ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅           逮捕・・・・・12            

2012-11-21 | 1部1章 逮捕
  

金網と鉄格子に囲まれた狭いバスの中、ひしめき合う犯罪者達はバスの発進とブレーキを利用して其々の数cmの自由なスペースを奪い合った。街の明かりが途切れ暗い闇をバスは突っ走る。対向車のヘッドライトが荒涼と乾燥した大地のショートカットを捕える。黒く深い前方に小さな灯りが見え隠れした。薄闇の中、家並みらしいものが近づいて来る。スピードを落し進むバスの先にぼんやりとした明かりが横から道路に延びていた。右折したバスの前方に左右上方からサーチライトに照らされた巨大な砦の赤黒い鉄扉がゆっくりと浮かび上がった。これがデリー中央第1刑務所のメインゲートだ。バスのヘッドライトがカーキ色の服を着、銃を肩に掛け配置についた数名の警備隊員を捕らえた。バスはUターンしバックでメインゲートの潜り扉に着けられバスの後部ドアーの鍵が開けられた。後部ドアーのその後ろに警備員室があり、左右1名銃を持った警備員がいた。そこを通りバスから降り外ゲートの潜り扉から中に入った。センターゲートは外と内の巨大な鉄扉によって閉ざされているがゲート内はかなり広い。中に入ると何故だか間を置いて前と後ろのグループに分かれていた。前のグループは5名ずつが立ち上がりカーキ服によるボディーチェックを受けていた。それが済むと収監者達は内ゲートの潜り扉から暗い刑務所内に消えていった。残された20名程の者は本人の確認が行われ、それが終るとカーキ服に連れられ仮監房のワード・ゲート内に入れられた。山積みされた毛布を引き摺り勝手に監房内に入り寝床を作った。カーキ服が内房の収監者の頭数をチェックし外房の扉に鍵を掛けた。サンダルは枕代りに二つ折りした毛布の下に入れその上に横になった。裸電球がひとつ、高い天井には大きな扇風機が一定の速さで回っていた。私服が執務室でやらせてくれたスタッフの最後の余韻が残ってはいたが確実に襲って来るであろう禁断症状を思うと息苦しさに囚われた。それから逃れる術はない。叫び出したいような、こみ上げてくる不安を圧し潰し壁に向かって寝返りをうった。連続した不安に疲労が積み重なっていたが今それらから解放された一時的な安堵感にまどろんだ。


画像ファイルの整理はなんとなく終わった。使いかってに慣れないがなんとかなるだろう。
わずかに残っているフロッピーの拡張子jtd・wordはJustビューアをインストールしたことで
読める それをコピーしワードパットに張り付けると編集が可能になった。
ないものはない あるものだけでやっていく

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