ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅          No5 Ward・・・・・37

2015-06-01 | 4章 デリー中央第一刑務所No5Ward

「暫らくシルバーペーパーの心配はないな」
「そうだな、かなり集めたからな」
「リリースされたら日本へ帰るのか」
「一度、帰るだろう、母が心配しているから。でも直ぐカトマンズに戻って来るよ。学校へ行きながら土産物屋をやるつもりだから」
「その時は連絡をくれよ、俺もカトマンズへ行く」
「あぁ、待ってる、お前がベスト・スタッフを持って来るのを」
「当然だろう」とダイク。
そして右手の親指に力を入れて、ぐぅと立て笑いながらぼくの肩を叩いた。
 3房に戻るとオマールは横になっていた。またお腹でも悪いのかと聞くと突然、起き上がって一気に喋りだした。6房でムサカ達とトランプ・ゲームをして遊んでいた。ゲームに負けた者が入れ替わる、それを何度かやった後ちょうど負けたのでここに戻って横になっていた。何気なくお金を入れたポケットに手を当てると膨らみがない。起き上がって毛布の間、ズボンの中を調べたがお金はなかった。6房でゲームをやっている間にポケットから落ちたのだろう誰かが持っているかもしれない、急いで6房へ戻ってみるともう誰も居なかった。グランドに行ってムサカ達に聞いたが誰も知らないと言う、落としたのは6房しかない。
「奴らが俺のお金を山分けしたんだ、ちきしょう」
とオマール。落とした奴が悪いとはオマールが可哀相で言えなかった。1000ルピーくらい貯めていたらしい。隠しても盗まれる刑務所の中だ。ビリの商売をやるかと聞くと、今はやりたくないと、奴はかなり落ち込んでいた。

このPCでの更新は最後だろう 疲れた 週末 買い換えるつもりだ どうなるか???

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジャンキーの旅      ... | トップ | 故障 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

4章 デリー中央第一刑務所No5Ward」カテゴリの最新記事