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「9から始まる奇妙な物語」第2シリーズ エピソード・リスト

2021-02-28 | TV/9から始まる奇妙な物語
「9から始まる奇妙な物語」見放題配信を記念して、第2シリーズのエピソード・リストも作りました。
このシリーズの放送当時は、第1シリーズにあったQ&A企画がなかったので、
当時ウェブ上で公開されていたコメンタリーや、記事から拾った裏話をご紹介します。
 
今回もおすすめ度合いに合わせて星をつけてみましたが、
このシリーズは第2話が飛び抜けていて、その他はおしなべて好き、って感じ… 
実際に見てお気に入りを見つけてくださいね!
 
Inside No 9 Series 2 Trailer BBC Two

 

第1話
「寝ていた男」"La Couchette" (26 March 2015) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) March 23, 2015

あらすじ:
フランスを走る寝台車の9号室。
静かに眠りたいイギリス人の医師マックスウェル(リース・シェアスミス)は、酔っ払ったドイツ人(スティーヴ・ペンバートン)や、
娘の結婚式に参列する夫婦レスとキャス(マーク・ベントン、ジュリー・ヘズモンドハルグ)が入ってくるたびに起こされてしまう。
やっと皆が寝静まった頃、バックパッカーのショーナ(ジェシカ・ガニング)が
行きずりで出会ったヒューゴ(ジャック・ホワイトホール)を部屋に連れ込んでくる。
2人が狭い寝台で事に及ぼうとした時、2段目のベッドから死体が転がり落ちてきて…
 
オススメ度:
 
ポイント:
スティーヴが寝台車でフランスを旅行した経験がきっかけで作られたエピソード。
第1シリーズの「かくれんぼ」以来の狭い環境での撮影で、寝台車の臭いがこちらまで漂ってきそう(笑)。
臭くて下品なシーンが苦手な人にはオススメ出来ないですね…
 
この回は内部の様々な角度からのショットが必要だったために、寝台横の壁を何度も取り外しながら撮影しています。
寝台車セットは実際に揺らされていたため、ジャック・ホワイトホールは撮影初日に酔って吐いてしまったそう。
リース&スティーヴはキャストを想定した「当て書き」をしませんが、
ジャックは執筆途中からヒューゴ役としてイメージされていたようです。
 
マックスウェル医師は元々はスティーヴが演じる予定でしたが、
レス役になるはずだったリースが演じたいと希望したため、彼に譲ったそう。
 

"ドクター・マックスウェル" reece shearsmith (@ReeceShearsmith) March 29, 2015


”(バネの上の)「寝台車」のセット” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 21, 2015

 

第2話
「幸せな人生」"The 12 Days of Christine" (2 April 2015) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 1, 2015

あらすじ:
クリスティーン(シェリダン・スミス)は新年パーティーでアダム(トム・ライリー)と出会う。
アダムとの交際、結婚、子供の誕生、そして別離…
平凡ながらささやかな幸せにも恵まれたクリスティーンの人生に、
時折不吉な、見知らぬ男が姿を現す…
 
オススメ度:
 
ポイント(ネタバレ含む):
ファンの評価が高い、初期の人気エピソードの一つ。
スティーヴのお気に入りでもあり、私も大好きな回です。
このエピソードのような描写や展開を見せる映画はありますが、
30分の間で無駄のない筋立てを見せるのは素晴らしい技術だと思います。
謎めいた男や投げつけられる卵、そして消防士、火花といったものが
彼女の記憶を引き出している描写も効果的。
 
リース&スティーヴは執筆段階で主役にシェリダン・スミスをイメージしていて、
彼らと("Benidorm"などで)共演経験があり、ファンでもある彼女は一緒に仕事が出来て嬉しかったと語っています。
トゥイッケナム・スタジオでは「寝ている男」と「幸せな人生」の2つのセットが組まれました。
シェリダンいわく、そこで作られた70年代風の「ファンキーな」アパートの内装は、
寝室も浴室も揃っていてそのまま引っ越し出来そうなほどだったそうです。


”見知らぬ人” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 10, 2015

第3話
「エリザベス・ガッジの魔女裁判」"The Trial of Elizabeth Gadge" (9 April 2015) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 9, 2015

あらすじ:
舞台は17世紀、リトルハプンズ村でエリザベス・ガッジ(ルース・シーン)が娘夫婦から魔女だと告発される。
判事のアンドリュー・パイク卿(デヴィッド・ワーナー)は
有名な魔女ハンターのウォーレン氏(シアースミス)とクラーク氏(ペンバートン)に
エリザベスの調査を依頼し、同時に魔女裁判を利用して村に注目を集めようとする。
 
オススメ度:
 
ポイント:
番組初の時代物。
今回アマプラで見直して、ぱっと見の印象とはずいぶん異なる
モンティ・パイソンのようなくだらなさに頭を抱えて笑ってしまいました。
 
魔女裁判をテーマに取り上げたのはリースで、2人は実際の裁判の資料を参考に脚本の執筆を進めていったようです。
「乳首」や「ミルク」に関するとてもくだらないと思えないセリフが、実は実在の裁判を忠実に表していたりするので、
現在の目線から見るといかに当時の魔女裁判がばかばかしいものであったのかがわかります。
 
エリザベスの娘婿役で出演しているジム・ハウィックはリース&スティーヴと
このエピソードも、"Horrible Historries"で使われているチルターン野外博物館で撮影されています。
娘夫婦の苗字ナッターは、ペンドルの魔女裁判で絞首刑となったアリス・ナッターにちなんだもの。
途中で傍聴人が外に出されたのは、エキストラ予算の制約のためだったとか。


”世紀の魔女裁判にお集まりください” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 8, 2015

 

第4話
「背筋の凍るホットライン」"Cold Comfort" (16 April 2015) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 11, 2015

あらすじ:
アンディ(スティーヴ)は話し相手を必要とする人のための「悩み相談ホットライン」で働き始める。
上司のジョージ(リース)や、話好きな同僚リズ(ジェーン・ホロックス)、
実際的なジョアン(ニッキー・アムカバード)に教わりながら電話対応に慣れていくアンディ。
そんな時、薬を過剰摂取した10代の女の子からの電話を受けて…
 
オススメ度:
 
ポイント:
第1シリーズで演出を務めたデヴィッド・カーが参加出来なかったため、
リース&スティーヴ自身が演出家デビューを果たしたエピソード。
4視点の防犯カメラの映像で構成され、2日半で撮影を終えています。
前述の通り、普段あまり「当て書き」をしない2人は、
この回に関しては、もともとはリースがアンディを、スティーヴがジョージを演じるのが
「納得の」キャスティングだと考えていましたが、
いつもと違った配役にするためにあえて逆にしたようです。
 
リズを演じたジェーン・ホロックスのセリフは、ほとんどがアドリブ。
新人が「ウッド・グリーンから送られてきた」というセリフは、
「リーグ・オブ・ジェントルマン」に登場するキャラ、ポーリーンが
舞台版ではウッド・グリーンの職業安定所の講師だったため、
元々は「ウッド・グリーンのポーリーンから」と言わせようとしていたらしい。
 
個人的にコールセンター勤務経験があるので、いろんな意味で怖いエピソードでした。
我慢できずにデスクの下でおしっこしたことはありません!


”ジョージとアンディはこのエピソードの演出家でもあります” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 20, 2015

 

第5話
「おばあちゃんの誕生日パーティー」"Nana's Party" (23 April 2015) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 20, 2015

あらすじ:
高級志向で潔癖気味のアンジェラ(クレア・スキナー)は
79歳の誕生日を迎えた母マギー(エルシー・ケリー)のためにパーティーを準備。
一方、夫のジム(スティーヴ)はイタズラ好きの義兄パット(リース)に日頃の仕返しをしようと
紙で出来たケーキの下に隠れ、驚かせようと企む。
アンジェラの姉でパットの妻のキャロル(ロレイン・アッシュボーン)はアルコール依存症。
何も知らずにマギーがパーティーを楽しむ中、アンジェラは姪のケイティー(イヴ・ゴードン)やジムに絡み始め…
 
オススメ度:
 
ポイント(ネタバレ含む):
こちらもリース&スティーブの共同演出回。
一番最初に書かれた脚本で、BBCのプロデューサーはシットコム・シリーズの第一話にふさわしいと考えていましたが、
2人はこの話をシリーズ化する気にはならず、保留に。
最終稿に至るまでは、小包にマギーが隠れている設定が、娘夫婦がケーキに隠れることになったり、
ケーキに誰も入っていないことがわかるエンディングからさらにシーンを追加したりと、いくつか変更があった模様。
 
うまくいかない家族のパーティーを描いた物語は、英国の芝居のプロットとしておなじみ。
スティーヴは劇作家のアラン・エイクボーンの影響を受けていると明かしていて、
執筆していたのも、リースがエイクボーンの舞台"Absent Friends"に出演していた頃だったとか。
(↑第1話「かくれんぼ」に出演しているキャサリン・パーキンソンと共演。)
 
私はやけを起こしたアンジェラが酒ではなくて本当に日焼け止めをガブ飲みしてるのかと思っていました。(笑)


”素晴らしい紹介文。(自分で言うのもなんだけど)これもいい話。スティーヴと僕がまた演出してる” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 18, 2015

第6話
「交霊会」"Séance Time" (29 April 2015) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 27, 2015

あらすじ:
姉の紹介で霊媒師のタルボット夫人(アリソン・ステッドマン)を訪れたティナ(ソフィー・マクシェラ)。
ヴィクトリア朝の屋敷の中でハイヴス(リース)に誘われ夫人と対面する。
降霊の儀式を始めると、テーブルの上のろうそくは激しく燃え、
引き出しが勝手に開閉し、人形の赤ん坊が泣き出して…
 
オススメ度:
 
ポイント(ネタバレ含む):
いやみな怒りんぼキャラが得意なリースの本領発揮回。
Séanceはフランス語で「交霊会」の意味。
タイトルは第3話に出演しているデヴィッド・ワーナーが、映画"From Beyond the Grave"で発したセリフから拝借。
ハイヴスと言う名前はローレル&ハーディの喜劇に使われた執事の名前から。
S1第6話「地獄降り」で使われたのと同じ、ハートフォードシャーにある屋敷アボッツ・ラングリーで撮影されています。
 
2番目に騙される男ピート(スティーヴ)がドワーフの男(ダン・スターキー)を殴るのは、
YouTubeにあった、仮装した人が飛び出し、騙す相手に殴られてしまうイタズラ動画に影響を受けています。
どんな結末にするかは執筆開始段階では分からず、決まるまでは15〜20の候補があったそう。
ちなみにリースと夫人役のアリソンは「ミス・マープル:無実はさいなむ」で共演しています。


”ハイヴスとメアリーはあなたを歓迎しています” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 27, 2015

 

第3シリーズ(日本未配信)のリストはこちら
リース&スティーヴの出世作「リーグ・オブ・ジェントルマン」についてはこちらをどうぞ。
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「9から始まる奇妙な物語」第1シリーズ エピソード・リスト【クリエイターによるQ&Aつき】

2021-02-25 | TV/9から始まる奇妙な物語
9から始まる奇妙な物語見放題配信を記念し、各回を振り返りながら、
放送当時にツイッター上で行われた、クリエイターのリース&スティーヴによるQ&Aの回答内容を紹介します。
おすすめ度合いに合わせて星をつけてみましたが、あくまで個人的な評価ですので、
みなさんもお気に入りの回を見つけてみてくださいね。
 
第1話
「かくれんぼ」Sardines (5 Feb 2014) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) January 29, 2014

あらすじ:
ジェレミー(ベン・ウィルボンド)との婚約パーティーを開いたレベッカ(キャサリン・パーキンソン)。
屋敷の中で子供の頃に遊んだ「イワシ」というかくれんぼに興じ、
クローゼットの中にいるジェレミーの同僚イアン(ティム・キー)を見つける。
レベッカの兄(スティーヴ・ペンバートン)や彼の恋人スチュワート(リース・シェアスミス)たちも
レベッカたちを見つけ、次々とクローゼットに加わっていくが、
見つける参加者が増えるほどに、窮屈になったクローゼットの中で彼らの隠された秘密が暴かれていく…
 
オススメ度:
 
ポイント:
気まずい雰囲気が漂う大人のかくれんぼと、その先にやってくるダークな結末。
"Macabreマスター"と呼ばれるリース&スティーヴの番組にふさわしい第一話です。
 
"Sardines"は創作ではなく、実際にあるかくれんぼの一つ。
まずはじめに一人が隠れて、他の参加者が探す。
見つけた人は、発見した場所で一緒に隠れなければならず、
隠れているグループを最後に見つけた人が次の潜伏者になる、と言うゲーム。
イワシの缶詰のように、誰かが隠れている場所を見つけるほどに狭くなっていくのが特徴。
 
すでに他のエピソードに着手していたリース&スティーヴは
シリーズの「人が空間に閉じ込められる」一貫したテーマを元に、
自分たちの執筆部屋にあるタンスに目をつけ、
「なぜタンスに人が閉じ込められているのか?」をまず考えたそうです。
 
ちなみに、ジェラルディンが歌う"Why am I always the bridesmaid"は、
1930年の、ヒッチコックが共同監督で参加している英国映画"Elstree Calling"の中の歌
父のアンドリューが歌うイワシの詩は、スパイク・ミリガンの"A Baby Sardine"。
 
イアンがつぶやく「ターディス」はもちろんSFシリーズ「ドクター・フー」の宇宙船ですが、
ジェラルディンが叫ぶ「ジェロニモ!」も11代目ドクターの決め?セリフの一つ。
 
アンドリューを演じるティモシー・ウェストは
この番組がオマージュを捧げている「予期せぬ出来事」にも出演しています。
 
第2話
「ある静かな夜に」- A Quiet Night In (12 Feb 2014) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) February 12, 2014

あらすじ:
ある絵画を盗むために豪邸に侵入したドジな泥棒コンビ、エディ(スティーヴ)とレイ(リース)。
2人が絵画を回収しようと奮闘する一方で、
家主ジェラルド(デニス・ローソン)と妻サブリナ(ウーナ・チャップリン)は口論に。
夫婦や家政婦や犬(!)の目をくぐりながら、エディとレイは絵画を盗むことが出来るのか?

オススメ度:

ポイント:
ほとんどセリフのないスラップスティック・コメディ。

リースとスティーヴの息のあった演技が楽しいエピソードです。

第1シリーズの中でも特に評価&人気の高いエピソードで、
放送後にカナダのBANFF World Media Awardsを受賞しています。
(これが番組としての最初の受賞作だったはず。)

無声のエピソードは、以前彼らの手がけたTVシリーズ"Psychoville"の時に構想していて、
当時は使いたいギャグが多かったために断念したそう。

サブリナが見ているテレビ番組は、長寿ソープオペラ「イーストエンダーズ」。
夫がクラシック聞いてる横で、妻が「渡る世間」見ようとしてる感覚でしょうか。ちょっと古いか。


https://x.com/ReeceShearsmith/status/985900752248999939

Q&Aネタ:

スティーヴによると、冒頭でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が使われた理由は
 「iTuneに入っている曲の中で、一番演奏時間が長い曲だったから」

セリフを使わない回にサイレント喜劇王チャーリー・チャップリンの孫である
 ウーナ・チャップリンが起用されたのは意図したわけではなく
 「この役にあってると思ったし、実際あっていたから」とスティーヴ

 
第3話
「招かねざる客」- Tom & Gerri (19 Feb 2014) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) February 13, 2014

あらすじ:
作家志望の小学校教師トム(リース)の元に、
ホームレスのミグ(スティーヴ)が落とした財布を届けにくる。
嫌々ながらもミグを部屋に招き入れるトム。
その日から、彼の人生と恋人のジェリー(ジェマ・アータートン)との関係が崩壊し始める。 

オススメ度:

ポイント:
もともとはリースとスティーヴが無職で同居していた時に芝居の脚本として書かれた話で、
求職者が経験する人生のエネルギーの消耗をトムに投影させている。
トムを演じるリースの、ホームレスを軽蔑する演技が巧み!

アマプラの日本語字幕には出てきませんが、
「オリーが芝居のタイトルを変えた」というジェリーのセリフがあります。
これは「リーグ・オブ・ジェントルマン」でリースが演じた劇団主宰者のオリーのこと。
こういう過去作の小ネタもたまに出てくるのが嬉しい。


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) February 19, 2014


"忘れないように。可哀想なトムとミグ" reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 18, 2015

Q&Aネタ:

リースいわく、髭のつけ心地は「最悪」。

冒頭のミグの絵はリース自身が描いている。

ホームレスの名前は、自分をミグと呼ぶリース&スティーヴの知り合いから取っている。(本名はマルコム)

リース「(ミグは幻想なの?の質問に)現実だ。湯船の中にいるのを見られてた。わかりやすいだろ?」

ドアの横の鏡にトムの姿が映る演出は、1970年代にITVで放送されたアンソロジー・シリーズ"Thriller"への目配せでは?
 という視聴者の意見に、プロデューサーのアダム・タンディーは「撮影中にも言われました」。
 一方、演出家のデヴィッド・カーは映画「召使」(1963)への目配せだと回答。


 

第4話
「最後の息」- Last Gasp (26 Feb 2014) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) February 26, 2014

あらすじ:
ポップスターのフランキー・J・パーソンズがアシスタント(アダム・ディーコン)と
WishmakerUK代表のサリー(タムシン・グレイグ)を連れて病気の少女タムシンのお見舞いにやってくる。
憧れのスターを目の前に舞いあがる母のジャン(ソフィー・トンプソン)。
ところが、タムシンのために風船を膨らましていたフランキーは突然倒れてしまう。
父のグレアム(スティーブ)は死んだフランキーの最後の息が入った風船が高値で売れると気づき、
風船の争奪戦が勃発する。
 
オススメ度:
 
ポイント:
現在(S5まで)の所、リースが出演していない唯一のエピソード。
「風船に入った有名人の息」のアイディアは、スティーヴが子供向け番組"Multi-Coloured Swap Shop"で見た、
空の瓶にいろいろな場所の空気を入れて集めている女性と、
マイケル・ジャクソンやエイミー・ワインハウスのような
亡くなった著名人に関わる記念品収集が結びついて出来上がったそう。
ちなみにスティーヴとソフィー・トンプソンは舞台"She Stoops to Conquer"でも夫婦役で共演。
 
 
第5話
「微笑む悪党」- The Understudy (5 Mar 2014) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) February 27, 2014

あらすじ:
シェイクスピアの「マクベス」に主演する売れっ子俳優トニー(スティーヴ)。
ところが、酒の飲み過ぎで舞台から転落してしまう。
婚約者のローラ(リンジー・マーシャル)に励まされながら
代役として控えていたジム(リース)にその大役が廻ってくる。

 オススメ度:

ポイント(ネタバレ含む):
劇中で演じられている「マクベス」になぞられて、
5幕構成になっています。
この回の巧妙なところはジムと視聴者に、物語が「マクベス」と同じ道を辿ると思わせるところ。
最後に謙虚だったジムが野心家で策略家の「リチャード3世」を演じているのが興味深いです。

他のエピソードが家を舞台にしているのと異なり、これは劇場の楽屋の出来事。
舞台設定に悩んで一番執筆に時間がかかったという回。


https://x.com/ReeceShearsmith/status/990572584004669440

Q&Aネタ:

放送当時「リーグ・オブ・ジェントルマン」の仲間であるマーク・ゲイティスが
 劇中でトニーが言及するドンマー・ウェアハウスでシェイクスピア悲劇「コリオレイナス」に出演し、
 ジムが撮影していると話すドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」にも出演していたため、
 マークへの冷やかしかと思われましたが、「何ヶ月も前に撮影してる」ので深い意味はないそう。本当かな?(笑)。

スティーヴ?は2回「マクベス」に出演経験があるとか。
 ただしどちらも酷い公演だったらしく、
ジェイミー・ロイドのマクベスがよかったと付け加えています。

 
第6話
「地獄降り」- The Harrowing (12 Mar 2014) 


reece shearsmith (@ReeceShearsmith) March 12, 2014

あらすじ:
ゴシック様式の邸宅にやってきたケイティは、
家主のヘクター(リース)とタバサ(ヘレン・マッコリー)が外出するため、
障害を持つ彼らの兄アンドラスの邪魔せずに留守番をするよう頼まれる。
家は恐ろしい絵画が飾られ、アンドラスのために温度が氷点下3度になるよう設定されていた…。

オススメ度:

ポイント:
現在の所、スティーヴが出演していない唯一のエピソード。
古典ホラー好きのリース&スティーヴの趣味全開。
気味の悪い話ではありますが、ヘクターとタバサの怪しさが可笑しい(笑)。

この回のポスターを手がけたのは「死霊のはらわた」などのポスターデザインで知られるグラハム・ハンフリーズ。
彼は他のエピソードのポスターやリーグ・オブ・ジェントルマンのレコード・ジャケットも描いています。

【その他のQ&Aネタ】

この記事で取り上げたQ&Aは第5話「微笑む悪党」の放送後に行われました。
(そのため「地獄降り」についての質問は出てきていません。)

ブログの文字制限のため、見出しのように短くなってしまいましたが、
最後にシリーズ全体についての回答をご紹介します。

第2シリーズについてはQ&Aが行われた時点で決定済
 「今夏(2014)に書き始めて今年撮影出来たらいい」

どちらがどの役を演じるのかについては
 「分担してバラエティに富んだものにしようと心がけている。プラス、僕(スティーヴ)はいつも年上でないといけない」

タイトルに9を選んだのは「韻を踏んでいる」から。

執筆はお互いに影響を与えあっている

シリーズの前からあったアイデアを使った回は2つ(「ある静かな夜に」と「招かねざる客」?)

このシリーズより"Psychoville"の第1話を書く方が難しかった

馬鹿げた登場人物にならないようにするのは「いい演技」

撮影は1話ごとに一週間。シリーズ全体の執筆&書き直しに6ヶ月かかる

お互いにけしかけあって作っている

自分たちでキャスティングもする

マスウェル・ヒルにあるオフィスで毎日執筆して、同じカフェで一緒にランチを取っている

DVDにコメンタリーは入っていません…

リースとスティーヴは演出にも関わったが演出家も尊重

あくまで台本にこだわる。成り行き任せにはしない

 

続いて、第2シリーズのリストはこちら
リース&スティーヴのTVデビュー作「リーグ・オブ・ジェントルマン」については
こちらをご覧ください。

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「9から始まる奇妙な物語」 Amazonプライムビデオで見放題始まった!

2021-02-21 | TV/9から始まる奇妙な物語

我らがリース&スティーヴのオムニバス・ドラマ"Inside No.9"
「9から始まる奇妙な物語」の邦題でいつの間にかAmazonプライムビデオで配信されていることに気づきました!
どうも昨年の11月からレンタルは始まっていたらしい。知らなかったー!!

9から始まる奇妙な物語(字幕版)

この日を待って約8年。配信されるなんて期待は微塵もありませんでしたよ。
プライム会員やめる前でよかったー。

(2020年3月25追記)
huluでも配信始まりました!
https://www.hulu.jp/inside-no-9

 

それで、取り急ぎ布教用シートを作成しました
思いついたまま重要どころを盛り込んだので、うまく説明できてないところがあるかもしれませんが、
とりあえずプロトタイプということで。
布教は苦手だけど、うまく伝わるといいなー。

最近だと「ブラック・ミラー」に似ているとも言われますが、
リースは比べられるのが相当嫌そうなので、ファンの間では禁句です!
(ハロウィーン特番でも「ブラック・ミラーとは違うんです」ってセリフにまで入れてたし)

"Inside No.9"は毎回異なるゲストが出演していますが、
リースとスティーヴは今まで出演したことがない役者を起用する決まりを立てているんです。

個人的に初めて見た時に「うまい!さすが!」と思った3本です。
"The 12 Days of Christine"はしばらくの間ベストエピソードだったけれど、
S3の"The Riddle of the Sphinx"や、S4の"Zanzibar""Bernie Clifton's Dressing Room"
ハロウィーン特番の"Dead Line"、S5の"Misdirection"と出てきて、
最近は「うわー!もうベスト1なんて選べない!」となってます。
シリーズを重ねるほどにどんどん面白くなっていくんですよね!

ちなみにS3の"The Riddle of the Sphinx"はスティーヴが得意なクロスワード、
S5の"Misdirection"はリースが得意なマジックを主題にしています。

S4までの私のベストエピソード10本はこれでした。順不同。

探したけど見つからない!という方はリンクから答え合わせをどうぞ。

OGPイメージ

Find the Inside No. 9 hare - British Comedy Guide

Every episode of Inside No. 9 features a common prop. Can you find all...

British Comedy Guide

 

ちなみに野ウサギの像は£44くらいします。いつか余裕がある時に買いたい。

リーグ・オブ・ジェントルマンの詳細は過去記事
「【今熱く語りたい】リーグ・オブ・ジェントルマン(The League of Gentlemen)とは何ぞや!【長文注意】」
をご覧ください。

「マークからメッセージ来てる」というセリフはハロウィーン特番"Dead Line"から。
リーグ・オブ・ジェントルマンのライヴ・ツアー中に、
他のメンバーには特番(ネタバレ禁止の生放送)の内容を話していたらしいですよ。

マークが製作総指揮を務めるNetflixの「ドラキュラ伯爵」には
船の客室に9号室が出てきたり、マーク演じるレンフィールドが、
スティーヴが作ったクロスワードを車の中で解いているシーンがあります。

BBCでの今後の"Inside No.9"の放送ですが、
現在のところ第6・7シリーズまで製作が決まっていて、
今年2021年放送予定の第6シリーズは、すでにキャストが発表されています。(2021年2月現在)

 

というわけで、
留学で2年くらいInside No.9関連の更新が滞っていたので、
これを期に少しずつ新しい情報を投稿していこうと思います。
2年の間の

留学中もInside No.9のプレビュー上映やトーク・イベントに行ったり、
BAFTAのレッドカーペットを覗きに行ったり、リースと写真撮ってもらったり、
いろいろファン活動をしていたので(笑)、
留学日記とは分けて、詳しくこちらのブログにも記録を残していきたいです。

といいながらも、リンクの留学生活ブログの方もよろしくお願いします。
TLoGやInside No.9についても度々言及しています。

OGPイメージ

ミウモのロンドン留学体験記

2018年9月からUK渡航。チャレンジに遅すぎるなんてことはない!がモットーの女30代による留学準備&体験記

ミウモのロンドン留学体験記

 

 

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