ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅         マリー・・・・・19

2012-02-02 | 2部1章 マリー
スリランカ どこだか忘れた 

 ぼくはマリーのアパートから出る事を考え始めた。ドラッグの売人達がリリースされ動いている、彼等から情報を得てもう安全だと判断したのだろう、フレッドと二ナは隠れ家を出てピクニックG・Hに戻っていた。フレッドからスタッフ10gを買った。キックは少し弱いが味が柔らかい、フィリップスの苦味のあるスタッフで胃を悪くしていたぼくにとってちょうど良いスタッフだった。
「トミー、パスポートがなくても良いのよ、ここに来ない、部屋も空いてるし、マダムには話をしておくから」
「良いね、二ナと一緒だったら楽しそうだ、ちょっとマリーとも相談してみないと」
「何故、マリーに話す必要があるの、あの女の目的はトミーのお金だよ、お金しか頭にない女なの」
マリーと二ナの仲は良くない、ぼくがピクニックG・Hに行くと言うとマリーは知らん顔、一緒に行く事はなかった。
 アパートに戻ってぼくは二ナの話しを考えてみた。このアパートを出てパスポートを持たないぼくを泊めてくれるホテルがあるだろうか?探せばあるかもしれない、少しバクシシをすれば可能性はある、インドの事だから。二ナのピクニックG・Hは考えてみれば非常に危険だ、いつポリの手入れがあるか分からない。
塀の外にいる今、スタッフを所持している事に対して刑務所内にいた時のような緊張感を持っていない、手入れを喰らったら一発でアウトだ。
「もう一度この様な事態になったら、大使館は一切援助をする事は出来ない」
心に滲みる大使館の有り難い言葉だ。

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