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【ネタバレ】ウーマンリブVol.11「僕の七人の恋人」

2008-11-24 | stage
興味のない方にはまったくどうでもいい話だと思うのですが。

浅草のイベントの取材で偶然会った会社のOGから
「大人計画好きだっけ?
 ウーマンリブのチケット余ってるんだけど、行かない?」
とのお誘いが。

行きますぜひ行きます行かせてください
ということで行ってきた。
宮藤官九郎作・演出の芝居です。

びっくりするほどくだらなかった。
ウーマンリブってこんなアホな舞台やってたんだ。
簡単に言うと、コントのオムニバスですな。

■■■
伊勢志摩(女優さんです)が、着物姿で数人の敵役と立ち回り。
斬られた役者が背中に書かれた数字を見せながら
「4!」と叫んで倒れる。
次の役者が「5!」「6!」と来て、
最後がジャジャーン、
「7!」
そして見栄を切った伊勢志摩が一言、

「CR、伊勢志摩!」

気づいたら彼女の後ろに7の文字がみっつ…。
そんなパチスロ台、レア過ぎるだろ。

それでさすがの伊勢志摩本人も疑問を感じ始める。
以下、心の声。
「CR 倖田來未…あるある。CR 伊勢志摩…。ないないない!」
「いせしまいせしま…はっ、岩下志麻? 
 これってホントは極妻なんじゃね?」

そして今度はブルース・リー的な黄色のつなぎを着させられる伊勢志摩。
おもむろに着替えながら、
「…これって(キル・ビルの)ユマ・サーマンじゃね?
 ユマ・サーマンと間違えてるよね?」

また確変リーチシーンを撮影する伊勢志摩。
つい気になったのか、キメポーズのセリフを間違えて言ってしまう。

「CR イセ・シーマン!」


…書いててなにが面白いのかわかんなくなってきた。
だいたいパチンコ台用に実写を撮影なんてあるのだろうか。
でも見てるときは、小刻みに笑って軽い酸欠になってた。


あと、杖をついた初老の男性が娘と旅館に宿泊するシーン。
部屋に案内した旅館の番頭さんが
「実は同じ階でアイドルのファンの集いがありまして…」
防音には注意しますと説明すると、
落ち着いた口調で「気にしませんよ」とほほ笑む男性。
でも、そのアイドル〝ズッキー〟が実はその男性だという…。

虹色のコスチュームとヅラを身にまとったその男性は、
往年のひろみやマッチを彷彿とさせる口調でファンに語りかける。

「17才でデビューしたぁ、ボク、ズッキーもぉ、今年で59!」


ズッキーは池田成志が演じてるんだけど、
歌がめちゃめちゃうまかった。アニソンの歌手みたいな。
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第1回したまちコメディ映画祭in台東

2008-11-24 | movie/試写会・映画祭など
いとうせいこうコメディ映画講義 マルクス・ブラザーズ特集
@東京国立博物館・平成館(2008年11月24日)

マルクス兄弟の「吾輩はカモである」と「ルームサービス」を上映。
「カモ~」上映後、ケラリーノ・サンドロヴィッチといとうせいこうの解説付き。
以下、講義の様子を簡単にまとめました。
ケラさんのコメントをメインに拾ってます。




ケラ  小学校時代には、マルクス兄弟の映画は見られなかった。
    中原弓彦(小林信彦)の「世界の喜劇人」や
    「マルクス兄弟のおかしな世界」を読んで知ることしかできなくて。
    (中原さんはチャップリンよりマルクス兄弟とキートンを評価していたので)
    好きだったチャップリンはそんなに悪いのか…と思ったりした。

    東武デパートの30人くらいしか入らない上映会で
    「マルクスの二挺拳銃」を見て、
    そのあと、歌舞伎町のアートビレッジで
    「オペラは踊る」と「吾輩はカモである」の同時上映があることを、
    当時、映画館にしか置いてなかったぴあで知って、
    前日から並んで待ってた。
いとう 俺はその上映で初めて見たわ、確か。
ケラ  並んだと言っても、ボクしかいなかったけど。
    前日は「鉄道員」を上映してたんだよ。
    てっきり並ぶもんだと思ってたら誰もいなくて。
    当日の始発で大学生がやっとひとりやってきて、仲よくなった。

    「オペラ~」を見にNYまで行こうと思っていたほどだったから、
    この上映会のおかげでパスポートを取らなくてすんだよね(笑)。
    ラジカセ持って行って録音した。他の観客もものすごくウケてたな。
いとう 映画泥棒じゃん! NO MORE映画泥棒!w
ケラ  途中でテープひっくり返したりしてw
    でもガチャガチャやっても分からないくらい、
    熱狂的なもりあがりだったんだよ。

    あの人たち、けっこう歳サバ読んでるんだよね。
    小林信彦さんの著書では、映画デビュー当時、
    チコが40過ぎてて、グルーチョが30代半ばでって書いてあるけど、
    実際はグルーチョも40歳超えてたらしい。
    「~カモである」のときなんてそこから4作後なわけだから…。

    その年齢で「~カモ」のミュージカル・シーンはすごいよね。
    いいかげんな振り付けで。
    「御冗談でショ」の時の…この邦題もどうかと思うけどw、
    「御冗談でショ」のミュージカルシーンも最初見たとき、衝撃的だった。

ケラ  68年の(学生運動が起こった)フランスでは暴動になるくらい
    マルクス兄弟が受けてたらしい。
いとう 時代がパンクになるたびにマルクス兄弟が受けるよね
ケラ  「カモ」ではチコもハーポも得意の楽器演奏を省略してる。
    排除してまで笑いを追求してるね。

いとう グルーチョがかぶったツボに書かれた顔、かわいいよね。キュートなんだよ
ケラ  ハーポあたりがキュートな雰囲気を持ってくる。
    自転車屋で(ハーポの持ってる)「ブーッ!」てラッパ(警笛)買っちゃったもん。
    ただ、鳴らしてみたくて。
    あと、チコみたいにピアノ弾こうとするとこのへん(指が)血だらけになるよ。
    小学校の音楽室でマネしようとして、先生に怒られたことあるw

ケラ  誰も知らないかもしれないけど、
    永田キングって芸人がグルーチョの扮装をしてたらしい。
    エンタツアチャコのエンタツとか…古川ロッパも好きなんじゃないかな。
    グルーチョはインテリ受けするよね。
いとう ベケットも「ゴドーを待ちながら」で帽子芸をやりたかったわけだしね

ケラ  「カモ~」のあとは、兄弟は恋人ふたりを支援する役回りになっていく。
    小林信彦さんじゃないけど、独自性という意味では、
    やっぱりパラマウントの5作品だね。
    最後の方は、チコのカードの負けを取り戻すために映画作ってたわけだしw

    実はマルクス兄弟の作品をまんま舞台でやる計画も、
    一応なくはないんだけど。
    これからやるような人は現れないだろうし、
    失敗してもいいからやってみるべきかもね。
いとう でも配役は難しいよー?
ケラ  マーガレット・デュモンの役は池谷のぶえにやってもらうつもりだけどw
    彼女しかいないと思う。それは本人にも言ってあるんだ。
    兄弟は、マーガレット・デュモンといると
    安心してアドリブやってる気がするよね。
    彼女は兄弟と舞台から一緒にやってたはず。

いとう ケラさんおすすめのマルクス映画は?
ケラ  「オペラは踊る」と「~二挺拳銃」は見やすいよね。
いとう 家が倒れちゃうのはなんだっけ?
ケラ  「マルクス捕物帖」。ハーポが家に寄りかかってて、手を離すと倒れる。
いとう そのシーンのために、家のハリボテ作ってるわけだよねw
ケラ  「おまえは家を支えてるつもりなのか」
    ってハーポが訊かれて、うなずくんだよねw
    MGM時代も豪華だよ。
    「オペラ~」の船上のシーンも、コメディとは思えないクオリティだもん。

いとう 不条理という言葉は、訳すとばかばかしいって意味になる。
    英米には不条理という中に、
    笑っちゃうような要素も入ってるんじゃないのかな


■ここで、ケラ監督作品「罪とか罰とか」の予告編を初公開。

 
いとう 兄弟最後の作品は「ラブ・ハッピー」になるわけですけど。
ケラ  兄弟というか、ハーポが主演の映画で。
    「ラブ・ハッピー」は8ミリフィルムで見ました。
いとう それは買ったの?
ケラ  輸入で買ったの。「~捕物帖」と「ラブ・ハッピー」は4万8千円で買った。
    親父の貯金、200万円おろして他のフィルムとまとめて買いました
いとう バカ息子だわw

ケラ  トリオのコメディ・チームって、映画では初めてだったんじゃない?
    3人だと、一回見ただけじゃよく分からない。
    4、5回見て発見することもある。
いとう 双方向なんだね。みんなでみないとわかんない

■ケラ演出の舞台「しとやかな獣」の話から、
 いとう氏が土曜日の小沢昭一氏のパフォーマンスについて語る。
 二曲披露するつもりが、20分歌い続けて止められなかったエピソード。

いとう 俺はもはや蛭子さんでさえ仕切れるからね!
    自信があったんだよ、仕切りは。
    でも、ものの2、3秒で小沢さんに(舞台から)追い返された。
ケラ  猛獣使いみたいだね。
いとう 猛獣ですよ、あれは!w
    でもね、結局、人間力が出ちゃうんじゃないかって思う。
    40、50過ぎてああいうことやってるって、説得力が違うよね。
    ただふざけただけじゃ説得力は出ないんだよ
ケラ  ブルータスでいとうさんが宮沢章夫さんと対談してたけど、
    「マルクスもモンティ・パイソンもすごい稽古を重ねてた」って。
    それを本番で崩すっていうのがスマートなんだね
いとう 三木のり平さんは、本番で、客には見えないのに
    鼻の穴に黒い糸貼って、息するたびにピロロロ~ってなびかせてたってw。
    共演する女優はたまったもんじゃないよ
ケラ  のり平さん、扉座の稽古場に訪問した時に、時計があるのを見て、
    「時計なんていらない」って言って取らせたんだって。
    神聖な場所には時計はいらない、って。退館時間とかあるのにね
いとう その一方で、鼻から糸出してんだよ?w
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