
■2025年3月2日(日)■ 続き
前回のホテルをチェックアウトして、今度はウェストミンスターのホテルに泊まります。
観光客でごった返すウェストミンスター橋を渡らないといけなくて一苦労…
ウォータールー駅から移動すればよかった…

今度のホテルのフロントの方も親切で、
2日間で失った英語力の大きさにへこみまくっていた私が
「英語のしゃべり方をすっかり忘れてしまって大変で…」と話したら、
励ますだけでなく、丁寧な案内に忍耐強く質問に付き合ってくれて、心が軽くなりました。
早めに行って客室の準備が出来ていなかったので荷物だけ預け、
バスに乗るために橋のたもとのバス停で待っていると、
通りすがりのロンドナーが「今日は近くでデモがあるからここのバスは来ないよ!」と
待っている人たちに声を掛けてくれました。
仕方ないのでロンドンアイを眺めながら、ウォータールー駅近くに移動。

日曜日なので、サウスバンクもマーケットがあちこちで開かれています。
食べ物が中心のサウスバンクセンター南のマーケットや、
ウォータールー橋の下でもおなじみのブックマーケットが開催中。

用事がなくてもとりあえず寄ることになっているBFIとナショナルシアターものぞいてみましたが、
日曜日で定休日でした。残念。
(どちらも帰国後に上演する)「ナイ」や「ディア・イングランド」が上演してたら見たかったなー。

ウォータールー橋からのバスに乗り込み、目的地に向かいましたが、
やはりどの路線も正常通りの運行をしていないのか、
トッテナムコートロード周辺で降ろされてしまい、再度乗り換えが必要になってしまいました。

もう行くのを断念してしまいそうな気持になりながらも、
なんとかバスを乗り換えて、たどり着いたのが、クラーケンウェル近くにある英国郵便博物館。

英国郵便博物館は本館と別館とあり、別館の方は郵便局鉄道についての展示になっています。
まずは別館から入ると、2012年まで郵便の輸送に使われていた地下鉄道に乗る体験が出来ます。
ホームページで時間帯予約が出来ますが、予約なしでもそのまま入ることが出来ました。
入場料は大人£18.50、16-24歳は£12.5、2-15歳は£11。

客層は親子連れが多いですが、カップルや私のように一人だけで来館している若い男性も。
無人鉄道はまるで遊園地のアトラクションのようで、
ロンドンのど真ん中でこんな体験が出来るなんて不思議な気持ち。

そして遊園地の乗り物と同じように車両にスピーカーがついていて、解説が流れてくるのですが、
それだけではなく、時折途中の駅で停車して、プロジェクションマッピングで郵便の歴史を学ぶことが出来ます。

実際にこの場所でどんな様子で郵便局員が働いていたのかが、
エリザベス王女(当時)に宛てに手紙を書いた少女や、
戦場の恋人に手紙を書いた女性がポストに投函するところから描写されます。

複雑に入り組んでいる地下道内で鉄道が行き来するため、
途中で停電したように暗くなって電車が止まってしまう場面も再現。

一通りめぐると、元の別館の場所に戻ってきます。

この後は、奥にある郵便鉄道についての展示を見て回ります。

ヴィクトリア朝時代の人たちは地下鉄が郵便サービスの助けになると考え、
1863年2月20日、地下3メートルで実験的な郵便鉄道が運用開始に。
ユーストン駅とエバーズホルト・ストリート近くの仕分け局の間を動いていたそうです。
空気圧で動いている無人鉄道は時速40マイルの速さで走っていて、
基本的に郵便を運ぶ専用ですが、命を顧みず乗り込むヴィクトリア朝の人もいたとか。

鉄道駅と主な仕分け局を時速30マイルの速さで結ぶ電気で動く自動運転の郵便鉄道は
1914年から地下20メートルの深さで工事が始まり、戦争の影響で実際に運用開始されたのが1927年。
全盛期は200人以上の職員の手によって毎日400万通もの郵送物が運ばれたそうです。
それまでの郵便鉄道の問題点をエヴァン・エヴァンス(Evan Evans)によって改良され、
使用された車両は180ほど。点検ピットにいるエンジニアによってメンテナンスされていました。

↓郵便袋を受け取るネット。
古い映画で鉄道から勢いよく投げ込まれる様子を見たことありますね!

無人鉄道とはいえ、ポイント切り替え等は各路線の担当者が行っていました。

Mail Railという名称がつけられたのは運用開始60周年記念の1987年。
お馴染みの赤いデザインもこの時から使用されています。
まもなく、鉄道の運転もコンピューター制御に。
郵便鉄道は2003年まで使用され、その後2017年にこの郵便博物館のアトラクションとして使われています。
(ブルース・ウィリス主演の映画「ハドソン・ホーク」の撮影にも使われたことがあるらしい。)

地下の展示を見終わって、1階の受付近くにはお土産コーナーも。

赤いポストを基調としたグッズが色々。
ポストのデザインが描かれたオイスターカードケースと郵便鉄道のキーホルダーを購入しました。
本館の方にもグッズ売り場が。
郵便配達用カバンの素材で出来たリュックもおしゃれ。


本館の方は郵便鉄道よりもさらに昔、英国の郵便の成り立ちからの展示。
郵便システムを作ったヘンリー八世の時代に遡ります。

当時、それぞれの街に郵送のために使われる馬が三頭いて、
この厩舎のことを「ポスト」と呼んでいたのが今のポストの始まりなんだとか!
もっとも、始めは王室のような裕福な身分の人々だけが利用できるもので、庶民は利用できませんでした。

無料で支給されている郵便配達員の制服は赤いコート、青いウエストコートに帽子と、
とてもお洒落ですが、これはパブでサボっている配達員を見つけやすくするためでもあったそう。
都市部でズボンが支給されるようになったのは1855年からで、
地方だと1872年まで私服を使っていたようです。
ちなみに女性用のスカートと防水ケープが導入されたのは1894年。

博物館の中では現在の赤いピラーボックス(郵便ポスト)だけではなく、
緑色のボックスが複数置いてあります。

1852年に初めて設置されたジャージー島のポストは赤かったそうですが、
1859年までには地域によって異なっていたピラーボックスは形が統一されて色も緑色に統一されたそうです。
ハマースミス橋と同じ「ブロンズグリーン」!

しかし結局、色が分かりにくいという理由で1874年から数年程で
ほとんどのピラーボックスは赤いものに塗り替えられたとのこと。

郵便に使われた自転車やバイク、自動車などの展示も。
ポストと同じ赤を基調としたデザインがかわいい。
個人的にはこういうものが一番わくわくします。

古い電話も展示されていました。

ポスターのデザインもおしゃれです。
何故か猫ちゃんのぬいぐるみが挟まっています…

この博物館では、世界初の切手ペニー・ブラックが展示されているのですが、
後から探してもその写真を撮り忘れていたみたい… やってもうた。
最近のジョージ六世とエリザベス二世移行の切手ばかり撮影していました。

国王女王以外にも今では様々なデザインがありますという紹介で、
STAR WARSのヨーダやドクター・フーのターディスデザインの切手も。
私もSHERLOCKデザインの切手セットを購入したことがあります。

ロンドンの郵便番号は、N(北)やSE(南東)など、初めにアルファベットが1~2文字ついていて区分けされていますが、
その地域がどのように分かれているのか地図で初めて見た気がする…↓

郵便博物館でバイクや自動車を見ていたら、交通博物館のグッズ売り場も見たくなってきたので、
帰りはコヴェント・ガーデンにも寄り道。
セブンダイヤルズではピンクのド派手なトゥクトゥクが列を作って客待ち中。
町中を歩いていると「APT」を大音量で流しながら観光客を乗せている光景によく出くわしました。

ロイヤルオペラハウスの前を通って交通博物館へ。

グッズ売り場は博物館の入場者でなくても入れます。
入ってみると、入口近くにUNDERGROUNDデザインの室内ライトボックスが売られている!
欲しい!けど自分の部屋にはもったいない(似合わない)ので断念。

その他にも、売り場には地下鉄やオーバーグラウンドのシートと同じデザインの靴下やバッグ、マフラーなどのグッズが並んでいます。
時期によって品揃えも異なるけれど、今回はデザインの種類も商品の種類も豊富に在庫がありました!

個人的には地下鉄やバスのシートに馴染みがあるのでバスと同じ柄のニット帽を購入。
同僚のお土産にティータオルやポーチも購入しました。

お土産を入れる袋の代わりに薄手のトートバックも購入。
日常使いの持ち歩きショッピングバッグにも使えそうなカラフルなデザイン!気に入った!

その後はレスタースクエアや中華街周辺をさまよい歩く…
ちょうど春節の時期なので、お馴染みの赤い提灯が眩しいほどにこの一帯に飾られています。

ウォータールーに戻ると、ロンドンアイもライトアップされる時間に。

マジックアワーのウェストミンスターの眺めはいつ見ても美しいですね。

続く…