広場に出ると、
初日に下見した劇場、Donmar Warehouseが見えます。
そう、ここで芝居を見るのが私のメイン・イベントの一つです。



チケットはネットで購入していたので、Box Officeでチケットそのものを発券してもらいます。
必要なのは、購入時に使ったカードだけでOK。
それと、自分の名前を伝えるだけで、窓口の担当の方がチケットを渡してくれます。
無事に発券出来たところで時計を見ると、17時過ぎ…あと2時間ある!
ロング・エイカー沿いのカフェに入り、2時間で出来る限り戯曲を読み込みました。

つづく…
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Southbankを歩いて、London Film Museumへ。

2012-05-06 | 2012年、英国の旅 ~春編
滞在三日目。
この日はWaterloo駅からスタート。
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St Johns Churchの前を通って、Waterloo橋を目指します。
一日目に歩いたところですね。
そして、National Theatreを右に見て、テムズ川沿いを歩きます。



イースター休暇が始まったので、散歩に出てきてる人が多いみたい。
ここからセントポール大聖堂の方向を見てみると、こんな風景。



「SHERLOCK」クラスタ的目線で見ると、"The Great Game"で警備員の死体が見つかった場所であります。



あと近くにはプロモ写真の撮影場所も。



この時間は潮位が高くて下には降りられませんでした。
残念。(ですが、後日ここで素晴らしい写真が撮れました。乞うご期待。)



ちょうどこのエリアには、レストランだけじゃなくハンドメイドの帽子や洋服、
木彫りの置物の店なんかもあって、昼時ということもあり賑わっていました。

そして、Waterloo橋に戻りますと、一日目にはやっていなかったブックマーケットが開催されてました!




小説の単行本はもちろん、地図、子供向けの絵本、写真集や古いファッション雑誌等、幅広い品揃え!
もう最低限必要な本は買ってしまったので、ここで本は買わなかったのですが、
見てるだけで楽しくなってきます。

一通りブック・マーケットを楽しんで、さらに川沿いを散歩。
お、建物のピロティでスケボーやってる男の子たちが。



ここも見覚えがありますね。



「SHERLOCK」"The Blind Banker"で、現場に残されている暗号と同じ文字が発見される場所。
ここは下調べしないで偶然見つけたのでラッキーでした。

ということはこの場所に来る途中にシャーロックたちが渡った橋も近くにあるわけです。
それがHungerford橋。



Hungerford橋を通り過ぎると、ロンドンアイが近くに見えてきます。



橋の近くには回転木馬、それに路上パフォーマーがあちこちに!



銅像に扮したパフォーマーは定番で他の広場でもよく見かけました。
子供たちは興味津々。

その他は動画でどうぞ。
↓↓↓

←クリックすると動画が開きます。
"バケツでドラミングするお兄さん"

←クリックすると動画が開きます。
"巨大シャボン玉で遊ぶ子供たち"

←クリックすると動画が開きます。
"かごに入った歌う猫…?"

それぞれのパフォーマンスも面白いんですが、
それを見ている子供も大人も、心から楽しそうにしている様子を見てるのがこれまた嬉しくなる。
ここに来てよかったなーって、幸せな気分になりました。

ちなみにミッキーマウスの着ぐるみも何度も見かけたんですが、
どれも顔のクオリティが今ひとつだったw
そっか、英国にはディズニーランドないもんね…。

さて、ロンドンアイの下までくると、ビッグベンも大きく見えてきました。



今日のメインディッシュの一つは、County Hallの中にあるLondon Film Museumです。



同じ建物の中にある水族館なんかは家族連れに人気でかなり混雑していたんですが、Film Museumはガラガラw
おかげでのんびり見ることが出来ました。

まず入ってすぐにあったのが大好きなピーター・セラーズの衣装だった!



「ゼンダ城の虜」の衣装。
日本でソフト化されてないから映画自体は見たことないけど、意外とスリムだったんだなー。
見るべきところはいっぱいあるんですが、ざっくりとご紹介致します。


「2001年、宇宙の旅」の猿のマスク、「エリザベス」の椅子。

「リトル・ダンサー」のグローブ、「Mr.ビーン カンヌで大迷惑」「ALI G」の衣装。

「バットマン」「スーパーマン」の衣装(どのシリーズかは失念…)

「ハリーポッター」の小道具の数々。

ダースベイダー卿!

そして、今回楽しみにしていたのは、



"DOCTOR WHO AND THE DALEKS"の、DALEKとTARDIS!



もっとも私、新シリーズしか見てなくて、映画版はまだ見ていないのですが、
この目で実物大のDALEKとTARDISが見たいじゃないですか!
いやあ、興奮しました。

そして、ホームズ・ファンはさらに奥にあるこの部屋を覗かなければいけません。




グラナダ版シャーロック・ホームズの部屋!!!
部屋に置いてあったテレビでは、「マスグレーヴの儀式書」の回が流されていて、
コカインでご機嫌なホームズ先生が高笑いしてるシーンで、おもわずつられて笑って見てしまいましたw
家具や小物のそれぞれが愛おしい…。
なんだか、ホームズ博物館よりも親近感が湧きます。
部屋には映像化されたホームズの年表があって、2009年のRDJ版まで表記されていました。
SHERLOCKは聖典の忠実な映像化ではないから載ってなかったかな。

つづく…
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マリルボーン・ハイ・ストリートからPall Mall、Admiralty Archへ

2012-05-05 | 2012年、英国の旅 ~春編
つづき。
シャーロック・ホームズ博物館を見た後は、



Baker Street駅の前を通り、マリルボーン・ロードを東に進みます。
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左は、蝋人形の展示で有名なマダム・タッソー館の入口。今回の滞在では入りませんでした。
外装を直している最中だったようで、周りに足場が組まれていましたが、長い列が出来ていました。
右は、St Marylebone with Holy Trinity Church。

この教会の脇の道がマリルボーン・ハイ・ストリート。
インテリア・デザイナー、テレンス・コンラン卿のセレクトショップや、
見た目も可愛くて美味しそうなチョコレートのお店、
洗練されたデザインが揃った雑貨屋さんが並んでいる通りです。



格安旅行中の私にとってはウィンドウ・ショッピング止まりなのですが。
私のお昼は、こんな道を歩いているにも関わらず、カフェのスープとクロワッサンが定番。



こんな通りだとお魚屋さんもちょっとお洒落に見える。
このまままっすぐ南下すると、ウィグモア・ストリートと交差。



そしてさらに南下すると、Bond Street駅に出ます。



Bond Street駅のあるオックスフォード・ストリートは最も人通りの多いショッピング・ストリートです。
日本でも人気のForever 21、H&M、Zaraの大きなショップもあるし、百貨店のセルフリッジもこの通りにあります。



左はForever 21の店内の様子。オックスフォード・ストリートにはユニクロもあります。

渡英する際、「ロンドンは暖かいですよー。ダウンなんていらないです」と聞いていたので、
ジャケットとパーカーだけ持ってきていたのですが、来てみたらめちゃめちゃ寒い…
地元の人がダウン着てるし。
「着てるじゃん!ダウン着てるじゃん!!」
寒がりの私、涙目。(;_;)
また、この日は特に寒くて、足がガタガタ言ってたんですよ。(今となってはいい思い出ですが。)

…というわけで、急遽ユニクロで割引になっていたセーターを買いました。
それと、マフラーも持ってきてなかったので、Dorothy Perkinsでストールを。
このとき買ったストールは重宝しました。風よけにも、雨よけにもなるので。

ちょっと買い物を済ませてから、今度はBond Street駅からOxford Circus駅へ向かい、
リージェント・ストリートを歩きます。



美しい曲線を描いた世界有数のショッピング・ストリートとして有名なリージェント・ストリート。
庶民の私としては、どちらかというとオックスフォード・ストリートの方に親しみが湧くかなw
こちらも人通りが多く、オックスフォード・ストリートよりも歩道が狭いので、より混んでる印象が強かったです。

このまま通りの流れに身を任せて南に進むと、
昨日立ち寄った賑やかなPiccadilly Circus駅に出ますが、
あまりにも人通りが多くてなかなか進めないので、ちょっと脇道へ。



グレート・マルボロ・ストリートにあるLiberty百貨店。
テューダー・リバイバル様式の外装がかっこいい。



Libertyの裏側のカーナビー・ストリート。無印もあった!手提げ袋が日本とまったく同じ。



この寒さの中でもロンドナーはパブの外で一杯やるらしい。

カーナビー・ストリートをそのまままっすぐ行くと、曲線を描くリージェント・ストリートと交差しますが、
私はこのまままっすぐ行きます。

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Piccadilly Circus駅の南側には三越があります。なにしろ三越なので置いてある品物は、リッチなお土産やバッグ等でした。
隣接して日本の食料品が揃っているジャパン・センターがあるので、
日本食が恋しくなった方はこちらに寄るのがよいのではないでしょうか。

そして、三越のある通りを南下しますと、
ホームズ・ファンとしてグッとくる通りが見えてきます。



Pall Mallです! そう、マイクロフト兄さんがお住まいの…。
この辺から通勤されてるのかーと思うと胸熱です。
ホワイトホールまで歩いて通勤してたらすれ違ってしまうなー、フフフ…
とか、ひとりでニヤついておりました。

ニヤつきはとまりません。
Pall Mallの傍には何がある? そう、ディオゲネス・クラブがある!
(現代版の、ですが。ネタバレしないで!な方は以下は回避をお願いします。)





ヒャー!本物の(ロケ地ってだけだけど)ディオゲネスクラブだー!
ここにジョンが拉致られてくるわけですね!w



実際には、国家機関であるBritish Academyが入っています。



この建物…Carlton House Terraceは19世紀初めに建設され、
第二次大戦までは最もファッショナブルな住居として歴代首相等が住んでいたそうです。



Carlton House Terraceから見たPall Mall方向。
エドワード7世をはじめとした立派な銅像が広場にたくさん並んでいます。



階段を降りて、バッキンガム宮殿前を走るザ・マルから見たCarlton House Terrace。
裏側も美しいですね。



画像が悪いですが、ザ・マルの横断歩道から見た宮殿方向。
宮殿を背中にしてザ・マルを歩くと、正面にAdmiralty Archが見えます。



1911年に建てられた"海軍省門"。真ん中の扉は王室専用ですね。



一般車両通行用の門の壁には"鼻"が付いています。
確か、誰かアーティストが遊び心で付けたんだったと思うのですが…。
これに触ると幸運になるとかで、騎馬衛兵が通る際は触れて行くんだそうです。

Admiralty Archをくぐると、Charing Cross駅に出ます。Trafalgar Square前ですね。
ホワイトホール方面を見てみると、遠くにビッグベンが!



Charing Cross駅からTubeに乗って帰ってくると、駅前から見える夕日がキレイ。



時刻は19時過ぎ。明日もドキドキが満載の、長い一日になりそうな予感…。
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シャーロック・ホームズ博物館とビートルズ・ストア

2012-05-05 | 2012年、英国の旅 ~春編
滞在2日目。
やってきたのはBaker Street。



もちろん行く先はシャーロック・ホームズ博物館です。



左側に扉番?のおじちゃんが立っている入口がありますが、
(この写真で言うと、ランプの二つ付いている入口。)
まずその右の扉の、ショップの奥に行って入場料(大人5ポンド)を払います。
そこで案内のしおり(日本語版もあります)を貰えます。それが入場券代わり。

そして、さきほどのおじちゃんにしおりを見せて入場出来る訳ですが、来館者はみんな、
入口に置いてあるディアストーカーを被っておじちゃんと記念撮影をしたいために、長い列が出来ています。
私もせっかくなので一緒に写ってもらったのですが、
ディアストーカーは近くにいた子供たちに取られてしまったので、
被って写ることは出来ませんでした。

写真を撮ったことに安心して、そのまま中に入ろうとしたらすかさず
「入場券は!?」とおじちゃんに腕掴まれましたw

中に入ると、狭い部屋の中に見学の子供達がいっぱい!
「つまんないー」と言ってる子もいたりしてw
ホームズに興味がなくて連れられてきてる子は、古い家具や小物が並んでるばかりでつまんないだろうなあ。
ホームズ好きにはたまらない場所なのにねえ…。

では、展示の数々から、かいつまんでご紹介しますね。



"VR"の弾痕! そして、テーブルには美しい食器。
ここでワトスンとハドスンさんの朝食を召し上がるのかなー?



暖炉に机。
ホームズの机には顕微鏡に薬品、ワトスンの机には執筆用のペンや診察用の鞄が。



うほほ、ホームズ先生の寝室だあ。



階段の踊り場に給仕のビリーがいた!なんとも言えない情けない表情w
棚にはホームズ譚が掲載されている雑誌、そばにはホームズ先生の胸像が。
聖典にちなんだ人形たちもずらりと並びます。



「マスグレーヴ家の儀式書」でブラントンが閉じ込められた穴を覗き込むホームズですね。



これ一番好きな人形!「まだらの紐」のロイロット博士。
なんで頭に蛇巻き付けちゃってるの?w びっくり眼がかわいい!



「ぶな屋敷」のハンター嬢。鮮やかな青いドレス。
「赤毛連盟」のウィルスンさん。Aの項を書いてらっしゃるところでしょうか。
「フランシス・カーファックス姫の失踪」のホームズとワトスン。
「唇のねじれた男」のカリスマ・ホームレスw、ネビル・セントクレア氏。



ボヘミア国王とアドラー嬢! そしてモリアーティ教授!!
暖炉にはグラナダ版のアイリーンの写真が飾ってありました。
登場する小物なんかもたくさんありまして…。




こんなのも。これはもしや「四つの署名」の? 怖っ!



日本語で書かれた解説も飾ってありましたが、
これは出版された本のどれかに掲載されたものなんでしょうか。
あら、お兄様の挿絵も飾られてあるわ。



シドニー・パジェットの挿絵に描かれた椅子も置いてあったり。




この素敵な暖炉、グラナダ版の「背中の曲がった男」でホームズが火かき棒を持って喋るシーンの暖炉を思い出すなあ。
上の階にはゲストブックがあったので、名前を残してきました。



日本人、字キレイな!と思われるように達筆な筆記体を意識してw
あとは、特に取り上げる程でもないけど気になる場所。



当時のトイレって、どうなってたのかなー、ってちょっと気になってたんですよねー。
真ん中は屋根裏で、右は階段の窓から見た景色。
RDJ映画で、こんな窓からホームズが飛び出して行くシーンがありましたね。
この曲線を描いた屋根の下には、



先ほど入場料を払ったショップがあります。
私はここで、挿絵の描かれたチョコのセットと、"BAKER STREET W1, CITY OF WESTMINSTER"と書かれた道の標識、
あとは指貫を買いました。(ちょうど指貫欲しかったんだもんw)
キーホルダーや革製のしおりなんかも気になりつつ…
滞在二日目であんまり散在するのも気が引けて控えめに。

あとジェレミー・ブレットのポスターもあったのですが、
自分の部屋に美しいお顔を貼るのがあまりに恐れ多くて、買うのはやめました。
ディアストーカーも売っているので、ここで買って外で記念撮影するのもいいかもしれませんね。


さて、もしこれを読まれている方でホームズと同じくらいビートルズも好き!
という方がいらっしゃったら、この博物館の並びにあるビートルズ・ストアへどうぞ。




隅から隅までビートルズ一色のお店です。
私は、滞在中に持ち歩くためのバッグを探していたので、
ここでサージェント・ペパー柄のバッグと、"With The Beatles"のジャケ写の4人が描かれているピックセットを買いました。
前からこのピックセットが欲しかったんです~。もったいないからもちろん使いませんよ。

しっかりホームズ&ビートルズ充した後は、
おしゃれなインテリア等のお店が並ぶマリルボーン・ハイ・ストリートを通って南へ歩きます。

つづく…
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